芝浦工業大学の学生団体が静岡の空き家を改修した“地域のコミュ...

芝浦工業大学の学生団体が静岡の空き家を改修した “地域のコミュニティスペース”が完成

~空き家の活用で地域活性化、災害対策にも~

芝浦工業大学(東京都江東区豊洲/学長 村上雅人)の学生プロジェクト団体「空き家改修プロジェクト」が、静岡県賀茂郡東伊豆町稲取の住宅地にある空き家を、地域住民が集えるコミュニティスペースへと改修し、9月下旬に完成しました。

住民と一緒になって改修
住民と一緒になって改修

学生たちは、東伊豆町から使われなくなった空き家を借りて、自分たちで外観の塗り替えと内装の修繕を行い、室内は畳と土間に分けてくつろげる空間としました。外には黒板を設置して、日常は子どもの落書き用に、非常時には伝言板として使える機能をつけ、室内のキッチンは隣接する公民館が開放された際に利用すると共に、非常時には炊き出しを行うための拠点にもなります。

改修作業には地域の子どもたちも参加し、地域と一体となって作業を行ったこの建物は、今後運営を住民に委ねながら地域コミュニティ活性の場として、ギャラリーなどのスペースとして、幅広い用途に活用されていく予定です。
本プロジェクトは東伊豆町からも高く評価されており、学生たちの取り組みが、全国的に抱える空き家の問題を解決する手段として広がっていくことが期待されます。


■背景
少子高齢化が進行する中で、今回改修を行った東伊豆町を含めて、全国において住宅の空き家が増加しており、2013年度には空き家が820万戸(2013年)で総住宅数に占める割合が13.5%と、1998年に初めて10%を超えて以来、特に大都市圏以外の地域で年々その数が増加し続けています。
また、2011年3月11日に発生した東日本大震災以来、地域コミュニティの重要性が叫ばれていますが、それを促進する有効な手段を模索している段階である地域も多く見られます。
そこで今回、その解決手段の一つとして、学生たちは、増加している空き家に着目し、改修して地域住民が集える場所にすると同時に災害などの非常時にも機能するような建物にしてはどうかと考え、東伊豆町の協力も得て今回の企画の実施に至りました。


■改修のポイント
●土間を設けて気軽に立ち寄れる場に
もともと7畳半の和室とキッチン、トイレというコンパクトな建物。床板の解体、変更を行い、建物内部にボックス体の構造物を挿入しました。土間を設けて土足でも気軽に室内に入れるようにし、4畳となった畳は茶室の雰囲気としました。

●“まちの黒板”
外には黒板を設置、普段は子どもたちが落書きなどに使えるようにし、災害時には地域の伝言板として機能するようにしました。

●“まちのキッチン”
隣接する公民館が開放される際にこの建物のキッチンが使えるようになっており、公民館とあわせて人々が集うための施設として機能します。また、災害などの非常時には炊き出しを行う拠点にすることもできます。

●近隣の小学生と一緒に改修
内壁は土壁とし、近隣の小学生とワークショップを行いながら一緒に塗り上げ、地域と一つになって完成させました。


この他、外壁の塗り直しなどを行って9月18日に改修工事が終了し、地域住民に引き渡されました。今後は地域の拠り所として住民が利用する他にも、ギャラリーなどへの応用など、幅広い用途での活用が期待されます。東伊豆町からは、引き続き他の空き家も改修してほしいという打診もあるなど、地域コミュニティ活性化対策の一つとして学生が自主的に提案した「空き家改修プロジェクト」の取り組みが、実を結びました。

カテゴリ:
企業動向
ジャンル:
教育 社会(国内)
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