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    財団法人 武田科学振興財団

    武田科学振興財団、「2009年度 武田医学賞」受賞者を発表

    調査・報告
    2009年10月6日 11:00
    財団法人 武田科学振興財団(理事長:横山 巖、所在地:大阪市淀川区)では、このほど「2009年度武田医学賞」を下記の2氏に贈呈することを決定しました。 受賞者には、賞状、賞牌、盾のほか一件につき1,500万円の副賞が贈呈されます。 なお、贈呈式は、11月13日(金)午後6時よりホテルオークラ東京において行います。 「武田医学賞」は、医学界で顕著な業績を挙げ、医学ならびに医療に優れた貢献を果たされた学者・研究者に贈呈されるもので、1954年、武田薬品工業株式会社の創業170周年記念事業の一つとして設けられ、1963年当財団の設立と同時に継承され今日に至っています。 今年で53回目を迎える「武田医学賞」の受賞者総数は、本年度を含めて109名となります。                  記 中尾 一和 博士(なかお かずわ) 京都大学 教授 受賞研究課題:「新規ホルモンのトランスレーショナルリサーチ」 田中 啓二 博士(たなか けいじ) 東京都臨床医学総合研究所 所長代行 受賞研究課題:「プロテアソームを基軸としたタンパク質分解系の先駆的研究」                                  以上 【中尾 一和博士 略歴】 本籍地 :兵庫県養父市大屋町筏472 現住所 :京都市西京区大枝北沓掛町4丁目1-2 生年月日:1948年9月18日 <学歴・職歴> 1973年9月 :京都大学医学部医学科 卒業 1973年12月:京都大学医学部附属病院(研修医) 1975年4月 :田附興風会北野病院(内科医員) 1976年4月 :京都大学薬学部 研究生 1977年4月 :京都大学大学院医学研究科博士課程 入学 1981年3月 :京都大学大学院医学研究科博士課程 修得 1981年4月 :京都大学医学部附属病院(内科医員) 1981年7月 :京都市立病院(内科医員) 1984年1月 :京都大学放射性同位元素総合センター 助手 併任       京都大学医学部内科学第二講座 助手 1984年5月 :京都大学医学博士(医博 第736号) 1990年7月 :京都大学医学部内科学第二講座 講師 1992年12月:京都大学医学部内科学第二講座 教授 1995年4月 :京都大学大学院医学研究科 臨床病態医科学講座 教授 2002年7月 :京都大学大学院医学研究科 内科学講座 内分泌代謝内科学 教授 2005年10月:京都大学EBM研究センター長 2007年11月:京都大学大学院医学研究科 副研究科長 2008年4月 :京都大学教育研究評議会 評議員 2008年4月 :京都大学探索医療センター長 <賞罰> 1987年6月 :日本内分泌学会研究奨励賞 1987年9月 :成人血管病研究奨励賞(成人血管病研究振興財団) 1988年12月:ベルツ賞(一等賞) 1989年4月 :日本内科学会奨励賞 2001年11月:持田記念学術賞 2003年5月 :日本内分泌学会 学会賞 2004年11月:日本医師会医学賞 2005年9月 :岡本国際賞(成人血管病研究振興財団) 2005年11月:高峰譲吉賞(日本心血管内分泌代謝学会) 2006年10月:日本肥満学会 学会賞 2006年12月:杉田玄白賞 2008年3月 :文部科学大臣表彰(科学技術賞) 2008年11月:内閣府先端医療開発スーパー特区 代表研究者 2008年12月:井村臨床研究賞(成人血管病研究振興財団) 【中尾 一和博士の研究業績】 受賞テーマ:新規ホルモンのトランスレーショナルリサーチ トランスレーショナルリサーチ(橋渡し研究)が21世紀の臨床研究の重要課題であることが認識される今日、我国におけるレギュラトリーサイエンスなど臨床研究開発システムが未整備であったにも拘らず、1)1990年代に実用化されて高い評価を受けているもの(ANP、BNP)、2)実用化の直前で、臨床試験で患者に投与されて劇的な臨床効果と安全性が証明されているもの(レプチン)、3)前臨床試験でProofof Concept(POC)の確立が終了し、当に臨床治験の計画が始まったもの(CNP)として、中尾 一和博士の主導する「ナトリウム利尿ペプチドファミリーとレプチンのトランスレーショナルリサーチ」があります。 (1)ナトリウム利尿ペプチドファミリー(ANP、BNP、CNP) 心臓ホルモンとしてのANPとBNPの血中測定の心不全診断法としての確立及び実用化(1990年、1996年)、急性心不全治療薬としてのANP持続注射の臨床応用(1995年)を実現したトランスレーショナルリサーチは、1984年のANPの単離同定を受けて開始され、欧米より5年以上先行して実用化が達成されました。これまで臨床開発に時間が掛かる我国では例外的な早期開発の成功例であり、典型的なトランスレーショナルリサーチの成功例でもあります。特にBNP測定法は心不全診療に必須の検査法として国際的にも最高レベルの評価を得ています。また、ANPは我国で最も汎用されている急性心不全治療薬となっています。ANPとBNPの測定に利用されているモノクローナル抗体や高感度測定法、ANPとBNPの急性心不全治療法のPOCの確立やプロトコールは、中尾博士らの研究成果と開発に基づくものです。また、CNPの成長板軟骨における内軟骨性骨化促進作用の発見は、有効な治療法の無かった難病である軟骨無形成症等の骨軟骨疾患の画期的な新規治療法としてのPOCを確立できたものであり、CNPによる難病治療法の早期実用化は国内外の患者と家族から強く期待されています。 (2)レプチン 1994年のレプチンの発見以後、レプチン過剰発現トランスジェニック“Skinny”マウスなどの遺伝子操作マウスや疾患モデル動物を用いてレプチンの臨床的意義を徹底的に解析した成果を踏まえて、最もレプチン感受性の高いヒトの脂肪萎縮性糖尿病を対象としたレプチン補充治療は2002年から開発され、レプチンの長期に渡る劇的な有効性と安全性を証明しました。最長期治療の2症例では治療期間は7年を超えました。本年中にヒト脂肪萎縮性糖尿病に対する医師主導臨床治験(代表:中尾 一和)が開始予定です。また、前臨床試験では脂肪萎縮性糖尿病のみならず、1型及び2型糖尿病(非肥満及び肥満度Class1)、メタボリックシンドロームを含む周辺疾患を対象としたPOCが確立され、更なる適応拡大が期待されています。 (3)内閣府先端医療開発「難病創薬スーパー特区」の中核プロジェクト レプチンとCNPプロジェクトは先端医療開発スーパー特区「難治性疾患を標的とした細胞間シグナル伝達制御による創薬(代表研究者:中尾 一和(京都大学))」の中核プロジェクトになっており、5年以内の実用化の達成を期して開発研究が進行中です。また、中尾博士が主導する「難病創薬スーパー特区」は、「優れた疾患モデル動物の開発と徹底した解析、稀少難病を対象としたPOCの確立、その成果のCommon Diseaseへの展開」が臨床研究開発の基本戦略理念となっています。 【田中 啓二 博士 略歴】 本籍地 :徳島県徳島市下町本丁206番地 現住所 :東京都北区西ケ原1丁目37番13(デュオ駒込古河庭園609号) 生年月日:1949年4月10日 <学歴・職歴> 1972年3月 :徳島大学医学部栄養学科 卒業 1974年3月 :徳島大学大学院栄養学研究科 卒業 1976年3月 :徳島大学大学院医学研究科博士課程 中退 1976年4月 :徳島大学酵素研究施設 助手 1995年6月 :徳島大学酵素科学研究センター 助教授 1996年4月 :財団法人 東京都医学研究機構東京都臨床医学総合研究所 分子腫瘍学研究部門 部長 2002年10月:財団法人 東京都医学研究機構東京都臨床医学総合研究所 副所長(分子腫瘍学研究部門 部長兼任) 2004年4月 :東京大学大学院新領域創成科学研究科生命科学研究系メディカルゲノム専攻連携講座 教授(兼任) 2006年4月 :財団法人 東京都医学研究機構東京都臨床医学総合研究所 所長代行(先端研究センター センター長兼任) 2008年6月 :東京都福祉保健局理事(兼任) <賞罰> 1988年:日本生化学会奨励賞 2003年:内藤記念科学振興賞 2004年:上原賞 2004年:朝日賞 2007年:東レ科学技術賞 【田中 啓二 博士の研究業績】 受賞テーマ:プロテアソームを基軸としたタンパク質分解系の先駆的研究 生体を構成する主要成分であり、生命現象を支える機能素子であるタンパク質は、数分から数ヶ月と千差万別の寿命をもって新陳代謝しています。このリサイクルシステムの中心は、多様な生体反応を迅速に、順序立って不可逆的に進める合理的な手段としてのタンパク質分解です。田中博士は、生命科学の様々な領域で中心的な役割を果たしているプロテアソーム(巨大で複雑な細胞内タンパク質分解装置)を発見して以来、その構造・機能・生理・病態について包括的に研究を推進すると共に、そのパートナーであるユビキチン代謝系やオートファジー(自食作用)の研究においても独創的な研究を展開し、世界を凌駕する比類のない業績を挙げてきました。 (1)エネルギー依存性のタンパク質分解系を触媒するプロテアソームを発見、その生化学的・酵素学的解析から本酵素が分子量250万・総サブユニット数約100個(相互作用因子を含む)からなる超分子複合体であることを明らかにしました。 (2)遺伝子クローニング・電子顕微鏡・X線結晶構造解析などの最先端技術を駆使して、プロテアソームの構造解析を遂行し、本酵素の分子的基盤を確立しました。また分子遺伝学を用いた個体レベルの研究から、プロテアソームの病態生理学的意義の解明に取り組んできました。 (3)プロテアソームの分子集合を支援する特異的なシャペロン群を数多く発見し、本複合体の形成機構の解明に成功しました。 (4)内在性抗原のプロセシング酵素として作用する“免疫プロテアソーム”を発見すると共に、CD8+Tリンパ球のレパートリー形成(正の選択)に必須な“胸腺プロテアソーム”を発見し、分子免疫学の発展に大きく貢献しました。 (5)糖鎖を識別するユニークなユビキチン連結酵素(E3)を発見すると共に、常染色体劣性若年性パーキンソン病の原因遺伝子産物パーキンがE3であることやユビキチンの恒常性を維持する細胞内機構を明らかにしました。 (6)哺乳類のオートファジーが栄養飢餓に応答するのみならず、恒常的に発生している異常タンパク質のクリアランス(細胞内浄化)に寄与していることを明らかにすると共に、多機能タンパク質p62の遺伝学的解析から選択的オートファジーの作動機構の解明に成功しました。 【財団法人 武田科学振興財団の概要】 1.名称  :財団法人 武田科学振興財団(主務官庁:文部科学省) 2.所在地 :大阪市淀川区十三本町2丁目17-85        (TEL:06-6308-7418) (URL: http://www.takeda-sci.or.jp ) 3.理事長 :横山 巖 4.設立  :1963年9月30日 5.基本財産:542億7,107万円<2009年3月31日現在> 6.事業規模:2008年度実績18億9,206万円  【主な事業】1.研究助成事業(87.5%)        ・科学技術に関する研究機関および科学技術の研究者に対する奨励金の贈呈(研究助成金)        ・科学技術に関する注目すべき研究業績に対する褒賞(武田医学賞)        ・科学技術に関する国際シンポジウムの開催        2.外国人留学生事業(5.8%)        ・留学研究者に対する助成金の支給        3.杏雨書屋事業(6.7%)        ・東洋医書その他図書資料の保管・整理・公開        ・科学技術振興のための出版物の刊行        *( )内は2008年度事業実績(金額)による事業比率                                  以上 <FAQ> Q.武田医学賞は国際賞ですか? A.武田医学賞は日本人研究者を対象に贈呈しております。国際賞ではございません。 Q.武田医学賞の選考方法は? A.財団理事、評議員、名誉顧問、武田医学賞選考委員、日本学士院会員(第7分科)、武田医学賞既受賞者、日本学士院賞受賞者(1999年以降医学関連)の84名からの推薦をもとに、9名からなる選考委員会で公正に決定いたします。   今回は17件17名からの選考でした。   選考委員長は豊島 久真男 先生(理化学研究所 研究顧問)にお願いしています。   その他8名の選考委員については公表を控えさせていただいております。 Q.今回の武田医学賞に選ばれた2研究の意義を簡単に教えてください。 A.中尾博士「新規ホルモンのトランスレーショナルリサーチ」について別添資料をご参照下さい。   田中博士「プロテアソームを基軸としたタンパク質分解系の先駆的研究」について   別添資料をご参照下さい。 Q.武田医学賞の起源について教えてください。 A.1954年:武田薬品工業株式会社の創業170周年記念事業の一つとして和敬翁(五代武田長兵衞氏)の発意を受け、六代武田長兵衞氏により武田医学賞の褒賞事業が始まる。   1963年:武田科学振興財団設立   武田医学賞を武田薬品から当財団に移管 Q.武田科学振興財団の2009年度の事業計画および予算の内訳は? A.事業費は年間24億230万円です。   内訳は以下のとおりです。 内訳:研究助成事業 予算:21億2,950万円(349件~354件) 備考:国内の研究に対する研究助成事業です。(国際シンポジウムおよび武田医学賞含む) 内訳:外国人留学生事業 予算:1億1,600万円(50名) 備考:アジアおよび各国の医学系研究者が日本の先端医療を学ぶ支援をいたします。 内訳:杏雨書屋事業 予算:1億5,680万円 備考:東洋医書その他図書資料の保管・整理・公開を行います。    研究者を対象に閲覧に供し、年2回特別展示会・講演会を開催しています。    所在地:武田科学振興財団内        (大阪市淀川区十三本町) 詳細につきましては、武田科学振興財団ホームページ( http://www.takeda-sci.or.jp/ )をご覧ください。 Q.武田科学振興財団の財源は? A.1963年財団創設以来の武田薬品工業株式会社の寄付、および1980年、武田彰郎氏(当時武田薬品工業株式会社副社長)の遺志により寄贈を受けた同社株式が基盤になっています。   当財団は、同社株式の2.27%を保有する第5位の株主です。(2009年3月末現在)                                  以上

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