<高校生の自転車利用についての実態調査>命がけの自転車通学!...

<高校生の自転車利用についての実態調査> 命がけの自転車通学!?学生の約8割が 車や歩行者と追突しそうになった経験があると回答!

~スマホいじりだけでなく、メンテナンス不足もヒヤリ・ハットの原因に~

自転車の安全利用促進委員会では、自転車を利用する高校生100名を対象に、安全安心な自転車ライフをおくるために必要なルールやマナーといった自転車利用の“ソフト面”の実態と、自転車自体の安全性・メンテナンスなどの見逃されがちな“ハード面”の実態についての調査を行いました。

Q.自転車に乗っていてヒヤリと感じたり、ハッとした経験はありますか。
Q.自転車に乗っていてヒヤリと感じたり、ハッとした経験はありますか。

自転車事故の中でも、高校生の自転車事故件数は最も多く、特に冬場は下校時間帯の道は暗いことに加え、新しい学年にもすっかり慣れてきた頃ということで、緊張感が無くなり、事故も多くなっていると考えられます。高校生の自転車事故は車や高齢者との接触事故が多く、よそ見などの少しの不注意が大きな問題になりかねません。

近年高校生による自転車事故は年々減少傾向にあり、自転車指導に取り組む学校やスタントマン等を使った自転車講習会などが奏功しているように思われます。しかし、マナーなどのソフト面の基本的な指導は行われてきているものの、ハード面のメンテナンス指導などはまだまだ少ないようです。今回の調査からも、メンテナンス不足によるヒヤリ・ハット経験者が多くいることが分かり、早急な取り組みが必要であることが分かりました。

高校生は事故の被害者にも加害者にもなりやすい現状にあります。今回の調査では、自転車についての基本マナーもなかなか浸透していない現状にあることがわかりました。自転車が自動車と同じく、人の命に関わる乗り物であることを理解するため、高校生が自分ごと化しやすい指導を進めることが重要です。具体的な事故事例の解説や、通学路の危険なポイントの紹介、メンテナンスの重要性など、様々な視点を含めた指導をしていくことが必要だと考えられます。


≪高校生を対象に行った自転車の実態調査≫
●通学はもはや命がけ?
 学生の約8割が「車・歩行者・自転車と追突しそう」になった経験あり!
 メンテナンス不足が原因でヒヤリ・ハットを感じている高校生は主婦の3倍も。
―高校生の9割以上がヒヤリ・ハットを経験。
―「車・歩行者・自転車と追突しそうになった」と回答した高校生は76.0%。主婦との結果には大きな差があり、スマホを利用しながらの運転など高校生の危機感の薄さが窺える結果となった。
―チェーンが外れた、ブレーキが効かなかった等のハード面(整備不良・自転車自体の製品不具合)を原因とするヒヤリ・ハット経験も高校生の特徴であることが分かった。

●学校での自転車講習はよく分からない?
 『被害者』にならないための指導や、メンテナンスに関する指導はまだまだ少ない現状。
―「『加害者』になりうることを認識させる指導」をしている学校が多いものの、理解・浸透は2割以下に留まる。
―交通ルールや運転マナーの指導が大半を占め、メンテナンスや実際に事故に遭った時の対処法などの教育は少ないことが明らかとなった。

●明日事故が起きても不思議じゃない!
 高校生の半数以上がメンテナンス0回の事実!
―高校生の52.0%がメンテナンスはしていないと回答。
―7割以上がメンテナンスの頻度が分からず、8割が面倒くさいと回答。


▼調査概要
調査方法  : インターネットリサーチ
回答数   : 高校生100名
調査日   : 2016年9月2日(金)~2016年9月3日(土)
調査主体  : 自転車の安全利用促進委員会
ホームページ: http://jitensha-anzen.com
ご注意   : 図表の構成比は四捨五入しているため、
        構成比の和が100%にならない場合があります。


●通学路はいつも命がけ?
 学生の約8割が「車・歩行者・自転車と追突しそう」になった経験あり!
 メンテナンス不足が原因でヒヤリ・ハットを感じている高校生は主婦の3倍も。

―高校生の9割以上がヒヤリ・ハットを経験。
―「車・歩行者・自転車と追突しそうになった」と回答した高校生は76.0%。主婦との結果には大きな差があり、スマホを利用しながらの運転など高校生の危機感の薄さが窺える結果となった。
―チェーンが外れた、ブレーキが効かなかった等のハード面(整備不良・自転車自体の製品不具合)を原因とするヒヤリ・ハット経験も高校生の特徴であることが分かった。

自転車事故の中でも、最も多いと言われている高校生の事故。今回の調査からは、高校生の事故の多さを裏付ける結果が明らかとなりました。自転車走行中に「ヒヤリと感じたり、ハッとした経験が無い」と答えた学生は9.0%に留まり、9割以上の高校生がヒヤリ・ハットを経験していることが分かりました。具体的な場面については、「車・歩行者・自転車と追突しそうになった」時がダントツの76.0%。これは同時期に調査した主婦の53.3%という結果と比べても圧倒的であり、事故になりうる可能性を約8割の高校生が実際に経験していると言えます。また、「スマホをみていたので、注意していなかった(14.0%)」「片手で運転していたので、急な対応が出来なかった(13.0%)」という回答は主婦よりも高校生の回答に多く、ヒヤリ・ハットを感じやすい高校生の特徴であることも分かりました。

<Q.自転車に乗っていてヒヤリと感じたり、ハッとした経験はありますか。>
https://www.atpress.ne.jp/releases/117724/img_117724_1.png

ヒヤリ・ハットした原因を、ソフト面とハード面に分けて見てみると運転マナー等のソフト面を原因とする回答は多いものの、約4人に1人が「タイヤがパンクした(24.0%)」「チェーンが外れた(24.0%)」経験があると回答。チェーンやブレーキの不具合をヒヤリ・ハットの原因とした高校生は、主婦の2倍~3倍も存在し、高校生にこそメンテナンスに関する教育が必要だと感じる結果となりました。

<Q.自転車に乗っていてヒヤリと感じたり、ハッとした原因は何ですか>
https://www.atpress.ne.jp/releases/117724/img_117724_2.png


●学校での自転車講習はよく分からない?
 『被害者』にならないための指導や、メンテナンスに関する指導はまだまだ少ない現状。

―「『加害者』になりうることを認識させる指導」をしている学校が多いものの、理解・浸透は2割以下に留まる。
―交通ルールや運転マナーの指導が大半を占め、メンテナンスや実際に事故に遭った時の対処法などの教育は少ないことが明らかとなった。

高校生の事故件数は各学校での自転車講習会などが功を奏し、減少傾向にあります。しかし、大きな事故になりかねない事故の未遂は頻発している現状にあり、音楽プレーヤーや携帯電話の使用したまま運転する“ながら運転”などの緊張感の無い行動が原因となっています。一人ひとりの交通ルールの意識の向上が必要ですが、現状ではどのような自転車指導が行われているのか調査致しました。

<Q.学校ではどのような指導がありますか。実施しているもの、浸透しているものについて答えてください。>
https://www.atpress.ne.jp/releases/117724/img_117724_3.png

自転車通学指導について約半数の学校が「“事故は怖い”と『加害者』になりうることを認識させる指導」(50.0%)や「座学や実技による“自転車安全利用5則”を理解させる指導」(34.0%)を実施していると回答。しかし、“浸透している”と思うと回答したのはそれぞれ「“事故は怖い”と『加害者』になりうることを認識させる指導」が18.0%、「座学や実技による“自転車安全利用5則”を理解させる指導」が19.0%と、活動が理解に結び付いていない現状が明らかとなりました。

一方で、「“事故は怖い”と『被害者』になりうることを認識させる指導」の実施は3割程度であるものの、約4割の高校生が浸透していると回答し、高校生自身のヒヤリ・ハットの経験の多さが理解につながっていると考えられます。しかし高校生は自転車事故に遭っても、事故報告せずに後日身体の不調等を訴えるという場合が少なくありません。事故の大小に関わらず、自身が被害者・加害者どちらの場合にも冷静に対処することが出来るように、あらゆる場面を想定した自転車指導が必要なのではないでしょうか。


●明日事故が起きても不思議じゃない!
 高校生の半数以上がメンテナンス0回の事実!

―高校生の52.0%がメンテナンスはしていないと回答。
―7割以上がメンテナンスの頻度が分からず、8割が面倒くさいと回答。

メンテナンス不足など、ハード面を原因としたヒヤリ・ハットも約4人に1人の割合で見られましたが、学校での自転車指導の質問では、自転車のメンテナンス指導を行っている学校はわずか15.0%でした。普段から自転車を利用する高校生のメンテナンスの現状についても調査しました。

<Q.あなたの自転車のメンテナンスの頻度はどの位ですか。>
https://www.atpress.ne.jp/releases/117724/img_117724_4.png

自転車のメンテナンスの頻度についての質問では、半数以上の52.0%がメンテンスを「していないと」と回答し、いつ事故が起きてもおかしくない状態にあることが分かりました。また、メンテナンスについて感じていることについては、71.0%が「メンテナンスの頻度が分からない」と回答しており、大半の高校生がメンテンスの仕方や重要性を意識できていないことが明らかとなりました。

<Q.自転車のメンテナンスについて~メンテナンスの頻度が分からない~>
https://www.atpress.ne.jp/releases/117724/img_117724_5.png


現在の学校での指導状況では、「自転車自体の安全性を担保するBAAマーク貼付自転車の推奨」や、「事故時に身を守るためのヘルメット着用」などのハード面の指導に取り組んでいる学校は5.0%~6.0%程度で、自転車自体の安全に欠かせない日ごろのメンテンスへの関心を向けることができていない現状にあることが分かります。自転車をしっかりメンテナンスしなければ、走行時にブレーキが効かないなど、安全に走行することができません。委員会では、BAAマーク付きの自転車を選ぶなど、ハード面へも日ごろから意識を向けることが、相手だけでなく自分の命を守ることにつながっているという認識をこれからも広げていきたいと思います。


【参考資料:自転車の製品欠陥・メンテナンス不足で引き起こされる自転車事故】
NITE(製品評価技術基盤機構)では2004~2013年の間に製品欠陥が原因で発生した事故が367件に及ぶという調査結果を発表しています。「強度不足」(106件)「取り付け不備」(58件)「加工不良」(32件)などそもそもの製品欠陥がキッカケとなり、運転中に自転車が壊れ事故化、症状が重症化しているケースも見られます。

これらの大きな欠陥による事故だけでなく、「ブレーキが利かない」「ペダルが回らない」「ハンドルが切れない」などが要因となった事故についても見逃すことができません。ブレーキの状況を1つ取っても、整備の行き届いたものと、そうでないものでは、ブレーキをかけてから停車するまでの距離に大きな差が出るという検証結果もあります(委員会調べ)。自転車購入時により安全性の高い自転車を購入することや、自転車店でのプロメンテナンスやセルフメンテナンスを行うこともこれらの事故を減らすためには必要です。

<Q.自転車の製品欠陥・メンテナンス不足で引き起こされる自転車事故>
https://www.atpress.ne.jp/releases/117724/img_117724_6.png

取材依頼・商品に対するお問い合わせはこちら

プレスリリース配信企業に直接連絡できます。