GfK Japan調べ:北京五輪商戦を振り返って、家電量販店の販売実績から北京五輪効果を検証

ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長:朝比奈 進)は、家電量販店における主要カテゴリーの販売実績から五輪効果を検証した。

図1
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【概要】

五輪商戦期間中、AV製品は堅調に推移。但しエアコンの商戦期が例年通りの7月に戻ったため、一部資金が白物に流れた模様。(2007年のエアコン商戦は7月が低調で8月が好調だった)
薄型TVにおける特需は約17万台と、当社当初予測の約25万台を下回った。
特需により、2008年の薄型TVの販売は2%程度積み増し。更なる販売増に向け、年末商戦では業界全体での取り組みに期待。


【五輪商戦と猛暑商戦で全体的に盛り上がる】

五輪商戦期(8週間、6月23日週~8月11日週)において、各カテゴリーの数量前年比は液晶テレビで30%増、プラズマテレビ17%増、DVDレコーダー19%増と、AV製品には一定の五輪効果があったと言えそうだ。ただ猛暑によりエアコンが大きな伸びを見せており、五輪商戦に猛暑商戦が重なったかたち。
結果、AVを中心とした五輪商戦としては堅調な推移であったものの、猛暑によってエアコンに一部資金が流れた模様(図1)。
ただ同時期の洗濯機が数量前年比2%増、冷蔵庫も同4%増と堅調に推移しており、通常の夏商戦に加え、五輪商戦、猛暑商戦が重なり、幅広いカテゴリーで販売増に繋がったと言えそうだ。

図1:カテゴリー別 販売数量(2007年vs2008年)


【薄型TVの五輪特需は期待を下回る結果】

五輪商戦における薄型TVの2008年の販売実績は、2008年単純予測(*)を上回って推移した(図2)。ただ図2の薄型TVの販売数量において、2008年単純予測と2008年実績の差分を特需とすると、薄型TVで実際に特需があったのは8月4日週までの7週間だった。五輪商戦期を6月23日週から8月11日週の8週間と見込んでいたが、五輪開催後は特需が見られず最後は伸び悩むかたちとなった。
この結果、前述の猛暑商戦に一部資金が流れたこともあり、薄型TVの特需部分の販売台数は約17万台と、当初見込みの約25万台を下回る結果にとどまった。
 また五輪期間中の薄型TVのシェアでは、松下、シャープ、ソニーが五輪商戦前よりも数量・金額とも伸ばした(表1)。年初来、薄型TVの数量シェアはシャープが4割強を占め、松下が2割弱、ソニーが15%程度。今回の五輪商戦では、これら大手ブランドへの更なる集中が進んだ結果となった。

(*)2007年の販売台数に、2008年の予想成長率を乗算した単純な予測値

図2:薄型TV 販売数量推移(週次)
表1:五輪商戦期間中のシェア増減


【年末商戦に向けた展望】

これまでのスポーツイベントを見ると、特需による反動はほとんど見られず年末商戦を迎えている。また今回は白物に一部資金が流れたとすれば、薄型テレビに対する潜在的な需要が先送りされたとも言え、年末商戦においてこれら需要を取り込むことができよう。
更に2011年のアナログ停波による地デジ対応テレビへの買換え需要増も期待され、年末商戦はこれまで以上に重要な商戦期となりそうだ。
テレビは、いまや家電量販店の売上げの20%超を占める最重要カテゴリー。
今回の北京オリンピック効果では、2008年の薄型TVの販売台数の2%程度積み増し効果があったと試算されるが、年末に向け業界をあげての取り組みによって更なる販売増に期待したい。
(マーケット・インテリジェンス部 平岡 卓朗)


≪GfK Japanのデータについて≫

全国有力家電量販店より、毎日POSデータを収集。モデル別であらゆるカテゴリーの動向を調査している。多くの市場データが出荷時点を捉えているのに対し、販売時点で実需を細かく追っているのが特徴である。
また、同様に総合量販店(GMS)や地域家電店、インターネットチャネルなどからも販売データを収集。家電以外にも、ゴルフ用品やDVDソフトウエアの販売データを構築している。

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