メガネフレーム2009年1-8月期販売動向 価格下落により金額ベースでマイナス成長続くも、数量ベースでは回復の兆し
調査・報告
2009年10月30日 17:00 ジーエフケー・オプティックス・ジャパン株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長:朝比奈 進)は、メガネフレームの眼鏡チェーン店と3プライス店における2009年1-8月期の販売動向を発表した。

【概要】
2009年1-8月期累計は金額ベース前年同期比8.3%減、数量ベース前年同期比1.4%減となったが、7,8月にかけて回復の兆し。
8月期の平均価格は、9,495円で前年同月比6.6%減となり、大きく下落。
眼鏡チェーン店と3プライス店の数量前年同期比は、それぞれ2.4%減(眼鏡チェーン店)、1.1%増(3プライス店)となり、3プライス店は好調な結果となった。
【数量ベースで回復の兆し】
2009年1-8月期累計の販売金額は834億円、前年同期比8.3%減となり、2009年1月以降金額ベースでマイナス成長が続いている。
一方、販売枚数は867万枚と、前年同期比1.4%減に留まり、金額ベースほどの落ち込みは見られない。眼鏡チェーン店は、前年同月比で1月に4.8%減、6月に4.4%減と落ち込んだものの、7月は1.1%減、8月には0.2%減にまで回復し、客数が戻ってきていることを伺わせる。1-8月期累計で2.4%減となった。また、3プライス店は月毎の変動が激しいものの、前年同月比で6月からプラス成長を続け、8月は6.7%増まで上昇したことにより、1-8月期累計で1.1%増となった(下記 図1を参照)。
図1: 2009年眼鏡チェーン店、3プライス店合算の金額前月比、数量前月比
URL: http://www.atpress.ne.jp/releases/12691/1_1.jpg
その原因は、平均価格の下落にある。8月期の眼鏡チェーン店と3プライス店合算の平均価格は前年同月比6.6%減の9,495円で、前年同月の10,171円から676円下落した。特に眼鏡チェーン店の下落が激しく前年同月比7.2%減の11,670円で、前年同月の12,570円から900円下落した。一方3プライス店は横ばい傾向が続いている(下記 図2を参照)。
図2: 店舗タイプ別平均価格推移
URL: http://www.atpress.ne.jp/releases/12691/2_2.jpg
眼鏡チェーン店では、フレームとレンズ一式で価格付けをする定額セットでの販売比率が高まっていることより、5,000円未満の商品の販売構成比が上昇している。また、ブランド商品の平均価格も定額セット販売への移行により、価格が下落している。
【定額セット販売比率の高まり】
フレームとレンズ一式で価格付けをする定額セットを主に販売している価格均一店、3プライス店の人気の高まりを受け、従来型の眼鏡専門店でもセット販売コーナーを設ける店が増えた。
2009年3月実施のメガネ購入先意向調査(注1)の結果から、1年以内のメガネ購入者全体のうち、65%が「レンズとフレームを合わせた定額セット価格でメガネを購入した」と回答している(下記 図3を参照)。特に、40歳未満の世代では70%を超えた。メガネ購入店を決める際、「価格の安さ」を最重視する世代だけに、比較的リーズナブルな価格設定と、最初から一式価格を提示されている安心感が高い支持をもたらしている。
今後もメガネ購入店決定の重視理由として、「価格」が続くようであれば、定額セットでの購入比率はさらに上昇するものと予測される。
図3: 年代別購入形態構成比
URL: http://www.atpress.ne.jp/releases/12691/3_3.jpg
【定額セット販売店の購入サイクルは2.2年】
メガネ購入先意向調査で購入サイクルは3.4年であった。前回購入店(直近購入の1回前に購入した店)を、「定額セット販売店」(3プライス店や価格均一店のように、基本的にセット価格のみで販売する業態)と、「従来型(レンズ・フレーム別価格設定)店」に分けて購入サイクルを集計したところ、「従来型店」では3.8年、「定額セット販売店」では2.2年となった。
また、直近の購入店と前回の購入店を調査することで、店舗別の顧客リピート率を求めたところ、定額セット販売店の平均が83%であるのに対し、従来型店平均では58%となった。
この調査結果から、「定額セット販売店」の購入サイクルは短く、リピート率は高いと言える。定額セット販売店が好調な理由はこの結果からも裏付けることができる。
【2009年フレームおよびレンズ市場規模推測は4,010億円】
当社では、メガネフレームおよびレンズ合計の2009年総市場規模を、対前年比6.5%減の4,010億円と推測した。市場の50%以上を占める従来型の眼鏡専門チェーン店は、価格の下落が続き金額ベースでは厳しさが続いている。一方で価格均一店、3プライス店といった定額セット販売店は、的確に消費者ニーズを掴み順調に推移していくであろう。
市場全体としては、各店舗形態において定額セット販売が浸透することにより、価格の下落が続き、市場縮小は否めない。
(注1)メガネ購入先意向調査:2009年3月実施したサンプル数約5,400名(1年以内に視力矯正用メガネを購入した人)に対するインターネット消費者調査。
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