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    自転車の安全利用促進委員会

    2020年 都道府県別・自転車通学時の事故件数ランキングを発表  コロナ禍で事故件数は前年比大幅減。  一方で事故増加した都道府県も。

    ワースト3は中学生「香川県」「群馬県」「徳島県」、 高校生「群馬県」「静岡県」「宮崎県」

    調査・報告
    2021年9月10日 13:00

    自転車の安全利用促進委員会は、9月21日から始まる「秋の全国交通安全運動」に合わせ2020年の全国都道府県別の中学生・高校生の通学時における自転車事故発生件数について調査・分析致しましたので、ご報告申し上げます。


    今回の調査は、公益財団法人交通事故総合分析センターITARDAから提供を受けた2020年(1月~12月)の事故データを当委員会メンバーである公益財団法人自転車駐車場整備センター自転車総合研究所 所長 古倉宗治氏の監修のもと調査・分析致しました。


    2020年の事故データは、新型コロナウイルス感染拡大により様々な影響を受けていると考えられます。通学時の自転車事故件数は、中学生19.8%減・高校生19.5%減と、ともに前年より2割程度減少しました。しかし、都道府県別では昨年より1万人当たりの自転車事故件数が増加した都道府県が、中学生約3割・高校生約2割あることがわかりました。コロナ禍で通学手段を変更し、新たに自転車通学を開始した生徒もいると思われますので、休校などもあるコロナ禍においても自転車通学指導は欠かすことのできない指導と言えるでしょう。

    自転車の安全利用促進委員会は、自転車に関する調査等による注意喚起を行うほか、全国の教育委員会や学校と連携した交通安全教室などを通して、皆様に安全安心で楽しい自転車生活を送っていただくための啓発活動を実施しております。各調査の詳細につきましては次ページ以降をご覧ください。



    【調査トピックス】

    (1) 2020年 都道府県別・自転車通学時の事故件数ランキング

    ●全国の通学時の事故件数はコロナ禍で前年比2割減!

    ●中学生の1万人当たりの事故件数ワースト1位「香川県」2位「群馬県」3位「徳島県」

    ●高校生の1万人当たりの事故件数ワースト1位「群馬県」2位「静岡県」3位「宮崎県」


    (2) 通学時自転車事故の加害者率ランキング

    ●中・高ともに自転車事故の約2割で生徒が加害者になっている!

    ●高校生の加害者割合(一当)率ワースト1位「兵庫県」2位「東京都」3位「奈良県」


    (3) 調査監修:古倉 宗治氏コメント

    ●2020年の自転車事故に関する総評

    ●自転車事故は加害者になる可能性も。自転車保険の加入状況の確認を。

    ●意外に見落としがちな自転車自体の安全性、自分の自転車をきちんと確認しましょう。


    <調査監修> 自転車の安全利用促進委員会 古倉 宗治(こくら・むねはる)

    公益財団法人自転車駐車場整備センター自転車総合研究所 所長

    東京大学法学部卒業。建設省、東京工業大学助教授、財団法人民間都市開発推進機構都市研究センター、財団法人土地総合研究所、株式会社三井住友トラスト基礎研究所等を経て2018年から現職。自転車施策の第一人者として講演会の他、NPO法人自転車政策・計画推進機構を主宰。国や公共団体の委員としても活躍中。博士(工学)。



    【調査の詳細】

    (1) 2020年都道府県別自転車事故件数ランキング

    ●全国の通学時の事故件数はコロナ禍で前年比2割減!

    ●中学生の1万人当たりの事故件数ワースト1位「香川県」2位「群馬県」3位「徳島県」

    ●高校生の1万人当たりの事故件数ワースト1位「群馬県」2位「静岡県」3位「宮崎県」


    2020年は新型コロナウイルスの拡大により、私たちの生活が大きく変わった年でした。外出制限や密を避けた行動が推奨されたことで、自転車利用にも影響があったと思われます。ある調査では自転車利用者の約3割が、新型コロナウイルスの影響によって自転車に乗る機会が増えたと回答しています。※

    2020年の自転車事故全体は、前年(2019年)に比べて15.9%減少しています。しかし、交通事故全体における自転車事故割合は微増(0.8%)となっています。過去11年のデータを見ても2016年を境にして自転車事故割合は少しずつ増加傾向が見られるため、自転車の安全啓発は重要性を増している喫緊の課題であると言えるでしょう。※コロナ禍における自転車利用の変化に関するアンケート調査(SBI 日本少額短期保険株式会社)より


    自転車事故・交通事故の推移


    自転車事故・交通事故の推移(数値データ)


    続いて、中高生の通学時の自転車事故について全国計の1万人当たりの自転車事故の推移を見ると、2020年は前年(2019年)に比べ中学生19.8%減・高校生19.5%減と、ともに2割程度減少しました。

    2020年に関してはコロナ禍による登校日数の減少から事故件数が減ったと考えられますが、2014年からの経年データを見ても2017年を除いて全体として右肩下がりの傾向で、少しずつ改善の傾向が見られます。


    通学時の自転車事故件数の変化(全国1万人あたり)


    一方で、都道府県別データでは、約2割の都道府県で前年より1万人当たりの事故件数が増加しています。

    ランキングにすると、中学生のワースト3は1位香川県、2位群馬県、3位徳島県でした。香川県は前年より約20%事故が増加しており、ワースト1となっています。またワースト3の徳島県も前年より約10%事故が増加しています。

    高校生のワースト3は前年(2019年)よりも事故件数は減少していますが、ランキングの変動はなく、群馬県が調査開始から7年連続ワースト1となりました。



    <通学時の1万人当たり自転車事故件数ランキング>


    中学生の通学時1万人当たり自転車事故ランキング(2020年)


    高校生の通学時1万人当たり自転車事故ランキング(2020年)


    (2) 通学時自転車事故の加害者率ランキング

    ●中・高ともに自転車事故の約2割で生徒が加害者になっている!

    ●高校生の加害者割合(一当)率ワースト1位「兵庫県」2位「東京都」3位「奈良県」


    また、自転車通学中の中高生が加害者になった場合※の事故について調査したところ、通学時の事故全体の約2割(中学生20.3%、高校生19.3%)が自転車側の加害事故となっています。通学時の自転車事故では、事故に遭う危険性だけでなく事故を起こしてしまう危険性にも注意する必要があります。

    事故の加害者になった場合、多額の損害賠償が必要となるケースもあります。自転車は車両です。自動車同様、事故に遭わないだけでなく、事故を起こさない意識が重要です。

    都道府県別に見ると、特に高校生では兵庫県がワースト1(40.2%)になっており、自転車側が加害者となる事故は約2.5人に1人となっています。

    ※自転車が第一当事者(一当)の事故=自転車側が加害者の事故 と定義した場合。第一当事者とは、事故当事者の中で一番過失が重い人を指す。


    <通学時の自転車事故 加害者(一当)割合ランキング>


    中学生の通学時自転車事故の加害者(一当)割合ランキング(2020年)


    高校生の通学時自転車事故の加害者(一当)割合ランキング(2020年)


    (3) 調査監修:古倉宗治先生コメント

    ●2020年の自転車事故に関する総評

    ●自転車事故は加害者になる可能性も。自転車保険の加入有無の見直しを。

    ●意外に見落としがちな自転車自体の安全性、自分の自転車をきちんと確認しましょう。

    ■2020年の自転車事故に関する総評

    2020年は、コロナ禍の中で自転車事故総件数は15.9%減少し、データのある1975年以来最大の減少幅となっています。特に中学生及び高校生はそれぞれ19.8%、19.5%の減少と全体の減少率を大きく上回る結果となるなど全体としてはコロナ禍の影響もあり、大幅な減少傾向が見られます。しかし、このような中で、1万人当たりの自転車事故件数が、中学生で香川や山形、岩手など14県、高校生で富山や岡山など10府県で増加していることに注意する必要があります。

    さらに、自転車側の一当率(加害者になる率)は、全国計では中高生とも前年(2019年)比でわずかに低下しているものの、前年を上回っている都道府県が、中学生で22道府県(47%)、高校生で29都道府県(62%)となっており、自転車が加害者になる割合が増えている都道府県が多くなっています。これは、全自転車事故に占める歩行者との事故の割合が、1975年以来最大の3.9%に増加していること、及び全自転車事故における自転車側の一当率がここ10年間で15%台から増加傾向で初めて2割を超えたこと、自転車側の法令違反割合がここ10年間65%前後と高止まりの傾向が続いていること等が大きな原因であると思われます。歩行者との事故では自転車側が大半の場合“加害者”となるため、自転車を利用するに当たって、このリスクをしっかりと理解しておく必要があります。事故件数が全体的に減っているからと安心せず、その内訳をしっかりと見極めて、自転車の安全対策の手綱を緩めることなく、より一層広報啓発や学習機会の充実を目指すことが必要です。

    また、特に自転車と歩行者との事故割合が年を追うごとに高くなっているので、歩行者に対する安全確認等のルール遵守や配慮はもちろん、事故に備えて次のように自転車保険の加入が極めて重要です。


    ■自転車事故は加害者になる可能性も。自転車保険の加入有無の見直しを

    今回の調査で触れたとおり、通学時の事故全体の約2割(中学生20.3%、高校生19.3%)が自転車側の加害事故となっています。事故の加害者になった場合、多額の損害賠償が必要となるケースもありますし、何より生徒自身のその後の人生に精神面を含めて大きく影響してしまいます。

    昨今では自転車保険の義務化の自治体も多くなってきていますが、加入率は全国で59.2%です。自転車は自動車同様“車両”なので、加害者になってしまったときのリスクも考えて自分が自転車保険に入っているか・保障内容は十分か、今一度確認するようにしましょう。

    ※au損保/2021年自転車保険加入率調査より


    ■意外に見落としがちなのは自転車自体の安全性。自分の自転車をきちんと確認しましょう

    安全な自転車通学に必要な要素の中で「自転車自体の安全性」は意外に見落としがちです。

    実は大きな事故の約1/3は製品自体にも原因があったと考えられるというデータもあり、「自転車自体の安全性」は安全な自転車利用の基盤と言えるでしょう。

    特に長い年月にわたって長距離を走ることになる通学自転車は、安全・安心な自転車を選んで購入する必要があります。購入の際には耐久性や強度などの安全基準をクリアした「BAAマーク」を目印にするとよいでしょう。また、コロナ禍で久しぶりに自転車を利用し始めたかたも多いのではないでしょうか。メンテナンスをしていない自転車はブレーキの利きが悪くなったりチェーンが外れやすくなったりと危険です。使い始める前や少なくとも半年に1回は自転車店での点検を受けるようにしましょう。



    【参考】国も認めた安全・安心な自転車の目印、『BAAマーク』とは?

    BAAマークは、一般社団法人自転車協会が定める自転車安全基準に適合した自転車に貼られています。自転車安全基準には全部で約90項目の検査項目があり、ブレーキ制動性能、フレーム・駆動部の強度、ライトの光度、リフレクターの反射性能などの検査に合格する必要があります。


    BAAマーク


    【自転車の安全利用促進委員会】

    自転車の安全利用促進委員会は、皆さまに安全安心な自転車生活を送って頂くため、正しい自転車利用の理解促進やBAAマークなどの安全マークの普及・情報発信に努めています。教員向けの自転車通学指導セミナー、学校での自転車安全教室開催も実施しています。セミナー実施の様子など、最新情報は下記ホームページをご覧ください。

    <自転車の安全利用促進委員会 ホームページ> http://jitensha-anzen.com/


    【参考:都道府県別の中高生1万人当たりの自転車事故件数ランキング】

    ●中学生の1万人当たりの通学時事故件数(2020年)

    ●高校生の1万人当たりの通学時事故件数(2020年)

    https://www.atpress.ne.jp/open_media_file/274668/88249101.pdf

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