【スポーツ指導】「できない選手」は、なぜ「できないまま」になる? 指導者が無意識にやっている"逆効果"の指導とは

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    2026年11月3日 14:45

    「なぜ、あの選手は何度言ってもできるようにならないのか?」

    スポーツの指導をしていると、そんな悩みを抱えることはありませんか?

    一方で、これまで「できない」と評価されていた選手が、あることをきっかけに急激に成長し、プロ野球選手やオリンピック選手になったり、チームとして甲子園出場や日本一を達成したりするケースもあります。

    では、「できる選手」と「できない選手」を分けているものは、一体何なのでしょうか?

    株式会社脳レボ代表・川谷潤太が、これまで数多くのスポーツ選手を指導してきた経験から、その秘密に迫ります。

    ■「できない選手」ほど、指導者の言葉が重要になる

    これまで私は、スポーツの現場で数多くの選手やチームを指導してきました。

    その中には、

    「この選手は、なかなか伸びない」

    「正直、厳しいのではないか」

    「もっとできるはずなのに……」

    そんなふうに周囲から見られていた選手も少なくありません。

    ところが、そうした選手たちが大きく変わり、プロ野球選手やオリンピック選手になったり、甲子園出場や日本一を成し遂げたりする。

    私はこれまで、そんな「奇跡」のような瞬間を何度も見てきました。

    では、なぜ「できない」と思われていた選手が、できるようになったのでしょうか?

    もちろん「集中力トレーニング」も重要です。

    しかし、それだけではありません。

    選手を伸ばすうえで、もう一つ非常に重要なポイントがあります。

    それは――**「どのように指導するか」**です。

    ■人は「学習したこと」によって能力をつくっていく

    人間は「学習する動物」と言われています。

    生まれてから成長するまでの間に、さまざまな経験や刺激を受けながら、できることを増やしていきます。

    これは、単に知識や技術を身につけるということだけではありません。

    脳の中にある神経細胞のネットワークを広げ、さまざまな情報を処理する力を身につけていくことでもあります。

    つまり、人間は日々の経験や環境、周囲からの言葉や働きかけによって、少しずつ「自分自身」をつくっていくのです。

    だからこそ、教育や指導で与えられる刺激は非常に重要です。

    良い刺激を受ければ、それに応じた反応が生まれる。

    反対に、望ましくない刺激を繰り返し受ければ、それもまた学習されてしまいます。

    ここに、「できる選手」と「できない選手」を分ける大きなポイントがあります。

    ■「できないところ」を指摘すると、もっとできなくなる?

    指導者がよくやってしまうことがあります。

    それは、選手の「できていない部分」を繰り返し指摘することです。

    「なんでできないんだ!」

    「もっとちゃんとやれ!」

    「また失敗したな!」

    「フォームが違う!」

    もちろん、選手を成長させたいという思いから出る言葉でしょう。

    しかし、実はこうした「できないことへの指摘」が、逆効果になってしまうことがあります。

    「できない」という問題には、やる気などの心理的な問題もあれば、技術やフォームなど「やり方」の問題、さらには行動そのものの問題もあります。

    指導する側からすれば、「できる自分」には「できない選手」の感覚が分からないことがあります。

    そのため、目に見えて分かりやすい「できていない部分」を指摘してしまう。

    ところが、選手は指摘されたことで、その「できない部分」を強く意識するようになります。

    すると、

    「また失敗するかもしれない」

    「自分はできない」

    「ここを失敗しないようにしなければ……」

    と、できないことを意識してプレーするようになってしまう。

    結果として、ますます「できない状態」を学習してしまう可能性があるのです。

    ■「自分はできない」という記憶が、さらに選手を苦しめる

    これはスポーツだけの話ではありません。

    例えば、中学生の頃には成績上位だった生徒が、進学校に進学した途端、周囲のレベルが高くなって成績が下位になってしまう。

    すると、それまで「自分は勉強ができる」と思っていたはずなのに、

    「自分は、この学校ではできない側なんだ」

    という意識を持つようになることがあります。

    環境が変わっただけなのに、「できない自分」が当たり前になってしまう。

    そして、その意識が繰り返されることで、「自分はできない」という状態を学習してしまうのです。

    スポーツでも同じです。

    「また失敗した」

    「自分はレギュラーになれない」

    「自分はセンスがない」

    「どうせ自分には無理だ」

    そんな経験や言葉が積み重なることで、「できない」が本人の中で当たり前になってしまう。

    だからこそ、一度「できない」という状態を自覚してしまうと、そこから抜け出すことが難しくなるのです。

    ■「できない選手」を変えるために、指導者ができること

    では、どうすれば「できない選手」を「できる選手」に育てることができるのでしょうか?

    ポイントは、単純に「できないところを直させる」ことではありません。

    選手がどのような刺激を受け、何を意識し、どんなことを「自分はできる」「自分はできない」と学習しているのか。

    そこまで考えて指導する必要があります。

    そして、この考え方はスポーツだけに限りません。

    子どもの教育や子育て、学校教育、さらには会社での人材育成にも、そのまま応用できます。

    「何度言っても部下が成長しない」

    「子どもが失敗を怖がるようになった」

    「チームの中で、一部の人だけが伸び悩んでいる」

    もしそんな悩みがあるなら、もしかすると「本人の能力」だけが原因ではないのかもしれません。

    では、具体的にどうすれば「できる人」を育てられるのでしょうか?

    次回は、「できない」を「できる」に変えていくための具体的な考え方について、さらに掘り下げていきます。

    指導者が変われば、選手も変わる。

    その可能性を、ぜひ知っていただきたいと思います。

    明るく元気に楽しく笑顔で!!



    監修者:川谷 潤太(かわたに じゅんた)

    株式会社脳レボ 代表取締役
    https://nourevo.co.jp/

    大手学習塾にて最年少校長、全国塾講師No.1を獲得。その後、高校でスポーツメンタル指導を行い、多くの部活を地区優勝や世界一へ導く。2019年に株式会社脳レボを創設。脳科学や大脳生理学、バイオフィードバック工学をベースとした実践的手法で、オリンピック選手から企業、教育現場まで幅広く指導。9年間で1,600回以上の講演や研修を行い、受講者は15万名を突破している。

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