当社システムによる排尿モニタリング測定精度に関する研究成果が Neurourology and Urodynamics誌に掲載されました

    業績報告
    2019年8月9日 05:00

    トイレ取り付けセンサによる体調分析サービス「トイレで体調チェック」を運営するサイマックス株式会社(東京都葛飾区、代表取締役:鶴岡 マリア)は、当社システム(s-HMSU)による排尿モニタリング測定精度に関する研究成果が「Neurourology and Urodynamics」誌に掲載されたことを発表いたします。



    ■論文の概要

    ● 掲載論文誌

    ○ 「Neurourology and Urodynamics」誌は、尿路機能や泌尿器および骨盤底機能に関連するトピックに関する国際的なアカデミックジャーナルです。


    ● 論文内容と成果

    ○ 本研究では、当社システム(s-HMSU)を用いて測定した排尿量の信頼性を評価することを目的とし、排尿量と排尿前後の体重変化の間のクラス内相関係数(ICC)を算出しました。

    ○ クラス内相関係数(ICC)は0.972(95%信頼区間、0.957-0.982)の値を示し、本研究によって、当社システム(s-HMSU)による排尿モニタリングの測定精度が高く信頼性の高い装置であることが証明されました。



    ■当社システム(s-HMSU)の概要

    ● s-HMSUの特徴

    ○ s-HMSUはサイマックスが開発した、世界初・既存のトイレに取り付け可能な全自動の排尿モニタリングシステムです。

    ○ 一般的なトイレに取り付け可能であるため、自宅での排尿モニタリング(Home uroflowmetry)が実現可能です。

    ○ 利用者は普段通りトイレを利用するだけでよく、日常導線を変更する必要がありません。また、不特定多数が使用するトイレにおいても利用可能です。

    ○ 排尿後、測定結果が自動でスマートフォンの専用アプリに届きます。


    ● s-HMSUの測定項目

    ○ 排尿量(mL)   :VV

    ○ 平均尿流率(mL/s):Qave

    ○ 排尿時間(s)   :VT


    ● s-HMSU専用アプリの画面イメージ

    尿量グラフ画面イメージ


    ● s-HMSUが切り開く今後の可能性

    ○ 本システムによって、トイレで排尿をするだけで自動で排尿モニタリング記録が可能となり、医療従事者や患者の負担軽減につなげることができます。さらにはクラウドと連携することで将来的に新たな医療ヘルスケアサービスを創出することが可能です。

    ○ 医学的疾患と排尿機能障害との関係を調べるための大規模な臨床研究を促進する可能性があります。



    ■今後への波及

    s-HMSUの普及により、排尿障害をはじめとする泌尿器の異常を持つ患者および泌尿器科医や看護師などの医療従事者に貢献することが期待されます。


    (1) データ測定にかかる負担の大幅な軽減

    「排尿の問題」に医師がアプローチをする際、排尿量や排尿時間などの排尿記録が用いられます。従来の採尿モニタリングでは、自宅もしくは医療機関で専用の測定カップ等を用いて採尿し、毎回患者自身や医療従事者が排尿日誌に記録することが必要でした。

    s-HMSUでは、いつも通り排尿をするだけで排尿量や時間を全自動で計測し、記録することができます。これにより、測定者の負担を大きく軽減することが期待できます。また、全自動測定によって記録ミスなどを防ぐことができ、より正確な情報を医師が取得することができます。


    (2) 院内感染対策

    医療機関の施設内で排尿量を測定する際は、一般的に採尿カップを利用します。s-HMSUは、採尿カップの洗浄や尿の廃棄作業などの後処理を不要にすることで、院内感染の原因を減らし、院内感染リスクの低減に貢献することができます。


    (3) 泌尿器や循環器疾患の早期発見など、新たな医学的発見の可能性

    これまでの排尿記録は、基本的には排尿障害があると医師が診断した後に記録を開始するため健常者や境界型の方の情報が少なく、また記録そのものが患者のアドヒアランスの程度に依存するため正確性に欠けることが指摘されていました。今後、s-HMSUによって取得される自宅での自然な排尿モニタリング情報を分析することにより、泌尿器や循環器疾患の早期発見などに貢献する医学的な発見が期待されます。


    トイレ取付イメージ



    ■論文情報

    論文名:Validation of a novel digital health monitoring system to measure the volume of voided urine

    (日本語訳)「排尿量を測定するための新しいデジタルヘルスモニタリングシステムの検証」


    執筆者:Minoru Miyazato, Koji Yonemoto, Asuka Ashikari, Seiichi Saito, Kiyoto Yamashiro, Moriyuki Uehara, Hiroaki Masuzaki, Hajime Ishida, Masayuki Matsushita


    Published:08 March 2019



    ■会社概要

    サイマックスは、ヘルスケアIoTデバイスを使ったプラットフォームを開発するテクノロジーに特化した企業です。独自の生体情報センシング技術を使って取得される時系列・リアルタイムの身体データを解析。それを活用することで新たな社会的価値を生み出し、医療ヘルスケアの進展に貢献することを事業の目的としています。


    ● 事業内容:生体情報センシング技術の開発、生体情報センシングデバイスおよびアプリケーションの開発、生体情報を活用した分析アルゴリズム開発・研究

    ● サービス:トイレ取り付けセンサによる体調分析サービス



    ■人材募集について

    事業拡大に伴い積極的に採用活動を行っております。事業開発、セールス、プロダクトマネージャー、WEBやデータ解析、ハードウェア分野のエンジニア、研究開発スタッフ、コーポレートスタッフなど、各種ポジションで求める人物像については下記をご確認ください。

    日常生活導線の中で体調を可視化するこれまでになかった製品を活用して、新たな社会的価値を創出するチャレンジを共に楽しめる方をお待ちしております。

    https://symax.jp/recruit



    ■問い合わせ先

    サイマックス株式会社

    広報担当:岡田

    https://symax.jp/