発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)の治療薬として ALXN1210の優先審査と承認に向けた申請を米FDAに提出

--優先審査保証(Priority Review Voucher)の適用により、8ヵ月の迅速審査へ-- --今年の中頃にEU、後半に日本で承認申請を行う予定--

この資料は、アレクシオン・ファーマシューティカルズ(米国コネチカット州ニューヘイブン)が2018年6月19日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語抄訳で、参考資料として提供するものです。その内容および解釈については英文プレスリリースが優先されます。英文プレスリリースは http://www.alexion.com をご参照ください。


2018年6月19日、米国コネチカット州ニューヘイブン--アレクシオン・ファーマシューティカルズは本日、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)患者さんの治療薬として、同社の治験薬である長時間作用型抗C5 抗体 ALXN1210の承認に対して、米国食品医薬品局(FDA)に生物学的製剤承認申請書(BLA)を提出したことを発表しました。今回の申請は優先審査保証(Priority review voucher)の適用により、米FDAの審査期間が通常の12ヵ月から8ヵ月の迅速審査に指定されます。


アレクシオンのエグゼクティブ・バイスプレジデントでR&Dヘッドであるジョン・オーロフは次のように述べています。「今回の承認申請は、10年間で築いてきたソリリス(R)の有効性と安全性の実績、ならびに25年の補体領域におけるリーダーシップを基盤とし、ALXN1210をPNH患者さんの新たな標準治療にするという目標に向けた重要な第一歩です。私たちは迅速審査の円滑な実施に向けてFDAと協力して参ります。」


今回の申請は、2つの厳密な第III相試験の包括的データによって裏付けられており、これまでに実施されたれたPNH患者さんを対象とした試験の中では最大規模の試験で、補体阻害薬の治療経験がない患者さんと、ソリリス(R)(エクリズマブ)の治療で安定した状態からALXN1210へ切り替えた患者さん440名以上が参加しました。体重に合わせた用量を8週間隔で投与するALXN1210は、2つの試験の全ての主要評価項目と主要な副次評価項目において、2週間隔で投与するソリリス(R)(エクリズマブ)に対して非劣性を示しました。また、主要な副次評価項目の1つであるブレイクスルー溶血(溶血発作)を含め、全ての評価項目の数値結果は、両試験においてALXN1210でより好ましい結果となり、ALXN1210の初回投与終了時までに急速かつ完全にC5が阻害され、その効果が26週間の全投与期間を通して持続することと一致しています。安全性プロファイルについては、ALXN1210とソリリス(R)に顕著な差はみられませんでした。これら第III相試験のトップラインデータは、2018年3月15日と2018年4月26日のプレスリリースでそれぞれ発表されました。


アレクシオンは、米国でのBLAに加えて、今年中頃に欧州連合(EU)、後半に日本でALXN1210をPNH患者さんの治療薬として承認申請するために準備を進めています。ALXN1210は、米国とEUでPNH患者さんの治療薬として希少疾病用医薬品指定(ODD)を取得しています。



■発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)について

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、慢性かつ進行性の、生命を脅かす恐れのある深刻で極めて稀な消耗性の血液疾患です。全ての人種、背景または年齢の男女に前触れもなく発症する可能性があり、平均発症年齢は30代初期です1,2,3。PNHは気づかないうちに進行することが多く、1~10年以上診断が遅れることがあります2。PNHの患者さんでは、免疫系の構成要素である補体の機能が慢性的にコントロールできなくなって溶血(血球破壊)が引き起こされ4、その結果、進行性の貧血、疲労、暗色尿、息切れが生じることがあります5,6,7。慢性溶血で最も深刻な結果は血栓症(血栓の形成)であり、血栓症は重要臓器を損傷し、早期死亡に至ることもあります8。これまでは、推定でPNH患者さんの3分の1が診断後5年以上生存できませんでした2。PNHは、再生不良性貧血(AA)や骨髄異形成症候群(MDS)などの骨髄不全例に多く認められてきました9,10,11。原因不明の血栓を呈する患者さんは、PNHが根本原因の可能性があります4。



■ALXN1210について

ALXN1210は、アレクシオンが発見および開発した免疫系の一部である終末補体カスケードのC5タンパク質を阻害することで作用する革新的な長時間作用型の抗C5抗体です。補体カスケードの制御不能な活性化は、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)、抗AChR抗体陽性重症筋無力症(MG)などの重篤な超希少疾患に関与しています。補体阻害薬の治療経験がないPNH患者さんと、ソリリス(R)(エクリズマブ)の治療で安定していたPNH患者さんを対象とした第III相臨床試験において、8週間隔で静脈内投与するALXN1210は2週間隔で静脈内投与するソリリス(R)に対して非劣性を示し、全ての主要評価項目と主要な副次評価項目の数値結果においても、ALXN1210でより好ましい結果となりました。 ALXN1210は、補体阻害薬の治療経験がないaHUSの患者さんを対象とした8週間隔の静脈内投与が行われる第III相臨床試験においても評価が行われています。さらに、アレクシオンはPNHおよびaHUS患者さんの治療候補として週1回皮下投与する場合のALXN1210を検討する、第III相臨床試験に着手する予定です。また、全身型重症筋無力症(gMG)患者さんと免疫グロブリンA腎症(IgAN)患者さんの治療薬候補としてALXN1210の開発にも着手する予定です。


ALXN1210は、米国およびEUではPNH患者さんの治療薬として、米国ではaHUS患者さんの皮下投与治療薬として、希少疾病用医薬品指定(ODD)を受けています。



■ソリリスについて

ソリリス(R)は、免疫システムの一部である補体カスケードの終末部においてC5タンパク質を阻害することで作用する、ファースト・イン・クラスの補体阻害薬です。補体カスケードの制御不能な活性化は、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)および抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性の重症筋無力症(MG)のような重症な超希少疾患ならびに希少疾患に関与しています。

ソリリスは米国、EU、日本およびその他の国々においてPNHおよびaHUS患者さんの最初で唯一の治療薬として承認されています。またEUでは抗AChR抗体陽性の成人の難治性gMG患者さんの最初で唯一の治療薬として、米国では抗AChR抗体陽性の成人のgMG患者さんの治療薬として、そして日本では免疫グロブリン大量静注療法または血液浄化療法で症状の管理が困難な抗AChR抗体陽性のgMG患者さんの治療薬として承認されています。ソリリスは、志賀毒素産生大腸菌由来溶血性尿毒症症候群(STEC-HUS)の患者さんの治療は適応としていません。


ソリリスは、米国、EU、日本およびその他の国々においてPNHの治療薬として、また米国、EUおよびその他の国々ではaHUSの治療薬として希少疾病用医薬品指定(ODD)を取得しています。さらに、日本では難治性gMGの治療薬として、米国およびEUではMGの治療薬としてODDを取得しています。

補体阻害における画期的な医療革新に対し、アレクシオンとソリリスは米ガリアン賞(2008年度ベストバイオテクノロジー医薬品)を受賞したほか、仏ガリアン賞(2009年度希少疾患用医薬品部門)を受賞するなど、製薬業界最高の栄誉を受けました。



■アレクシオンについて

アレクシオン・ファーマシューティカルズは、生活を変えるような革新的な治療薬を提供することで、希少疾患の患者さんとご家族に貢献することに注力するグローバルなバイオ製薬企業です。アレクシオンは、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)、非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)および抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体陽性の全身型重症筋無力症(gMG)の患者さんに対する治療薬として初めてかつ唯一承認されている補体阻害薬を開発し、製造販売しています。また、アレクシオンは、低ホスファターゼ症(HPP)とライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(LAL-D)といった生命を脅かす超希少疾患の患者さんに対する2つの非常に革新的な酵素補充療法を有しています。アレクシオンは、20年以上にわたる補体領域のリーダーとして、補体カスケードにおける新しい分子やターゲットの研究に重点的に取り組んでおり、血液、腎臓、神経、および代謝性疾患といったコアとなる治療領域の開発にも重点をおいています。本プレスリリースとアレクシオンに関する詳細については、 www.alexion.com をご覧ください。



■将来予測に関する記述

本プレスリリースには、1995年私募有価証券訴訟改正法でいう将来予測に関する記述が含まれており、それには、ALXN1210の承認申請および米国、日本、欧州連合の規制当局による承認、今後のALXN1210の承認申請や規制当局による承認に対する予測時期、規制当局におけるALXN1210 の審査時期と審査期間の予想、ALXN1210がPNH患者さんの標準治療となること、ならびにPNH治療に対するALXN1210の医療ベネフィットの可能性に関連する記述が含まれています。将来予測に関する記述は、アレクシオンの成果および計画を将来予測に関する記述によって期待されているものと実質的に異なるものにする、種々の要因の影響を受けます。それらには、研究の妥当性に関する規制当局の決定、アレクシオン製品の製造販売承認または販売上の重要な制約、アレクシオン製品および製品候補の製造・供給における遅延、中断、不具合、FDAなどの規制当局が申し立てた事柄への不十分な対応、より広範な患者さんにおけるアレクシオン製品の安全性および有効性の結果が臨床試験の結果により予測できない可能性、アレクシオン製品の現在の普及率が維持されない(または期待されている普及率に達しない)可能性、アレクシオンの製品候補の臨床試験が遅延する可能性、アレクシオンのファーマコビジランスおよび薬剤安全性の報告プロセスの妥当性、第三者支払者(政府機関を含む)がアレクシオン製品(または提示された将来の製品)の使用に対して許容できる割合で、またはいかなる割合でも償還しないまたは償還を続行しないリスク、アレクシオン製品を販売している国々でのソブリン格付けの低下またはソブリン・デフォルトの可能性、経済環境の悪化または政府および民間保険会社の償還に対する規制および取り組み方の変化による償還の回収の遅延または減少、訴訟手続きを取り巻く不確実性、会社の調査および政府調査(米国証券取引委員会[SEC]および米国司法省によるアレクシオンの調査を含む)、予想された規制当局への申請が遅延するリスク、アレクシオン製品が治療対象とする疾患の推定患者数が不正確であるリスク、SECに対するアレクシオンの提出書類で随時開示するその他の多様なリスクが含まれます。また、2018年3月31日を終了日とする期間のForm 10-Qのアレクシオン四半期報告書およびSECに対するその他の提出書類で開示したリスクを含みますが、これらに限ったものではありません。アレクシオンは、法律に基づき義務が生じた場合を除き、本プレスリリースの発表日後に発生した事象または状況を反映するために、この将来予測に関する記述を更新する義務を負うものではありません。


参考文献:

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