GfK Japan調べ:シルバーウィーク商戦:家電商品販売動向  ~ 連休大型化に伴い、行楽需要とファミリー層の来店で堅調 ~

 ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長:朝比奈 進)は、シルバーウィーク商戦の家電量販店店頭における主要家電製品の販売動向を発表した。

表1 シルバーウィーク商戦(9月14日~9月27日)におけるカテゴリー別数量前年比
表1 シルバーウィーク商戦(9月14日~9月27日)におけるカテゴリー別数量前年比

【概要】
 ・今年限定の大型連休「シルバーウィーク」(9月第3週および第4週:注)における家電販売金額は、前年比4.9%増と全般的に堅調に推移した。しかしながら連休の大型化に伴う販売増は限定的であった。
 ・行楽需要に伴う販売増が期待されたデジタルカメラは、年初来の低調から持ち直し、数量前年比1.1%減と前年並みまで回復した。ビデオカメラは、新型インフルエンザによる運動会などの中止・延期が行楽需要の販売増を相殺するかたちで、依然前年割れの同3.5%減となった。
 ・エコポイント対象カテゴリーでは、地デジ移行を追い風にした薄型TVが数量・金額ともに好調、冷蔵庫は特に大型モデルが販売を牽引した。エアコンは冷夏により低調となった夏商戦以来、数量・金額とも前年割れが続いている。

注)本レポートでは、前年との祝日のずれを考慮し、9月19日~23日の5連休を含む2週間(9月第3週および第4週、14日~27日)を「シルバーウィーク」として前年同週との比較を行い分析した。

【全体的には堅調】
 9月第3週・4週のカレンダーを前年と比較すると、祝日の移動により、第3週は休日が1日少ない一方、第4週は2日多かった。これに伴い、家電量販店における店頭販売も第3週は金額前年比10.8%減、第4週は20.2%増と起伏が認められた。2週間の合計でみると4.9%増となり、全般的に堅調に推移したことが確認された。なかでもテレビ、パソコン、冷蔵庫、DVDといった、販売店での売上げ構成比の大きいカテゴリーが好調(表1)であり、家族で来店・購入検討する高額商品が牽引したことが伺える。また、高速料金の引き下げに伴う行楽需要によって販売増が期待されたデジタルカメラは、年初来の低調より回復し、連休による押し上げ効果があったと言えよう。
 しかしながら、家電販売全体としては、連休が大型化したことによる販売増は限定的で、あくまでも休日一日分が上乗せされた程度の伸びにとどまった。
 エコポイント対象カテゴリーである薄型TV、冷蔵庫は金額前年比も堅調で、薄型TVは33.8%増、冷蔵庫は14.6%増となった。薄型TVでは価格下落基調が続いているため、数量前年比よりも低い成長率となったが、冷蔵庫は数量ベースで前年並みながら、大型化と省エネの訴求で高価格化が促進された結果、金額の高成長につながった。一方エアコンは、冷夏のため夏商戦以来低調で、シルバーウィーク商戦においても数量、金額共に前年割れとなった。

※表1 シルバーウィーク商戦(9月14日~9月27日)におけるカテゴリー別数量前年比
 URL: http://www.atpress.ne.jp/releases/12375/1_1.jpg


【行楽需要で市場回復を見せたイメージング機器】
 デジタルカメラは買い替え長期化や機能の飽和を受けて年初より不調が続いているが、シルバーウィーク商戦は1.1%減と前年並みのレベルにまで上向いた。新モデル発売に加え、連休による行楽需要が市場の回復を後押ししたと考えられる。一方で、新モデル発売に伴う旧モデルの値下げや、一眼レフカメラ(レンズ交換式カメラ)において10万円未満のエントリーモデルに人気が集まったことが影響し、金額ベースでの回復は鈍かった。一眼レフでは、昨年から登場したマイクロフォーサーズ規格を採用し小型軽量化を実現したタイプが数量構成比22.1%に伸長し、その存在を確立しつつある。
 毎年9月に販売のピークを迎えるビデオカメラに関しては、前年をやや割り込む数量前年比3.5%減、金額前年比17.1%減。ビデオカメラの購買動機となる運動会などが、新型インフルエンザ流行に伴って中止・延期され、行楽需要の販売増を相殺したと考えられる。


【地デジ移行を見据え好調が続いた薄型テレビ】
 2011年のアナログ放送停止を控えた薄型テレビ(LCD、PDP)は、エコポイント制度開始となった5月以降、さらなる高成長を見せている。シルバーウィーク商戦においても数量前年比62.4%増と、主要家電製品の中で最も高い成長率となった。しかしながら、エコポイント開始からシルバーウィーク商戦前(5月第2週~9月第2週)の平均成長率が54.9%増であることと比較すると、連休中の成長率が格段に高いとは言えない。連休の大型化に伴うプラスアルファの効果は極めて限定的だったと考える。
 また、エコポイント制度では大画面のモデルほど高いポイントが付与されるが、各インチサイズの平均単価と比較すると、ポイントの還元率はほぼ一定である。このため、画面サイズ構成に大きな変動は見られず、32インチが依然3分の1程を占める最大セグメントとなった。

【連休中のファミリー層による購入でパソコンも台数増加】
 シルバーウィーク期間のパソコン店頭販売は、数量前年比13.8%増に達した。昨年より存在感を増してきたネットブックは、単身者の来店が多い平日に販売構成比が高くなる。従って、休日の多かったシルバーウィークでは相対的にファミリー層の来店が多く、ネットブックより高価格帯のモデルの販売構成比が拡大する結果となった。
 しかしながら、年初来の単価下落は顕著であり、シルバーウィーク中でも金額前年比は11.3%減と低調に推移した。10月22日に発売を控えた新OS「Windows 7」の影響で、Windows Vista搭載モデルの単価下落が続いていることも要因となっている。一方で値頃感の増加から、新OS発売前の買い控えは現時点ではごく僅かであると言える。

【エコポイント制度対象ながら明暗の分かれる冷蔵庫・エアコン】
 冷蔵庫、エアコンはともにエコポイントの対象製品であるが、販売動向が大きく異なる結果となった。シルバーウィーク中、冷蔵庫の前年比は数量で増減なし(±0%)ながら、金額では14.6%増となった。近年高まりを見せる食への関心や、不況下での巣ごもり消費を背景に、大容量化・省エネ訴求とエコポイントが高価格帯への購入を後押した結果と言える。シルバーウィーク後半では、庫内容量501L以上のクラスが数量構成比で初の2割超えを達成(20.1%)し、前述のとおりファミリー層の来店比率の多さを印象付けた。
 一方エアコンは、シルバーウィークの前年比が数量16.3%減、金額16.2%減と低調であった。冷夏の影響を受けたことに加え、昨年が記録的猛暑であったことの反動により販売が伸び悩んだ。年初からの累積販売台数を見ても、7月の長雨で夏の販売が打撃を受けた2007年を割り込み、過去6年で最も少ない水準にとどまった。


≪GfK Japanのデータについて≫

 全国有力家電量販店より、毎日POSデータを収集。モデル別であらゆるカテゴリーの動向を調査している。多くの市場データが出荷時点を捉えているのに対し、販売時点で実需を細かく追っているのが特徴である。
 また、同様に総合量販店(GMS)や地域家電店、インターネットチャネルなどからも販売データを収集。家電以外にも、ゴルフ用品やDVDソフトウエアの販売データを構築している。

※弊社名を報道にて引用頂く場合は、正式社名のほか、「GfK Japan」、「ジーエフケー ジャパン」、「GfKジャパン」の略記でも結構です。

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