『言葉を失っても、働き続ける』~第一回・失語症・高次脳機能障...

『言葉を失っても、働き続ける』 ~第一回・失語症・高次脳機能障害  公開インタビュー&事例検討会~をZoomにて8月20日に開催

当事者と一緒に発信

 NPO法人Reジョブ大阪は、『言葉を失っても、働き続ける』 ~第一回・失語症・高次脳機能障害 公開インタビュー&事例検討会~ をZoom配信にて8月20日(土)に開催します。


『言葉を失っても、働き続ける』 ~第一回・失語症・高次脳機能障害 公開インタビュー&事例検討会~


■社会的認知の低い「失語症」

 俳優のブルース・ウィリス氏が突然の俳優業引退。その原因としてにわかにスポットライトを浴びた「失語症」という障害ですが、実際にその障害を負うことになった当事者がその後どのように生きていくのか、その障害をどのように感じているのかといったリアルな情報は、あまり社会に知られていません。

 失語症は事故などによる脳外傷や脳卒中等によって脳の言語をつかさどる部位が損傷することによって起きる障害ですが、同様に記憶や注意などの認知機能や気持ちのコントロールをつかさどる部分を損傷することによる障害として、高次脳機能障害があります。そしてやはり、この高次脳機能障害もまた、社会的な認知が非常に低い障害でもあり、共に「見えない障害」とも言われています。



■開催の経緯

 NPO法人Reジョブ大阪では、この失語症や高次脳機能障害のように、あまり実態を知られていない脳損傷後の後遺障害についての社会認知を高めるため、そして当事者や当事者を支える医療職・支援職にとって必要な情報を広めるために、これまで様々な活動をしてきました。事業の柱である定期刊行物『脳に何かがあったとき』の制作にあたっては、文筆家、鈴木大介氏と共に、受傷後、働く場に戻った当事者にインタビューを重ねてきました。鈴木氏自身も高次脳機能障害を抱え、当事者となった視点から感じたことも織り交ぜ「元ルポライターである自身のリハビリにしたい」と発信を続けています。

 このたび、その際ヒアリング協力をしてくださった失語症・高次脳機能障害当事者3名と医療者・専門職による公開イベント、『言葉を失っても、働き続ける』 ~第一回・失語症・高次脳機能障害 公開インタビュー&事例検討会~ を開催することとしました。


 一度発症してしまったら、もう元通りの人生はない。元の仕事に就くなど、到底考えられない。

 失語症をはじめ、脳外傷や脳疾患を原因とする脳機能障害の当事者に対して、世間の多くの印象はそうしたものでしょう。けれど本事業では、これまで仕事に戻られ、障害を抱えつつも働き続けている当事者のケースを数多く聞き及んできました。もちろんそこには、生半可ではない苦難の道がありますが、その苦難にどのように対峙したかのエピソードは、障害当事者だけでなく、むしろ健常者にも多くの示唆を与えるものです。

 今回ご登壇をいただく3名は、いずれもキャリア形成後に言語機能を失う、つまり失語症を発症し、それでもお仕事に戻られた当事者です。


 最も言語機能を必要とするお仕事である中学校の国語教員として、教育現場に身を投じ続けてきた馬渕さん。


 大手保険企業で様々な部署でキャリアを積み、監督者的な立ち回りで活躍されていた女性の梶さん。


 移り変わりの激しいIT業界に黎明期から関わり、世界を股にかけるフリーランスエンジニアとして業界の波を乗り切ってきた粂川さん。


 いずれも言葉の機能を失ったらとても復職はできないと感じられがちな職種であり、実際に医師から「復職は無理」と断言されたケースもありながらも、彼らは見事お仕事の世界に戻られ、現在も活躍されています。

 イベントでは、冊子事業で過去にインタビューした内容に加えて、改めて事前にインタビューした3名の「働き続けて至った今」を素材に、当事者同士での事例検討や意見交換を行います。聞き手は言語聴覚士の西村紀子と、高次脳機能障害当事者でルポライターの鈴木大介。失語症や高次脳機能障害の当事者にとって、働き続けること、生き続けることの生の声を掘り下げ、当事者の就労における問題点や社会や企業に改善を期待したい点などを生の声で発信するコンテンツになることを、企図します。


 事故や病気で脳を損傷したら、もう働けないのか。また、どのようにすれば再び働くことができるのか。このことは、当事者のみならず、その家族や、勤め先の企業などにとっても、大きな不安であり、課題であり、ただでさえ社会的認知の低いこの障害において最も知られていない部分でもあります。

 当事者が自身のみの力で再び仕事と糧を得ていくことは非常に困難ですが、周囲の障害理解と適切な協力があれば、それは決して不可能なことではありません。当事者自身の経験と知見から学ぶ。この公開インタビュー・事例検討会を、この障害を抱える当事者にとって希望の一歩にしたく考えます。



<イベント概要>

イベントタイトル:

『言葉を失っても、働き続ける』

~第一回・失語症・高次脳機能障害 公開インタビュー&事例検討会~

日時   : 8月20日(土)14:00~16:30(予定)

開催形式 : Zoom配信

       1. 公開インタビュー(収録動画配信) 約15分×3人

       2. 事例検討会(リアルタイム) 60分

       3. 質疑応答 30分

       ※当日参加すると直接質問が可能

エントリー: こちらのフォームに必要事項を記入

       https://forms.gle/9MCTYLcZh4z6jK936

       申し込み時に記入したメールアドレス宛に、参加用のZoom URL、

       参加費お支払い方法等を記載したメールを送付します。

       当日欠席の場合も動画は後日視聴できます。

参加費  : 2,000円(クレジットカード払い、または振り込み)

問い合わせ: チーム脳コワさん事務局 NPO法人Reジョブ大阪

※リアルタイム受講は先着100名とします。



■Reジョブ大阪の狙い

 Reジョブ大阪の活動の多くで力点を置いているのは、「当事者と一緒に発信」です。その理由は、まさしくこの障害の社会的認知の低さの理由が、医療者や専門の支援職の臨床においても「理解が難しい」とされているからです。実際、『脳に何かがあったとき』でヒアリング対象となった当事者の中には、受けた医療の現場でその障害を見逃されて、全く無支援のまま自助努力で生き抜いてきた苛酷なケースが多数ありました。また、そこで語られる当事者自身による不自由の訴えや、独自の乗り越え方に、多くの医療者や支援者が目から鱗の落ちるような思いを寄せています。

 Reジョブ大阪が重視するのは、既存のような医療職や専門家サイドから発信される情報に偏らず、当事者自身がその障害によって何ができなくなり、それをどのように感じ、どのように乗り越えているのかといった知見を集積し、それを専門家サイドにフィードバックしていくことです。

 なお、今回の公開インタビュー及び事例検討会もまた、企画運営から広報、そして登壇発言のすべてを当事者チームによって行うことを目標にしています。実行委員長として、失語症や高次脳機能障害当事者の就労アドバイザーとして先駆的な取り組みを続けてきている大場龍男(川崎市北部・中部リハビリテーションセンター、就労支援アドバイザー NPO法人翔和学園ワークセンター顧問)を招き、ビジネス経験豊かな当事者による実行委員、さらに当事者サポーターによって、企画の方針決定・運営、協賛募集から広報活動まで、当事者自身の手で作り出すイベントにします。



<NPO法人Reジョブ大阪 活動実績>

・当事者による当事者インタビューを柱とした定期刊行物『脳に何かがあったとき』の発行

・当事者による支援職向けオンラインセミナー

・啓発を目的とし、当事者と共に運営するオンラインイベントの実施

「失語症の日」(4月25日)(オンライン)

「まるっと文化祭」(9月)(オンライン)

・臨床経験豊かな支援職による各種オンラインセミナー

・YouTube配信、Facebook配信

・オンライン当事者会の開催

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