FDAが周産期・乳児期・若年期発症の低ホスファターゼ症(HP...

FDAが周産期・乳児期・若年期発症の低ホスファターゼ症(HPP)  治療薬としてストレンジック(R)(アスホターゼ アルファ)を承認

― 生命を脅かす極めて稀な遺伝性代謝性疾患であるHPPの患者さんに対する 米国初の治療薬として承認 ―

この資料は、アレクシオン・ファーマシューティカルズ(米国コネチカット州チェシャー)が2015年10月23日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語抄訳で、参考資料として提供するものです。その内容および解釈については英文プレスリリースが優先されます。英文プレスリリースは http://www.alexion.com をご参照ください。

2015年10月23日、米国コネチカット州チェシャー-- アレクシオン・ファーマシューティカルズ(NASDAQ:ALXN)は本日、米国食品医薬品局(FDA)が周産期・乳児期・若年期発症の低ホスファターゼ症(HPP)患者さんに対する治療薬としてストレンジック(R)(一般名:アスホターゼ アルファ)を承認したと発表しました。ストレンジックは革新的な酵素補充療法で、米国で初めて承認されたHPP患者さんに対する治療薬です。HPPは極めて稀な慢性進行性の遺伝性代謝性疾患であり、患者さんの複数の身体器官に深刻な影響を及ぼし、消耗性または生命を脅かす合併症を引き起こします(参考文献1)。

アレクシオンのデビッド・ハラール最高経営責任者は次のように述べています。「ストレンジックがFDAに承認されたことで、これまで有効な治療法のなかったHPP患者さんに非常に革新的な治療薬をお届けできることになります。HPPは極めて稀な遺伝性代謝性疾患で、乳児では早期死亡に至ることもあり、また生存している患者さんにも深刻な影響をもたらします。米国の添付文書に、18歳未満で発症しストレンジックによる治療を受けたHPP患者さんにおいて、実質的な骨病変の治癒、成長および移動能力の改善、さらに乳児における全生存率の向上が認められたことについての記載がなされたことは喜ばしいことです。米国のHPP患者さんとその主治医にこの画期的治療薬を早急にお届けできるのを心待ちにしています。」

治験の統括医師で米国セントルイスのシュライナーズ・こども病院 代謝性骨系統疾患・分子研究センター(Center for Metabolic Bone Disease and Molecular Research at Shriners Hospitals for Children)のメディカル・サイエンティフィック ディレクターであるマイケル・ホワイト医学博士(Michael Whyte, M.D.)は次のように述べています。「アスホターゼ アルファは、組織非特異型アルカリホスファターゼと呼ばれる酵素の欠損を、骨を標的として効果的に補充することができるため、多くのHPP患者さんとそのご家族、ならびに医療関係者にとって重要な前進です。治療しなければ、多くのHPPの新生児や乳児は胸郭が発達せず、呼吸不全で死に至ります。またHPPの幼児は、くる病様症状や筋力低下を患う可能性もあります。臨床試験では、重篤な症状のあったHPPの新生児や乳児において、アスホターゼ アルファの治療を受けた患者さんでは1歳の時点で97%が生存していましたが、既存対照患者さんでは42%でした。アスホターゼ アルファによる治療は、現時点で最長7年に及んでいますが、大部分の症例で健康状態全般を顕著に改善しています。アスホターゼ アルファによる治療を5年間受けた幼児のHPP患者さんにおいて骨格系障害の有意な改善が報告されており、それによると全員が機能的移動能力の改善を示し、多くの患者さんが同世代の健常者の正常範囲内に入るという成果が認められました。このような進展は非常に嬉しいことです。」

HPPは、アルカリホスファターゼ活性の低下と骨石灰化不全を特徴とする、極めて稀な慢性進行性の遺伝性代謝性疾患で、骨の変形などの骨格異常の他、重度の筋力低下、けいれん発作、疼痛および呼吸器不全といった全身性合併症を生じ、乳児では早期死亡に至ることもあります(参考文献1-5)。HPPは全人口100万人あたりの患者数が20人に満たない疾患として定義される超希少疾患です6。

Soft Bones(米国のHPP患者会)の創立者であり理事長を務めるデボラ・シッティグ氏(Deborah Sittig, President and Founder of Soft Bones)は次のように述べています。「今日はHPPの患者さんやご家族、当団体にとって、初めて治療薬が承認された記念すべき日です。効果的な治療薬の承認によってHPPの認知度が向上し、診断が迅速になされ、治療結果が改善することで、患者さんとそのご家族が恩恵を受けることを期待しています。」

FDAはストレンジックをブレークスルーセラピー(画期的治療薬)に指定しており、優先審査に基づいて承認しました、今回の承認とともに、FDAは希少小児疾患優先審査バウチャーを発行しました。これは、本来ならば優先審査の対象とならない別の新薬の承認申請を行う時に優先審査を受けることができるものです。希少小児疾患優先審査バウチャーは、小児希少疾患の予防や治療のための新薬と生物製剤の開発を促進するためのプログラムです。ストレンジックは欧州連合、日本、カナダでも承認されています。


■臨床データ(参考文献7)
米国においてストレンジックは、周産期・乳児期・若年期発症のHPP患者さんを対象として最長で6年半の投与を行った、4つの臨床試験とその延長試験から得られたデータを基に承認されました。
周産期・乳児期発症のHPP患者さん(生後1日から6年半)では、同様の臨床的特徴を有する既存対照患者群と比べて、ストレンジック投与患者群において全生存率に有意な改善が認められました。カプラン・マイヤー法により推定された第48週時の全生存率は、ストレンジック投与患者群では97%(n=68)であったのに対し、既存対照患者群では42%でした(n=48)。さらに、人工呼吸器未使用での推定生存率は、ストレンジック投与患者群では96%(n=54)であったのに対し、既存対照患者群では31%でした(n=48)。また、ストレンジックの治療を受けた患者さんにおいて、RGI-C(Radiographic Global Impression of Change)を用いて評価したHPPの骨病変の実質的な改善ならびにZスコアを用いて評価した身長と体重の増加も認められました。

若年期発症のHPP患者さん(6歳から12歳)では、RGI-Cを用いて評価した結果、第24週で、ストレンジック投与患者群において既存対照患者群と比較して、骨格病変に有意な改善が示されました。特筆すべきは、ストレンジックによる治療を受けた全例(n=8)で第54ヵ月までに実質的な骨病変の治癒が示された一方で、既存対照患者群(n=32)での最終評価時期での実質的な骨病変の治癒がみられた割合が6%だったことです。さらにZスコアを用いて評価したところ、ストレンジック投与患者群は、未治療の既存対照患者群に比べ、身長と体重が増加し、歩容と移動能力に関しても改善が認められました。また、ベースライン時には正常な移動能力を持つ患者さんはいませんでしたが、治療4年目までに、6分間歩行検査の評価を受けた患者さんの100%(n=6)で性別、年齢および身長が同じ健常児の正常範囲内の歩行距離を達成しました。

臨床試験において最も多く報告された有害事象は、注射部位反応でした。その他に多かった有害反応は、脂肪異栄養症、異所性石灰化、アレルギー反応などでした。


■低ホスファターゼ症(HPP)について
HPPは、アルカリホスファターゼ(ALP)活性の低下と骨石灰化不全を特徴とする、極めて稀な慢性進行性の遺伝性代謝性疾患で骨の変形等の骨格異常の他、重度の筋力低下、けいれん発作、疼痛、および呼吸不全といった全身性合併症を生じ、乳児では早期死亡に至ることもあります(参考文献1-5)。

HPPは組織非特異型アルカリホスファターゼ(TNSALP)と呼ばれる酵素の遺伝子コードの変異が原因で発症します(参考文献1、2)。HPPにおける遺伝子異常はあらゆる年齢層の患者さんに影響を及ぼします(参考文献1)。HPPは疾患が発症時の年齢によって分類され、周産期・乳児期・若年期発症HPPは18歳未満で初めて発症した患者さんと定義されます。

HPPは、年齢を問わず、患者さんに深刻な影響を及ぼす可能性があります(参考文献1)。自然経過観察試験によると、生後6ヵ月未満にHPPを発症した乳児の死亡率は高く、5歳時の全死亡率は73%と報告されています(参考文献8)。このような患者さんの死亡原因は主として呼吸不全です(参考文献1、5、9)。若年期発症で生存している患者さんの場合、長期的な臨床的続発症には、再発性および治癒しない骨折、重度の筋力低下、重度の疼痛、ならびに車椅子、歩行器および杖などの歩行補助器が必要とされる運動機能の障害などがあります(参考文献1、4)。


■ストレンジック(R)(アスホターゼ アルファ)について
ストレンジック(R)(アスホターゼ アルファ)は、TNSALPの欠損を補うことによりHPPの根本的な原因に対処する、非常に革新的な骨を標的とする酵素補充療法です。18歳未満で初めて発症したHPP患者さんの臨床試験においては、ストレンジックによる治療で乳児の全生存が改善し、骨の石灰化が促進され、身長、体重そして移動能力が改善しました。

ストレンジックは欧州連合、日本、カナダでも承認されています。


■重要な安全性情報
ストレンジックによる治療を受けた患者さんにおいてアレルギー反応が報告されています。臨床試験において、治療を受けた患者さん99例中1例(1%)にアナフィラキシー関連の兆候と症状が認められました。

ストレンジックによる治療を受けた患者さんにおいて、数か月後に脂肪萎縮、脂肪肥大症など注射部位に脂肪異栄養症が報告されています。

HPP患者さんでは、異所性石灰化症のリスクが高まります。臨床試験では、角膜や結膜などの眼の異所性石灰化および腎石灰化症が14例(14%)報告されています。データが不十分であることから、ストレンジックの投与と異所性石灰化との因果関係は不明です。視覚や腎機能の変化は報告されていません。

最も多く報告された有害事象は、注射部位反応、脂肪異栄養症、異所性石灰化、アレルギー反応でした。


■アレクシオンについて
アレクシオンは、重篤な希少疾患を抱える患者さんの生活を一変させる治療薬の開発と提供に注力するグローバルなバイオ製薬企業です。アレクシオンは、致命的な2つの超希少疾患である発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)および非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の治療薬として初めてかつ唯一承認されている補体阻害薬ソリリス(R)(エクリズマブ)を開発し、製造販売しています。補体阻害領域におけるグローバルリーダーとして、アレクシオンはその他の重篤な超希少疾患領域におけるエクリズマブの潜在的適応の評価など、広範なプラットフォーム全体において補体阻害薬ポートフォリオの強化と拡大を進めています。アレクシオンの代謝性フランチャイズは、低ホスファターゼ症(HPP)の患者さんの治療薬であるストレンジック(R)(アスホターゼ アルファ)とライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(LAL-D)に対するSebelipase alfaといった生命を脅かす超希少疾患の患者さんに対する2つの非常に革新的な酵素補充療法を有しています。さらに、アレクシオンは、複数の治療領域にわたる極めて革新的な製品候補を擁し、バイオテクノロジー業界において最も強固な希少疾患パイプラインを進展させています。本プレスリリースとアレクシオン関する詳細については http://www.alexion.com. (英語)をご覧ください。


■将来予測に関する記述
本プレスリリースには、低ホスファターゼ(HPP)に対するストレンジック(R)の潜在的な医学的ベネフィットに関する記述など、将来予測に関する記述が含まれています。将来予測に関する記述は、諸要因による影響を受け、これらの要因により将来予測に関する記述がアレクシオンの結果および計画と異なる可能性があります。これらの要因として、HPP治療薬としてのストレンジックの上市に関する販売承認または重大な制限に関する規制当局の決定、HPP治療薬としてのストレンジックに対しての十分な製造能力の手配と商業インフラの確立の遅れ、臨床試験の結果からより広く多様な患者集団でのストレンジックの安全性と有効性に関する結果が予測できない可能性、第三者の支払者(政府機関など)がストレンジックの使用に対して(承認された場合)ストレンジックを使用する患者数の推定とストレンジックを使用する患者の疾病の自然史に関する所見が不正確なリスク、ならびに米国証券取引委員会にアレクシオンが提出した報告書の中で適時記載したさまざまなリスクなどがあります。このリスクにはアレクシオンの2015年6月30日に提出されたFrom 10-Q四半期報告書に記載したリスクに限定されません。アレクシオンは、法律に基づき義務が生じた場合を除き、この将来予測に関する記述を見直し、本プレスリリースの発表後に発生した事象または状況を反映する予定はありません。


■参考文献:
1. Rockman-Greenberg C. Hypophosphatasia. Pediatr Endocrinol Rev. 2013; 10(suppl 2):380-388.

2. Whyte MP. Hypophosphatasia: nature's window on alkaline phosphatase function in humans. In: Bilezikian JP, Raisz LG, Martin TJ, eds. Principles of Bone Biology. Vol 1. 3rd ed. San Diego, CA: Academic Press; 2008:1573-1598.

3. Whyte MP, Greenberg CR, Salman N, et al. Enzyme-replacement therapy in life-threatening hypophosphatasia. N Engl J Med. 2012; 366(10):904-913.

4. Seshia SS, Derbyshire G, Haworth JC, Hoogstraten J. Myopathy with hypophosphatasia. Arch Dis Child. 1990; 65(1):130-131.

5. Baumgartner-Sigl S, Haberlandt E, Mumm S, et al. Pyridoxine-responsive seizures as the first symptom of infantile hypophosphatasia caused by two novel missense mutations (c.677T > C, p.M226T; c.1112C > T, p.T371I) of the tissue-nonspecific alkaline phosphatase gene. Bone. 2007; 40(6):1655-1661.

6. REGULATION (EU) No 536/2014 OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL of 16 April 2014 on clinical trials on medicinal products for human use, and repealing Directive 2001/20/EC. http://eur-lex.europa.eu/legal content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:32014R0536&qid=1421232837997&from=EN .

7. Strensiq(TM) U.S. Prescribing Information, 2015.

8. Whyte MP, Leung E, Wilcox W, et al. Hypophosphatasia: a retrospective natural history study of the severe perinatal and infantile forms. Poster presented at the 2014 Pediatric Academic Societies and Asian Society for Pediatric Research Joint Meeting, Vancouver, B.C., Canada, May 5, 2014. Abstract 752416.

9. Whyte MP, Rockman-Greenberg C, Hofmann C, et al. Improved survival with asfotase alfa treatment in pediatric patients with hypophosphatasia at high risk of death. Poster presented at the American Society for Bone and Mineral Research (ASBMR) 2014 Annual Meeting, Houston, September 14, 2014. Abstract 1097.

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