日本初!ジョリーグッドと帝人ファーマ、 うつ病向けデジタル治...

日本初!ジョリーグッドと帝人ファーマ、 うつ病向けデジタル治療VRの特定臨床研究を開始

〜 薬事承認に向けて国立精神・神経医療研究センターと共同実施 〜

 株式会社ジョリーグッド(東京都中央区、代表取締役CEO:上路健介、以下 ジョリーグッド)は、帝人ファーマ株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:渡辺一郎、以下 帝人ファーマ)と共同開発している、うつ病患者に対するVRを活用した認知行動療法(*)(Cognitive Behavioral Therapy, CBT)のフィジビリティ試験を国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)と共同で開始いたします。なお、VRを活用した認知行動療法を特定臨床研究として実施するのは本研究が初めてとなります。

 本臨床研究では、ジョリーグッドと帝人ファーマが共同開発したうつ病向けデジタル治療VR(CBT-VR、現在は未承認)を活用し、対面で実施されるCBTの一部をVRで代替することによって、CBTの治療効果を有しながら医療従事者の介在時間を短縮することが可能かどうか、そして安全性について評価します。
 CBT-VRは、うつ病に対する治療を目的としており、医療従事者の時間的負荷をVRで軽減することで、CBTによるうつ病治療の機会拡充と患者利益の向上が期待されます。

 今後ジョリーグッドと帝人ファーマは、本臨床試験の結果を受けて、2025年以降にはうつ病向けデジタル治療VR(CBT-VR)の最終的な有効性や安全性を確認する治験を開始し、薬事承認を目指す予定です。
※認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy, CBT)とは、認知の偏りを修正し問題解決を手助けすることによって症状を改善する構造化された精神療法です。CBTの臨床的有用性は認められており、医師又は看護師が実施する場合に保険が適用されます。

■フィジビリティ試験概要

 本研究ではうつ病患者に対してVRを用いたCBTを行ない、CBT-VRが臨床現場にて使用可能かを確認するとともに、その有効性および安全性を検討します。

<基本概要>

 本研究は、単施設で実施する治療介入の単群、前後比較試験です。スクリーニング検査により適格性を満たした、うつ病患者に対し、原則、週1回の外来にてCBT-VRを16セッション実施します。ベースライン、8セッション終了時、16セッション終了または治療中止時の検査と、各セッション時の検査および診療に要する時間の計測と、患者質問票によりCBT-VRの実行可能性を評価します。16セッション終了後または介入中止以降の追跡期間である6か月間は希望する被験者に対してCBT-VRの使用を継続し、3か月および6か月の追跡評価を実施します。

<対象者>

【主な選択基準】
①大うつ病性障害と診断され、薬物療法によって改善しない方、あるいは薬物療法が適さない方
②18歳以上65歳以下の方
【主な除外基準】
①躁病エピソード、軽躁病エピソード、精神病エピソード、パーソナリティ障害、PTSD、アルコール・物質使用障害の併存や既往がある方
②強い希死念慮がある方
他にも、担当医師が診察や検査の結果から適格性を判断します。

<研究実施期間>

2022年11月(公表日)から2024年9月まで(対象者登録期間は2023年3月まで)

■うつ病向けデジタル治療VR(CBT-VR)概要

 CBT-VRは、うつ病に対するCBTの支援を目的として、ジョリーグッドと帝人ファーマが新たに開発している未承認の医療機器プログラムであり、現在は薬事承認を目指して開発を進めています。
 CBT-VRでは、心理教育、目標設定、行動活性、問題解決、認知再構成、再発予防といったCBTの一連の流れをVRで体感しながら技法を学ぶことで、感情喚起や認知の偏りの修正をサポートし、患者さんのQOLが向上することを目指しています。

■認知行動療法(CBT)の課題

 CBTは、臨床的有用性が認められており、医師又は看護師が実施する場合に保険が適用されます。一方で、CBTを実施する際の医療従事者の時間的負荷が大きく、地域によりCBTを実施できる医療従事者の確保が難しいなど、 CBTを提供する体制が整っていないため、現在、CBTを希望する患者への供給は十分ではありません。そのため、CBTの普及に向けて情報通信技術を活用した提供体制の整備が課題となっています。
▲出典:日本の精神科診療所における認知行動療法の提供に関する実態調査「認知行動療法実施阻害要因の該当頻度の違い」
▲出典:日本の精神科診療所における認知行動療法の提供に関する実態調査「認知行動療法実施阻害要因の該当頻度の違い」
▲出典:日本の精神科診療所における認知行動療法の提供に関する実態調査「都道府県別の認知行動療法実施率」
▲出典:日本の精神科診療所における認知行動療法の提供に関する実態調査「都道府県別の認知行動療法実施率」

■帝人ファーマ株式会社について(https://www.teijin-pharma.co.jp/

 帝人グループは、あらゆる年齢の人々の健康的で快適な生活を支える製品・サービスを提供することとしており、革新的な治療法の創出をめざしています。そのヘルスケア事業の中核を担う帝人ファーマは、これまで主軸としてきた医薬品事業および在宅医療事業に加えて、2019年より精神疾患の一つであるうつ病に対するrTMS(反復経頭蓋磁気刺激)装置「NeuroStar TMS」を販売し、患者さんのQOL向上に取り組んでいます。

■国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センターについて(https://www.ncnp.go.jp/cbt/

 認知行動療法センターは、日本初の「認知行動療法(CBT)」の研究開発や研修を専門とする国立のセンターです。国内最先端の認知行動療法の研究と研修を通じて、日本の精神医療技術の向上と、よりよい精神医療サービスを患者様に提供できる社会の実現を目指しています。

■株式会社ジョリーグッドについて(https://jollygood.co.jp/

 ジョリーグッドは、高精度なVRソリューションと、VR空間のユーザー行動を解析するAIによる医療福祉向けサービスを開発するメディカルテクノロジーカンパニーです。VRやAIなどのテクノロジーにより、医療教育、障害者支援、精神疾患治療など、人の成長や社会復帰を加速し、医療の進化や人の生きがいを支えるサービスを様々な研究機関や企業の皆様と共に展開しています。

【企業理念】

テクノロジーは、それを必要とする人に使われて、初めて価値がある。

【ミッション・ビジョン・バリュー】

ミッション:『テクノロジーで人の成長を加速する』
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