
プレスリリースのタイトルは、メディアの目に留まり、記事化されるかどうかの分かれ目。しかし、どのようなタイトルを付ければメディアの目に留まるのか、今のタイトルはこれでいいのかと悩んでいる方も多いはず。
そこで今回は、入稿いただいた原稿に対して校正のプロはどのように提案したのか、プレスリリース配信サービス「@Press」の校正事例13選を元に解説します。
@Pressでは、プレスリリース毎に専任担当が付いて校正提案させていただき、配信をサポートしていますので、タイトル作成が苦手な方も安心してお任せいただけます。
プロの校正の視点から見た効果的なタイトル作成のコツを参考に、プレスリリースの効果を最大化しましょう。
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プレスリリースにおけるタイトルの重要性
メディアの担当者は、最初の10文字でプレスリリースを開くかどうかを決めると言われています。
メディアに対して行ったアンケートでは、「プレスリリースで一番目を引く部分はどこか」の質問に対して71.3%の方がタイトルと回答しました。
プレスリリースのタイトルは、単なる見出し以上の重要な役割を果たしています。
タイトル次第でプレスリリースの成否を左右することもありますので、本記事を参考に読まれるタイトルをつけていきましょう!
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【事例】実際に校正のプロが提案したプレスリリースのタイトル
それでは早速、実際に校正のプロが提案したプレスリリースのタイトル事例を見ていきましょう。
ポイント1:最適な文字数と行数
タイトルは、リリース内容が端的に理解できるように、「25文字~35文字で2行程度」にまとめるのがポイントです。
「キャンペーン」という表現は広告的な印象を与えてしまうため、「キャンペーン」を「プレゼント企画」に言い換えるように提案させていただきました。
コンサートの名称でお子さま向けのイベントであることがわかるので、冒頭にコンサート名を記載し、さらに内容が伝わりやすいような情報をまとめたご提案を意識しました。
プレスリリース:「Concert for KIDS」25周年記念 全国ツアー開催&Instagramでのプレゼント企画他 連動施策スタート|@Press
ポイント2.日付の提示
セールの開催情報が明確に伝わるように、父の日の具体的な日付を明記するように提案しました。
記念日にまつわるプレスリリースは注目度が高いですが、特に、本事例は日程限定のセールということで、日付記載で情報の正確性を高めています。
「●●の日」は記事になりやすいので冒頭に入れるようにしました。「父の日」という入口で目を引けば、男性向けのギフトについてのリリースであることは伝わるので、商品やサービス内容の詳細は、正直二の次くらいな感じでした!
プレスリリース:6/16(日)は父の日! “一頭単位で買い付け”A5等級の和牛専門店 「高級和牛専門店 肉匠丸富 楽天市場店」にて特別セール開催|@Press
ポイント3.ターゲットの提示
プレスリリース本文の内容から、ゲスト出演にニュース性があると見て追加を提案させていただきました。
「飼育系YouTuber」とジャンルも記載したことで、プレスリリースのターゲット層もより明確になりました。
ターゲット層を明確にすることで、効果の出る(相性の良い)メディアへの掲載が見込めるようになりますので、ぜひ意識しましょう。
様々な年代の方がYouTubeを見る時代、“推し”のYouTuberがいらっしゃる方も多いかと思います。ゲストの方がYouTuberさんであることを記載したほうが、誰が出るのかという興味をひきやすくなるかと考えて記載しました!
プレスリリース:交流会イベント『クワガタワイワイ』を6月7日に YouTube生配信で実施!飼育系YouTuberなど様々なゲストが出演!|@Press
ポイント4:ターゲットに合わせたキーワード選定
タイトルでは、プレスリリースのターゲットに合わせたキーワード選定も重要です。
ファミリー向けにアプローチできるよう「小さなお子様も安心の温水プール!」というワードと、興味を引きやすい「夏限定」を追加することを提案いたしました。
また、認知度が高い企業名や施設名は、タイトルに入っているだけで閲覧率が高まる傾向がありますが、あまり認知度が高くない場合は、他のワードで興味を引く方が効果的です。
企業名や施設名を入れるかどうかの判断は「認知度が高いかどうか」で判断しましょう。
ファミリー向けにもアプローチしやすいよう「小さなお子様」のワードを冒頭に入れました。旅行関連のメディア中心のため、施設名や地域は1行目に残しつつ、「夏限定」の文言で季節感を出し、メディア・一般両方の興味を引きやすいよう調整しました。
プレスリリース:小さなお子様も安心の温水プール!南紀白浜温泉 ホテル三楽荘の 夏限定 帆船プール「Luana(ルアナ)」が7月1日スタート | @Press
ポイント5:タイトルのメインキーワード
Instagramのリール動画が600万回以上再生されたことは、ユーザーの関心度が高いことの裏付けになります。
しかし、タイトルは、プレスリリースの内容を端的に伝えることが重要であるため、地域・施設名・イベント・日時などを優先的に組み込むことの方が大切です。
よって、リール動画の件はサブタイトルに記載し、メディア向けにも一般向けにも関心が高まるタイトルを提案いたしました。
また、リール動画をきっかけに「訪れたい」と思っている方に向けて、季節・天候関係なく見られるという一文を追加しました。
季節・天候に関係なく、雲海が見られるという特徴をアピールできるようなタイトルを提案しました。
プレスリリース:東京都「潮見 龍宮社」にて、雲海参拝をスタート! ~季節・天候に関係なく神秘的な雲海が見られる~ | @Press
ポイント6.冒頭に置くべきキーワード
プレスリリースを見るメディアの担当者は、最初の10文字程度で内容を判断すると言われています。
冒頭に記載している「海外のワイン愛好家から好評を得ている」という文は根拠を明示できないため、アピールできず勿体ない状態です。
もし、商品の実績や評価を掲載したい場合には、根拠(アンケート評価や受賞歴など)を明確にした上で、プレスリリース本文内で紹介しましょう。
タイトルには、主役であるステンレスワインクーラーの特徴を主題に置き、冒頭に詳細や特徴を記載することで、より興味を持っていただきやすくなるよう提案させていただきました。
断熱二重壁であることでどのような効果があるのかが伝わりやすいよう、“氷いらずなのに適温を保てる”という部分を強調したタイトルを意識しました。
プレスリリース:氷なしで約5時間適温を保つ断熱二重壁ステンレス製ワインクーラー 『IPUJAN Wine Chiller Bucket』の新色の国内販売を開始|@Press
ポイント7.トレンドワードの入れ方
プレスリリースでは、新規性が重要視されるため、内容に応じてタイトルにも日程の記載をオススメしています。
また、「環境に配慮」→「SDGs」のように、トレンドワードに関連するフレーズを含めることは、メデイアの掲載意義を強める上で効果的です。
メディアも多くの方に情報を届けるためにトレンドワードや人気のワードをチェックしていますので、メディアの方に寄り添うワード選定もテクニックの一つです。
「環境に配慮した生地」を使用しているという商品特徴を全面的に押し出したタイトルつけることで、より興味を持っていただきやすくなるようなご提案をしました。
プレスリリース:環境に配慮した生地などを追加したニチベイのバーチカルブラインド 「ソーラーV」をモデルチェンジし6月17日より販売開始|@Press
ポイント8.情報のボリューム
プレスリリースでは、簡潔なタイトルが推奨されますが、情報が少なすぎるとメディアの目に留まりづらくなります。
本事例では、アプリの特徴を追加してニュース性を付加し、タイトルで読み手の関心を引き出す工夫を施しました。
AIトークアプリは競合もたくさんあると思ったので、アプリの特徴を追加=他のアプリとの差別化、という目的もありました。
プレスリリース:自然な対話で癒しと楽しさを提供! 無料AIトークアプリ『お喋りずんだもん』リリース|@Press
ポイント9.記号の使い方
タイトルの一行目には、プレスリリースの主題が真っ先に伝わるタイトルを提案しています。
また、「開発経緯」といワードを追加することで取材内容が分かるようにし、プレスリリースの内容に興味が湧くタイトルになりました。
「」や【】などの記号を多用してしまうと、重要なワードが埋もれてしまいますので、タイトルにつき1つ程度にし、重要なワードを強調しましょう。
インタビューでも話している新アイテム「四次元かばん(R)Hack」にも興味を持っていただきやすいよう、そのワードを記載したタイトルを提案しました。
プレスリリース:sion works・代表 井島 志乃氏へのインタビュー記事を公開 PCリュック「四次元かばん(R)Hack」開発経緯などを取材|@Press
ポイント10:サブタイトルの使い方
サブタイトルは、メディアによって表示されない場合もあるため、伝えたい情報はメインタイトルにまとめるようにしましょう。
また、地域名を冒頭に記載すると地域メディアに掲載されるチャンスが格段に上がりますので、地域メディアへの掲載を狙いたい場合は入れることをオススメします。
プレスリリースのタイトルや本文に固有名詞を使う場合は許諾が必要な場合があるため、事前に確認を取ることでトラブルが回避できます。
とても綺麗な風景・美味しそうな料理の写真を添付いただいていたのでそちらを伝えたいという思いもあったのですが、地域名や5年ぶりの営業再開であるということなども記載したく、メインタイトルにまとめるのに苦労しました。
プレスリリース:岡山「山乗渓谷そうめん流し 涼水亭」が5年ぶりに営業再開し 7月13日リオープン 神秘的な渓谷とこだわりの料理を楽しむ | @Press
ポイント11:広告的な表現の使用
プレスリリースは、今や一般の方にも広く見てもらえる機会が増えましたが、メディア向け文書であることを忘れてはいけません。
一般向けや広告的な表現は好まれないため、PR風の表現や口語はなるべく控えるようにしましょう。
またイベントの内容がより分かるように「全国のブルワリーが集結する」という一文を加え、主題の"イベント"に興味を持ってもらえるように提案いたしました。
タイトルはメール配信の際の件名としても使用されるため、より少ない文字数で必要な情報を盛り込めるタイトルを提案しました。
プレスリリース:全国のブルワリーが集結する「大江戸ビール祭り」が パワーアップ!町田シバヒロで7月31日から開催 | @Press
ポイント12.ニュース性の提起
タイトルでは、「誰が・どこで・何を・いつ・どうする」といった要素を優先し、ニュース性を簡潔に示すことが重要です。
今回は「マダムに不人気」という補足的な表現を割愛し、「新メニュー」の登場を主題にしたニュース性のあるタイトルを提案させていただきました。
タイトルへ掲載するワードに迷ったら優先順位をつけてみましょう。
伝えたい・伝わりやすいワードを中心に組み立てるのがポイントです。
何故今このリリースを出すのか、という理由に「季節感」は大事なので、冒頭に「暑い夏・冷たい」という文言を入れて興味を引けるようにしました。
プレスリリース:暑い夏に苦くて冷たいエスプレッソロックを! 佐世保のイタリア式立ち飲みカフェ「ホカニナイ立ちカフェ」に 新メニュー「立ち飲み専用シングル(300円)」登場!|@Press
ポイント13.サブタイトルの使い方
「大人気」という単語は広告感が強まるため、「大人気」である理由を掘り下げ、ブランドや商品の特徴に置き換えるように提案させていただきました。
新規性のあるコンセプト「空をテーマにしたフレグランスブランド」をタイトルに含めることで、メディア側が記事にしやすいプレスリリースになりました。
またコンセプトが伝わりやすいようサブタイトルを追加し、商品の解像度を上げ、ブランドイメージを広げやすくしました。
やはり“空をテーマにしたフレグランス”という他にない部分を押し出すことで、興味をもっていただきやすいと思うのでブランドコンセプトを冒頭に記載しました。また、すべて異なるデザインというのも魅力的だと思い、サブタイトルに組み込みました。
プレスリリース:空をテーマにしたフレグランスブランド「SORA scentique」 フローラルムスクの香り「scent 1」を増産し先行予約販売を開始|@Press
校正のプロが提案するプレスリリース例から学ぶタイトルのポイント
最後に、校正のプロが提案するプレスリリース例から学び取れるタイトルのポイントをまとめて解説します。
タイトルは「25文字~35文字・2行程度」が基本
タイトルは、リリース内容が端的に理解できるように、「25文字~35文字・2行程度」にまとめるのがポイントです。
どうしても補足したい情報はサブタイトルを活用しますが、メディアによっては省略されることもあるので、主要な情報はメインタイトルに含めるようにしましょう。
広告的表現は避ける
プレスリリースは広報であり、広告とは異なります。
宣伝文句や訴求文を含めると逆効果になるので、広告感のある表現は避けましょう。
アピールしたい内容は、あくまで客観的な事実に置き換えて文章を構成するようにするのがポイントです。
表現の方法については以下の記事も参考にしてください。
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主題となる内容を冒頭に配置
補足文や説明から始まるタイトルでは、プレスリリースの趣旨が伝わりにくくなります。
できる限り主題となる内容を冒頭に配置し、無駄がなく内容が伝わりやすいタイトルを心がけましょう。
それでもタイトルが長くなってしまう場合は、省いても意味が伝わる単語から割愛するのがポイントです。
ターゲット層を明確に
プレスリリースのタイトルを見ただけでターゲット層がわかれば、メディアが記事にする際の読者層をあらかじめ想定しやすくなります。
例えば、商品やサービスの名称だけでは、ターゲット層が伝わらないこともあるので、「家族で」「学生対象」など、誰に向けた内容なのかがわかるワードを取り入れてみましょう。
なお、発表内容によっては、「地名」でエリアのターゲットを絞る手法も効果的です。
ニュース性のある単語を取り入れる
プレスリリースを発表する意義は、新しい情報であることにあります。
なぜ、今プレスリリースとして世に情報を発信するのか?が理解されなくては、メディアや読み手から注目されません。
タイトルに「新発売」や「新登場」、「発表」や「開始」といった単語を取り入れ、プレスリリースにニュース性を付加していきましょう。
まとめ
今回は、校正のプロが提案するプレスリリースのタイトル案を13事例ご紹介し、タイトルのポイントを解説しました。
プレスリリースのタイトルの重要性は理解できていても、具体的なポイントや対策を応用できている人は多くありません。
タイトルで目に止まらなければ、本文にいくら時間をかけても読んでもらえないのが現実です。
一方で、優れたタイトルのプレスリリースであれば、最後まで読んでもらえる確率が高まり、メディア掲載や取材が舞い込みやすくなります。
今回ご紹介した事例とポイントをぜひ参考にしていただき、プレスリリースの記事化につなげていただければ幸いです。
プレスリリースについてお悩みのある方は、お気軽にご相談ください。