新生活の​プレスリリース事例集|書き方で良かったポイントも解説
3月・4月は卒業、入学、就職、引っ越しなど、ライフステージが変化する人も多いですが、新年が始まると、多くの人が新しい生活に向けて計画を立て始めると思います。 特に、4月の新生活に向けた準備は一般的に1月頃から始める人が多いため、新生活に関する情報は世間からの関心が高まります。よって、この時期にプレスリリースを配信すると、読者が求めている情報をタイムリーに提供することになるので、メディアも特集記事などで積極的に取り上げやすくなるため、読者とメディアの両方にとって有益なタイミングと言えるでしょう。 そこで本記事では、新生活に関するプレスリリース事例を取り上げ、書き方で良かったポイントを解説いたします。

プレスリリースの事例紹介

ここからは、実際に「@Press(アットプレス)」から配信され、反響の大きかったプレスリリースをご紹介します。

事例1. Amazon「みんなで応援」プログラム

岡山ワイズメンズクラブと公益財団法人 YMCAせとうちは、「経済的に困難な状況にある子どもたちの新生活を Amazonのチャリティキャンペーン 『Amazon「みんなで応援」プログラム』で応援」というタイトルのプレスリリースを配信しました。
プレスリリースには、以下の内容が含まれています。
    • チャリティキャンペーンについての詳細
    • プレスリリース動画
まず本プレスリリースが記事化に繋がった1つめのポイントとして、世の中の関心が高いタイミングで配信したことが挙げられます。 物価高騰については今も引き続き注目されているトピックスですが、本リリースを配信した当時は、物価高だけでなくコロナによる失業等、経済不安がある中での配信だったため世の中の関心も高い内容となっていました。 メディアにとって「世の中の動向と関わりが深い内容」は、興味を持つ人が多く読者や視聴者を増やすために必要な情報です。​ よって、世の中の関心が高いタイミングに合わせてプレスリリース配信をしてあげることで、メディアから有益な情報と判断され、結果的にメディア掲載に繋がりやすくなります。​ 2つめのポイントは、季節性を掛け合わせた切り口で書かれていることです。 例えば、皆さんがメディア編集者だったとして、「キャンペーンをやります!」というだけの見せ方で書かれたプレスリリースを受け取ったとしたら、どのような印象を持ちますか? 恐らく他社リリースとの差別化ポイントや「記事として取り上げる意義」が見当たらず、記事として掲載しないという選択をするのではないでしょうか。 プレスリリースを配信する際は、「ネタ(本リリースで言うキャンペーン)を配信するだけではなく、季節性(今回でいうと新生活シーズン)を意識した内容で作成する」ことを心掛けてみてください。

事例2. シフトワークス プレゼントキャンペーン

求人サイト「シフトワークス」は、「【この春新生活を始めた方へ】シフトワークスで、 中国・四国・九州地方(沖縄県を除く)のセブン-イレブンに 応募した15歳~18歳の応募者に「ハーゲンダッツ ミニカップ」等を プレゼントするキャンペーンを実施」というタイトルのプレスリリースを配信しました。
プレスリリースには、以下の内容が含まれています。
    • プレゼントキャンペーンの背景
    • キャンペーンの狙い
    • キャンペーン概要
本プレスリリースが記事化に繋がったポイントは、タイトル冒頭で「この春に新生活を始めた方へ」というキーワードを盛り込むことでターゲットが明確に示されていることです。 メディアは季節の節目で特集を組むことが多いため、例えば新生活特集を組もうと考えているメディア担当者にとっては、とても刺さりやすいタイトルになっています。あわせて年齢層もタイトルに盛り込むことで、自社メディアのターゲット層とマッチしているかも瞬時に判断しやすいため、目を通すべきプレスリリースなのかの精査もスムーズに行えます。 2つめのポイントは、キャンペーンへの参加ハードルが低いことです。 キャンペーンなどお得情報は消費者からのニーズが高く、メディアにとって取り上げやすい内容の1つですが、参加ハードルが高いとそれだけで該当者が減ってしまうため、記事として掲載されにくい傾向にあります。キャンペーンに関わる情報を配信する際は、参加方法も忘れず記載しましょう。 3つめのポイントは、タイトルに知名度の高いブランドや企業名を盛り込み、メディアの目をひきやすいプレスリリースに仕上げていることです。本プレスリリースで言うと「セブンイレブン」がそれにあたりますが、恐らくセブンイレブンさんを知らない方はいないと思いますので、ネームバリューのあるキーワードを盛り込むだけでも、記事のネタとして拾い上げてもらいやすくなります。 自社や自社商品の知名度が正直高くないという企業であっても、例えば大手企業や有名ブランドなどとコラボする機会があった場合にも、是非取り入れてみてほしい手法です。

事例3. 子どもが巣立った後の夫婦新生活の実態調査

積水ハウス株式会社は、子どもの独り立ちによるライフステージの変化に伴う生活空間のご提案を目的に、「子どもが巣立つ春、半数以上が子ども部屋を“そのまま”  巣立ち後の夫婦新生活の実態とは」というタイトルのプレスリリースを配信しました。
プレスリリースには、以下の内容が含まれています。
    • 子どもが巣立った後に関するアンケートの調査サマリーについて
    • 子どもが巣立った後のアンケートの調査結果
    • 4つの「幸せTips」
本プレスリリースが記事化に繋がったポイントは、大企業の配信であることと言えるでしょう。 ネームバリューのある企業はステークホルダーが多く、発信する情報が社会に与える影響も大きいため記事として取り上げられやすい傾向にあります。 2つめのポイントは、興味関心が集まるターゲット層が広い内容ということです。 本プレスリリースのように、ターゲット層が広い調査リリースは興味関心を持つ人が多く、また調査リリースの場合、データが2次利用されることも多いためメディアに記事として取り上げられやすいというメリットもあります。 なお、調査リリースを出す際、例えば「1000人が回答」「20代の8割が~」など、アンケートに関わる数値をタイトルに入れるのも有効な手法の一つですので、是非参考にしてみてください。 3つめのポイントは、数値化することで情報の信頼性を高めていることです。 メディアは、より早く世の中にとって有益で正確な情報を伝えていくという責務があるため、虚偽や曖昧な情報は敬遠されます。 よって、情報を数値化できる調査リリースはメディアやその先の読者にも信頼感を与えることができるため、アンケート調査を実施していて、ある程度蓄積データがある企業には是非おすすめです。 ちなみに、弊社@Pressをご利用いただいているお客様から「調査内容は公的機関を通したものじゃないとダメですか?」とご質問いただくことがあります。n数が多く信頼できる情報であることが前提になりますが、自社調べでも問題ありません。 もし、他社の調査結果を引用する場合は、出典元の明記と使用許諾を得ることをおすすめします。

事例4. 全新卒社員へ10万円の新生活準備金支給

総合不動産企業のリスト株式会社は、「グローカル総合不動産企業 リストグループ  2021年4月入社の全新卒社員へ10万円の新生活準備金を支給」というタイトルのプレスリリースを配信しました。
プレスリリースには、以下の内容が含まれています。
    • 2021年入社の全新卒社員に「新生活準備金一律10万円」を給付すること
    • 新生活準備金の給付に至った背景
    • リスト株式会社の詳細
本プレスリリースは、記事化に繋がった事例なのはもちろん、なかなか同じような取り組みを配信できている企業はいないのではないかと思われる、非常に参考になるリリースです。 まず本プレスリリースが記事化に繋がったポイントは、コーポレート情報を幅広く配信していることです。 1つのサービス動向だけをプレスリリースで配信し続ける場合、切り口によって多少変わるものの、配信先メディアは8割固定されてくるはずです。しかし、本プレスリリースを配信しているリスト株式会社は、事業の動向に限らず、コーポレート情報や採用関連の取組みについても配信することで、記事掲載を狙えるメディアも変わります。自社の事業以外の動向を配信される企業は意外といないので、他社との差別化が図れて記事に繋がりやすいということがあります。 弊社も、逆メンター制度を導入したことに関するプレスリリース配信を行ったところ、ABEMAニュースにお招きいただいたという事がありましたので、配信できるネタがないか社内の取組みに目を向けてみるのも良いのではないでしょうか。 2つめのポイントは、本記事内でも何度かポイントとして紹介してきましたが、適切なタイミングで配信できたことが挙げられます。 新型コロナの感染拡大による一度目の緊急事態宣言が発令された2020年4月から、1年後に配信された本プレスリリースですが、当時はコロナ禍に入って初めて新卒を迎え入れるタイミングでした。 経済的に大打撃を受けていたコロナ禍真っ只中で入社する新社会人に対して、企業側がどういった働きが出来るのかということは世間的にも注目されやすい内容だったこともあり、本プレスリリースの配信タイミングとして、世の中の動向とぴったりマッチしていたと言えるでしょう。 3つめのポイントは、新生活準備金として「全新卒社員に一律10万円」給付というインパクトのある取り組みであったということです。 コロナ禍で経済的に苦しい学生も多かった中、金銭的な支援で新生活をサポートするという思いきった内容が、非常にインパクトがありました。 実際にメディア掲載された記事を見ると、「コロナ禍にバイトができなかった学生のために~」という切り口で取り上げてくれているメディアもありましたので、自社で珍しい取り組みや面白い取り組みをしている企業は、本事例のようなプレスリリース配信をご検討されてみてはいかがでしょうか。

事例5. 「子育て」と「九州での新生活」を応援

九州電力株式会社は、「ご家庭向けに2つの新料金プランを創設します! ― 「子育て」と「九州での新生活」を応援します ―」というタイトルのプレスリリースを配信しました。
プレスリリースには、以下の内容が含まれています。
    • 九州地域での新生活にむけた新料金プランについて
    • 新料金プラン創設に至った背景(少子高齢化、人口減少などの地域課題解決のため)
    • キャンペーンの詳細に関するURL
本プレスリリースが記事化に繋がったポイントは、地域性を切り口にしていることです。 地域に根付いた取組みについて発信する場合、ローカルメディアで掲載される可能性が高くなる傾向があります。地域性のあるプレスリリースを記事として取り上げることで、該当地域や近隣に住む読者の興味関心をひきやすいのはもちろん、ローカルメディアにとって、「地域に根付いたイベントや取り組みを記事として取り上げて、地域の活性化を図る」ことは大義名分にあたるからです。 地域性のある内容を配信する場合は、タイトルに地域名を盛り込むなど分かりやすいプレスリリース作りを意識してみてください。 2つめのポイントは、取り組みに季節性が絡んでいることです。本プレスリリースにおける季節性は「IJU(アイジェイユー)ターンの部分が該当します。就職・転職などのライフイベントにあわせて3月や4月にプレスリリースを配信しますという方もいるかもしれませんが、実はそれでは遅いです!メディアによりますが、季節性のある内容に関する情報については、該当時期よりも2ヶ月前くらいから収集しており、徐々に関連記事の掲載も始めます。 本プレスリリースに関しては、季節性のある取り組みだったことに加えて、新生活が始まる2ヶ月ほど前(2月)に配信したことが、該当の季節やイベントについてメディアが意識し始めるタイミングだったのが良かった点と言えます。 3つめのポイントは、度々ポイントとして挙げてきましたが多くの人が関心を持っていることに関連した取り組みであることです。 電気料金高騰については、多くの人の生活に関わる重要なトピックスです。近頃は、物価高の影響もあり「値下げ」などお得なキーワードに注目が集まりやすいという声をメディアの方からもよく伺いますが、本プレスリリースが配信された当時は、電力会社の価格競争が激化しており、消費者よりも企業活動の側面に注目し記事が掲載されるケースが多かったです。 よって、九州電力さんのように新生活というタイミングを狙って顧客のつなぎ留めや新規開拓を目指した取り組みに対して、多くのメディアが記事として取り上げました。

「新生活」のプレスリリースを作成するときに押さえたいポイント

メディア(記者・編集者)や、最終的に商品を購入する消費者の関心を掴むためには、プレスリリースの書き方を工夫する必要があります。 ここからは、新生活に関するプレスリリースを書く上でのポイントをご紹介します。

プレスリリースとしての「PR視点」を意識する

プレスリリースを出す際は、「ネタ」と「社会的意義」の掛け算が必要です。 ただ発信したい情報だけを詰め込んだ「自己満足」リリースを書くのではなく、+αで「記者の目に留まる」リリースを書くという「PR視点」を意識することが大切です。今回ご紹介した事例の場合は「ネタ(自社情報)×季節性(新生活シーズン)」が該当します。 皆さんがプレスリリースを作成する際は、ぜひ自社情報と掛け合わせられるPR視点を意識して、記者の目に留まるリリースを書けるよう心掛けてみてください。

社会的意義のある内容、魅力的なキーワードを入れた分かりやすいタイトル

プレスリリースを配信した時に、まず一番最初にメディアの目に触れるのがタイトルです。毎日何千~何万通も送られてくるプレスリリースの中から目に留めて開封してもらうために、社会的意義のある内容や、魅力的なキーワードを盛り込むことが大切です。 必要な情報は本文で補足できるため、タイトルは長くても100文字以内に収め、サブタイトルも有効活用することで、分かりやすいタイトルを意識しましょう。

世の中が注目をしているタイミングでの配信

世間の注目度が高い、または高まっている情報は、メディアも求めている情報である可能性が非常に高いです。季節性のあるイベントは毎年大体時期が決まっているため、メディアが情報収集を始める時期も自ずと決まってきます。 本記事でご紹介した新生活シーズンに関連するプレスリリースであれば、1月頃から世間の新生活に関する情報への関心も高まり始めるため、絶好の配信タイミングと言えるでしょう。 新生活シーズンに関わらず、プレスリリースを出す際は、世の中の動向にも注目しながら、配信するべきタイミングを慎重に見極めましょう。

さいごに

新生活シーズンのプレスリリースは、自社が届けたい情報を発信するだけでなく、社会的意義のある内容を掛け合わせることで、メディアにとって有益で関心を引く内容であることが重要です。 社内の取り組みや世の中のニュースに関連する情報と、自社の情報をあわせて効果的に伝えることで、より多くのメディアに取り上げられる可能性が高まりますので、社内外の情報収集を積極的に行っていきましょう。

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