<医師1,580名調査> 「大学医局」の実態に関する最新アンケート結果を公表

    「白い巨塔は過去」という意見の一方、現在も教授の権威は健在という声も

    調査・報告
    2019年6月5日 12:00

    「今の医師にとって教授や大学医局はどのような存在なのか」など、「大学医局」の実態について、医師向けキャリア支援サービスなどを提供している株式会社メディウェルが、会員医師に対して実施したアンケート調査の結果(有効回答数1,580名)を公表しました。


    大学医局アンケート


    2004年の新医師臨床研修制度が開始されて以降、大学医局に属さずに勤務する医師も増えてきた中で、改めて「大学医局の現在の影響力やそのメリット・デメリット」を浮き彫りにする結果となっています。


    調査では、「やはり教授の独裁で民主的でない」といった回答があった一方で、「随分フリーだと思う。白い巨塔は過去」という回答も見られ、現在でも教授の権威が強い医局もある一方で、そのような環境が変化してきている一面も見受けられます。



    調査の概要については、以下のようになっています。


    ■調査概要

    調査内容 : 大学医局に関する医師へのアンケート調査

    調査対象 : 株式会社メディウェルに登録している医師会員

    調査時期 : 2019年4月22日~2019年5月23日

    有効回答数: 1,580件

    公開URL  : https://www.dr-10.com/lab/questionnaire-on-medical-office/



    ■結果の概要

    【大学医局への所属状況、大学医局に入った/入らなかった理由】

    ・大学医局への現在の所属状況では、「所属している」が46%、「所属していない」が54%で、現在所属していない医師のうち79%は過去に医局に所属していたことがあり、所属したことのない医師は21%だった。

    ・大学医局に入ろうと思った動機・きっかけでは「それが当たり前だった」と「専門医などが取得しやすい」という回答が多かった。

    ・医局に所属したことのない医師の理由としては、「メリットを感じない」「人事異動を避けたかった」「初期研修病院でそのまま就職した」といった回答が多かった。


    【所属している大学医局の満足度等】

    ・入局時に重視した点として多かったのは「教授や医局の雰囲気が良いか」、「出身大学」、「関連病院の充実度」といった回答だった。

    ・所属医局の良い点では「関連病院が一流」「教育体制がしっかりしている」など、良くない点では「望まない人事異動」や「給料が安い」などの回答が多かった。

    ・現在所属している医局には65%が「満足」と答えている一方で、医局に「ずっと残る」と回答したのは14%で、半数以上の医師は(今すぐでなくとも)医局を辞めることを検討している。


    【大学医局を辞めることへの不安やイメージ】

    ・現在大学医局に所属している医師が医局を辞める場合に不安に感じることとして多かったのは「職場が見つかるかどうか」という点だった。

    ・医局を辞めた医師が辞めた理由としては、「意に沿わない医局人事」や「医局内の人間関係の問題」といった回答が多く見られたほか、「激務」や「給料」など勤務条件に関するものも多かった。

    ・「退局すること」に対して、医局を辞める前は「アウトロー」「ドロップアウト」というイメージだったという回答が見られた一方、実際に医局を辞めた後は「医局だけが医師じゃない」「自由だが自らの力が試される」などのイメージに変わったという回答も多く見られた。


    【大学医局に属さない医師のキャリアや仕事上の工夫】

    ・医局に属さないことのメリットでは「自由に職場を選べる」という回答が多く、デメリットでは「専門医が取りづらい」「横のつながりや最新の情報が得られにくい」といった回答が多く見られた。

    ・医局に属したことのない医師の業務上の工夫としては「学会や勉強会への積極的な参加」や「知り合った先生との情報交換」などの回答があった。


    【一般的に医師が大学医局に所属することのメリット・デメリット】

    ・医師が大学医局に所属することの一般的なメリットについては、「新しい情報に触れられる」「専門医や学位が取れる」という回答が多く、一般的なデメリットについては「医局人事」「雑用」「給料が安い」などの回答が多かった。



    ■自由回答(一部抜粋)

    <医師が大学医局に所属することの一般的なメリット>

    ・専門的知識・技能の習得(60代男性・健診・人間ドック)

    ・一人前になるために必要な手技や症例についてバランスよく学ぶことができる。また、臨床、研究、留学など自分がどの分野を頑張りたいと思ってもそのチャンスが開けている。(30代女性・消化器内科)

    ・人脈、専門分野の研修、研究面ではメリットがある、特に若い頃や研究を究める場合には良い(30代女性・小児科)


    <医師が大学医局に所属することの一般的なデメリット>

    ・給料を自分で決めれない(50代男性・一般内科)

    ・雑用がおおく、医局人事でへき地へ行かねばならないことも(40代男性・その他診療科)

    ・自分の人生を他人に預ける(40代男性・整形外科)


    <現在の大学医局について率直に感じていること>

    ・随分フリーだと思う。白い巨塔は過去(40代男性・脳神経外科)

    ・専門医をとるまではかなり強力な拘束力があるが、そのぶん専門医をとったあと(7年目以降)の人間をとどめておくのにはかなり苦労するだろう。(40代男性・麻酔科)

    ・あまりにも巨大な力で、白い巨塔の世界(40代男性・心臓血管外科)

    ・医局の存在自体は悪くないと思う。患者さんへの視座を忘れず、それを第一義に運営されている医局に出会うと良いですね。稀でしょうが。(60代男性・一般内科)

    ・やはり教授の独裁で民主的でない。(50代男性・消化器外科)


    株式会社メディウェルでは本結果を受け、大学医局に所属する医師・所属しない医師、それぞれの医師の現状や意向を踏まえつつ、より一層有益なキャリア支援を行なうべく邁進してまいります。


    本調査の詳細に関しましては以下のURLをご参照ください。

    https://www.dr-10.com/lab/questionnaire-on-medical-office/



    ■引用・転載時のお願い

    ・本調査結果の引用・転載時には、「株式会社メディウェル」による調査である旨の明記をお願いいたします。


    ・WEB上での引用・転載を行なう場合には、「株式会社メディウェル」による調査である旨の明記と、引用元のURL( https://www.dr-10.com/lab/questionnaire-on-medical-office/ )へのリンク付与をお願いいたします。



    ■サービス・会社概要

    【医師転職ドットコム】

    URL    : https://www.dr-10.com/

    サイト概要: 2004年より運営している会員数40,000人以上の医師向け転職支援サイト


    【会社概要】

    企業名 : 株式会社メディウェル( https://www.mediwel.net/ )

    所在地 : 〒060-0001 北海道札幌市中央区北1条西5丁目2番地 興銀ビル9階

    事業内容: 医療機関を対象とした経営コンサルティング事業、

          病院経営に関する情報発信、

          医療従事者の紹介事業、医療関係職員の研修、

          セミナー並びに各種イベント企画、立案

    代表者 : 代表取締役 中村 知廣

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