ソーシャルメディアとSNSの違いを解説!~ビジネス現場への活用方法の紹介~

ソーシャルメディアと聞くとSNSを思い浮かべる方がほとんどだと思います。しかし、正確には別の意味を表す言葉だということはご存知でしょうか。そこで今回はソーシャルメディアとSNSの違いについて解説、またビジネス現場におけるそれぞれの活用方法について紹介していきます。

ソーシャルメディアとSNSの違い

どちらも似ている言葉ではありますが定義が違う2つの言葉。それぞれの特性について解説していきます。

ソーシャルメディアとは

SNS、ブログ、簡易ブログなど、インターネットを利用して個人間のコミュニケーションを促進するサービスの総称。インターネット技術を利用し、個人が情報を発信することで形成されるさまざまな情報交流サービスの総称。

参考:ソーシャルメディアとは(コトバンク)

マスメディアと違い、インターネットを利用することで誰でも簡単に情報発信ができ、やり取りができる双方向メディアです。情報の受け手が発信者にもなるため情報拡散力が高いメディアであることも特徴の一つです。

ソーシャルメディアの種類

ソーシャルメディアは掲載する情報の性質によって主に4種類に分類することが可能です。

・コミュニケーション
個人単位で他者とコミュニケーションを取ることを目的とするメディア
例:LINE

・レビュー/口コミ
モノや場所に対する個人の評価や感想を書き込むことを目的とするメディア
例:食べログ、アプリやECサイト等のレビュー

・集合知
不特定多数のユーザーからの書き込みによる膨大な情報が蓄積したメディア
例:WikipediaYahoo!知恵袋

・情報発信
個人の意見や関心事、作品やパフォーマンスを広く発信するメディア
例:X(Twitter)、InstagramYouTube

このようなブログやコミュニケーションツール、動画・画像共有サービスを総じて「ソーシャルメディア」と言います。

ソーシャルメディアの特徴

ソーシャルメディアの特筆すべき特徴は「拡散」です。ソーシャルメディアは不特定多数のユーザーが情報の発信者・受信者になり、ユーザー毎に発信と受信が連鎖することで情報が多方向へ広がる特徴があります。

SNSとは

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ソーシャル・ネットワーキング・サービス(英語: Social Network Service)の略。個人間のコミュニケーションを促進し、社会的なネットワークの構築を支援する、インターネットを利用したサービスのことをいいます。

参考:SNSとは(コトバンク)

SNSの種類

・オープン型
不特定多数のユーザーに自身の投稿が公開されるSNSを「オープン型」といいます。企業の公式アカウント、著名人やインフルエンサーなど、宣伝を目的とした情報発信を行うユーザーはオープン型が適しています。

・クローズド型
特定のユーザーにしか自身の投稿が公開されないSNSを「クローズド型」といいます。特定の友人やグループへ私用連絡などコミュニケーションを行う場合にはクローズド型が適しています。

SNSの特徴

サービス名国内月間アクティブユーザー特徴
Facebook2,600万人(※2019年7月時点)世界で最もユーザー数が多いSNS。実名登録制に加えてメッセージ機能が充実しているため名刺代わりにするビジネスマンも多い。
X(Twitter)4,500万人(※2017年10月時点)誰でも匿名投稿することができ、拡散力に優れている。リアルタイムで様々な情報が手に入り、世の中のトレンドを把握できる。
Instagram3,300万人(※2019年6月時点)画像や動画を活用した視覚的な情報を訴求でき、24時間で投稿が消えるストーリーズが多くの若者に人気。
YouTube7,000万人(※2022年10月時点)世界で最もユーザーを抱える動画プラットフォーム。
LINE9,500万人(※2023年4月時点)日本で最も利用者数が多いチャットツール。クローズドなコミュニケーションが可能。

参考記事:【最新Excel配布中】日本・世界のSNSユーザー数まとめ(Facebook,X(Twitter),Instagram,YouTube,LINE,TikTok)

ソーシャルメディアとSNSの違い

それぞれの定義と特徴を解説してきましたが、ソーシャルメディアとSNSの明確な違いは枠組みの大きさと言えるでしょう。ソーシャルメディアの中にSNSが存在するという位置付けです。ソーシャルメディアは「双方向に情報のやり取りができるメディア」であり、SNSはその中でも「個人間のコミュニケーションを目的としたツール」となります。

ソーシャルメディアとSNSが混同する理由

メディア要素の追加

多くのユーザーがソーシャルメディアとSNSを混同してしまう理由の一つは、SNSにメディア要素が加わったためです。
「LINE」を例にしてみます。LINEは初め、特定のユーザー間のトークルームがあり友人知人とのコミュニケーションが基本機能でした。現在ではLINE VOOMという動画共有機能が追加されています。LINE VOOMには「おすすめ表示」機能も搭載されており、友人知人以外の情報をキャッチすることができるため、個人間のコミュニケーションというよりは不特定多数への発信に重点を置いているメディア要素を含んだ機能だと言えます。
直コミュニケーション以外の機能追加が、ソーシャルメディアとSNSを混同してしまうきっかけになりました。

SNS要素の拡大

反対に、ソーシャルメディアにて個人間のコミュニケーションが盛んになったことで混同してしまう場合もあります。
実は世界一利用者が多い国が日本である「X(Twitter)」。当初は個人のちょっとしたつぶやき(ツイート)で溢れていましたが、現在ではツイートで友人と会話をするユーザーが増えています。特定のツイートに紐づけてツイートするのではなく、アカウントに向けてツイートをする「空リプ」と呼ばれる方法でコミュニケーションを取り、連絡手段としてX(Twitter)を利用するユーザーが多くなっています。結果、X(Twitter)をSNSとして捉える人々が増え、混同して認識されるようになりました。

ビジネスにおけるソーシャルメディア&SNSの活用

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ソーシャルメディア運営企業の収益モデル

広告収入

媒体の広告枠を購入・出稿してもらうことで収益をあげます。Webサイトやアプリに表示されるディスプレイ広告やYouTube動画の途中で流れる広告がイメージしやすいでしょう。
YouTube広告は、収益のほとんどは運営元であるYouTubeのものですが、一部を動画投稿者に分け与えられます。YouTuberの収入は運営元からの分け前ということになります。

限定コンテンツや機能の有償化

会員限定のコンテンツ作成や利便性・柔軟性の高い拡張機能を用意し、有料会員化を促進することで収益をあげます。

ソーシャルメディアのビジネス活用

マーケティング施策への活用

ソーシャルメディアへの広告出稿による集客や販売促進が一般的になりました。ソーシャルメディアが集積した膨大な量の情報と突き合わせてユーザーをターゲティングできるため、興味関心があるターゲットへ効率よくアプローチすることが可能です。

ブランディング施策への活用

SNS、オウンドメディアを通してユーザーとの接触回数を増やすことで、認知度向上ロイヤルティ(信頼性・愛着度)向上が期待できます。業界に関する情報や専門的な記事を発信することで自社のファンを増やし、ユーザーとの関係を深めることでイベント集客やサービス・商品の購買へ繋げることができます。

ソーシャルメディア・SNSを中心とした消費者購買モデル

ソーシャルメディアが広く普及しユーザー同士が相互に情報発信を行う文化を背景にした購買行動モデルを紹介します。

VISAS(ヴィサス)

口コミの影響力をもってして消費者の潜在的なニーズを刺激し、共感や行動につながるという特徴があります。SNSマーケティングを考える上での基本理論として知られています。

  • Viral(口コミ)… 口コミで商品・サービスを知る
  • Influence(影響)… 影響を受ける
  • Sympathy(共感)… 商品の情報に共感する
  • Action(行動)… 商品・サービスを購入する
  • Share(共有)… 購入した結果をSNSで共有する

ULSSAS(ウルサス)

UGC(User Generated Content=ユーザー生成コンテンツ)で認知、検索行動もSNSを活用した、SNS中心の購買行動モデルです。

  • UGC(ユーザー生成コンテンツ)… 消費者の投稿により商品・サービスを認知
  • Like… 気になる投稿に「いいね!」をする
  • Search(SNS)… 商品・サービスを検索する
  • Search(検索エンジン)… 商品・サービスを検索する
  • Action(行動)…商品・サービスを購入する
  • Spread(拡散)…購入した結果をSNSで拡散する

SIPS(シップス)

口コミや「いいね」が消費者の購買行動のきっかけになることを示した購買モデルで、ゴールが必ずしも行動(購買)ではないことが特徴です。

  • Sympathize(共感)… 情報や意見に共感する
  • Identify(確認)… 収集した情報の信頼性を確認する
  • Participate(参加)… 消費者が行動する(イベントやコミュニティへ参加する)
  • Share&Spread(共有・拡散)… 共有・拡散する

さいごに

SNSを含むソーシャルメディアは私たちの生活に深く根付いており、消費者行動への影響力も大きくなりました。ソーシャルメディアを活用することで企業は消費者との距離を近づけることができ、マーケティングや広報の成果を上げることが期待できるでしょう。
ただ、ターゲットや目的によって利用するソーシャルメディアの種類は吟味しなければ、期待する効果を得ることはできません。ソーシャルメディアの「特性」や「消費者行動に及ぼす影響」を理解した上で、マーケティング・広報戦略に組み込みましょう。

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