クロレラは2型糖尿病の進展抑制に有効

― 第35回日本臨床栄養学会総会で発表 ―

健康食品メーカー/株式会社サン・クロレラ(本社:京都市下京区)は、茨城キリスト教大学 板倉 弘重名誉教授との共同研究により、クロレラ(*1)の飲用が2型糖尿病の進展抑制に有効であることを明らかにしましたので、第35回日本臨床栄養学会総会(2013年10月4日~6日、京都府)において発表致しました。

総コレステロール推移
総コレステロール推移

*1:クロレラ
淡水に生息する緑藻類に分類される微細藻類の一種。タンパク質を約60%含み、葉酸やビタミンB12などのビタミン、ミネラルを含んでいます。

● 発表演題:
糖尿病予備群に対するクロレラの作用
―プラセボ対照ランダム化比較試験によるメタボロームからの知見―

● 発表者:藤島 雅基(*3)、板倉 弘重(*2)、竹腰 英夫(*3)、直木 洋(*3)
*2:茨城キリスト教大学
*3:株式会社サン・クロレラ


■研究の背景と目的
2型糖尿病患者は世界的に増加傾向にあり、病態が進行していくと、脳卒中や腎症、認知症などの合併症を起こすことが知られています。この2型糖尿病は、運動や食生活を見直すことで予防が可能です。そこで、血糖値やコレステロール値の改善が観察されているクロレラを2型糖尿病予備群のヒトが摂取することで、どのような変化が起こるかをプラセボ対照ランダム化比較試験で検証しました。


■試験方法
2型糖尿病予備群(HbA1c値(*4):6.0%~6.4%)の成人男性60名をクロレラ食品(*5)摂取群30名とプラセボ食品(クロレラを含まない同一形状の粒)摂取群30名の2群に分け、食品の摂取期間を12週間としました。それぞれについて、摂取開始前、摂取開始4週間、8週間、12週間、16週間後に血液検査、および摂取開始前と12週間後に血液特殊検査とメタボローム解析(*6)により、血液中の物質の変化を評価しました。

*4:HbA1c値
HbA1cはヘモグロビン・エーワンシーと読み、過去1~2ヵ月の血糖値の平均を反映し、糖尿病の診断にも使われます。HbA1c値が6.5%以上の場合は糖尿病が強く疑われます。
出典:日本糖尿病対策推進会議配布パンフレットより

*5:クロレラ食品
1日当り40粒8gを摂取。

*6:メタボローム解析
生命の活動(代謝)によって作られる物質を特定の範囲(分子量約1,000まで)で丸ごと高感度に検出し解析する技術。2型糖尿病予備群等の病気一歩手前の予備群では、血液検査値に大きな変動が示されないことが多く、従来の血液検査値だけで体の状態を判断するのは難しい面があります。本技術は血液中の物質の僅かな変動を捉えることができるので、新しい事実を評価する方法として期待されています。


■結果
(1)血液検査を評価した結果、クロレラ摂取群で総コレステロール値が4週目で有意に低下しました。
http://www.atpress.ne.jp/releases/39100/1_1.jpg

図1 総コレステロールの摂取前からの推移
クロレラ食品摂取群は摂取前に対して、4週目の低下は統計学的に有意差あり。
*総コレステロール正常値 130~220mg/dL


(2)血液特殊検査を評価した結果、クロレラ摂取群で葉酸(*7)の値が増加し、ホモシステイン(*8)の値が有意に低下しました。
http://www.atpress.ne.jp/releases/39100/2_2.jpg

図2 葉酸値とホモシステイン値の摂取前からの推移
・葉酸値の変動
 プラセボ食品摂取群で摂取前に対して12週の低下は統計学的に有意差あり。
・ホモシステイン値の変動
 クロレラ食品摂取群で摂取前に対して12週の低下は統計学的に有意差あり。

*7:葉酸
ビタミンB群の1種。貧血や胎児の神経管閉鎖障害の予防作用が知られています。また、生体内で抗酸化作用が知られており、血液中のホモシステインを低下させることが知られています。

*8:ホモシステイン
ホモシステインの血液中の濃度が高いと、動脈硬化や心血管疾患、脳血管疾患の発症リスクの高まることが知られています。また、認知症との関係も指摘されています。

メタボローム解析を評価した結果、クロレラ食品摂取群で、脂肪酸の代謝に関わるカルニチンおよびアセト酢酸が低下しました。プラセボ食品摂取群では酸化ストレスに関わるベタイン、ジメチルグリシンが増加しました。これらは、偶然ではなく統計学的に意味のある変動でした。


■考察
今回の実験から、クロレラの摂取は脂肪酸の代謝と共に酸化ストレスの改善が認められました。2型糖尿病への進展は脂肪酸のβ酸化の亢進や酸化ストレスで増大すると考えられていることから、クロレラの摂取は2型糖尿病への進展抑制が期待されます。また、糖尿病だけに留まらず、葉酸の増加やホモシステインの低下により、貧血、動脈硬化、心血管疾患、脳血管疾患、認知症などの幅広い予防が期待できます。この様な作用が期待できるのは、クロレラが含む多くの栄養素が相互的、補完的に働き、緩やかに体内バランスを整える結果と考えています。クロレラはあくまでも食品であり、体内に取り込まれた成分の代謝は他の食品同様に速いことが類推され、継続的に摂取することでクロレラの作用を享受出来るものと考えられます。


【若手奨励賞受賞】
本演題は、審査委員によるサイエンスおよびプレゼンテーションの審査において、クロレラの作用手法および試験計画が評価され若手奨励賞を受賞致しました。

若手奨励賞 表彰状
http://www.atpress.ne.jp/releases/39100/3_3.jpg


● 「日本臨床栄養学会」について
臨床栄養の研究推進を図るとともに、その成果を人々への健康維持・増進、疾病の予防と治療に役立てる活動を目的としています。第35回となる今回はメインテーマを「栄養へのめざめ・広がり - その実現をチーム医療に求めて - 」とし、臨床栄養学の基礎から臨床まで幅広く討論されました。


■当社の研究活動については、下記サイトをご覧ください。
サン・クロレラ研究サイト http://lab.sunchlorella.co.jp/

カテゴリ:
業績報告
ジャンル:
医療

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