医療系AIベンチャー企業のNAMチャットボット型電子カルテ「...

医療系AIベンチャー企業のNAM チャットボット型電子カルテ「ドクターQ」を 1月から医療機関向けに提供開始

~現代の医療現場が抱える「患者の経過が分からない」という課題を解決~

 人工知能(AI)による医療系製品開発の株式会社NAM(本社:東京都中央区、代表取締役社長:中野 哲平)は、2018年1月から医療機関を対象にチャットボット(自動応答プログラム)型電子カルテ「ドクターQ」の提供を開始します。「ドクターQ」は、NAM代表取締役社長の中野 哲平が慶應義塾大学医学部在学中の2016年に経済産業省所管の独立行政法人情報処理推進機構(IPA)未踏IT人材発掘・育成事業に採択されたプロジェクトを基に開発されました。



■医師による患者の経過把握、患者による自分自身の医療情報入手はきわめて困難

 現在の医療現場が抱える重大な課題の一つは、医師が患者の経過を把握するためには、患者側から自発的にそれを医師に伝えるしかないという点です。医師は来院した患者に対しては適切な診察と治療を行いますが、その結果を把握することは簡単ではありません。患者は経過が良くなった場合、それを医師には報告しません。また自覚症状の少ない慢性疾患である場合、治療を自己判断で中断してしまうことがあります。例えば生活習慣病の患者が継続して病院に通う割合は4割程度との調査結果もあるなど、医師は経過を把握できていません。

 一方、患者は自分自身の医療情報を持つことが難しいのが現状です。お薬手帳を利用している熱心な患者は一部存在しますが、病院に行くたびにそれを必ず所持するようにすることは難しく、電子化してスマートフォンで持ち歩くこともできません。

 医療現場での IT 化は急速に進み、映像通話を用いる遠隔診療で保険診療を行うことが可能になりました。しかし、遠隔診療は相手の顔を見て会話を行って診療をしなければいけない制約がある点において現在の医療の延長線上にあり、医師が患者の経過を手軽に収集することはできません。


チャットボット型カルテの仕組み



■医師は患者の経過把握など、患者はLINE上でのボット問診やカルテ閲覧などが可能

 NAMは、このたび、このような医療現場における医師と患者双方の課題を解決するためにチャットボット型電子カルテ「ドクターQ」の提供を医療機関向けに2018年1月から開始します。「ドクターQ」を導入することで、医療機関は最低限の費用で患者の継続受診率を向上させることができます。直接対面せずとも患者の情報を知ることができるという点で遠隔診療と多くの部分で共通しています。

 本システムでは利用者となる患者と医師それぞれのための機能を用意しています。医師と患者が本システムを介してコミュニケーションをすることで、お互いにとってより良い医療環境を構築することが可能となります。患者はLINEで「ドクターQ」のLINEボットを友だち追加することで、全てスマートフォンのLINEアプリ上で操作を行えます。医師が本システムを利用していれば、医師代わりのチャットボットからの問診を受けたり、自分自身のカルテを閲覧したりすることができます。医師は、「ドクターQ」のサービスウェブサイトにアクセスすることで、患者の経過を把握し、ボットを通して患者と接触することができます。電子カルテのフォーマットに沿う形式でチャットボットが医師の代わりにLINEのチャット画面を通して患者に経過を質問します。


 本システムの特徴は次の三つの情報を自動で収集、整理できます

 (1)カルテに記載するべき患者情報

 (2)医師がフォローするべき患者情報

 (3)患者が気にするべき診療情報


 患者は「カルテを見せて」「薬を見せて」とドクターQに送ると、処方された薬の一覧や過去のカルテをLINE上で閲覧することができます。医師はドクターQを利用しウェブサイトからのカルテの閲覧と患者への返信が可能です。

 医療機関を対象に本システムを無償で提供します。患者はスマートフォン利用者であれば、「ドクターQ」のLINEボットを友だち追加することで利用できます。2018年1月のサービス提供と同時にLINE上に医療機関などからの広告を表示する事業を開始します。同年3月には患者に医師を紹介する事業、夏には健康食品を販売する事業を開始する計画です。

 NAMはサービス開始1年で100施設への導入、1万人の個人利用者獲得を、3年後には累計で1,000施設、利用者10万人をめざします。3年後の売上目標は20億円です。



■株式会社NAM

社名     : 株式会社NAM(ナム)

代表取締役社長: 中野 哲平

設立     : 2017年10月

資本金    : 10,000,000円

所在地    : 東京都中央区日本橋3-2-14 日本橋KNビル4階

事業内容   : 医療分野に特化したコンピュータソフトウェアとハードウェアの開発

URL      : http://nam-inc.jp/



■代表者中野 哲平(なかの・てっぺい)プロフィール

1992年生まれ。父の仕事の関係で幼少時をカリフォルニア州シリコンバレーにて過ごす。帰国後、慶應義塾高校、慶應義塾大学医学部に学ぶ。慶應義塾大学医学部在学中より、機械学習と医療の応用に取り組み、研究論文を多数発表。機械学習のトップカンファレンスであるNIPSでも論文が採択される。また、経済産業省所管情報処理推進機構より医療IT事業について事業委託を受けるなど官公庁からも研究内容について高く評価されている。

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