~2017年 都道府県別の中高生自転車通学時の事故件数ランキ...

~2017年 都道府県別の 中高生自転車通学時の事故件数ランキング~ 中高生の自転車事故は約7割の都道府県で前年比増。 発生した自転車事故のうち約2割が“加害者”になっていた!

年1回の整備点検の実施と、購入時に安全な自転車の目印「BAAマーク」を確認。

自転車の安全利用促進委員会では、新生活シーズンに合わせ、全国都道府県別の中学生・高校生通学時における自転車事故発生件数について調査いたしましたので、ご報告いたします。

今回の調査は、公益財団法人交通事故総合分析センターITARDAから提供を受けた2017年(1月~12月)の事故データを当委員会メンバーでもある公益財団法人自転車駐車場整備センター自転車総合研究所 所長 古倉宗治氏が調査・分析いたしました。


2017年 通学時の1万人当たり事故件数ランキング


都道府県別の人口1万人当たりの通学時の自転車事故発生件数は、中学生は佐賀県、群馬県、香川県が、高校生は群馬県、静岡県、山梨県がワースト3県という結果となりました。当委員会が本調査を開始した2016年(2014年分)から中高生ともに3年連続ワースト1だった群馬県が、中学生においては2位となるなどランキングに変動がありました。


また昨今では、自転車側が加害者になる死亡事故が多く発生しています。今回の調査で、中高生の通学時に発生した事故のうち、約2割は自転車が加害者*になっていることが判りました。

*自転車が第1当事者(1当)の事故=自転車側が加害者の事故と定義した場合。第1当事者とは、事故当事者の中で一番過失が重い方を指す。


自転車は移動手段としてとても手軽で便利な乗りものですが、自動車と同じ“車両”です。学校や保護者は、生徒が車両に乗っているという意識をしっかりと持てるように、ルール・マナーの順守はもちろんのこと、“自転車の選び方”も併せて指導していく必要があります。自転車購入時には安全基準を満たした自転車に貼付されている「BAAマーク」を目印にし、購入後も定期メンテナンスを欠かさないことが重要です。


当委員会は、自転車に関する調査等による注意喚起を行っていくほか、全国の教育委員会や学校と連携した交通安全教室などを通して、皆様に安全安心で楽しい自転車生活を送っていただくための啓発活動を行ってまいります。



◆調査トピックス

【2017年都道府県別事故件数ランキング 事故増加・減少の特徴は?】

●約7割の都道府県で1万人当たりの事故件数が前年比増。

●中学生の1万人当たりの事故件数ワースト1位 佐賀県、2位 群馬県、3位 香川県

●高校生の1万人当たりの事故件数ワースト1位 群馬県、2位 静岡県、3位 山梨県


【発生した中高生の自転車事故のうち約2割が加害者に!事故を防止するためのポイントは?】

●自転車側が加害者になった事故は中学生:457件、高校生1,646件。

発生した自転車事故の約2割が自転車側の加害事故。

●加害者の割合(1当割合)ワースト1位は、中学生:新潟県、高校生:兵庫県

●整備不良が加害事故の原因になることも。安全基準を満たしたBAAマーク貼付自転車の購入を!



◆調査の詳細

【2017年都道府県別通学時の自転車事故件数ランキング 事故増加・減少の特徴は?】

●約7割の都道府県で1万人当たりの事故件数が前年比増。

●中学生の1万人あたりの事故件数ワースト1位 佐賀県、2位 群馬県、3位 香川県

●高校生の1万人あたりの事故件数ワースト1位 群馬県、2位 静岡県、3位 山梨県


全国の中高生の自転車事故の状況を調べるため、都道府県別に事故件数ランキングと1万人当たりの事故件数ランキングを作成しました。自転車事故の総件数は全体的に減少傾向にありますが、中高生の通学時の事故件数は前年と比較して中学生・高校生ともに増加しています。高校生の自転車事故件数がワースト1である静岡県を例にみると、1日当たり約4件の自転車事故が起こっていることになります。(通学時=登校日を年間200日として計算した場合)


また、都道府県別データを分析してみると、中高生ともに約7割の都道府県で、前年と比較して1万人あたりの通学時事故件数が増加していることが判りました。事故件数が前年の約2倍となっている鹿児島県などの都道府県もあり、学校や家庭などでの自転車通学指導は喫緊の課題だと言えます。


自転車は自動車と同じ“車両”ですが、自転車免許制度の導入や体系的な安全教育がなされていないため、ルール・マナーを知らないまま自転車を利用している中高生も多いと思われます。当調査・分析により都道府県別の事故件数を俯瞰的にご確認いただくことで、全国の安全に対する対策と意識啓発の向上に寄与できればと考えています。


<通学時の1万人当たり事故件数・対前年増減率ランキング>

https://www.atpress.ne.jp/releases/178845/img_178845_2.png

<2017年 通学時の1万人当たり事故件数ランキング>

https://www.atpress.ne.jp/releases/178845/img_178845_1.png

<2017年 通学時の事故件数ランキング>

https://www.atpress.ne.jp/releases/178845/img_178845_3.png



◆以下 古倉氏による解説

当委員会メンバーの古倉宗治氏は本調査の結果から、特徴のある都道府県や推測される原因、対応状況などを以下のように解説しています。


<解説> 古倉 宗治(こくら・むねはる)

https://www.atpress.ne.jp/releases/178845/img_178845_5.jpg

公益財団法人自転車駐車場整備センター自転車総合研究所 所長

東京大学法学部卒業。建設省、東京工業大学助教授、(財)民間都市開発推進機構都市研究センター、(財)土地総合研究所、(株)三井住友トラスト基礎研究所等を経て2018年から現職。自転車施策の第一人者として、講演会の他、NPO法人自転車政策・計画推進機構を主宰、また、大学で教鞭を取るなど活躍中。博士(工学)。



◆全体の自転車事故は減少傾向にある中で、中高生の自転車事故が全国的に増加

全国的に見ると、自転車事故の総件数は減少傾向にあり、さらに少子化の影響により中高生の人数は減少しています。このような状況下で、通学時の自転車事故件数は、全国計で中学生・高校生ともに1万人当たり及び実際の件数の両面で増加しています。このような増加傾向を背景に、約7割の都道府県で中高生とも1万人当たりの自転車事故件数が増加していることが判りました。この結果を重く受け止め、全国で中高生の自転車事故の対策に重点的に取り組む必要性が高まっています。


◆都道府県別ランキング分析 ~中学生ワースト1位が調査開始後初の変動~

都道府県別ワーストランキングを見ると、中学生の通学時1万人当たりの事故件数については、群馬県は2016年(27.60件)から2017年(26.05件)に減少し2位となり、これに対して佐賀県が2016年(15.84件)から2017年(28.41件)に大幅に増加し(対前年増減率79.4%)、3位から1位となりました。高校生の通学時1万人当たりの事故件数については、群馬県が1位、静岡県が2位と昨年と同じですが、昨年8位だった山梨県が3位に、昨年7位だった佐賀県が4位に上がってきています。


佐賀県は中学生で1位、高校生は4位と、ともにランキングが上昇している原因について推察してみると、佐賀県の中高生の事故件数は、2014年から2016年まで減少傾向にありましたが、今回2017年では1万人当たりおよび実際の件数の両面で増加し、特に中学生は大幅な増加です。佐賀県は、人口10万人当たりの交通事故が静岡県に次いで全国2位であり、交通事故が全国からみても多い地域であることから、自転車事故も全国9位(全年齢層1万人当たり9.2人)と比較的多い現状にあります。また、2010年の国勢調査では自転車のみを使用して通勤・通学している割合が、10.08%であり、自転車事故の多い群馬県の8.95%よりも高かったため、より高い割合で自転車が利用されていることが背景にあり、さらに2017年の冬季の路面凍結等も影響していると考えられます。



◆約7割の都道府県で自転車事故増加。事故件数が多くなくても事故が増加する可能性がある。

前述のとおり、1万人当たりの事故件数の対前年増減率は、中高生のいずれも約7割という多くの都道府県で増加しています。中学生では、鹿児島県や山口県が約2倍前後、高校生では、鳥取県や福井県が約1.8倍前後の高い増加です。各県ごとに状況は異なると思われますが、その原因を十分に分析し、早急に今後増加を防ぐための的確な対応や安全啓発が求められます。また、全国的にみると中学生の自転車事故増加率が顕著であることに注目する必要があります。中学生の自転車通学は、高校生と比較して人数も少なく、距離も短いと推測されますが、このようななかで増加が著しいことは、中学生の自転車安全対策がより重要性を増していることを物語っています。

ここで注目すべきは、一部の都道府県を除いて1万人当たりの事故件数が比較的あまり高くないところでも、自転車事故が増加する可能性があるということです。自転車事故件数の少ないところであったとしても、このような増加率の兆候をしっかりと受けとめ、迅速な啓発や通学路の整備など、ソフトとハードの両面からの対策を検討することが必要です。



◆自転車事故を減らしていくために

自転車のルール・マナーの教育啓発はもちろん、ルールを知っていても守らない人が増加している今日、ルールの根拠や事故の発生場所・形態などを分かりやすく伝えるという基本的な取り組みをしっかりと実行していく必要があります。これは、行政のみならず現場の中学校や高等学校でも実施するべきと言えるでしょう。

また、事故が少ないからといって安心せず、長期的に総合的な自転車安全対策を進める必要があります。自転車事故対策というとルール・マナーに関しての教育など、ソフト面に重きを置く場合が多いと思われますが、自転車通学路における危険箇所の安全の再確認はもとより、これに基づいた道路の安全面での改良、自転車走行空間の確保、注意看板の設置などのハード面の整備も併せて考えなければなりません。また、自転車も自動車と同じ車両であると認識すれば、自転車の車体自体の安全対策も必須であることが理解できると思います。安全基準を満たした「BAAマーク」が付いた自転車を利用することや、日頃の整備・点検を推進するなど、ソフト・ハード両面からの総合的な対策が望まれます。



【発生した中高生の自転車事故のうち約2割が加害者に!事故を防止するためのポイントは?】

●自転車側が加害者になった事故は中学生:457件、高校生1,646件。発生した自転車事故の約2割が自転車側の加害事故。

●加害者の割合(1当割合)ワースト1位は、中学生:新潟県(60.0%)、高校生:兵庫県(39.4%)

●整備不良が加害事故の原因になることも。安全基準を満たした『BAAマーク』貼付自転車の購入を!



続いて自転車通学中の中高生が加害者になった場合*の事故について調査したところ、通学時の事故全体の約2割が自転車側の加害事故であることが判りました。中学生では457件、高校生では1,646件が自転車側の加害事故となっており、特に中学生は加害者割合が高くなっています。都道府県別に見ると自転車側の加害事故が最も多い都道府県は、中学生は新潟県、高校生は兵庫県で、兵庫県を例に見ると、自転車が加害者となった通学時の高校生の事故は207件起こっており、平均すると1日に1件以上起きている計算になります。


*通学時=登校日を年間200日として計算した場合。

*自転車が第1当事者(1当)の事故=自転車側が加害者の事故 と定義した場合。第1当事者とは、事故当事者の中で一番過失が重い人を指す。


<2017年 通学中の自転車事故の1当割合ランキング>

https://www.atpress.ne.jp/releases/178845/img_178845_4.png



◆以下 古倉氏による注意点コメント

本調査の結果について、古倉氏は自転車側が加害者になるのを防ぐための注意点を以下のようにコメントしています。


中高生が加害者となっている割合は、全国的に見ると、中学生21.6%、高校生19.0%であり、全年齢の16.4%に比べて高くなっています。特に中学生の方が高くなっており、自転車のルール・マナーに関しての知識が未熟であること、自転車運転の経験の不足等が原因になっていると思われます。加害者にならないための注意点を以下にまとめました。


◆加害者にならないための注意点

(1)“車両”としての意識をしっかりと持って運転する

“自転車=車両”ということを意識することでルール遵守に対する自覚と責任感がしっかり根付きます。自転車は車道が原則・歩道は例外、自転車は車道の左側通行などの自転車安全利用五則の周知徹底や遵守を行うことにより、歩道での事故の加害者側となることがなくなり、かつ車道通行の割合が高い人の方が一般的にルール遵守の傾向が高いことがアンケート調査*でも明らかです。*奈良中心市街地自転車ネットワーク計画検討委員会アンケート調査結果より(2013年12月実施)


(2)安全基準を満たした『BAAマーク』貼付の自転車を利用する

昨今は、インターネットでも手軽に自転車が買える時代です。新品であっても、安全基準を満たしていない自転車が売られている場合がありますので、自転車購入の際には、90項目以上の安全基準をクリアした自転車に貼られる『BAAマーク』を目印にするとよいでしょう。


(3)しっかりと整備点検する

自転車側が加害者になる事故の中には、前照灯不良やブレーキ不良がひとつの原因になっている場合もあります。自分の自転車はきちんと止まれるか、ライトはきちんと点くかなど、車両自体の安全性を日々きちんと点検する必要があります。2015年に実施した調査*では、点検した自転車約2900台のうち、整備不良車が66%もあったとの報告もあります。*神奈川県自転車商組合茅ケ崎・寒川支部 6箇所での点検実施の結果より(2015年実施)


(4)自転車保険に加入する

万が一加害者となってしまった場合にも十分な補償ができるように、自転車の保険加入を義務付ける条例を制定する自治体も増えてきました。自転車利用に対する責任を利用者自ら果たせるよう、自転車の保険には積極的に加入しましょう。



【参考】

●国も認めた安全・安心な自転車の目印、『BAAマーク』とは?

上述のとおり、安全安心で快適な自転車利用のためにまず重要なのは、車体そのものの安全性です。BAAマークは、一般社団法人自転車協会が制定し、同協会が定める自転車安全基準に適合した自転車の『立てパイプ(サドル下のパイプ)』に貼られています。『BAAマーク』の自転車安全基準には全部で90項目以上の検査項目があり、ブレーキ制動性能、フレーム・駆動部の強度、ライトの光度、リフレクターの反射性能などに合格する必要があります。


<BAAマーク>

https://www.atpress.ne.jp/releases/178845/img_178845_6.jpg

https://www.atpress.ne.jp/releases/178845/img_178845_7.jpg


●自転車の安全利用促進委員会とは

自転車の安全利用促進委員会は、皆さまに安全安心な自転車生活を送って頂くため、正しい自転車利用の理解促進やBAAマークなどの安全マークの普及・情報発信に努めています。昨年度からは、教員向けの自転車通学指導セミナー、学校での自転車安全教室開催も実施しています。セミナー実施の様子など、最新情報は下記HPをご覧ください。


<自転車の安全利用促進委員会 HP>

http://jitensha-anzen.com/



【参考:都道府県別の中高生自転車事故ランキング(全都道府県)】

<通学時事故件数および1万人当たりの通学時事故件数>

https://www.atpress.ne.jp/releases/178845/att_178845_1.pdf

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