プレスリリースを出す最大の目的は「記事や取材につなげる」ことです。
そのためにはまず「記者にプレスリリースを読んでもらう」必要がありますが、記者や編集者には毎日数百件ものプレスリリースが届くため、全てに目を通せているわけではありません。この点を理解し、「より興味を引きやすく」「より読みやすく」することに注力して作成しましょう。
プレスリリースを書く前に
まずは情報整理から
まずは「5W5H」をまとめましょう。「5W5H」は分かりやすい構成のプレスリリースに仕上げるための重要なポイントであり、記者が記事を書く際に必須となる情報でもあります。
5W | 5H | |
---|---|---|
WHO(誰が) | HOW(方法) | どのように |
WHAT(何を) | HOW MUCH(金) | 価格・売上目標・利益予想 |
WHEN(いつ) | HOW MANY(数) | 生産・販売目標など |
WHERE(どこで) | HOW LONG(時) | いつ・いつから、いつまでに |
WHY(なぜ) | HOW in FUTURE(将来) | 今後の経営方針、展開方法 |
次に、「(客観的)背景」「(開発、企画などに至った)経緯」「(新サービス、新製品の)特長」「(他社との)差別化ポイント」をまとめ、「そのプレスリリースで何を伝えたいのか?」を明確にします。
プレスリリースの構成
記者に見てもらえる可能性が一番高い「見出し」と「リード文(第一段落)」で興味を引くようにし、また結論を述べます。
プレスリリースの内容を端的に表した「見出し」を頂点にとらえ、その次に本文が続く逆三角形構造を意識して作成しましょう。なお、枚数はA4サイズで1~2枚程度(多くても3枚程度)にまとめるのがベストです。
- 冒頭
- 「報道関係者各位」「プレスリリース」「日付」「発行者名」を記入します。レターヘッドのように定形となっているので、必要以上に手を加える必要はありません。
- 見出し(タイトル)
- ムダを極力除き、最も重要な点を簡潔にまとめます。なお、インパクトだけを重視し、事実関係を無視した広告的なタイトルは敬遠される傾向にあるため、誇大表現にならないよう心がけてください。
- 本文
- 「リード文(第一段落)」だけでプレスリリースの内容が把握できるよう、5W5Hを元に、具体的な思索や経緯、商品・サービスの特長などを、日時・価格・サイズなどの数字データ(=正確性)を盛り込みつつ、分かりやすく簡潔に概要を記述します。
忙しい多くの記者はタイトルとリード文だけを見て、最後まで目を通すかを判断するので、「タイトルとリード文でどれだけプレスリリースの趣旨を伝え、興味を引けるか」が最重要ポイントになります。 - 次に、新商品や新サービスなどの特長・概要説明・補足説明・今後の展望などを述べます。
なお、細かな説明やボイラープレート(毎回決まった文言で必ず紹介する会社・製品案内)などは、本文の後に入れるか、必要に応じて別紙に記載したりWebサイトへの誘導で補うようにして、できるだけ簡潔で読み易くなるような工夫をしましょう。
- 文末
- 「会社概要」や「問い合わせ先」を明記します。
「会社概要」は必須ではありませんが、所在地や代表者、事業内容などを明示する事により企業認知度向上や信頼感へも繋がります。また、メディアによっては会社概要によって会社を識別し、記事にする・しないを判断することもあります。 - 「問い合わせ先」には報道関係者向けの連絡先として、会社名、担当者の氏名、電話番号、ファックス番号、メールアドレス、自社サイトURLを必ず記載しましょう(一般の方からの問い合わせ先が別にある場合は分けて記載してください)。
- 画像・補足資料
- 商品やプレスリリースの内容を端的に表すものとして、画像(写真・グラフ・イラスト等)の使用を強くお勧めします。画像を使うことで文章以上の情報(インパクトや商品イメージ)を伝えられますので、「見出し」や「リード文」とともにとても重要です。
配置場所は、見出しの下や本文中など、内容によって適切な場所を選んでみてください。
プレスリリース作成10のポイント
プレスリリースを書き終えたら、まずは5W5Hをしっかり押さえているかチェックします。その上で、自分がそのプレスリリースを初めて読む記者の気持ちになって、以下のポイントをしっかり押さえているかどうか再度確認しましょう。
- 1見出しとリード文だけで内容が理解できる
- 2発信者の伝えたい主旨が明確である
- 3全体的に簡潔にまとめられており、読みやすい
- 4メリハリのある文章・構成で書かれている
- 5時流に合ったポイントが盛り込まれている
- 6信頼性がある
- 7広告・宣伝じみた文句がない
- 8具体的な数字データが記載されている
- 9専門用語が多用されていない
- 10記事にすぐ使える画像が添付されている
なお、社内で他部署の方にプレスリリースを見てもらい、意見を聞いてみるのも有効です。また、実際に配信されている様々なプレスリリースと読み比べると、プレスリリースの書き方がより明確にわかってくるでしょう。