新刊のご案内『北京論 10の都市文化案内』2008年7月22日(火)発売
企業動向
2008年7月23日 12:00株式会社リミックスポイント(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:吉川 登、以下リミックスポイント)/Codex Archives & Publishingは、初めての都市論的ガイドブック『北京論 10の都市文化案内』(定価:本体1,800円+税)を刊行、2008年7月22日(火)より全国書店にて発売いたします。

本書は、北京を拠点とする日本人建築家・松原 弘典氏の手によるもので、「北京を知るための10の視点」で構成されています。「北京の見方、北京の歩き方を“知的”に楽しみたい人」に向けて、全カット撮りおろしのカラー写真とともにユーモアと機智に溢れた文化エッセイとして読みやすくまとめています。
「食べる、泊まる、愉しむ」風のガイドブックといった、ありきたりの観光情報や、ちょっと物々しい感じの中国像とは無縁に、オリンピック前の劇的な変化を続ける北京を見るための独自の切り口によって訪問先を紹介しています。
本書は、名所旧跡を効率よく訪れるための指標としての「観光スポットガイド」ではなく、普通の観光とは違った北京を見るための視点と具体的な場所をいっしょに紹介した「都市読解のための解説書」として“いま、そこにしかない北京”をお届けします。
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●北京を知るための10の視点。
1.更新される世界 ~風景がまるごと入れ代わる場所~
- CBD地区/中関村/三里屯
2.振動する世界 ~細かいスケールで変化を繰り返している場所~
- 南鑼鼓巷から荷花市場/東四から鬼
3.再利用の世界 ~既存のコンテクスト優先で再生されている場所~
- 798芸術新区/永康西海商務会館と尚8文化広場
4.境界のない世界 ~アジアンバザールのある場所~
- 雑貨城/骨董城/お茶城・撮影城・建材城
5.動かない世界 ~昔からそこにある地味だが愛すべき場所~
- 日壇公園/故居群/雍和宮の仏足と大鐘寺の鐘
6.模倣の世界 ~中国的テーマパークの場所~
- 世界公園/宮殿ホテル/富人区
7.超モダニズムの世 ~内と外の乖離した場所~
- 工人体育場のボールプール/朝陽公園のお風呂/京信大厦の日中
8.コレクションの世界 ~ミニチュア、陳列、放置の場所~
- 北京規劃展覧館/温都水城/鉄道博物館と航空博物館
9.記憶の世界 ~忘却と拮抗する場所~
- 盧溝橋/圓明園
10.ユートピア的世界 ~時間の止まった場所~
- 野長城のホテル/草場地のギャラリー
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※以下、本編「1章 更新される世界/CBD地区 ~ハイブリッドなオフィス再開発~」より一部抜粋
北京の都市開発を俯瞰すると、明らかに集中的に開発が進められているところがある。個々の開発の多くは民間のデベロッパーによるものだが、政策的に役所が上位の都市計画に従ってこうした民間開発を特定の場所に誘導しているところがある。北京は東京に比べると四周を道路で囲まれた一ブロックが巨大な都市だが、こうした開発が誘導された地区では数ブロックまとめて再開発が進行するので、とても巨大な都市景観の更新になる。ここでとりあげるのは、このように開発が集中して、風景がまるごと入れ代わる、「更新される世界」だ。いくつかあるこうした場所も、少しずつ開発時期が前後しているために、そこに立つとそれぞれ異なる印象を受けることがわかるだろう。(以下、略)
北京のCBD(セントラル・ビジネス・ディストリクト)は、国際貿易センター(以下国貿)周辺の地区で、東三環と建国路の交差点あたりをさす。付近には外国人向けのマンションや、最も古い大使館街があるので、この都市で最も外国人をよく見かける地区でもある。
......現在の事実上の中心は国貿だから、ここから歩き始めよう。国貿の南側、建国路の国貿駅地下鉄口のあたりから歩き始めるとすると、まず地下におりて国貿の地下ショッピングモールを抜けていくといい。空間自体は九〇年代に作られた地下モールでどうということはないけれど、北京で一番高級ブランドがそろっている商業街であり、関税と為替レートの関係で日本よりも高級ブランド品が割高になっていることがわかる。
......北門脇の東側には国貿三期と呼ばれる北京で現在一番高い三〇〇メートルの高さのビルが見える。建物としてはその北東にそびえるレム・コールハース設計の中央電視台(CCTV)本部ビルのほうが圧倒的な存在感だが、これはループ状建築の最高部分で約二五〇メートルの高さがある。
こうした建物の高さ制限も上位の都市計画で指定されている事項だ。(以下、略)
《Codex Archives & Publishingについて》
Codex Archives & Publishingは株式会社リミックスポイントのコンテンツサービス事業を行なうセクションであり、アーカイヴと出版における企画・編集・制作をトータルにサポートしています。
いまはまったくの無価値に見えるもの(情報や物質)でも、千年後には貴重なものになる可能性は常にあり、だからこそ、現状をまるごとスナップショットしておくことがアーカイヴのアーカイヴたるゆえんであり、今後、Codex Archives & Publishingでは、芸術文化・都市文化・情報文化のフィールドを中心に、アーカイヴスと書物を創造していきます。
http://www.codeximages.com/
《株式会社リミックスポイントについて》
株式会社リミックスポイントは2004年に設立し、2006年12月に東証マザーズに上場しております。画像・映像関連の処理技術やデジタルコンテンツの管理・配信技術をベースに、使いやすく、便利で分かりやすいソリューション、プロダクト、サービスを提供しています。
セキュリティ市場向け、エンターテイメント市場向けのソリューションやプロダクトの展開に加え、エレクトロテスト市場向けにも展開の拡大を図っております。
http://www.remixpoint.co.jp/
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