タニタ調べ 「飲酒運転対策に関する社用車のルール・規則が 職場にある」6割半、前回調査から大幅上昇
飲酒運転に関する意識調査2023
健康総合企業のタニタは、インターネットリサーチで「飲酒運転に関する意識調査」を実施し、その集計結果を公開しました。この調査は2023年4月4日―4月5日の2日間、全国の20歳―69歳の社用車ドライバー(社用車を運転することがある人)でお酒を飲む習慣がある人(1,000名)を対象に行ったもので、前回調査(2019年)から3年5カ月ぶりの実施となります。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
※第1章から第3章は https://www.atpress.ne.jp/news/356893 にて公開しております。
[調査結果]
第4章 飲酒運転の防止策
■「飲酒運転対策に関する社用車のルール・規則が職場にある」6割半、前回調査から大幅上昇
■「飲酒運転対策に関する社用車のルール・規則が最近1年間で厳しくなった」ルール・規則がある職場の7割強
全回答者(1,000名)に、自身の職場では飲酒運転対策に関する社用車のルール・規則があるかを聞いたところ、「ある」は64.5%、「ない」は35.5%となりました。
2019年の調査結果と比較すると、「ある」と回答した人の割合は、2019年41.7%→2023年64.5%と、22.8ポイントの大幅上昇となりました。飲酒運転を防止するためのルールや規則を設けている職場が増えていることが分かりました。
自身の職場に飲酒運転対策に関する社用車のルール・規則があると回答した人(645名)に、そのルール・規則は最近1年間で厳しくなったかを聞いたところ、「厳しくなった」は73.2%、「厳しくなっていない」は26.8%となりました。
2019年の調査結果と比較すると、「厳しくなった」と回答した人の割合は、2019年65.8%→2023年73.2%と、7.4ポイントの上昇となりました。社用車の安全運転管理義務の厳格化や飲酒運転の危険性、飲酒運転による事故の重大性を踏まえ、飲酒運転を防止するためのルールや規則を厳格化するようになった職場が増えているのではないでしょうか。
■「職場で飲酒運転の防止策が取られている」7割強、防止策を取る職場は前回調査から増加
■具体的な飲酒運転防止策
「社用車の運転前にアルコール検知器による社内チェックを実施する」は4割強、前回調査から大幅上昇
飲酒運転の防止策について質問しました。
全回答者(1,000名)に、自身の職場で行われている飲酒運転の防止策を聞いたところ、「社用車の運転前にアルコール検知器による社内チェックを実施する」(41.7%)が突出して高くなりました。検知器を飲酒運転対策のツールとして導入している職場が多いようです。次いで高くなったのは、「通勤前のアルコール検知器による自己チェックを義務付ける」(24.7%)、「飲酒運転に対する職場の罰則を周知する」(23.7%)、「お酒を多く飲むことや強いることをよしとしない風土作りをする」(21.6%)、「飲酒運転防止マニュアルを配布する」(21.1%)でした。「特になし」は26.8%で、飲酒運転の防止策が取られている割合は73.2%でした。
2019年の調査結果と比較すると、『飲酒運転の防止策が取られている』の割合は、2019年61.1%→2023年73.2%と、12.1ポイントの上昇となりました。また、「社用車の運転前にアルコール検知器による社内チェックを実施する」は2019年16.1%→2023年41.7%と、25.6ポイントの大幅上昇となり、飲酒運転防止のために検知器を用いて事前にアルコールチェックを実施する職場が増えている実状が明らかとなりました。
一方で、「アルコールの基礎知識を学ぶ機会を設ける」は2019年25.4%→2023年17.3%と、8.1ポイント下降しました。職場で飲酒と運転に関して正しい知識を学ぶ機会が減少しているという実態が明らかになりました。飲酒運転の防止にはアルコール検知器によるチェックと定期的に飲酒や飲酒運転に関する正しい知識を学ぶ機会を設けることとの両輪で進めていくことが必要です。
■職場で実施するべき飲酒運転防止策 1位「社用車の運転前にアルコール検知器による社内チェックを実施する」
全回答者(1,000名)に、自身の職場で実施するべきだと思う飲酒運転の防止策を聞いたところ、「社用車の運転前にアルコール検知器による社内チェックを実施する」(37.2%)が最も高くなり、「通勤前のアルコール検知器による自己チェックを義務付ける」(28.3%)が続きました。アルコール検知器による事前チェックの必要性を感じている人が多いようです。次いで、「お酒を多く飲むことや強いることをよしとしない風土作りをする」(24.8%)、「飲酒運転に対する職場の罰則を周知する」(22.1%)、「飲酒運転防止マニュアルを配布する」(20.3%)となりました。
2019年の調査結果と比較すると、「社用車の運転前にアルコール検知器による社内チェックを実施する」は2019年25.3%→2023年37.2%と、11.9ポイント上昇しました。
■「からだにアルコールが残っていないか簡単に調べられる検知器が市販されていること」認知率は7割半
全回答者(1,000名)に、からだにアルコールが残っていないか簡単に調べられる検知器が市販されていることを知っていたかを聞いたところ、「知っていた」と回答した人の割合(以下、認知率)は74.7%となりました。
2019年の調査結果と比較すると、認知率は2019年60.0%→2023年74.7%と、14.7ポイントの上昇となりました。
マイカー通勤者に対し、通勤前のアルコール検知器による自己チェックを義務付けている会社があることを知っていたかを聞いたところ、認知率は78.4%となりました。また、社用車を運転する社員に対し、運転前にアルコールチェックを実施している会社があることを知っていたかを聞いたところ、認知率は85.2%となりました。
認知率を2019年の調査結果と比較すると、“マイカー通勤者に対し、通勤前のアルコール検知器による自己チェックを義務付けている会社があること”では18.7ポイント上昇(2019年59.7%→2023年78.4%)、“社用車を運転する社員に対し、運転前にアルコールチェックを実施している会社があること”では12.5ポイント上昇(2019年72.7%→2023年85.2%)しました。
■「職場ではアルコール検知器による“社用車運転者のアルコールチェック”を実施している」5割半
■「“社用車運転者のアルコールチェック”の内容を記録している」アルコールチェックを実施している職場の9割
職場でのアルコールチェックについて質問しました。
全回答者(1,000名)に、自身の職場では目視による“社用車運転者のアルコールチェック”を実施しているかを聞いたところ、「している」は53.0%、「していない」は47.0%となりました。また、自身の職場ではアルコール検知器による“社用車運転者のアルコールチェック”を実施しているかを聞いたところ、「している」は55.9%、「していない」は44.1%となりました。
職場が安全運転管理者設置対象となっている人(660名)についてみると、「している」と回答した人の割合は、【目視】では61.2%、【アルコール検知器】では64.4%となりました。安全運転管理者設置対象となっている事業所には、2022年の道路交通法施行規則改正により、安全運転管理者の業務として“酒気帯びの有無の確認・その内容の記録と保存”が追加されました。法改正を受け、飲酒運転防止対策を強化した職場が多いのではないでしょうか。
職場で目視またはアルコール検知器による“社用車運転者のアルコールチェック”が実施されていると回答した人(614名)に、自身の職場では“社用車運転者のアルコールチェック”の内容を記録しているかを聞いたところ、「している」は89.6%、「していない」は10.4%となりました。
職場が安全運転管理者設置対象となっている人(467名)についてみると、「している」と回答した人の割合は90.8%でした。
■改正道路交通法における白ナンバー車のアルコールチェックに関する認知状況
「“アルコール検知器を使用したアルコールチェックの義務化”は中止ではなく延期であることを知らなかった」6割半
全回答者(1,000名)に、改正道路交通法における白ナンバー車のアルコールチェックに関する認知状況を聞きました。
≪“乗車定員10人以下の自動車を5台以上使用する”または“乗車定員11人以上の自動車を1台以上使用する”のいずれかに該当する事業所には、アルコールチェックが義務化されていること(延期されていないこと)≫では「知っていた」は44.7%、「知らなかった」は55.3%となりました。
職場が安全運転管理者設置対象となっている人(660名)についてみると、「知っていた」と回答した人の割合は51.7%となりました。安全運転管理者設置対象となっている事業所には、2022年の道路交通法施行規則改正により、安全運転管理者の業務として“酒気帯びの有無の確認・その内容の記録と保存”が追加されていますが、アルコールチェック義務化に関する認知度は全体では4割半、対象となる事業所に所属する人でも約半数という結果になりました。
また、≪2022年10月施行予定だった“アルコール検知器を使用したアルコールチェックの義務化”は中止ではなく延期であること≫では「知っていた」は34.4%、「知らなかった」は65.6%となりました。
■「アルコールチェックが義務化されていない事業所でもアルコールチェックを行うべき」8割強
■「アルコール検知器を保有している場合は検知器を使用してアルコールチェックを行うべき」約9割
全回答者(1,000名)に、白ナンバー車のアルコールチェックに関する考えについて、自身の気持ち・考えにどのくらいあてはまるかを聞いたところ、≪アルコールチェックが義務化されていない事業所でもアルコールチェックを行うべき≫では「非常にあてはまる」が45.6%、「ややあてはまる」が37.4%で、合計した『あてはまる(計)』は83.0%となりました。飲酒運転防止対策強化のために、義務化されていなくても率先してアルコールチェックを導入すべきだと考える人が大多数となりました。
また、≪アルコール検知器を保有している場合は検知器を使用してアルコールチェックを行うべき≫では『あてはまる(計)』は87.0%となりました。
第5章 アルコール検知器の認知状況
■「アルコール検知器には有効期限があることを知らなかった」約7割
■「適切に保管されていないアルコール検知器では誤検知する可能性があることを知らなかった」6割
■ITを活用したアルコール検知器についての認知率は低い傾向
「プリンターと連携することで測定結果を即時印刷できる検知器があること」2割半、「パソコン・スマホと連携することで測定者の顔を撮影し“なりすまし”を防止できる検知器があること」3割、「スマホと連携することで外出先から測定結果・顔写真を送信できる検知器があること」約3割
最後に、全回答者(1,000名)に、アルコール検知器に関する認知状況を聞きました。
≪アルコール検知器には有効期限があること≫では「知っていた」は32.8%、「知らなかった」は67.2%となりました。検知器は、一定期間経過後または一定回数の使用後は検知の精度が安定しなくなるため、有効期限を迎える前にセンサーを交換したり、買い替えたりする必要があります。
職場でアルコール検知器による“社用車運転者のアルコールチェック”が実施されている人(559名)についてみると、「知っていた」は48.7%、「知らなかった」は51.3%となり、アルコール検知器によるアルコールチェックが実際に行われている職場に所属する人でも半数は知らなかったという結果になりました。
≪適切に保管されていないアルコール検知器では誤検知する可能性があること≫では「知っていた」は40.6%、「知らなかった」は59.4%、≪精度の悪い検知器ではアルコールを誤検知する可能性があること≫では「知っていた」は49.3%、「知らなかった」は50.7%となりました。保管状態や検知器の性能により、誤検知の可能性が高まることを知っていた人は少なくないようです。なお、検知器の保管にあたっては、センサーキャップを閉め、付属のチャック付きポリ袋に入れて保管するなど、取扱説明書に記載された方法で保管することが大切です。
職場でアルコール検知器による“社用車運転者のアルコールチェック”が実施されている人(559名)についてみると、≪適切に保管されていないアルコール検知器では誤検知する可能性があること≫では「知っていた」は56.7%、「知らなかった」は43.3%となり、4割強は知らなかったという結果になりました。誤検知を防ぐために正しい保管方法と使い方を定期的に確認していくことが大切です。
≪プリンターと連携することで測定結果を即時印刷できる検知器があること≫では「知っていた」は26.2%、「知らなかった」は73.8%、≪パソコン・スマホと連携することで測定者の顔を撮影し“なりすまし”を防止できる検知器があること≫では「知っていた」は29.2%、「知らなかった」は70.8%、≪スマホと連携することで外出先から測定結果・顔写真を送信できる検知器があること≫では「知っていた」は27.7%、「知らなかった」は72.3%となりました。ITを取り入れることで検知器の活用の幅が広がっているものの、実際に知っている人はそれぞれ3割未満にとどまる結果となりました。
※調査結果全文は添付のPDFファイルよりご覧いただけます。
■調査概要■
調査タイトル:飲酒運転に関する意識調査2023
調査対象:ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする全国の20歳―69歳の社用車ドライバー(社用車を運転することがある人)でお酒を飲む習慣がある人
調査期間:2023年4月4日―4月5日
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:1,000サンプル
実施機関:ネットエイジア株式会社
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