「中部ネイチャーシリーズ」9月29日(金)中部7県で「山編」...

「中部ネイチャーシリーズ」 9月29日(金)中部7県で「山編」放送!

テーマは“奇跡の瞬間をたずねて” 今年はシリーズ初の4K撮影!山と海、それぞれの絶景旅をお届けします

NHK中部7局が2013年から特集している「中部ネイチャーシリーズ」について、今年は北アルプスと白山を舞台に雪と水がもたらす大自然の旅をお届けする「山編」を9月29日(金)に放送します。息をのむ絶景、心おどる発見。中部地方には、日本屈指の自然が広がっており、今年は「山」と「海」それぞれの大自然がみせる奇跡の瞬間を求めて、4人の旅人が絶景の舞台をたずねます。

槍・穂高を旅したエッセイストの華恵さんのメッセージとともに、番組の内容をご紹介します。



◆「槍・穂高と白山~雪と水がつくる絶景をたずねて~」

放送予定:9月29日(金) 総合 午後7時30分~8時43分 <中部7県>


~槍・穂高~旅人:華恵(エッセイスト)

北アルプスの槍・穂高連峰は、日本の3,000m峰21座のうち8座が集まる登山者に人気のエリア。ここには、一部の登山家や山小屋関係者のみが知る“雪と水がつくる絶景”があります。それを作り出すのは大量の雪と雨。最新の研究から、槍・穂高連峰で1年間に降る雪と雨の総量は、日本一と言われる屋久島や大台ヶ原に匹敵することが明らかになってきました。険しい地形と気象条件が生み出す四季折々の絶景、生きものたちの営みを見つめ、雪と水が作り出す知られざる物語を紹介します。


~白山~旅人:工藤夕貴(女優)

石川・岐阜・福井の3県にまたがってそびえ、古くから霊峰として信仰を集めてきた白山。

山頂付近には7つの火山湖、山腹には数多くの美しい滝や渓谷が見られます。その名の由来とも言える冬の積雪は10m以上。夏まで残る雪渓が山を潤し、国内有数の広大な高山植物の花畑や100種類もの蝶や絶滅危惧種の生きものたちを育んでいます。修験者が初めて山頂に登り、社を建ててから今年で1,300年。番組では、雪解けが始まる春から、彩り豊かな景観が見られる夏まで継続的に撮影し、人々を惹きつけてやまない霊峰・白山の魅力を紹介します。



<華恵さんメッセージ>

●ネイチャー流 北アルプスの旅

北アルプスは、高校生のときに西穂高を登って以来これまで10回以上、一番多く登っている地域です。今回冬、春、夏と訪れた山は特に登山者に人気があり、私も登山経験があるのですが、それでも今回、山小屋のご主人や、専門家、大学教授の方々に教えていただきながら、それぞれの季節を通して、見たことのない景色をたくさん知ることができました。登山の難易度もさまざまだったので、これから登山を始める方も、もともと山好きの方も、誰もが楽しめると思いますし、立ち止まるからこそ見られる景色がたくさん登場しますので、皆さんそれぞれに何か発見があると思います。



●雪と水の豊かさを実感

旅の間中ずっと雪と水の存在を感じていたのですが、特に印象的だったのは意外にも夏の出来事です。目の前に雪や水、氷がなくても、地形そのものが氷河によって作られたものなのだと教えていただき、今歩いている道もかつては氷河のなかだったんだ!と想像がふくらみました。見えないからこそ、風景に溶け込んでいることをより実感できたと思います。



●冬、春、夏、印象的な瞬間

冬は、「太陽柱(たいようちゅう)」が印象深いです。雲や大気の湿気の関係で、縦に太陽の光が伸びて柱のように見える現象なのですが、夕方山小屋で「もうすぐ見られるよ」と声をかけていただき、少し待っていたら本当にあらわれて!生まれて初めて目にする景色、本当に美しかったです。

春は、雪解け水の意外な姿に驚きました。これまで何度も歩いていた道なのですが、立ち止まって道の下の川の中を覗き込むと、雪解け水がポコポコとジャグジーのように下から湧き上がっていて…。知っているつもりの道でも、角度を変えると意外な瞬間を目撃することができるのだと教えていただきました。

夏は、槍ヶ岳で見た「擦痕(さっこん)」という岩の筋に大興奮しました。ご同行いただいた信州大学の地質学の教授が、岩の表面の細い筋状の痕を指し、これは何万年も前に氷河が通過した際に、ガリガリと岩を削った痕なのだと教えてくださったんです。私はロッククライミングをやっていたこともあって、もともと岩が大好きなのですが、風化の現象として当たり前だと思っていた地形ひとつひとつに理由があり、歴史が刻まれているのだと思うとロマンを感じます。大好きな岩が、氷河…つまり雪や水とつながっていたことも新鮮な発見でした。



●旅のベストシーン!

2つ挙げたいのですが、まず、誰が見ても目を奪われるのは「太陽柱」です。登山愛好家のなかでもなかなか見ることができない奇跡的な景色を、偶然撮影することができたのはとても幸運でした。

個人的には「擦痕」を選びたいです。映像としては地味かもしれませんが、小さな線が、2万年前の氷河の跡だと聞くと、この岩はそんな時代からここにいたんだね…と愛おしい気持ちになりましたし、見逃してしまいそうなほど小さな痕跡から大きな想像を広げるのはとても楽しい時間でした。



●改めて、山の魅力

街は時代によって建物や道がどんどん変わりますが、山の景色は変化のスケールが何千年何万年と、気が遠くなるような単位で流れています。山の中にいると地球に抱かれているようなのびのびとした気持ちになれるのが魅力です。

さらに今回の旅では、「待つ」ということがとても大切だと感じる瞬間がたくさんありました。同行してくださった信州大学の教授の言葉で、「景色の中のいろいろなものをじっくり見て、この風景が生まれた理由に想いを馳せるのは、声なき声を聞くことなんです」というメッセージのとおり、目に見える世界だけで十分心奪われてしまう景色でも、一歩近づいてみたり、少し立ち止まって考えてみたりすると情報がさらに増えて、この瞬間しか存在しないものを見せてくれます。だからこそ一瞬の儚さも感じますし、「キレイ」だけではないものも伝えてくれるのだと気づく旅になりました。


~華恵さんが訪れた旅の舞台~

冬:西穂高岳

風速20m以上の日が続く冬の雪山。雲海が山の稜線を越えて滝のように落下しながら消えていく“滝雲”を狙う。


春:涸沢(からさわ)

新緑が一年で最も美しい時期を迎える登山口の上高地から、シラビソの原生林を進み涸沢ヒュッテを目指す。この場所で、朝日が昇る直前に山の雪面が赤く染まる“モルゲンロート”を目撃。


夏:槍ヶ岳

槍・穂高連峰の険しい姿はどのようにできたのか、そこには太古の氷河が深く関わっていた!?その成り立ちに迫る。



◆「海編」は10月20日(金)放送予定!

「伊豆半島と能登半島~潮流が生んだ奇跡の絶景旅~」

太平洋と日本海・2つの海を舞台に、潮流がもたらす豊かさの秘密を探ります。

<伊豆半島>旅人:品川祐(品川庄司)

<能登半島>旅人:大家志津香(AKB48)

放送予定:10月20日(金) 総合 午後7時30分~8時43分 <中部7県>



◆11月、BS1で放送予定!

今年「中部ネイチャーシリーズ」で放送する4つの物語を再編集して11月に放送します。

『躍動する大自然 奇跡の絶景ストーリー』

~「北アルプス 槍・穂高連峰」「霊峰・白山」「南伊豆・神子元島」「能登半島の海」~

※スーパーハイビジョンでの放送も予定しています(試験放送)



◆番組ホームページ

http://www.nhk.or.jp/nagoya/nature/

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