大学・教育機関向けプレスリリース成功の秘訣

人に選ばれる大学・教育機関になるために活動できる一つのPR方法として「プレスリリース」があります。
今回は、大学・教育機関がプレスリリースを送るときのメリット・ポイント・注意事項を事例と合わせて徹底解説。
最後に「受賞」「研究発表」を題材とした、すぐに使えるプレスリリースのテンプレートもご用意しておりますので最後までご覧ください。

プレスリリースとは

プレスリリースとは、新商品・新サービスやイベント開催の発表から、人事・組織変更、決算、社会的活動、不祥事などの企業動向まで、企業や団体が自らに関するニュース(新しい情報)をテレビ、新聞、雑誌、ニュースサイト等のメディアに向けて広く発表する「公式文書」で、広報活動の代表的な手法のことを言います(報道発表資料と呼ぶこともあります)。

参考記事

プレスリリースを使って大学・教育機関が情報を配信するメリット

1.大学・研究内容の知名度向上に繋がる

プレスリリースは広告とは異なります。
記者がテレビや新聞といったメディアでニュース(記事)として第三者視点で取り上げることで、広告よりも信頼性が高まります。
また、昨今では信頼性の高いSNS(X(Twitter)・Instagram・Facebook)からニュースが二次派生・三次派生されることで、より幅広い年代に大学・教育機関の存在が認知され学生の獲得効果も期待されます。

引用:ライブドアニュース_【海外研究】食べて太って寝て…なぜクマは糖尿病にならないのか

引用:日本の研究.comニュース_【注目プレスリリース】非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)患者さんにおける肝細胞がん発生リスク診断法を開発 / 慶應義塾大学,国立国際医療研究センター,北海道大学

2.多くの利害関係者に情報を届けることができる

発信された情報は、アパレルはファッション誌・グルメはグルメ情報誌へ…と、媒体特長に適したところでニュースとして掲載されます。
大学・教育機関で発表される研究内容も教育機関の情報誌のみならず、対象を狭めることなく該当する業界やエンドユーザーといった“利害関係者”へ情報を届けることができます。
大学の認知度のみならず研究者自身も社会的に知名度が上がるため、外部資金獲得・共同開発への依頼・優秀な職員獲得にも繋がっています。

大学・教育機関がプレスリリースを配信するポイント

1.画像を使って視覚情報を届ける

情報に関する補足・説明はもちろん重要ですが、テキストだらけになってしまうケースが少なくありません。
プレスリリースにおいて画像は記者の目に留まるための必須アイテムといえます。学内イベントを楽しんでいる学生の写真や、研究内容を分かりやすく説明した図解など、文字を読まずとも目で伝わる魅力的な視覚情報として用意しておくのがよいでしょう。

また、プレスリリースに画像が挿入されていれば、Web上で画像検索をした際、検索結果として表示されます。画像が表示されることで、画像から記事に飛んでくる人(閲覧数)のUPに繋がります。

2.難しい用語は補足する

記者といえど、全員が専門用語・知識を兼ね備えているわけではありません。
丁寧に詳しく説明を記すことも重要ですが、専門用語を多用するとかえって分かりにくいプレスリリースになってしまう可能性があります。
「誰でも分かる説明」を心掛け、初心者の目をもって専門的な用語に関する補足を記載するようにしましょう。
プレスリリースに情報を詰め込み過ぎると情報量が多すぎて読むのが大変になってしまうため、PDFなど別途資料を用意してリンクで飛べるようにすると親切です。

3.「ストーリー」を盛り込み身近なニュースへ置き換える

どの業界にもいえますが、“物事の背景”(=ストーリー)は非常に大事です。
業界の動向や市場背景など、「なぜ研究するに至ったのか」「なぜ大学でイベントを行うに至ったのか」=“WHY (なぜ) ”を具体的に盛り込むことで、より読み手にとって身近なニュースとして変換することができます。読み手の関心・ニーズの接点を探ることで、より読み手に寄り添った理解しやすいプレスリリースに近づきます。

また、メディアは読み手に社会問題や流行を届ける役割をも担っています。もちろん記者も役割を担う者として読み手に取って有益なネタを探しているため、「将来的に○○な収益を生み出す」「昨今で注目されている○○とコラボした」といった世の中の動向を絡めた情報を盛り込むことで、さらなる効果に繋がるでしょう。

プレスリリースを配信するタイミング

大学・教育機関の研究発表や論文に関するプレスリリースは、情報公開日や公式サイトへの掲載日よりも“前”に配信するのが理想的です。
また、大学・教育機関のイベントに関する情報であれば、イベント開催の数週間~1・2ヶ月前が一般的といわれています。 時間帯は、午前中に情報収集を行う記者が多いといわれているため、「午前中」がおすすめです。
…とはいえ、記者は365日24時間仕事をしてるので、読むタイミングは人それぞれです。
絶対的な法則はありませんが、どうしても記事に取り上げてほしいメディア(媒体)がある場合は、直接問い合わせて情報をお送りする約束を取り付けるのも一つの手といえるでしょう。

他にもプレスリリースの最適な配信頻度・配信本数については下記記事にて解説しております。

参考記事

大学・教育機関の情報を配信するにあたっての注意事項

1.正式名称(表記)に誤りがないか十二分に確認すること

大学・教育機関で多く見られるのが学外との関わり。学校名や関係者の名前はもちろん、役職・宣材写真の確認は十分に行う必要があります。また、研究資料で使用されている表記・記号・補足情報が誤ったまま配信されると大きな影響を及ぼしてしまうケースもあります。メディアの中にも言葉と事実に誤りがないか調べる「校閲記者」という仕事があるくらいメディアにとって情報は正確でなくてはいけない重要物です。決して楽観視せずに二重チェックを徹底しましょう。

2.写真やデータの取り扱い(著作権・肖像権)を事前に確認すること

学外の関係者を紹介する際に使用する宣材写真は、必ず直接関係者から確認を取って使用してください。プレスリリースはメディアに送る公文書になりますので、サイトに公開されている画像を拾ってプレスリリースに載せるのは御法度です。たとえ先方がサイトからの流用を許可したとしても、きちんとデータとして関係者から頂戴した画像を掲載するようにしましょう。
他にも、SNSへの拡散も考慮して使用する画像にルール違反がないか細心の注意をはらう必要があります。

≪例≫

  • 学内のイベント風景を撮影したときに映り込んでしまった一般人
    ⇒背景などにぼかしを入れて特定できないようにする。
  • インタビューを受けた時に撮影した写真
    ⇒著作権はインタビュー実施した側にあるため使用許可を取る必要有り。

参考1:文化庁_著作物が自由に使える場合

参考2:文化庁_いわゆる「写り込み」等に係る規定の整備について

3.問い合わせ先は電話番号とメールアドレスを必ず明記

記者は24時間365日稼働しているといわれています。
いつプレスリリースを読んで取材の連絡がいくか分からないため、必ず繋がる連絡先を用意しておきましょう。電話の受付時間がある大学・教育機関は、必ず時間も明記しておくと親切です。

≪例≫
○○大学 ○○課 ○○担当(内線:○○)
担当者 :○○
TEL :○○-○○○○(受付時間 ○:○○~○:○○)
携帯 :○○-○○○○
MAIL :○○@○○.com
FAX :○○-○○○○

大学・教育機関向けのプレスリリース(テンプレート)

大学・教育機関向けで活用できる「受賞のお知らせ」「研究発表」で活用できるプレスリリースのテンプレートを紹介いたします。
※ ご自由にコピペしてご活用ください。

受賞のお知らせ
≪タイトル≫
○○できる「○○○○」が
○○○○賞を受賞
~○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○~

≪本文≫
○○○を専門とした○○大学(所在地:東京都○○区、代表[または役職名]:○○○○)は、○月○日(○)に○○[主催者]が実施する「○○○○」において『○○○○[商品名など]』が○○○○賞を受賞したことを発表します。

○○○○[受賞した商品名など]URL: http://○○○○

■○○○○賞について[目安:3~4行程度]

詳細URL:http://○○○○
<例>
*エントリー・対象となる企業・商品について
*賞の歴史やエントリー数
*評価の項目、方法など

■○○○○[受賞したものなど]について

<例>
*発明品・研究の概要など
(箇条書きにするほうがわかりやすい場合もあります)
*受賞した理由
*今後の展開

■学校概要
学校名:
所在地:
代表名:
設立日:
URL :
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。
(学校の特徴)
・どんなことが学べるか
・学校の強み

■本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先
○○大学 ○○課 ○○担当(内線:○○)
担当者 :○○
TEL :○○-○○○○(受付時間 ○:○○~○:○○)
携帯 :○○-○○○○
MAIL :○○@○○.com
FAX :○○-○○○○

研究発表
≪タイトル≫
○○○についての○○○を解明
○○○の研究結果を発表
~○○○○○○○○~≪本文≫
○○○を専門とした○○大学(所在地:東京都○○区、代表[または役職名]:○○○○)は、○○○を対象とした○○について○○○○ということが判明いたしましたので発表いたします。
また、本研究結果は、〇〇〇〇に掲載予定です。「○○○○[研究]」詳細URL: http://○○○○
■背景[目安:3~4行程度]<例>
*研究を開始するに至った経緯
*共同研究するに至った経緯
*世の中の傾向・動きなど
■研究結果について[目安:3~4項目・各2~3行程度]
*○○○○○*○○○○○*○○○○○
■〇〇〇〇について(共同研究した団体について)
[目安:3~4行程度/会社概要と同一の記載も可]
■学校概要
学校名:
所在地:
代表名:
設立日:
URL :
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。
(学校の特徴)
・どんなことが学べるか
・学校の強み
■本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先
○○大学 ○○課 ○○担当(内線:○○)
担当者 :○○
TEL :○○-○○○○(受付時間 ○:○○~○:○○)
携帯 :○○-○○○○
MAIL :○○@○○.com
FAX :○○-○○○○

さいごに

少子化の影響で受験者人口が減少傾向にある今、大学・教育機関の魅力をステークホルダーに広く伝えるため、「ブランド力」を向上させる地道な広報活動はかかせません。
今回、人に選ばれる大学・教育機関になるために活動できる一つのPR方法としてプレスリリースについて解説しましたが、是非日頃から様々な視点を持って広報活動を行っていきましょう。

参考記事

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