世界初!ジョリーグッドと大塚製薬、ひきこもり家族支援VR提供...

世界初!ジョリーグッドと大塚製薬、ひきこもり家族支援VR提供開始 新たに全国の自治体向けにも展開

 株式会社ジョリーグッド(東京都中央区、代表取締役CEO:上路健介、以下 ジョリーグッド)は、大塚製薬株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:井上眞、以下 大塚製薬)との共同事業であるソーシャルスキルトレーニング(SST)プログラム「FACEDUO(フェイスデュオ)」にて、新たに「ひきこもり家族支援VR」の提供を2024年2月8日より開始いたします。
 「ひきこもり家族支援VR」は、ひきこもり当事者と生活するご家族を対象に、当事者に社会参加を促す際に有効なコミュニケーションのポイントや対応方法を学ぶことを目的とした世界初のVR支援プログラムです。全国のひきこもり支援を行う相談機関・施設が実施する家族教室での活用を想定しています。

 内閣府の調査*1によると、現在15〜64歳の約2%にあたる推計146万人が「ひきこもり」の状態にあります。ひきこもりの背景にある、うつ病など精神疾患やひきこもりに対する偏見や誤解のために、本人およびご家族が相談・医療機関への来所・受診をためらい、支援の開始が大幅に遅れ、ひきこもりが長期化することも問題となっています。

 ひきこもりの早期介入には、ステップ・バイ・ステップのアプローチが必要であると言われています*2。ファーストステップはご家族への支援で、当事者の身近にいるご家族が支援者になることです。ご家族がひきこもりへの理解を深め、ひきこもる本人の来所・受診がスムーズに進むよう、当事者のご家族から働きかける必要があるため、本プログラムの開発に至りました。

 ジョリーグッドは、「ひきこもり家族支援VR」でひきこもり支援に当事者の家族が適切に参加する潮流を創出していくように、今後もあらゆる人が医療に参加する未来を目指す『ひらけ、医療。』プロジェクトのビジョンに沿い、様々な事業を展開していきます。

■ひきこもり原因の約8割は精神疾患 約6割は支援にたどり着けず

九州大学医学研究院精神病態医学分野 准教授 加藤隆弘医師の研究*3によると、ひきこもり当事者に多い精神疾患は回避性パーソナリティ障害・うつ病・PTSD・社交不安症で、全体の77%が何らかの精神疾患を罹患していました。また、多くのひきこもり当事者(78%)が、ひきこもり打開のための何らかの治療を望んでおり、薬物療法よりも精神療法(カウンセリング)を希望する人が多いことがわかりました。
厚生労働省によると、ひきこもり当事者の55.9%は支援機関に相談した経験がありませんでした*4。

ひきこもり当事者と同様に、ご家族も支援にたどり着くことができず、悩みや辛さを抱え込んでいると言えます。当事者への介入を行うためにも、まずはご家族がひきこもり地域支援センターや精神科・心療内科などの医療機関に相談し、適切な支援を受けることが早期解決につながります。
*1 内閣府「こども・若者の意識と生活に関する調査(令和4年度)」
*2 厚生労働省「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン(2010年)」
*3 加藤隆弘,Teo AR,館農勝,Choi TY,Balhara Y,神庭重信.(2015).社会的ひきこもりに関する日本,米国,韓国,インドでの国際共同調査の紹介.臨床精神医学 44, 1625-1635.
*4 厚生労働省「ひきこもり状態にある方のすがた」https://hikikomori-voice-station.mhlw.go.jp/information/

■ソーシャルスキルトレーニングVR「FACEDUO(フェイスデュオ)」

 「FACEDUO」は、社会生活の様々な場面をリアルに再現した場面をVRで体験することができる VR空間に展開される現実空間を教材にした専門医監修のSST支援プログラム(訓練ツール)です。

<ひきこもり家族支援VR概要>

 「状況体験」「工夫発見」「実践練習」の3つのパートで構成されており、つい家族側がやってしまいがちな対応を360度空間でまずはリアルに実体験し、そこから気づきを得ることで当事者に対する適切なコミュニケーションを学ぶことができます。なお、全てのVRコンテンツは、九州大学大学院医学研究院精神病態医学 准教授 加藤 隆弘医師に監修いただいています。
コンテンツ名:相手の気持ちを聴いてから話す
コンテンツ名:相手の気持ちを聴いてから話す
コンテンツ名:相手の気持ちを聴いてから話す
コンテンツ名:相手の気持ちを聴いてから話す

<「FACEDUO」で一連の支援が可能に>

今回のプログラム開発を機に、「FACEDUO」では、ひきこもり当事者にまずは支援の場に早期アクセスすることを促進し、その後、支援の場で社会復帰に向かう際に必要となる対人コミュニケーションスキルや就労に必要なスキルを学ぶ当事者向けプログラム「SST-VR」を提供することで、社会復帰までの一連の支援が可能となります。

・FACEDUO公式サイト:https://www.faceduo.jp/
・FACEDUOひきこもり家族支援VR公式ページ:https://www.faceduo.jp/hikikomori/
・お申し込み・お問い合わせはこちら:https://www.faceduo.jp/contact/

■ひきこもり家族支援VRに関するコメント

コンテンツ開発・監修:九州大学医学研究院精神病態医学分野 准教授(ひきこもり研究ラボ@九州大学 代表)加藤 隆弘医師

 ひきこもり研究ラボ@九州大学では、2013年世界初のひきこもり専門外来を大学病院内に立ち上げました。この研究外来を拠点として、国内外の医療研究機関やひきこもり支援団体と連携し、ひきこもりの多面的理解に基づく具体的な支援法の開発をすすめています。
 今回、私たちはこれまでの経験と知見を基に、ご家族がひきこもりや精神疾患への理解を深め、ひきこもる本人の来所・受診がスムーズに進むことを願い、ご家族からの声かけなど具体的な対話スキルを習得できるように、ロールプレイングを盛り込んだVRプログラムを開発しました。こうしたプログラムを基にしたご家族向けの教育支援が全国のひきこもり支援機関で活用されることで、ひきこもる本人による直接の来所・受診が早まり、ひきこもりの長期化解消の一助となることを期待しています。

■大塚製薬株式会社について https://www.otsuka.co.jp/

大塚製薬は「Otsuka-people creating new products for better health worldwide」(世界の人々の健康に貢献する革新的な製品を創造する)の企業理念のもと、病気の診断から治療にアプローチする医療関連事業と、日々の健康維持・増進をサポートするニュートラシューティカルズ関連事業の二つの事業を中心に、トータルヘルスケア企業として多様な事業を展開しています。

■株式会社ジョリーグッドについて https://jollygood.co.jp/

 ジョリーグッドは、米国やアジアを中心に、高精度なVRソリューションと、VR空間のユーザー行動を解析するAIによる医療福祉向けサービスを開発するメディカルテクノロジーカンパニーです。VRやAIなどのテクノロジーにより、医療教育、精神疾患治療など、人の成長や社会復帰を加速し、医療の進化や人の生きがいを支えるサービスを様々な研究機関や企業の皆様と共に展開しています。
 これまで日本では200以上の医療・福祉機関への導入実績があり、米国ではハーバード大学やボストン大学、タイではマヒドン大学と共同開発事業を手掛けています。
ジョリーグッドはデジタル治療VRの協業パートナーを募集しています。ぜひお問い合わせください。
お問い合わせはこちら:https://vrdtx.com/contact

「ひらけ、医療。」プロジェクト

「ひらけ、医療。」は、誰もが医療に参加することで、あらゆる場所に医療がある未来の創出を目指していくプロジェクトで、ジョリーグッドが2023年11月に立ち上げました。日本の医療は高齢化による医療ニーズの増加や人材不足といった課題を抱えており、あらゆる生活者が医療に参加しやすい環境構築が必要とされています。
 詳細はこちらをご覧ください。https://jollygood.co.jp/hirake-iryou

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