習慣にすべき「媒体研究」とは?実施方法やその効果

「メディアに掲載してもらいたいけど、どうしたらいいの?」広報担当であれば1度はぶち当たったことのある悩み・壁かと思います。そんな時に出来ることは実は色々ありますが、その中でも常日頃から取り組むことを推奨したい習慣があります。

今回の記事では、広報担当者が習慣にすべき「媒体研究」について解説します。

「媒体研究」とは?

意味・定義

媒体研究とは字の通り「媒体」を「研究」することを意味しますが、広報・PRに置き換えて考えると「媒体」はつまりメディア(新聞・TV・雑誌)などを指し、「研究」とはそのメディアの特長/特性・考え方などを知ることを意味します。

実施すること

▼まずは自分への問いかけ
「○○に掲載されたいけどどうしたいい?」と悩む人は、まず「自分は○○を読んでいるか/見ているか」という自分への問いかけから始めましょう。自分はそのメディアを読んでいない/見ていないのに自社については取り上げて欲しい、というのは失礼な話です。これは「研究」以前の話で、掲載を狙いたいメディアや主要媒体などは日頃から目を通すようにしましょう。

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▼「研究」は広報視点でメディアを知る

その上で「研究」となると、ただ読む・見るのではなく広報目線でそのメディアを知ることが大事。具体的な視点としては、以下のようなものが挙げられます。

・ターゲット(読者層/視聴者層)は誰?
・放送頻度/発売サイクルはいつ?
・取り上げられる記事/タイトルの傾向は?

他にもたくさんの視点がありますが、ただ読んでいるだけ・見ているだけではなく上記のようなポイントを念頭に置くだけで見え方や捉え方が異なってきます。

媒体研究の2大メリット

1. メディアに詳しくなれる

「メディアを知るためにやるんだから当たり前」と思われるかもしませんが、媒体研究をするといかに自分がメディアを知らなかったか実感することが多いと思います。ここで言う「メディアに詳しくなる」とは、意味合いとして2つの意味があります。

▼特定のメディアの特長・体制などについて詳しくなれる
例えば、

・どういったコーナーがあるのか
・どれくらいの頻度で記事を更新しているのか
・編集部員がどのようなことをしているのか 等

自社のことを取り上げてもらいたいと考えているのであれば、「どのコーナーだったら自社とマッチしそうかな?」であったり「週1更新のこのコーナーに掲載してもらうとしたらあのネタは今存在を知っておいてもらいたいな」等、広報・PR初心者の方が悩みがちな「どこに載せてもらいたいか分からない」「いつ送ればいいか分からない」などの糸口・ヒントが見つかります。

▼今まで知らなかったメディアを知ることができる
大小メディアを含むと、日々新しいメディアが増えていたり、消えていたり世の中には膨大な数のメディアが存在します。それら全てを知る必要はもちろんありませんが、実は自社の情報と非常にマッチするメディアがあるのに、気付いていなかったら勿体ない。媒体研究をしているとそのようなメディアの発見があります。

そのため、媒体研究時には「どのようなメディアに掲載されると伝えたい人に伝えられるのか」を考え「その人たちはどういったメディアを見ているのか」という観点を持つことを推奨します。

2. 制作/編集の求めていることが分かってくる

自分がメディアの制作/編集の立場であると考えてみてください。

全く自分たちの求めている情報と関係のないプレスリリースやアプローチをしてくる企業のことをどう思うでしょうか?少しでもそのメディアに目を通していれば「全くマッチしないメディア」かどうかは簡単に判断が出来ます。メディアのことを知る時間すら惜しむ企業に対して、少なくとも好印象は抱かなかったかと思います。

好印象だけで記事は得られませんが、広報・PRにおいてメディアとの関係性は重要です。「メディアとマッチする情報を送る」のは大前提ですが、そのメディアがどういったターゲットに情報を届けているのかや、制作/編集が今何がアツいと思っているのか等に焦点を当ててメディアを見てみましょう。すると自ずと共通点や傾向などが見て取れるようになります。

その結果…

たくさんのメディアを知り、その制作/編集の視点が分かってくると、結果として自社のプレスリリースがどんなメディアに取り上げられやすいのかが分かり掲載されやすくなります
広報・PRで重要なのは、自社の情報とメディアの欲している情報をマッチさせ、迷惑にならない有益な情報として届けること。媒体研究を行うと、各メディアがどういった情報をメインに扱うメディアであることを知れることはもちろん、その中でも注目しているキーワードなども傾向が見えてくるので、送るべき内容と送るべきメディアが明確になります。

媒体研究をはじめる簡単3ステップ

実践・簡単2ステップ

▼1. メディアの選定
もし、自社がターゲットとする層に日頃からよく見るメディアを聞くことが出来るのであれば、生の声を聞くことをおすすめします。そうでない場合は、自社と関連するキーワードなどで記事/企画を検索し、自社と親和性の高いと思われるメディアを探してみましょう

例えば、新聞で自社との親和性を調べたいと思った場合は「日経テレコン」や「国立国会図書館」(館内限定のデータベース)などから検索が可能です。
もっと簡易的に始めるのであれば、各種ニュースサイトで検索してみるのも一つの手です。
また、テレビに関して調べたいと思った場合は「TVでた蔵」など過去テレビで扱った内容をまとめているサイトもおすすめです。

▼2. メディアを調べる
1で調べてみたいと思ったメディアを絞ったら、次はそのメディアを調べます。先述したように、以下のような情報を調べることでそのメディアの特長などを知る手がかりとなります。

・ターゲット(読者層/視聴者層)は誰?
・放送頻度/発売サイクルはいつ?
・取り上げられる記事/タイトルの傾向は?

先の2点は、例えばそのメディアが媒体資料を有していれば媒体資料を見るのが最も簡単です。
「媒体資料」とは、広告枠を販売しているメディアが広告主に向け、自分たちのメディアの特長をまとめた資料であることが一般的です。広告は、そのメディアターゲットとマッチしていることが重要ですので、非常に参考になります
媒体資料は、各メディアの運営会社サイトからも見つけられますが「メディアレーダー」など媒体資料をまとめているサービスもあるので上手く活用しましょう。
残りの1点は、そのメディアの過去記事や過去番組を見ることが地道ですが近道です。

まずは習慣にする簡単な方法

こういったことをする段階以前だからまだ媒体研究はいいや!ではなく、将来必ず役に立つからすぐに始められることをおすすめします。ただし「習慣づけるのが難しい」というのは何事においてもあるもの、そんな時、習慣にするためのイチオシが「メディアのSNSをフォロー」すること。
最近は各メディアがSNSアカウントを持つことが当たり前になり、ライターさんや編集部員・編集長など実際に企画や執筆・取材などに関わる“中の人”が個人のSNSアカウントを持つようになってきました。
日頃どういったことを行っているのか、場合によってはネタを探している様子が分かったりと日常の中でメディアを知るためにはおすすめな方法です。

SNSでフォロー以外にも「ダ・ヴィンチニュース│編集長コラム」といった、さまざまなジャンルの雑誌の編集長や書店員さんなど、時世に敏感な方々によるコラムなど探せばエンターテインメント感覚で情報を知りえる方法はたくさんあります。

さいごに

今回は広報・PRで以外と後回しにされがち、けれど非常に重要な「媒体研究」について解説しました。まずは試しに自分が日頃から見るメディアを「広報視点」で見てみるなどし、そのメディアの特長・傾向などを掴む練習もいいかもしれません。広報・PRに関わる以上、メディアを知ることは大切です。自分に合ったスタイルで、メディアを知り、良い関係を築く上での足掛けとなりますと幸いです。

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