【ライオン・外出自粛下の“目の疲れ・不調”に関する実態調査】...

【ライオン・外出自粛下の“目の疲れ・不調”に関する実態調査】 外出自粛で約3人に2人が目の疲れを実感! しかし、目の不調があってもケアをしている人は約半数  運動不足やストレスのケアに比べ、目のケア意識は不足?

 ライオン株式会社(代表取締役社長・掬川 正純)は、20~60代の男女計300名を対象に外出自粛生活による“目の疲れ・不調”の実態について調査いたしました(実施時期:2020年5月8日(金)~11日(月))。その結果、外出自粛生活により、最も疲れ・不調を感じることが増えた部位は、「目」であるということが明らかになりました。また外出自粛により「ストレス(28.0%)」「よく眠れなかった(14.7%)」と心身への影響も訴える人がみられました。その中でも「目の疲れ」を感じることが増えた人は、増えていない人に比べ、これらの心身の不調を感じている割合が高いことがわかりました。一方、64.7%が「目の疲れを感じている」にも関わらず、「運動不足ケア(39.0%)」、「体重管理(30.7%)」に比べ、「目の疲れに対するケア(19.7%)」への意識は低い結果でした。目の疲れだけではなく、目の不調を感じることが増えた人でも、47.6%が目のケアを「特に何もしていない」こともわかりました。

 今回の調査では、外出自粛によって、テレワークなどVDT(Visual Display Terminals)作業(※1)の増加だけでなく、外出自粛による生活スタイルの変化によって目が酷使され目の疲れ・不調を招いている実態と、その反面十分な目のケアができていない状況が示唆されました。

(※1) VDT作業とは…液晶などの画面表示機器と、キーボードやマウス、タッチ画面などの入力機器による情報端末を使用する作業



【「外出自粛下の目の疲れ・不調に関する実態調査」調査概要】

・調査主体:ライオン株式会社

・期間  :2020年5月8日(金)~5月11日(月)

・調査地域:東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、大阪府、兵庫県

・方法  :インターネット調査

・対象  :外出自粛をしており、下記条件のいずれかに該当する 男女計300名

      (1) パソコンを使ってテレワークを実施している 20~60代 男女計150名

      (2) テレワークをしていない有職者もしくは主婦、学生 20~60代 男女計150名



1. 調査結果サマリー

(1) 外出自粛生活による負の影響は「ストレス(28.0%)」「間食が増えた(27.7%)」、「やる気がでない(18.7%)」、

「よく眠れない(14.7%)」が目立つ。


(2) 最も疲れや不調が増えたのは「目」。43.0%が「目の疲れが増えた」と感じ、21.0%が「目の不調が増えた」と訴えた。


(3) 「目の疲れが増えた」人の41.9%が「ストレスが増えた」、24.0%が「よく眠れなくなった」と回答。「目の疲れは増えていない」人に比べ、心身への影響(ストレス、やる気が出ない、よく眠れない)を訴える人が2倍以上多い結果に。


(4) 現在の外出自粛生活で64.7%の人が「目の疲れを感じている」。さらにテレワーク実践者では72.0%が「目の疲れを感じている」。


(5) 約3人に2人が目の疲れを感じているにも関わらず、「運動不足ケア(39.0%)」「体重管理(30.7%)」に比べ、「目の疲れに対するケア(19.7%)」への意識は低く、目の不調を感じることが増えた人の約半数が目のケアを「特に何もしていない(47.6%)」と回答。


なお、本調査をご使用いただく際は、「ライオン・外出自粛下の“目の疲れ・不調”に関する実態調査」と明記ください。



2. 調査結果詳細

■約3割の人が「ストレスを感じることが増えた」と実感。

 外出自粛生活による負の影響について具体的な内容を聞くと、最も多い回答は「ストレスを感じることが増えた(28.0%)」となりました。その他にも「間食が増えた(27.7%)」、「あまりやる気が出なくなった(18.7%)」、「よく眠れなくなった(14.7%)」など様々な影響が出ていることがわかりました。



■外出自粛により最も疲れや不調が増えた身体部位は「目」

 外出自粛生活が続くことで体のどの部位に疲れを感じることが増えたかを聞いたところ、テレワーク実践の有無に限らず「目(43.0%)」と答えた人が最も多い結果になりました。さらに、疲れだけでなく不調を感じることが増えた部位も同じく「目(21.0%)」が最も多い結果となりました。


図1


図1. 外出自粛となり、疲れを感じることが増えた部位(MA、n=300)

https://www.atpress.ne.jp/releases/213544/img_213544_1.png


■「目の疲れが増えた」と回答した4割以上が「ストレスを感じることが増えた」と実感。

 外出自粛下で感じているストレスと「目の疲れ」との関連性を分析したところ、「目の疲れが増えた」と回答した人の41.9%が「ストレスを感じることが増えた」と回答していることがわかりました。

 「目の疲れは増えていない」人と比較すると、心身への影響(ストレス、やる気が出ない、よく眠れない)を訴える人の割合が2倍以上多いこともわかりました。


図2. 外出自粛になったことで、あてはまるもの

(MA、n=300、内訳:「目の疲れが増えた」129名/「目の疲れは増えていない」171名)

https://www.atpress.ne.jp/releases/213544/img_213544_2.png



■テレワークによりPC仕事が平均4.5時間から5.7時間に増加。

 テレワーク実践者の7割以上が目の疲れを実感。外出自粛生活で、目の酷使の実態が明らかに。

外出自粛生活で、64.7%の人が「目の疲れを感じている」と回答しています。テレワーク実践者に限定すると72.0%が「目の疲れを感じている」という結果となりました。

 テレワーク実践者に「PC仕事の増減」について聞くと、約5割以上が「パソコン仕事が増えた」と回答しています。特に50代の33.0%が「とても増えた」と回答していることもわかりました。また、増加した時間を自粛前と比較してみると、PC仕事時間が1日平均4.5時間から5.7時間へと自粛前に比べて27.0%増えており、テレワーク実践者の目の負担が増えている実態が明らかになりました。

 さらに、外出自粛生活で、目の疲れに影響のある行動を探るため、自粛生活の中で作業時間が増えた作業ごとに目の疲れを感じている人の割合を算出しました。その結果、「タブレットでゲームをする」時間が増えた人が91.7%と最も高く、続いて「細かい作業をともなう趣味(絵を描く、パズル、書道など)(88.9%)」、「模型・プラモデル作り(83.3%)」の時間が増えた人が目の疲れを感じる割合が高いことがわかりました。その他にも、20~30代の約6割がテレビ視聴時間が増えたと回答しており、「目の疲れ」がテレワークだけでなく外出自粛生活による余暇の過ごし方とも関連していることがわかりました。


図3. 外出自粛の現在、目の疲れを感じているか

(SA、全体=300、テレワーク実践者=150)

※小数点以下第2位を四捨五入しているため、必ずしも合計100とはならない。

https://www.atpress.ne.jp/releases/213544/img_213544_3.png


順位付けの方法:各作業別に「作業時間が増えた」回答者の中で、「目の疲れを感じている」回答者の比率を算出。比率が高い順にランキングした。(上位10位の属性を抜粋、SA、nは表中に記載)

表1. 作業別 目の疲れの度合いランキング

https://www.atpress.ne.jp/releases/213544/img_213544_4.png


では、具体的にどのような症状を感じているのでしょうか。自由回答を抜粋すると以下のようになりました。


Q 外出自粛になったことで、目の変化や不調がありますか。

● テレビ・PCを見る頻度が多くなったため、目の疲れを以前より感じるようになった。(62歳男性テレワークあり)

● 長時間のパソコン作業で目が疲れて画面が見にくくなったり、視力の低下を感じる。(21歳男性テレワークなし)

● 眼精疲労からくる首すじのこりが強くなった。視力が少し悪くなった。(35歳女性テレワークなし)

● 目からくる頭痛(を感じるようになった)。(48歳女性 テレワークなし)

● 夜になると目がかすんで、スマホやタブレットを見ていられない。(56歳女性 テレワークなし)

● とても疲れてしょぼしょぼするようになった。(58歳女性 テレワークあり)



■「目の疲れ」のケアを「特にしていない人」が6割。

 目の不調を感じることが増えていても、目のケアはおろそかになりがちな実態も明らかに。

 外出自粛下で目に負担がかかる作業時間も増加し、多くの人が目の疲れを感じています。その一方で、「目のケアを実施しているか」を聞いたところ6 割は「特に何もしていない」と回答。また、「目の不調を感じることが増えた」と訴えている人においても、約半数は、目の疲れのケアは「特に何もしていない(47.6%)」という結果になり、目の疲れや不調を感じていても目のケアはおろそかになっているようです。



図4. 外出自粛下で目の疲れを癒すためにするようになったこと

(全体)(MA、n=300)

https://www.atpress.ne.jp/releases/213544/img_213544_5.png


図5. 外出自粛下で目の疲れを癒すためにするようになったこと

(目の不調を感じることが増えた人)(MA、n=63)

https://www.atpress.ne.jp/releases/213544/img_213544_6.png


 外出自粛下でのケア意識についても聞いてみると、「運動不足ケア(39.0%)」「体重管理(30.7%)」、「栄養バランスのケア(22.7%)」などのケア意識は高まっていましたが、目の疲れに対するケアの意識は7位(19.7%)と低いことがわかりました。


表2.外出自粛下でケア意識が高まったこと(MA、n=300)

https://www.atpress.ne.jp/releases/213544/img_213544_7.png


 今回の調査で、外出自粛生活の影響により不調を実感するほど目が酷使されている実態が明らかになりました。一方で、目のケアに対する意識は低い結果となりました。目のケアをおろそかにしていると、目の痛みや目のかすみ、さらに症状が進むと角膜に障害を与える可能性があります。外出自粛の制限がゆるやかになっても、テレワークなど目に負担のかかる生活スタイルが続いていきます。

 “新しい生活スタイル”に適応し、健康に過ごすために“目のケア”がより求められる社会状況になっているといえます。



順天堂大学医学部附属静岡病院 眼科 先任准教授 土至田 宏(としだ ひろし)先生のコメント

●パソコン・スマホはもちろんのこと目を集中して使う趣味、ストレスも目を傷める原因

 今回の調査では、外出自粛中の不調な身体の部位として「目」が最も高い結果となっています。

 これはやはり、パソコンやスマホ、テレビなどモニターを見る時間や、目を使う趣味の時間が増えたことが関係していると思われます。モニターまでの距離、姿勢、光量や空調などの仕事環境が職場ほど整っていない可能性もあります。通常、まばたきは1分間に20回程度ですが、人は集中してものを見ると瞬きの回数が減るので、モニターを見続けるとまばたきが4分の1、つまり1分間に5回程度に減少します。すると目を開けている時間が長くなるので、目が乾燥しやすくなります。さらに先行きの分からない情勢によるストレスも多いのではないかと思われます。ストレスを感じ、緊張状態になると自律神経のバランスが崩れてしまい、ピント調節機能がうまく働かなくなったり、涙の分泌量が減ってさらに目が乾くことで、余計に見えにくさが増長されてしまうのです。


 目が乾燥し角膜を保護している涙の量が少なくなると、さまざまな症状が出てきます。ピントが合わない、目がかすむ、頭痛や肩凝りがひどくなるといった眼精疲労、さらにはドライアイがひどくなった状態である充血や目を開けていられない、目の痛みなどを伴う症状にもつながります。


 角膜はそもそも傷つきやすい部位。そのまま放置すると、角膜(黒目)や結膜(白目)に傷が付き治療が必要になることもあります。


 今回、外出自粛中に長時間モニターを視聴したり目を使う趣味の時間が増え、目の疲れや不調を感じている人は、角膜が傷ついている可能性もあると思われます。


●目の疲れ・不調はストレスや不眠など、心身の不調を招く恐れ

 更に「目の疲れ」や「不調」の影響は目だけに限りません。頭痛や肩こりに加え、慢性化すると自律神経の乱れから、今回の調査に見られるようにストレスや不眠、イライラ、気分の落ち込み、更にはうつ、不安障害につながることもあります。


●PC作業1時間ごとに目を休め、目薬で目をケアするのも効果的

 「目の疲れ」や「不調」は睡眠をとったり、まばたきに気をつけるだけでは十分改善されません。

モニターまでの距離に合った眼鏡等の調整も重要です。今回の調査では、目の不調を感じているにもかかわらず、目のケアをしていない人が約5割もいましたが、まずはホームケアでも良いので、しっかりと目をケアすることが必要です。よほど辛い場合は眼科を受診してください。


 ケア方法としては、目をしっかり休めること。1時間PC作業をしたら、モニターから目を離し適宜目を休めるのが目安です。目の疲れや乾きを感じたら、症状に応じた目薬を使うことも効果的です。疲れを感じたらホットアイマスクなどで目を温め、目の周辺の血流を良くすることも有効です。



【監修者プロフィール】

https://www.atpress.ne.jp/releases/213544/img_213544_8.jpg

順天堂大学医学部附属静岡病院 眼科 先任准教授 土至田 宏先生


1992年聖マリアンナ医科大学卒業、98年順天堂大学大学院修了、

98年米国ルイジアナ州立大学眼科リサーチフェロー、

2002年順天堂大学医学部眼科助手、04年順天堂大学医学部眼科臨床講師、

06年順天堂大学医学部眼科准教授。14年順天堂大学医学部附属静岡病院 眼科 先任准教授。現在に至る。

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