アレクシオン、投資家向け説明会開催 ~革新的な希少疾患ポート...

アレクシオン、投資家向け説明会開催  ~革新的な希少疾患ポートフォリオにハイライト~

・SBC-103の第I / II相臨床試験中間データで、MPS-IIIB患者さんの 脳脊髄液におけるヘパラン硫酸値の用量依存的低下が示された ・ALXN1007の第II相臨床試験中間データで、急性GI-GVHD患者さんにおける 28日目の全般奏効率が示された ・ALXN1210の臨床試験において、2例のPNH患者さんがLDHの急速な低下を示す ・DGFに対するエクリズマブの治験における患者登録が完了 ・クリグラー・ナジャー症候群(CN-1)を標的とする初のmRNA医薬品候補

この資料は、アレクシオン・ファーマシューティカルズ(米国コネチカット州チェシャー)が2015年12月10日(現地時間)に発表したプレスリリースの日本語抄訳で、参考資料として提供するものです。その内容および解釈については英文プレスリリースが優先されます。英文プレスリリースは http://www.alexion.com をご参照ください。

2015年12月10日、米国コネチカット州チェシャー -- アレクシオン・ファーマシューティカルズ(NASDAQ:ALXN)は本日、ニューヨークで開催した投資家向け説明会(Investor Day meeting)において、同社の早期および後期の希少疾患ポートフォリオが、著しい発展を遂げていることを強調するとともに、長期的な成長戦略の重要な側面に関する、最新情報を提供したことを発表しました。


アレクシオンのデビッド・ハラール最高経営責任者は、次のように述べています。
「2015年度はアレクシオンにとって、希少疾患領域におけるグローバルなリーダーシップを推進し、3つの製品フランチャイズを成長させるとともに、50カ国における独自の事業展開を通じて、4つの深刻な超希少疾患を抱える患者さんに貢献することができた特別な年となりました。
当社は優れた強みを持つ立場で2016年度を迎えることになり、2016年は適応症の追加と新規の補体阻害剤の開発により、補体領域においてさらにリーダーシップを強化することに注力していくとともに、グローバルな代謝性疾患フランチャイズを構築し、また患者さんに画期的なイノベーションをお届けするために、多様な研究開発候補製品を加え、パイプラインを拡充してまいります」。

アレクシオンは希少疾患におけるリーダーシップをさらに強化しており、今回の説明会では補体関連疾患フランチャイズと、代謝性疾患フランチャイズにおける複数の重要なマイルストーンを発表しました。


・ムコ多糖症IIIB型(MPS-IIIB)の患者さんの脳脊髄液における、ヘパラン硫酸値が用量に依存して低下することを示した、酵素補充療法であるSBC-103の第I / II相臨床試験の中間データ

・下部消化管の急性移植片対宿主病(GI-GVHD)を有する患者さんに対する、28日目の全般奏効率が示された、C5aを標的とする補体阻害剤であるALXN1007の第II相臨床試験の中間データ

・乳酸脱水素酵素(LDH)の急速な低下を示した、ALXN1210の第I / II相臨床試験で400mg投与を受けた最初の2例の、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)患者さんから得られたデータ

・臓器移植後臓器機能障害(DGF)に対する、エクリズマブの治験における患者登録の完了
中間データの発表は2016年度第2四半期を予定

・4つの非常に革新的な前臨床プログラムが、2016年に臨床試験に進むことを支持する追加データ


エグゼクティブ・バイス・プレジデント兼グローバル研究開発責任者のマーティン・マッケイは、次のように述べています。
「アレクシオンの研究開発チームは、当社の幅広い希少疾患パイプラインを加速化することに専念しています。これらの非常に革新的な治療薬は、重篤で生命を脅かす希少疾患を抱えながら、有効な治療選択肢がない患者さんの生活を一変させる可能性を秘めています。当社の頑健なパイプラインには、10の臨床プログラムと30の前臨床プログラムが含まれており、社内のイノベーションと戦略的なパートナーシップを強力に組み合わせて、これからも開発を推進してまいります。当社の計画は引き続き順調に進んでおり、2016年度中に4つの新規物質を臨床段階に進め、2018年までに6つの新規承認を得ることを目指しています」。


■代謝性疾患フランチャイズ
<SBC-103>
酵素補充療法であるSBC-103については、サンフィリッポB症候群としても知られるムコ多糖症IIIB型(MPS-IIIB)の患者さんを対象とした第I / II相臨床試験が進行中です。MPS-IIIBは、希少で深刻かつ進行性の常染色体劣性遺伝によるライソゾーム病であり、NAGLUとして知られる酵素の遺伝的欠損に起因します。この酵素欠損により、脳およびその他の臓器に異常な量のヘパラン硫酸が蓄積することで、重篤な認知機能低下、行動障害、言語喪失、運動機能喪失などの深刻な神経認知障害や早期死亡をもたらします(参考文献1)。MPS-IIIBの患者さんの50%以上が、17歳までに死に至ります(参考文献2)。

この第I / II相臨床試験の主要評価項目は、安全性と忍容性です。有効性に関する主な副次評価項目には、脳脊髄液(CSF)、血清、尿におけるヘパラン硫酸値のベースラインからの変化、磁気共鳴装置による脳の構造変化の測定値、ならびに神経認知機能および発達機能への影響が含まれます。

中間データでは、0.3mg / kg、1.0mg / kg、3.0mg / kgの3つの投与群において、CSFのヘパラン硫酸値が用量に依存して低下したことが示されました(平均低下率は、それぞれ3%、6%、11%)。SBC-103は、血液脳関門を通過するため、全身および中枢神経系の両方に臨床的ベネフィットをもたらす可能性があります。アレクシオンは、2016年度上半期中にSBC-103の用量を増加した試験を計画しています。


■補体関連疾患フランチャイズ
<ALXN1210>
ALXN1210は、月1回投与の薬剤として開発されている次世代の補体阻害剤です。ALXN1210のヒトで初めての単回投与用量漸増試験の第I相臨床試験データは、先週の米国血液学会年次総会時の、Blood誌オンライン版に掲載されました(参考文献3)。
本試験では、健康なボランティアへのプラセボまたはALXN1210の単回静脈内投与が逐次漸増法で実施され(初回投与量は200mg)、150日間の観察が実施されました。その結果、健康なボランティアにおけるALXN1210の良好な忍容性が示されました。
ニワトリ赤血球(cRBC)を用いた溶血試験の平均値では、ALXN1210の200mg静注投与後に溶血が完全に抑制され、またこれらの健康なボランティアにおける遊離C5値は、ベースラインから99%以上減少しました。
さらに、ALXN1210の血清中濃度データから得られた半減期は32日間で、ソリリス(R)(エクリズマブ)の9日間よりも長い半減期を示しました。現在、ALXN1210の安全性と有効性をさらに詳しく評価する、連続投与用量漸増試験が進行中です。

これらの健康なボランティアによる試験に加え、アレクシオンはPNHの患者さんにおいて、ALXN1210の2つの臨床試験を実施しています。PNH患者さんを対象としたALXN1210の第I / II相用量漸増試験における、最初の2例の患者さんから得られた初期的データでは、最低用量患者群(400mg)において、初回投与後に乳酸脱水素酵素(LDH)の急速な低下が示されました。第22日に1例の患者さんが88%のLDH低下を示し、もう1例の患者さんは85%のLDH低下を示しました。ALXN1210の忍容性は一般に良好で、重篤な有害事象はこれまで発現していません。

アレクシオンはPNHの患者さんを対象とした、ALXN1210の非盲検連続投与第II相臨床試験も開始しました。この試験は、複数の投与量および投与間隔における、LDH値の変化と安全性を検討するよう設計されています。


<ALXN1007>
ALXN1007は、補体C5aを標的とする新規の抗炎症性抗体であり、下部消化管における急性移植片対宿主病(GI-GVHD)の患者さんを対象とした、第II相臨床試験が進行中です。
GI-GVHDは重篤で、生命を脅かす希な自己免疫疾患です。この試験の主要評価項目は、28日目における急性GI-GVHDの全般奏効率です。中間解析の対象となった11例の患者さんのうち、28日目に評価可能であったのは10例でした。
中間データによると、28日目の急性GI-GVHDの全般奏効率は80%で、28日目の急性GI-GVHDの完全奏功率は70%であり、ヒストリカルコホートではそれぞれ56%と49%でした(参考文献4)。中間データにより、GI-GVHDにおけるALXN1007の試験継続が支持されました。アレクシオンは、GI-GVHDの患者さんを対象としたプラセボ対照試験を開始する予定です。

急性GI-GVHDは炎症性の免疫疾患であり、幹細胞移植の合併症の一つで、同種造血幹細胞移植の10~12%に発現します(参考文献5、6)。重篤な急性GI-GVHDの患者さんの死亡率は、移植後6カ月以内で30~40%です(参考文献7)。現在、GI-GVHDを適応として承認された治療薬はありません。


■前臨床プログラム
アレクシオンは、種々の治療法に関する30以上の多様なプログラムからなる、前臨床パイプラインの開発を進めています。アレクシオンはこれらのプログラムのうち、以下の4プログラムが2016年に臨床試験入りするものと期待しています。

- アスホターゼ アルファは、神経線維腫症1型(NF1)の骨における合併症を対象として開発が進められています。NF1は重篤な全身性の遺伝性疾患であり、NF1遺伝子の変異により引き起こされます。NF1は小児期に発症し、細胞の成長を妨げ、その結果、皮膚、眼、神経系統(脳、脊髄、神経など)、骨など全身に広く病変が現れます。
長骨の病変は(偽関節)難治性骨折に発展する恐れがあり、その原因の一部は、過剰なピロリン酸塩産生によって、石灰化が損なわれることにあると考えられています(参考文献8)。アスホターゼ アルファには、骨代謝バランスを回復させることで骨病変を治癒し、骨折への進行を防止することができると想定されています。

- ENPP1は、小児全身性動脈石灰化症(GACI)など、希少な石灰化障害の治療のための酵素補充療法として開発中です。GACIは小児の遺伝性の超希少疾患であり、中動脈と大動脈の過剰な石灰化が、心不全や呼吸困難をもたらします。GACIの患者さんの、生後6か月での生存率は35%です(参考文献9)。

- ALXN1540は、アレクシオンとモデルナ社(Moderna)が協力して進めている、mRNA希少疾患プログラムの一つであり、クリグラー・ナジャー症候群(CN-1)を対象として開発が進められています。CN-1は新生児に見られる、血清中のビリルビンが過剰となる先天性の慢性疾患であり、UGT1A1遺伝子変異によって引き起こされます。CN-1では不可逆的脳損傷や、早期死亡がしばしば認められます(参考文献10)。

- もう一つの臨床試験開始候補は、拡大しつつあるアレクシオンの補体阻害剤ポートフォリオからのものです。


■アレクシオンについて
アレクシオンは、重篤な希少疾患を抱える患者さんの生活を一変させる、治療薬の開発と提供に注力するグローバルなバイオ製薬企業です。アレクシオンは、致命的な2つの超希少疾患である、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)および非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の治療薬として、初めてかつ唯一承認されている補体阻害薬ソリリス(R)(エクリズマブ)を開発し、製造販売しています。
補体阻害領域におけるグローバルリーダーとして、アレクシオンはその他の重篤な超希少疾患領域における、エクリズマブの潜在的適応の評価など、広範なプラットフォーム全体において、補体阻害薬ポートフォリオの強化と拡大を進めています。
アレクシオンの代謝性フランチャイズは、低ホスファターゼ症(HPP)の患者さんの治療薬であるストレンジック(R)(アスホターゼ アルファ)と、ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(LAL-D)に対するセベリパーゼ アルファといった、生命を脅かす超希少疾患の患者さんに対する、2つの非常に革新的な酵素補充療法を有しています。
さらにアレクシオンは、複数の治療領域にわたる極めて革新的な製品候補を擁し、バイオテクノロジー業界において最も強固な希少疾患パイプラインを進展させています。本プレスリリースとアレクシオンに関する詳細については、 http://www.alexion.com (英語)をご覧ください。


■参考文献:
1. Wijburg FA, Wegrzyn G, Burton BK, Tylki-Szymanska A. “Mucopolysacchardosis type III (Sanfilippo syndrome) and misdiagnosis of idiopathic developmental delay, attention deficit/hyperactivity disorder or autism spectrum disorder.” Acta Paediatr. 2013;102(5):462-70.

2. Heron, B., et al. Am. J. Med. Genet Part A. 2011; 155: 58-68.

3. Sahelijo, L, Mujeebuddin, A, et al. “First in Human Single-Ascending Dose Study: Safety, Biomarker, Pharmacokinetics and Exposure-Response Relationships of ALXN1210, a Humanized Monoclonal Antibody to C5, with Marked Half-Life Extension and Potential for Significantly Longer Dosing Intervals.” Blood. 2015; 23:4777.

4. Data on file.

5. Jagasia, M., M. Arora, M. E. D. Flowers, N. J. Chao, P. L. Mccarthy, C. S. Cutler, A. Urbano-Ispizua, S. Z. Pavletic, M. D. Haagenson, M.-J. Zhang, J. H. Antin, B. J. Bolwell, C. Bredeson, J.-Y. Cahn, M. Cairo, R. P. Gale, V. Gupta, S. J. Lee, M. Litzow, D. J. Weisdorf, M. M. Horowitz, and T. Hahn. "Risk Factors for Acute GVHD and Survival after Hematopoietic Cell Transplantation." Blood 119.1 (2012): 296-307.

6. MacMillan, M. L., DeFor, T. E. and Weisdorf, D. J. (2012), What predicts high risk acute graft-versus-host disease (GVHD) at onset?: identification of those at highest risk by a novel acute GVHD risk score. British Journal of Haematology, 157: 732-741.

7. Bolanos- Meade, J. et al. Blood. 2014; 124 (22); 3221-3227.

8. The Neurofibromatosis Network. Accessed at http://www.nfnetwork.org/understanding-nf/papers .

9. Rutsch, Frank, et al. "Hypophosphatemia, hyperphosphaturia, and bisphosphonate treatment are associated with survival beyond infancy in generalized arterial calcification of infancy." Circulation: Cardiovascular Genetics 1.2 (2008): 133-140.

10. Strauss, K., et al. Eur J Pediatr. 2006; 165 (5): 306-319.

カテゴリ:
企業動向
ジャンル:
介護 医療 福祉

取材依頼・商品に対するお問い合わせに関しては
プレスリリース内にございます企業・団体に直接ご連絡ください。

  • 会社情報