ハードディスク用ヘッド・メディアテストシステムRD-2の受注を開始
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2008年4月17日 09:30報道関係者各位

プレスリリース 2008年4月17日
株式会社アイメス
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ハードディスク用ヘッド・メディアテストシステム
RD-2の受注を開始
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株式会社アイメス(本社:神奈川県藤沢市、代表取締役:塚元 啓一)は
2008年4月18日、ハードディスクドライブ(HDD)の次世代技術に対応した磁気
ヘッド・メディア テストシステムRD-2を発表し、受注を開始いたします。
RD-2は、当社が昨年のDISKCON JAPAN(IDEMA主催)にて発表したIMES Reference
Drive アーキテクチャに基づいており、DTR(Discrete Track Recording media)、
BPM(Bit Patterned Media)、TAMR(Thermal Assisted Magnetic Recording)
といった次世代ハードディスク技術の評価、試験に必要とされる高度な性能・
機能を備えた世界初のシステムです。
上記の次世代ハードディスク技術を実現させるためには、記録トラックと
スピンドルモータ間の偏芯に追従する高精度なヘッド位置決めとリードライト
クロックの生成、GHz帯の高周波信号伝送など、いくつかの課題がありました。
当社はこれらの課題を解決する独自の新技術群を開発し、RD-2に統合しました。
従来にない卓越した評価性能を提供することでハードディスクの次世代要素
技術開発を強力にサポートします。
■「RD-2」の特徴
(1)DTRにおけるデータトラック偏芯への対応
現在のハードディスクは記録面が平坦であるのに対し、DTRはデータトラック
間に溝を彫ることによりトラック間干渉の低減を狙った技術です。このときの
トラックピッチは、100ナノメートル以下とされ、DVDの740ナノメートル、
ブルーレイディスクの320ナノメートルと比しても遥かに高いヘッド位置決め
精度が要求されます。
RD-2ではアクチュエータに高精度角度エンコーダを取り付け、新開発の制御系
であるDisturbance Jammer(TM)との組み合わせにより、1ナノメートルを切る
ヘッド先端位置決め精度(目標位置からの標準偏差)を達成しました。
さらに量産ラインでの試験効率向上のために、偏芯の異なる上下両面を同時に
アクセスするダブルアクチュエータを備えていますが、これもDisturbance
Jammer(TM)を適用することでアクチュエータの相互振動干渉を無視できる
レベルまで下げることに成功しています
(2)メディアサーボ情報の無いDTRへの対応
RD-2が提供するEclipse Locator(TM)は、メディアサーボ情報の無いDTRでの
偏芯を解析・追従するという画期的な機構です。DTRトラックの磁気特性を
評価するためには、トラック歪みや偏芯を検出し、ヘッドがトラック上を
高精度に追従する必要があります。Eclipse Locatorにより、メディア上に
サーボを埋め込む手間のかかる工程を省略しても記録膜の性能評価が可能になり、
研究開発の効率を大きく改善します。
(3)BPMにおける偏芯とビット間隔ばらつきへの対応
BPMとはDTRの発展形で、トラック間に加えビット間干渉をも低減させるために、
1ビット毎に記録ピットを隔離して形成しておくものです。BPMの開発においては
このビットの並びの均一性を評価する必要があり、そのために偏芯や歪を含む
トラックに追従する高精度クロックが必要です。Pure Tone Synthesizer(TM)は
スピンドルに取り付けられたエンコーダの出力信号から誤差を除去し、
その上でクロック信号にBPMの偏芯や歪成分を取り込むことが可能であり、
まさに上記問題を解決する技術です。その非繰返し性タイミングジッタは
標準偏差で70ピコ秒という驚異的な値を達成しています。
(4)TAMRにおける高周波信号伝送
今後ビットサイズが極小化されると、その磁極を安定的に保持するためには
磁性膜の保磁力を増大させる必要が生じます。しかしそれは同時にヘッドによる
データ書き込みが困難になることを意味します。そこでデータ書き込み時に
レーザーを照射すること等により一時的に磁性膜の温度を上げ、書き込みやすく
する技術がTAMRです。これによりビット密度の大幅な向上が期待できますが、
同時にデータ転送レートの大幅な高速化が必要になります。現行ハードディスク
に搭載されているフレキシブルプリント基板では1~2GHzが伝送限界であり、
先んじてTAMRを取り扱う装置には数倍の伝送帯域が求められます。
RD-2に搭載されたフレキシブルプリント基板は、その設計と材料を根本的に
見直し、従来と同等の扱いやすさを保ちつつ、-6dBポイントで6GHzもの帯域を
備えています。
RD-2はこの種の試験装置として初となる密閉型筐体を備えており、オプション
で温度・湿度など環境試験にも対応しています。またダブルアクチュエータを
備えた機構部と、静圧エアベアリングと同等の精度と回転数指定範囲を持つ
動圧流体ベアリングを備えたスピンドルモータ、及び電子回路部が一体化した
小型軽量かつ完全左右対称な構成と、要素技術のモジュール化により、研究開発
から量産試験プロセスへのスムーズな移行を可能にします。高密度化により
計測データの信頼性が問われる現在、開発から量産に至る試験プラットフォーム
を共通化することは、プロセス間データの相関改善に大きく貢献するはずです。
■株式会社アイメス概要
会社名 : 株式会社アイメス
本社 : 〒252-0811 神奈川県藤沢市桐原町3
代表取締役: 塚元 啓一
設立 : 1990年12月1日
資本金 : 4億3,527万円
URL : http://www.imes.co.jp/
■お問い合わせ
株式会社アイメス 営業担当 脇
E-Mail: rd2@imes.co.jp
Tel : 0466-45-5956
Fax : 0466-44-9268
株式会社アイメス
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ハードディスク用ヘッド・メディアテストシステム
RD-2の受注を開始
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株式会社アイメス(本社:神奈川県藤沢市、代表取締役:塚元 啓一)は
2008年4月18日、ハードディスクドライブ(HDD)の次世代技術に対応した磁気
ヘッド・メディア テストシステムRD-2を発表し、受注を開始いたします。
RD-2は、当社が昨年のDISKCON JAPAN(IDEMA主催)にて発表したIMES Reference
Drive アーキテクチャに基づいており、DTR(Discrete Track Recording media)、
BPM(Bit Patterned Media)、TAMR(Thermal Assisted Magnetic Recording)
といった次世代ハードディスク技術の評価、試験に必要とされる高度な性能・
機能を備えた世界初のシステムです。
上記の次世代ハードディスク技術を実現させるためには、記録トラックと
スピンドルモータ間の偏芯に追従する高精度なヘッド位置決めとリードライト
クロックの生成、GHz帯の高周波信号伝送など、いくつかの課題がありました。
当社はこれらの課題を解決する独自の新技術群を開発し、RD-2に統合しました。
従来にない卓越した評価性能を提供することでハードディスクの次世代要素
技術開発を強力にサポートします。
■「RD-2」の特徴
(1)DTRにおけるデータトラック偏芯への対応
現在のハードディスクは記録面が平坦であるのに対し、DTRはデータトラック
間に溝を彫ることによりトラック間干渉の低減を狙った技術です。このときの
トラックピッチは、100ナノメートル以下とされ、DVDの740ナノメートル、
ブルーレイディスクの320ナノメートルと比しても遥かに高いヘッド位置決め
精度が要求されます。
RD-2ではアクチュエータに高精度角度エンコーダを取り付け、新開発の制御系
であるDisturbance Jammer(TM)との組み合わせにより、1ナノメートルを切る
ヘッド先端位置決め精度(目標位置からの標準偏差)を達成しました。
さらに量産ラインでの試験効率向上のために、偏芯の異なる上下両面を同時に
アクセスするダブルアクチュエータを備えていますが、これもDisturbance
Jammer(TM)を適用することでアクチュエータの相互振動干渉を無視できる
レベルまで下げることに成功しています
(2)メディアサーボ情報の無いDTRへの対応
RD-2が提供するEclipse Locator(TM)は、メディアサーボ情報の無いDTRでの
偏芯を解析・追従するという画期的な機構です。DTRトラックの磁気特性を
評価するためには、トラック歪みや偏芯を検出し、ヘッドがトラック上を
高精度に追従する必要があります。Eclipse Locatorにより、メディア上に
サーボを埋め込む手間のかかる工程を省略しても記録膜の性能評価が可能になり、
研究開発の効率を大きく改善します。
(3)BPMにおける偏芯とビット間隔ばらつきへの対応
BPMとはDTRの発展形で、トラック間に加えビット間干渉をも低減させるために、
1ビット毎に記録ピットを隔離して形成しておくものです。BPMの開発においては
このビットの並びの均一性を評価する必要があり、そのために偏芯や歪を含む
トラックに追従する高精度クロックが必要です。Pure Tone Synthesizer(TM)は
スピンドルに取り付けられたエンコーダの出力信号から誤差を除去し、
その上でクロック信号にBPMの偏芯や歪成分を取り込むことが可能であり、
まさに上記問題を解決する技術です。その非繰返し性タイミングジッタは
標準偏差で70ピコ秒という驚異的な値を達成しています。
(4)TAMRにおける高周波信号伝送
今後ビットサイズが極小化されると、その磁極を安定的に保持するためには
磁性膜の保磁力を増大させる必要が生じます。しかしそれは同時にヘッドによる
データ書き込みが困難になることを意味します。そこでデータ書き込み時に
レーザーを照射すること等により一時的に磁性膜の温度を上げ、書き込みやすく
する技術がTAMRです。これによりビット密度の大幅な向上が期待できますが、
同時にデータ転送レートの大幅な高速化が必要になります。現行ハードディスク
に搭載されているフレキシブルプリント基板では1~2GHzが伝送限界であり、
先んじてTAMRを取り扱う装置には数倍の伝送帯域が求められます。
RD-2に搭載されたフレキシブルプリント基板は、その設計と材料を根本的に
見直し、従来と同等の扱いやすさを保ちつつ、-6dBポイントで6GHzもの帯域を
備えています。
RD-2はこの種の試験装置として初となる密閉型筐体を備えており、オプション
で温度・湿度など環境試験にも対応しています。またダブルアクチュエータを
備えた機構部と、静圧エアベアリングと同等の精度と回転数指定範囲を持つ
動圧流体ベアリングを備えたスピンドルモータ、及び電子回路部が一体化した
小型軽量かつ完全左右対称な構成と、要素技術のモジュール化により、研究開発
から量産試験プロセスへのスムーズな移行を可能にします。高密度化により
計測データの信頼性が問われる現在、開発から量産に至る試験プラットフォーム
を共通化することは、プロセス間データの相関改善に大きく貢献するはずです。
■株式会社アイメス概要
会社名 : 株式会社アイメス
本社 : 〒252-0811 神奈川県藤沢市桐原町3
代表取締役: 塚元 啓一
設立 : 1990年12月1日
資本金 : 4億3,527万円
URL : http://www.imes.co.jp/
■お問い合わせ
株式会社アイメス 営業担当 脇
E-Mail: rd2@imes.co.jp
Tel : 0466-45-5956
Fax : 0466-44-9268