工場排気ガス未利用エネルギーを還元活用  潤工社の「フッ素ポリマー熱交換器」が カーボンニュートラル達成の一翼を担う  ウェブサイトにて同シリーズの記事を9月19日に公開

    企業動向
    2023年9月19日 13:00

    株式会社潤工社(所在地:東京都千代田区、代表:十河 衛、以下 潤工社)は2023年9月19日に同社のウェブサイト、製品・ソリューションページにて「Junkosha 熱交換器『フッ素ポリマー熱交換器 廃熱回収シリーズ』」の記事を公開しました。

    気候変動をはじめとする環境問題の深刻化は、いまや世界共通の喫緊の課題です。日本政府は、2030年度に排出する温室効果ガスについて2013年度比で46%削減、2050年までのカーボンニュートラルの実現を宣言しています。

    そのような動向の中、ボイラなどの燃焼排気ガスからの低温域(200℃以下)の廃熱回収は、カーボンニュートラルの盲点とも言われてきました。潤工社の「フッ素ポリマー熱交換器 廃熱回収シリーズ」は、従来のエコノマイザーと呼ばれる金属製の伝熱管を使用した熱交換器だけでは回収しきれなかった廃熱を回収し、未利用熱エネルギーの高効率な利用を実現します。回収した廃熱を利用することでボイラの燃料削減を可能とし、ひいては二酸化炭素の排出量を抑え、2050年までのカーボンニュートラル達成に寄与します。

    URL: https://www.junkosha.com/jp/news/184


    Junkosha 熱交換器「フッ素ポリマー熱交換器 廃熱回収シリーズ」


    ■工場排ガスには、実はまだ未利用熱エネルギーがある

    潤工社の「フッ素ポリマー熱交換器 廃熱回収シリーズ」は、冷却水が通る伝熱管に、金属ではなくフッ素ポリマーチューブを使用しています。フッ素ポリマーは、多様な化学薬品に耐性があるため、排気ガスに含まれるSOx(硫黄酸化物)やNOx(窒素酸化物)などの結露による伝熱管腐食を防ぐことができ、結露が起こる低温域(200℃以下)の未利用熱エネルギーの回収を可能にしました。


    一般的な工場設備では省エネ目的でボイラから排出される高温の排気ガスをエコノマイザーという熱交換器で200℃程度まで温度を下げ、脱硫装置を経て煙突から大気中に排出しています。なぜ排出温度をもっと下げられないかというと、排気ガスの温度を200℃以下にすると、排気ガスに含まれているSOx(硫黄酸化物)やNOx(窒素酸化物)、HCl(塩化水素)などの酸が結露して、エコノマイザー内の金属製伝熱管に付着し、金属表面を腐食してしまうからです。

    なお、酸性物質が結露し始める温度のことを酸露点といいます。

    そこで潤工社は、排気ガスに接触する部分の伝熱管に、ほぼすべての化学薬品に対して耐食性があるフッ素ポリマーチューブを採用した熱交換器を開発しました。潤工社の高効率「フッ素ポリマー熱交換器」と従来のエコノマイザーを併用することで、排気ガスの温度を酸露点以下まで下げ、今までは煙突から大気中に放出していた未利用の熱エネルギーを回収することが可能になりました。


    フッ素ポリマーチューブ束を持って説明する担当者


    ■伝熱管にフッ素ポリマーチューブを採用する数々のメリット

    さらに、伝熱管にフッ素ポリマーチューブを採用することで、管自体を細く肉薄にすることができました。そして、それを高密度に最適配列することで、太い金属製伝熱管に比べ排気ガスが流れやすくなります。その結果、ガス側圧力損失が小さくなり(1~20mmH2O)、熱交換効率も向上します。しかも排気用ファンの増設が不要です。

    また、フッ素ポリマーチューブは非粘着性のため、伝熱管にダストなどによる汚れが付きにくく、伝熱性能低下がほぼありません。ダストが付着した場合は、オプションのシャワーリング洗浄装置により簡単に洗浄できます。

    さらにフッ素ポリマーの活用により、熱交換器自体を小型・軽量にすることができ、設置コストも削減できます。

    そして他の耐腐食熱交換器で知られているガラス製と比較するとフッ素ポリマーは柔らかく割れにくいため、装置自体の耐震性も優れています。

    また、金属製の多管式熱交換器の端部は複数の溶接個所が生じますが、フッ素ポリマーチューブ束端部を熱融着によってハニカム成形しているので、シール箇所は両端の2カ所×モジュール数と最小限で済みます。そのため端部からの液漏れリスク軽減につながります。


    独自の熱融着技術によってハニカム成形したフッ素ポリマーチューブ束端部


    ■年間1,700万円の燃料費削減に匹敵

    実際に「フッ素ポリマー熱交換器 廃熱回収シリーズ」を導入したある食品会社の工場では、エコノマイザーからの150℃の排気ガス温度を110℃まで下げ、その分の廃熱を回収し、40℃の冷却水を60℃以上の熱水に加熱してボイラ側の給水予熱などに還元利用することができました。この回収熱量をA重油に換算すると年間約1,700万円※の燃料費削減になり、その分だけ二酸化炭素の発生を削減したことになります。カーボンオフセットにも大いに貢献できます。廃熱回収による熱水は、例えば寒冷地での床暖房、農作物の温室、製造している製品の洗浄など様々な活用方法が考えられます。

    ※A重油価格=80,000円/kLと想定した際の算出結果。「2022年、潤工社調べ」はウェブサイトからも削除します。



    ■Junkosha 熱交換器「フッ素ポリマー熱交換器 廃熱回収シリーズ」

    特長:

    ●最も優れた耐食性:排気ガス接触部の伝熱管にフッ素ポリマーPFAを使用。酸露点以下で凝縮する硫酸類・硝酸類・塩酸などによる腐食がありません。

    ●伝熱管に細径かつ肉薄のフッ素ポリマーチューブを使用し、高密度に最適配列しているため、極めて優れた熱交換効率を有しています。

    ●伝熱管が細くまた本体が薄いため、ガス側の圧力損失を非常に小さくすることができます。

    ●伝熱管は柔軟なフッ素ポリマー製ですので地震などの揺れによる損傷を受けず、汚れによる伝熱性能低下もほとんどみられません。

    ●フッ素ポリマーPFAは耐熱ストレス性や耐熱的衝撃性に優れているため、他材質のように機械的・熱的衝撃によって損傷することがありません。

    ●チューブ束端部を熱融着によってハニカム成形してあるため、シール箇所は両端で2箇所×モジュール数、通常6~28箇所と最小限です。シール材にはフッ素ゴムガスケットを使用し、信頼性に優れています。

    ●仕様、設置場所、関連装置などの条件に合わせて最適のシステムを設計・製造いたします。


    用途:

    ●ボイラ(重油炊き・混焼・黒液回収・バイオマス等)、燃焼炉、乾燥炉などからの未利用廃熱回収

    ●腐食性・付着性ガスの加熱・冷却

    ●腐食性排気ガスの触媒処理前の再加熱


    Junkosha 熱交換器「フッ素ポリマー熱交換器 廃熱回収シリーズ」詳細

    https://www.junkosha.com/jp/products/ACH-04



    ■潤工社について


    潤工社


    株式会社潤工社は、フッ素ポリマーをはじめとしたハイパフォーマンスポリマーの成形加工により、ワイヤ・ケーブル、チューブ・継手、フィルム、射出成形品、それらを複合化させた高機能コンポーネンツ製品を提供しています。

    その技術は、「健康・医療」「半導体・精密機械」「情報通信」「環境・エネルギー」「航空・宇宙」など、世界中で幅広い分野に応用され、各分野のテクノロジーリーダーが持つ個別の課題に寄り添い、ソリューションを提供してきました。現在、潤工社は、欧米、中国、日本における8拠点で、750人のアソシエイトが、32の国と地域で事業を展開、特許保有数は150を超えています。

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    6Gと高度情報化社会を支える潤工社の高周波帯活用製品 
11/29(水)~12/1(金)開催のマイクロウェーブ展 2023にて展示
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    2023年11月16日 13:00

    宇宙空間の過酷な環境下でも位相のずれや挿入損失が少ない
TVAC(熱真空チャンバー)用
「Junkosha マイクロ波・ミリ波同軸ケーブルアセンブリ」 
10月17日に同社ウェブサイトにて記事を公開
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    株式会社潤工社

    2023年10月17日 13:00

    潤工社の「ハイバリアPFAチューブ」を用いた
半導体製造用の画期的な製品、
マノック工業株式会社様の世界初※【ハイバリアPFAホース】を
SEMICON Taiwan 2023での発表に先立ち
ウェブサイトの製品・ソリューションページにて紹介
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    株式会社潤工社

    2023年8月22日 13:00

    潤工社は、「省メンテナンス」「安全・安心」
「省エネルギー」につながる長寿命で信頼性の高い
フッ素ポリマーの特長を生かした、
『Junkosha 液漏れ検知システム』『Junkosha 熱交換器』
『流体移送チューブ』を
「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2023」に展示します
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フッ素ポリマーの特長を生かした、
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    株式会社潤工社

    2023年7月5日 13:00

    潤工社は、世界トップクラスの半導体製造装置メーカーで
採用されている「Junkosha 流体移送チューブ
『低摩擦“超極軟質”ポリウレタンチューブUUL』」を
自社ウェブサイトの製品・ソリューションページに公開
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    株式会社潤工社

    2023年6月21日 14:00