一般社団法人花絵文化協会

    サスティナブルな復興アート。能登半島震災の復旧木材をチップに再生し、巨大な“花の路上絵”が完成!60名の市民が参加。

    資源循環と地域再生を融合した新しいアートプロジェクト「インフィオラータ in 能登」が始動。

    その他
    2025年9月25日 13:00

    能登半島を襲った震災と豪雨からの復興を象徴する新たな試みとして、被災地の復旧作業で発生した木材を再利用し、木材チップで彩られた4枚の“花の路上絵”(4.5m×6.5m×4枚)が、9月21日(日)、能登町の柳田植物公園に完成しました。本プロジェクト「インフィオラータ in 能登」は、一般社団法人花絵文化協会監修の下、能登アートリンクが主催し、地域住民やボランティア、市民参加者約60名の協力によって実現しました。
    花びらや植物を使った伝統的な「フラワーカーペット」の手法を応用しながら、今回は震災や豪雨で発生した木材チップを画材として再生利用することで、サスティナブルな復興アートとして新たな価値を創出しています。色鮮やかに敷き詰められた木材チップは、単なる装飾ではなく、困難を乗り越える力や再生への願いを込めた象徴的な表現となりました。
    また、このプロジェクトは「アートの力で地域を元気にする」ことを目的とし、能登に暮らす人々が共に手を動かし、創り上げる過程そのものが復興の歩みを体現しています。参加者一人ひとりの手によって完成した花の路上絵は、被災地に希望と笑顔をもたらすとともに、未来に向けた持続可能な地域づくりへの第一歩となることを目指しています。
    完成した作品は10月20日頃まで展示する予定です。(天候等の理由により早めに終了する場合があります)

    完成作品全景
    完成作品全景

    SDGsとの関連

    さらに本取り組みは、国連が掲げる持続可能な開発目標(SDGs)にも通じています。
    • SDG12「つくる責任 つかう責任」:復旧木材のリサイクルを通じ、資源を無駄にしない循環型社会を推進。
    • SDG15「陸の豊かさも守ろう」:森林資源の有効活用により、自然環境の保全と地域の再生を両立。
    • SDG11「住み続けられるまちづくりを」:市民が参加するアート活動を通じて、誰もが誇れる持続可能な地域コミュニティを育成。
    • SDG17「パートナーシップで目標を達成しよう」:文化団体・地域団体・住民が力を合わせて実現した協働の成果。
    この復興アートは、地域資源を生かしながら、文化・環境・人々の絆をつなぐ新たなモデルケースとなり、能登から世界へ発信していきます。

    総合監修 藤川靖彦コメント

    2024年9月、震災後初めて能登を訪ね、崩れた山々や倒壊した家屋を目の当たりにしました。その直後には奥能登豪雨が発生し、さらなる被害が広がりました。流された木々や家屋の廃材をアートに生まれ変わらせることで、能登の人々の心に新しい希望を育てたいと考えました。今回は復旧作業で発生した木材をウッドチップに加工し、韓国のアーティスト Seo Mijiさんの原画をもとに、住民60名とともに約5時間かけて大きなアートを完成させました。制作に参加した皆さんの笑顔が何より印象的で、アートが復興を支える力をあらためて感じました。

    参加者集合写真
    参加者集合写真
    完成作品(フリージア)
    完成作品(フリージア)
    完成作品(ヒマワリ)
    完成作品(ヒマワリ)

    プロジェクトの背景

    能登半島地震とその後の奥能登豪雨災害は、多くの家屋や山林に甚大な被害をもたらしました。復旧作業の中で大量に発生した倒木や木材は、処理や廃棄が課題となり、被災地の環境・景観に新たな問題を生じさせていました。そこで、これらを単なる廃材として処分するのではなく、再資源化し、地域の人々と共にアート作品として蘇らせることを目指したのが本プロジェクトです。
    一般社団法人花絵文化協会はこれまで国内外で「花絵(フラワーカーペット)」を通じて、アートを人々の交流や地域文化の活性化につなげてきました。今回もその経験を生かし、「災害で失われたものを新しい形に変え、そこから希望を育む」という発想を能登に持ち込みました。
    また、能登アートリンクと連携し、住民・ボランティア・アーティストが一体となって制作にあたることで、復興過程そのものを「共につくるアート体験」として形にしました。アートは作品として残るだけでなく、その制作に関わる時間や協働のプロセス自体が人々の心を支える“復興のエネルギー”となることを強く意識しています。
    こうした取り組みは、資源の有効活用と地域再生を両立させる「サスティナブルな復興モデル」として、能登から全国、そして世界へ広がっていく可能性を秘めています。

    今後の展開

    今回の「インフィオラータ in 能登」は単発の取り組みにとどまらず、持続的な活動へと広がっていく計画です。今後も市民や子どもたち、高齢者をはじめとする幅広い世代が参加できる「インフィオラータ」を展開し、復興のシンボルとして地域の歩みを後押ししていきます。特に、学校や福祉施設との連携によって、子どもたちが自らデザインを考え、花や木材チップで形にする機会を設けることで、次世代を担う若者たちの創造力と地域への誇りを育みます。
    また、災害廃材を資源として循環させる仕組みを確立し、環境保全と地域経済の活性化を両立する「サスティナブルな復興モデル」として磨き上げていきます。これにより、アートが地域の環境問題や産業とも結びつき、単なる文化活動を超えた社会的価値を持つものへと進化していきます。
    さらに、国際的なアートネットワークとの協働を強化し、「能登から世界へ」というメッセージを発信します。能登の復興を題材にしたアートが世界の人々と共有されることで、国境を越えた連帯と平和への共感を広げていきます。
    こうした継続的な展開を通じて、能登の人々が誇りを取り戻し、世界とつながりながら未来を築くための大きな力になることを目指しています。

    イタリア・NOTO市のアーティストからの応援メッセージ
    イタリア・NOTO市のアーティストからの応援メッセージ

    開催概要

    ■名  称:インフィオラータ in 能登
    ■日  程:2025年9月21日(日)~10月20日(月) ※天候等により早めに終了する場合があります
    ■会  場:能登町柳田植物公園 (石川県鳳珠郡能都町字上町口部1-1
    ■主  催:能登アートリンク
    ■共  催:柳田植物公園
    ■総合監修:一般社団法人花絵文化協会
    ■原画作家:Seo Miji(セオ・ミジ)
    ■参 加 者:市民・ボランティア 約60名
    ■使用資材:復旧木材をチップ化・カラーサンド

    お問い合わせ

    一般社団法人花絵文化協会(担当:藤川・中村)
    〒156-0044 東京都世田谷区赤堤3-3-4
    TEL : 03-5355-5388 (お電話でのお問い合わせ 平日10:00~17:00) / FAX : 03-5355-0888
    Email : associates@infiorata88.com

    すべての画像

    完成作品全景
    参加者集合写真
    完成作品(フリージア)
    完成作品(ヒマワリ)
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    イタリア・NOTO市のアーティストからの応援メッセージ
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