ビジネスパーソンの“今”をデータで読み解く 第8回「ビジネス...

ビジネスパーソンの“今”をデータで読み解く  第8回「ビジネスパーソン1000人調査」【AI・ロボット技術編】

「AI・ロボット技術」の進展 期待の半面不安も多く 男性より女性がよりネガティブに捉える傾向あり  AI時代に求められるスキルは「コミュニケーション力」が最多に

一般社団法人日本能率協会(JMA、会長:中村 正己)は、2013年より全国のビジネスパーソン1000人に対し、職場や仕事に対する考えについて意識調査を行っています。この調査は、働く人びとに焦点を当て、その時々の旬の話題をデータで紹介するシリーズです。

今回は、世の中の関心が高まる「AI・ロボット技術」について取りあげました。


図1_人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対して、どの程度期待しているか(単一回答)


■トピックス

1. 人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対し、期待している人は約半数。男性の方が女性より10ポイント以上多い。具体的に期待することとして、仕事面では「効率化」「省力化・省人化」、日常生活面では「自動運転」「ロボット家電」。


2. 人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対し、不安に感じている人は過半数に。不安に感じている人は女性、30代・40代がより多い傾向に。具体的な不安として、仕事面では「システムエラーによる事故・混乱」「ロボットに仕事を奪われる」、日常生活面では「人間が退化する」「失業者が増え、経済が悪化する」。


3. AI時代にビジネスパーソンに求められるスキル・能力は、「コミュニケーション力」が最多に。


※調査概要、結果の詳細は以下をご覧ください。



■調査概要

調査名称:第8回「ビジネスパーソン1000人調査 」【AI・ロボット技術編】

調査期間:2017年9月27日~2017年10月6日 10日間

調査対象:株式会社日本能率協会総合研究所「JMARリサーチモニター」

     のうち全国の20歳~69歳までの正規・非正規雇用の就業者

     (企業や団体で働く正社員、役員、経営者、契約・嘱託社員、

     派遣社員。ただしパート・アルバイト、医師・弁護士などの

     専門職業、自由業を除く)

調査方法:インターネット調査

回答数 :1,000人

属性  :[性別]男性555人、女性445人

     [年代]20代156人、30代243人、40代240人、50代209人、60代152人

     [雇用形態]男性(正規444人、非正規111人)女性(正規194人、非正規251人)

     [勤務先従業員数]5,000人以上170人、1,000~5,000人未満154人、

              300~1,000人未満166人、100~300人未満182人、

              100人未満328人

※回答は%表記とし、小数点第2位を四捨五入



■調査結果

1. 人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対し、期待している人は約半数。男性の方が女性より10ポイント以上多い。具体的に期待することとして、仕事面では「効率化」「省力化・省人化」、日常生活面では「自動運転」「ロボット家電」。

・人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対して、どの程度期待しているかを聞いたところ、「期待している」(「とても期待している/13.3%」、「やや期待している/34.8%」の計)が48.1%、「期待していない」(「あまり期待していない/39.8%」、「まったく期待していない/12.1%」の計)が51.9%となり、期待していない人がやや上回る結果となりました。

・性別でみると、「期待している」と回答した人は、男性では53.0%、女性では42.1%と10ポイント以上の差が見られました。

・年代別でみると、20代、60代は「期待している」が過半数であるのに対し、30代、40代、50代は、「期待している」が半数に達していません。


図表1 人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対して、どの程度期待しているか。(単一回答)


・人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対しての具体的な期待を、仕事面、日常生活面でそれぞれ聞いたところ、仕事面では「仕事の効率化が進む」(30.7%)がもっとも高く、ついで、「省力化・省人化が進む」(28.0%)、「ヒューマンエラーを解消し、品質が向上する」(23.7%)でした。

・日常生活面では、「自動運転により、移動がより安全で便利になる」(37.8%)と4割近くになりました。ついで、「家電製品のAI・ロボット化が進み、家事負担が減る」(30.1%)、「AIによる医療診断、ロボット手術など医療がより発達する」(29.8%)が続きました。


図表2 人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対して、仕事に関して、具体的に期待していること(複数回答)

※人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対して「まったく期待していない」と回答した人除く


図表3 人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対して、日常生活に関して、具体的に期待していること(複数回答)

※人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対して「まったく期待していない」と回答した人除く



2. 人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対し、不安に感じている人は過半数に。不安に感じている人は女性、30代・40代がより多い傾向に。具体的な不安として、仕事面では「システムエラーによる事故・混乱」「ロボットに仕事を奪われる」、日常生活面では「人間が退化する」「失業者が増え、経済が悪化する」。

・人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対して、どの程度不安を感じているか聞いたところ、「不安に感じる」(「とても不安に感じる/10.4%」、「やや不安に感じる/42.7%」の計)が53.1%と、過半数となりました。

・性別でみると、「不安に感じる」と回答した人は、男性では49.7%、女性では57.3%と7.6ポイントの差が見られました。

・年代別でみると、30代、40代は他の年代に比べ「不安に感じる」が高く、40代では、「不安に感じる」と回答した人が61.7%と、6割を超えています。


図表4 人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対して、どの程度不安を感じているか(単一回答)


・人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対しての具体的な不安を、仕事面、日常生活面でそれぞれ聞いたところ、仕事面では「システムエラーによる事故や混乱が生じる」(35.7%)がもっとも高く、ついで、「AIやロボットに自分の仕事を奪われる」(27.2%)、「投資にお金が掛かる」(22.3%)でした。

・日常生活面では、「人間が退化する」「失業者が増え、経済が悪化する」がともに34.6%で最多となりました。ついで「人と人の触れ合い・コミュニケーションが減る」(29.9%)が続きました。


図表5 人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対して、仕事に関して、具体的に不安を感じていること(複数回答)

※人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対して「まったく不安は感じない」と回答した人除く


図表6 人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対して、日常生活に関して、具体的に不安を感じていること(複数回答)

※人工知能(AI)・ロボット技術が進むことに対して「まったく不安は感じない」と回答した人除く



3. AI時代にビジネスパーソンに求められるスキル・能力は、「コミュニケーション力」が最多に。

・AI時代に、ビジネスパーソンに求められるスキル・能力を聞いたところ、「コミュニケーション力」が40.7%で最多となりました。特に女性では、47.6%と約半数にのぼっています。ついで、「創造力」(30.3%)、「ITスキル」(24.9%)となりました。


図表7 AI時代に、ビジネスパーソンに求められるスキル・能力は何だと思いますか。(複数回答)



■結果を受けてコメント(一般社団法人日本能率協会 理事・KAIKAセンター長 曽根原 幹人)

<AI・ロボット技術、期待の半面不安も多く>

多くのビジネスの現場でAI・ロボット技術の新たな活用が試みられています。こうした中、ビジネスパーソンがAI・ロボット技術の進展に対し、どのように捉えているか、期待と不安の両面から聞きました。結果として、期待する人が約半数、不安に感じる人も約半数でした。全体の傾向として、男性より女性の方がよりネガティブに捉えている傾向が見られます。特に、失業者増加による経済の悪化については、4割の女性が懸念しています。また女性では、人と人の触れ合い、コミュニケーションが減ることに不安を感じる人も男性より10ポイント近く上回っています。


<AI時代こそよりいっそう必要となるコミュニケーションスキル>

AI時代に求められるビジネススキル・能力は、男女とも「ITスキル」を押さえ、「コミュニケーション力」がトップとなりました。AI・ロボット技術を有効に活用するには、多様な組織や価値観を調整、説得、取りまとめるといったことが必要になります。AI時代だからこそ、いっそうコミュニケーション力に磨きをかける必要があると言えるでしょう。



【団体概要】

名称  : 一般社団法人日本能率協会

代表者 : 会長 中村 正己

所在地 : 〒100-0003 東京都千代田区一ツ橋1-2-2 住友商事竹橋ビル14階

創立  : 1942年3月

事業内容: マネジメントに関する調査研究、人材育成、産業振興、審査・検証

URL   : http://www.jma.or.jp/

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