日本の教育を考える10人委員会2006年度 提言「義務教育は...

日本の教育を考える10人委員会2006年度 提言「義務教育は国民一人ひとりのライフラインであり、将来への投資である!」

報道関係者各位                      2006年9月11日
プレスリリース              日本の教育を考える10人委員会

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「義務教育は国民一人ひとりのライフラインであり、将来への投資である!」

       日本の教育を考える10人委員会 2006年度 提言
            http://10nin-iinkai.net/
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日本の教育を考える10人委員会(委員長:立命館大学政策科学研究科教授
並びに京都大学経済研究所特任教授 佐和 隆光)では、政府が進める三位一体
改革の中で、義務教育における機会均等が維持されなくなる危機感を持ち、
2004年度以来、わが国における義務教育のあり方について提言活動を行って
きました。

今年度は、義務教育における地域格差及び家庭の所得格差に起因する教育
格差の拡大を防ぐために、
「義務教育は国民のライフラインであり、将来への投資である!」
と題した提言書をまとめましたので、ご報告いたします。

詳細な資料は日本の教育を考える10人委員会ホームページよりダウンロード
できます。( http://10nin-iinkai.net/ )


■■提案概要■■

1.2004年に行った10人委員会の提言「義務教育の地域格差は国を滅ぼす!」
 義務教育がすべての子どもに均等かつ確実に保障されるために、
 教育費の地域格差を拡大させない/学力の地域格差を拡大させない/
 教育の質を低下させない
 ことが重要であり、そのためには「義務教育費国庫負担制度は堅持すべき」
 であるとの提案を行った

2.その後の義務教育をめぐる環境の変化
 ・行革推進法案により、教育の分野では児童・生徒の減少に伴う自然減を
  上回る削減を実施する
 ・義務教育費国庫負担金は平成16年度から総額裁量制になり、人件費の
  枠内での使途自由度が一定程度拡大
 ・義務教育費国庫負担制度は、三位一体改革において、国の負担が
  1/2から1/3に変更

3.義務教育に関する国民アンケート
 ・「義務教育に関する費用はこれまで以上に国が役割を担うべき」、
  「減少する児童生徒数以上に教職員を削減すべきでない」、
  「学力の二極化が進行しており、教育費が負担」、
  「少人数学級や少人数教育に対する期待は大きい」

4.教育現場に見る義務教育の課題
 ◆「教育の質」の低下につながる要因
  ・一部には常勤教員を雇う予算がないため、給与の安い非常勤教員を
   採用して少人数教育を実現している
  ・常勤教員の負担が大きくなり、非常勤教員は研修などの環境が整備
   されておらず、レベルの向上を図りにくい
 ◆「子どもの個性を生かした教育」が実現しにくい要因
  ・安易な習熟度別学習は、子どもの伸びる力を阻害し、授業における
  教員の工夫・力量を低下させる可能性がある
  ・習熟度別学習などの少人数教育の導入については、生徒や学校の実情
  を十分に考慮していないことがある

5.10人委員会からの提言
 ◆基本的視点
  (1)教育の基本は、多様な個を尊重し、認め合い、学び合い、高め合う
    ものでなければならない
  (2)義務教育はすべての人にとって機会均等でなければならない
    → 義務教育は、国民一人ひとりのライフラインであり、
     そのライフラインが寸断されるなら、教育も社会も歪んでいく

 ◆義務教育における格差を防ぎ機会均等を維持するための提言
  (1)教育基本法の人種、信条、性別、身分、門地などによって教育上差別
    されない記載に加え、地域によって格差が生じないことを法的に位置
    づけることが必要
  (2)義務教育については所得格差が教育格差に直結しないように、経済的、
    社会的に恵まれない家庭の子どもたちの教育機会を保障する質の高い、
    効果的に機能する公教育の整備・充実が必要

 ◆教育水準向上、教職員の能力向上を図るため教職員数や処遇等の改善を
  図る提言
  (1)少人数教育は、学校側の現状を踏まえて、学校と保護者が十分に議論
    して導入を選択できるようにすべき
  (2)質の高い教育を提供するためには、個々の教職員が能力を高め、
    教職員の人数を確保するために非常勤を増やすのではなく、常勤の
    教職員の数を確保することが必要
  (3)したがって、政府が進める構造改革の取り組みにおける公務員の定数
    削減の中から、教職員は除外すべき
  (4)教職員については、質の高い人材を確保するための処遇が必要
  (5)教職員養成制度を抜本的に見直してその専門性を高め、現職教職員の
    資質向上を図るため、様々な研修のあり方を見直し、改善・充実させる
    ことが必要
  (6)教職員は、児童・生徒の興味や関心、保護者や地域住民の希望や不満に
    つねに敏感かつ応答的でなければならない


■■委員会構成■■

日本の教育を考える10人委員会(2006年度メンバー 五十音順)

【委員長】
佐和 隆光  立命館大学政策科学研究科教授
       京都大学経済研究所特任教授
【委 員】
市川 昭午  国立大学財務・経営センター名誉教授
尾木 直樹  教育評論家・法政大学教授
小野田 誓  元社団法人日本PTA全国協議会相談役
黒崎 勲   日本大学教授
斎藤 貴男  ジャーナリスト
佐藤 学   東京大学教授
樋口 恵子  評論家・東京家政大学名誉教授
藤田 英典  国際基督教大学教授
宮崎 緑   千葉商科大学教授
渡邉 光雄  南相馬市社会福祉協議会常務理事、元福島県原町市教育長


■■本件に関するお問い合せ先■■

「日本の教育を考える10人委員会事務局」
T E L : 03-3288-4221
e-mail: info@10nin-iinkai.net
U R L : http://10nin-iinkai.net

カテゴリ:
その他
タグ:
子育て・保育

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