三原市及びSRCによる共同調査の調査結果について平成30年7...

三原市及びSRCによる共同調査の調査結果について 平成30年7月豪雨(西日本豪雨)に関する調査

三原市と株式会社サーベイリサーチセンターは、東京大学大学院総合防災情報研究センター センター長 田中 淳教授の監修のもと、「平成30年7月豪雨(西日本豪雨)に関する調査」を実施しました。


10_最初に避難を開始した時間帯


■調査結果のポイント

●三原市から発表された災害・避難に関する情報は、住民の多くが入手している

避難勧告や避難指示を出す際、避難注意の呼びかけから準備、勧告、指示を順に、支川名まで言及しながら、複数の伝達手段をもって丁寧に情報を出していた。このことが、災害・避難に関する情報の周知の面で奏功したと考えられる。


●水害被災地域である本郷地域では38.1%の方が何らかの避難行動を取っている

今回の調査結果から、水平避難は7.7%、垂直避難は8.3%で、あわせると避難行動をとったのは16%である。しかし、水害被災地域である本郷地域をみると、水平避難は22.9%、垂直避難は15.2%であり、合わせると38.1%の方が何らかの避難行動を取ったということになる。三原市本郷地域のケースは、常総市の事例と比べると避難率は低いということになるが、水害で避難率が2割に到達することは稀であることを考えると、よい数字である。


●水害からの避難には自宅周辺の浸水予想を理解しておくことが重要

自宅周辺が浸水被害を受ける危険性のある所だと考えていたかという点については、「考えていた」(16.0%)、「少し考えていた」(23.1%)を合わせると4割弱にとどまる。次の豪雨災害を考えるならば、自宅近くの浸水予想を理解しておくことが非常に重要であり、ハザードマップの使い方、伝え方には改善の余地がある。



■調査の背景

平成30年6月28日から7月8日にかけて、台風7号や梅雨前線の影響により、多くの地域で河川の氾濫や浸水害や土砂災害が発生した。株式会社サーベイリサーチセンターは、災害直後の広島県三原市役所を往訪した際に、これまで「情報」による社会貢献を目指して実施している災害時の自主調査研究についての説明を行い、三原市と当社の共同調査という形で、市民アンケートを実施することを決定した。

本調査は、東京大学大学院総合防災情報研究センターの田中 淳センター長・教授の監修のもと、平成30年7月豪雨発生時の状況や避難情報の認知と情報の受け止め、避難行動、備えなどの実態を把握し、今後の防災施策への反映や自然災害の軽減を図ることを目的として実施した。

調査結果については、平成30年12月27日に三原市役所会議室にて、調査結果報告会を実施し、このたび調査結果を公表する運びとなった。



■調査の概要

・調査地域 :三原市全域

・調査対象 :三原市内に在住の20歳以上の男女1,200人

・対象者抽出:(1) 市内に在住の20歳以上の男女1,000人を無作為に抽出

       (2) 地域分類別の分析を実施するため、

         もともとの調査対象者数(標本数)が少ない本郷・久井・大和の

         3地域については、各地域の人口に対して

         およそ2%の抽出率となるように、

         上記1,000人とは別に3地域合計200人の方を追加抽出。

         ※追加抽出されたサンプルは、地域分類別集計を

          実施する際のみ使用。したがって、各地域の

          n数の足し上げは、単純集計結果のn数とは一致しない。

・有効回答 :(1) 480サンプル (2) 77サンプル

・調査内容 :平成30年7月豪雨(西日本豪雨)の際の避難行動/情報の入手状況と

       情報の受け止め方、行動/備蓄の状況 など

・調査方法 :郵送配布・郵送回収によるアンケート調査

・調査期間 :2018年9月15日~2018年9月30日



■対象者の属性

<性別>


<年代>


<居住地域>


<自宅周辺が浸水害をうける危険性に対する認識>


<「三原市総合防災ハザードマップ」の認知状況>


※もともとの調査対象者数(標本数)が少ない本郷・久井・大和の3地域については、地域分類別集計を実施する場合のみ、追加抽出されたサンプルを集計に含めている。



■平成30年7月豪雨(西日本豪雨)の際の避難行動について

▼避難状況

・全体でみると、「自宅や職場などから他の場所に避難した」は7.7%、「自宅や職場などの2階など高いところに上がった」が8.3%。

・水害被災地域である本郷地域では、「自宅や職場などから他の場所に避難した」が22.9%、「自宅や職場などの2階など高いところに上がった」が15.2%であり、合わせて38.1%の方が何らかの避難行動を取ったと回答している。


問6 今回の豪雨災害当時、あなたは他の場所へ避難をしましたか。


※もともとの調査対象者数(標本数)が少ない本郷・久井・大和の3地域については、地域分類別集計を実施する場合のみ、追加抽出されたサンプルを集計に含めている。


▼最初に避難を開始した時間帯

・水平避難した人の避難した時間帯を〈自主避難〉〈避難指示を受けて避難〉〈切迫避難〉〈生活避難〉の4つに分類してみると、〈自主避難〉が21.6%、〈避難指示を受けて避難〉が37.8%、〈切迫避難〉が16.2%、〈生活避難〉が16.2%となる。


問6-2 何時頃に避難を開始しましたか。最初に避難を開始した時間帯をお答えください。


▼最初の避難先への移動中の道路の状態

・本郷地域では、その他地域に比べて、移動するのに困難が伴う「ひざ下くらいの高さ位まで浸水しているところがあった」や「ひざ上以上の高さくらいまで浸水しているところがあった」が高くなっている。


問6-6 最初の避難先への移動中、道路はどのような状態でしたか。


※もともとの調査対象者数(標本数)が少ない本郷・久井・大和の3地域については、地域分類別集計を実施する場合のみ、追加抽出されたサンプルを集計に含めている。


▼避難のきっかけ

・「洪水警報、大雨警報、土砂災害警戒情報、近くの河川の氾濫危険情報などの気象予警報」「避難勧告や避難指示」「大雨特別警報」など、災害情報が避難のきっかけとして高い。


問6-3 避難することを決めたきっかけは何ですか。


▼避難しなかった理由

・「自宅・職場にいても安全だと思ったから」が65.4%で最も高い。


問6-7 あなたが、他の場所へ避難をしなかったのはなぜですか。



■情報の入手状況と情報の受け止め方、行動について

▼見聞きした三原市が発表した情報

・「7月6日19時40分に三原市全域に出された避難指示」が57.2%と最も高い。

・無回答も多いが、選択肢として示された情報が細かくて覚えていないためと考えられる。「上記の中で見聞きした情報はない」は6.2%なので、三原市から発表された災害・避難に関する情報について、住民の多くは入手していると考えられる。

・地域を指定して情報を発表すると情報の認知率は高くなる。


問7-1 今回の豪雨災害発生当時、あなたが見聞きした情報はありますか。


<地域分類別>


※もともとの調査対象者数(標本数)が少ない本郷・久井・大和の3地域については、地域分類別集計を実施する場合のみ、追加抽出されたサンプルを集計に含めている。


▼避難勧告・避難指示の入手手段

・避難勧告・避難指示の入手手段は、いずれも「テレビ」が最も高い。

・「ケーブルテレビ(三原テレビ)」「FM告知端末ラジオの緊急放送」「三原市の防災メール」なども2割前後で高い。「三原市の防災メール」は登録者に限るならさらに高くなる可能性も考えられる。


左:問7-2 「7月6日11時に沼田東地区に出された避難勧告」はどこから見聞きしましたか。

中:問7-3 「7月6日17時に本郷町船木地区、北方地区、南方地区、大和町椹梨地区に出された避難勧告」は、どこから見聞きしましたか。

右:問7-4 「7月6日19時40分に三原市全域に出された避難指示」は、どこから見聞きしましたか。


▼災害が起こるかもしれないと感じ始めた情報・避難を考え始めた情報

・災害が起こるかもしれないと感じ始めた情報、避難を考え始めた情報のトップはともに「避難指示」。

・19時40分の「大雨特別警報」「避難指示」の手前までで災害発生の危険を感じ始めたと回答した人は22.5%、19時40分の「大雨特別警報」「避難指示」までを累計すると42.1%である。

・19時40分の「大雨特別警報」「避難指示」の手前までで避難を考え始めたと回答した人は10.6%、19時40分の「大雨特別警報」「避難指示」までを累計すると24.5%である。


問7-5 あなたが見聞きした情報の中で、災害が起こるかもしれないと感じ始めた情報はどれですか。

問7-6 あなたが見聞きした情報の中で、避難を考え始めた情報はどれですか。


<災害が起こるかもしれないと感じ始めた情報・避難を考え始めた情報 時間帯別累計>


▼避難指示を見聞きしての行動

・「テレビやラジオの情報に注意した」(61.1%)、「パソコンや携帯電話・スマートフォンなどで情報を収集した」(28.5%)のように、情報収集した人が多い。


問8-3 7月6日(金)の19時40分に三原市全域に出された避難指示に関する情報を受けて、あなたはどのように行動しましたか。


※もともとの調査対象者数(標本数)が少ない本郷・久井・大和の3地域については、地域分類別集計を実施する場合のみ、追加抽出されたサンプルを集計に含めている。


▼避難指示を見聞きした際の受け止め

・「いつもとは違う状況になっていると思った」は79.8%、「身の危険を感じた」は33.2%、「避難することを具体的に考えた」は24.9%。

・「最寄の避難所がわからなかった」人は14.5%。

・「(避難指示の)対象地域をもっと絞り込んでほしかった」が5割近くとなっている。


問8-1 7月6日(金)の19時40分に三原市全域に出された避難指示に関する三原市からの情報を受けて、あなたはどのように思いましたか。


▼身の危険を感じた理由

・身の危険を感じた理由をみると「「命を守る行動を」といわれているのを受けて」(59.4%)、「「ただちに避難」するように言われているのを受けて」(43.8%)が高い。


問8-2 身の危険を感じたのはなぜですか。



■三原市 概要

・自治体名: 三原市

・所在地 : 広島県三原市港町三丁目5番1号

・市長  : 天満祥典

・人口  : 96,194人

・世帯数 : 39,810世帯

・面積  : 471.55km2(※2015年国勢調査による)

・URL   : http://www.city.mihara.hiroshima.jp/

・連絡先 : 危機管理課

       shiminseikatsu@city.mihara.hiroshima.jp /0848-67-6066



■株式会社サーベイリサーチセンター 概要

・組織名 : 株式会社サーベイリサーチセンター

・所在地 : 東京都荒川区西日暮里2丁目40番10号

・設立  : 1975(昭和50)年2月

・資本金 : 6,000万円

・年商  : 66億円(平成29年度)

・代表者 : 代表取締役 藤澤 士朗、

       代表取締役副社長 長尾 健、

       代表取締役副社長 石川 俊之

・社員数 : 社員231名、契約スタッフ429名 合計660名(平成30年3月1日現在)

・事業所 : 東京(本社)、札幌、盛岡、仙台、静岡、名古屋、大阪、

       岡山、広島、高松、福岡、熊本、那覇

・所属団体: 公益財団法人日本世論調査協会

       一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)

       日本災害情報学会など

・その他 : ISO9001認証取得(2000年6月)

       プライバシーマーク付与認定(2000年12月)

       ISO20252認証取得(2010年10月)

       ISO27001認証取得(2015年11月)※

       ※認証区分及び認証範囲:MR部及びGMR部が実施する

        インターネットリサーチサービスの企画及び提供、

        全国ネットワーク部及び沖縄事務所が実施する

        世論・市場調査サービスの企画及び提供

・URL   : https://www.surece.co.jp

・連絡先 : 社会情報部 藁谷 峻太郎

       MAIL: wara_s@surece.co.jp

       TEL : 03-6826-5353



●調査結果の内容については無断転載・複製を禁じます。

●本調査は、三原市と株式会社サーベイリサーチセンターによる共同調査です。本文を引用される場合は、出典に「三原市」及び「株式会社サーベイリサーチセンター」を明記してください。

●報道発表資料に記載している情報は、発表日時点のものです。

●その他調査結果につきましては、当社ホームページをご覧ください。

https://www.surece.co.jp/research/2815

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