<人事白書2020発刊>同一労働同一賃金の対応、1on1導入、 感染症対策……人事の実態・課題を明らかに

    調査・報告
    2020年7月7日 10:00
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    今春、株式会社HRビジョンでは、日本最大のHRネットワーク『日本の人事部』会員160,000人(企業の人事担当者・経営者)に向けて、大規模なアンケートを実施しました。全8テーマ、168問のアンケートにのべ4,620社、4,783人が回答。その結果をまとめ、企業が抱える人・組織に関する課題や戦略・施策の現状、識者の解説・近未来予測などを掲載した『日本の人事部 人事白書2020』を発刊いたしました。日本企業の人事の実態や課題を明らかにした本書を、ぜひご覧ください。



    ■『日本の人事部 人事白書2020』ピックアップ

    ・経営戦略実現に貢献する人事ができているのは、わずか4社に1社

    ・1on1の導入割合は4割超。上司の傾聴力が成功の鍵に

    ・同一労働同一賃金の施行直前、約7割が対応不十分

    ・人事はプロフェッショナル思考へ――守島基博氏が語る、人事の近未来予測


    https://jinjibu.jp/research/



    ■調査結果概要(全168問の中から一部抜粋)

    メインテーマとして、「戦略人事」「採用」「育成」「評価・賃金」「ダイバーシティ」「働き方」「HRテクノロジー」「新しい人事課題」の8テーマを設定。以下、全168問の結果の中から一部抜粋してご紹介いたします。



    ■経営戦略実現に貢献する人事ができているのは、わずか4社に1社

    経営戦略を実現するために必要な人材を、人事部門が採用、配置、育成できているか聞いたところ、「当てはまる」(4.0%)、「どちらかといえば当てはまる」(20.9%)と回答したのは合わせて24.9%と、4社に1社の割合でした。

    経営戦略を実現するために必要な人材を、人事部門が採用、配置、育成できているか



    ■新卒採用の裁量には「人事部門の計画」が最も影響する

    新卒採用において、年間採用人数の計画に最も影響を与えるのは「人事部門の計画」(48.8%)が半数近くを占めました。僅差で、「現場部門の希望」(40.2%)が続き、「採用予算」(11.0%)は1割強にとどまりました。


    新卒採用の裁量権(年間採用人数の計画)に、最も強い影響を与えるもの

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    候補者の内定出しについては、「人事部門の計画」(52.6%)が過半数を占め、「現場部門の希望」(41.9%)も4割を超えました。


    新卒採用の裁量権(候補者への内定出し)に、最も強い影響力を与えるもの

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    ■1on1の導入割合は4割超。上司の傾聴力が成功の鍵に

    近年、1on1ミーティングへの注目度が高まってきています。「導入している」(42.2%)は4割超で、「導入していない」(53.1%)が過半数を占めました。


    1on1ミーティングの導入状況

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    1on1ミーティングを成功させる上で最も必要なことは、「上司の傾聴力」という回答が42.4%でした。


    1on1ミーティングを成功させるうえで、最も必要なこと

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    ■同一労働同一賃金の施行直前、約7割が対応不十分

    同一労働同一賃金に関する対応の進捗状況について、「完了した」は28.6%と約3割にとどまっています。本調査は、適用直前(2020年3月16日~4月10日)に実施しましたが、進捗状況としては不十分と言えます。


    同一労働同一賃金に関する対応の進捗状況

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    ■女性管理職、10%未満が半数以上……6年前から変化乏しく

    政府は2020年までに女性管理職の比率を30%にする目標を掲げていますが、現在どのくらいになっているのかを聞きました。最も多かったのは、「1%以上5%未満」(33.5%)で、3分の1を占めています。


    現在の管理職(課長クラス以上)全体に占める女性の割合

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    『人事白書2014』のデータによると、当時の管理職(課長クラス以上)全体に占める女性の割合で最も多いのは、「1%以上5%未満」(40.6%)。「10%未満」の数字をすべて合わせると76.0%で、約8割を占めていました。



    ■テレワーク導入率は44.8%。ワーケーションなど多様化の兆しはこれから

    3月中旬~4月上旬調査時点では、テレワークを「導入している」(44.8%)、「導入していない」(54.6%)と、未導入企業のほうがやや多いことがわかります。


    テレワークの導入状況

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    休暇中でも、テレワークなどで仕事ができる体制を導入しているかを聞きました。最も多かったのは、「導入する予定はない」(46.9%)で半数近くを占めています。以下、「今後導入する予定」(20.0%)、「わからない」(18.3%)、「導入している」(14.9%)の順でした。


    休暇中でも仕事ができる体制(ワーケーション)の導入状況

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    ■HRテクノロジー導入が進んでいるのは労務管理。業務によっては5%未満

    労務管理・報酬・人件費管理では、HRテクノロジーを「活用・導入している」と回答したのは21.3%となっています。「今後活用・導入の計画がある」は9.4%、「現在検討している」は21.8%。近年進んでいる労働関連法の改正へ適正に対応していくために、労務管理・報酬・人件費管理分野でHRテクノロジーを活用・導入するケースが増えていくと推測されます。


    HPテクノロジーの活用・導入状況(労務管理・報酬・人件費管理)

    https://www.atpress.ne.jp/releases/218049/img_218049_10.png


    一方、リテンション・退職では、「活用・導入している」は4.9%にとどまっています。「計画も検討もしていない」は56.3%と過半数を占めています。本分野での活用・導入は、もう少し先のことだと推測されます。


    HPテクノロジーの活用・導入状況(リテンション・退職)

    https://www.atpress.ne.jp/releases/218049/img_218049_11.png



    ■人手不足で約8割の企業が悩む。技術職で顕著

    人手不足が問題になっているかどうかを尋ねたところ、「問題になっている」(41.6%)、「少し問題になっている」(39.3%)で、合わせて80.9%の企業で人手不足が問題化しています。


    人手不足の問題化

    https://www.atpress.ne.jp/releases/218049/img_218049_12.png


    「人手不足」が「問題になっている」「少し問題になっている」と回答した企業に、人手不足となっている職種を聞きました。最も多かったのは「技術職(IT・ソフト・電気電子・医療・バイオ・化学など)」で49.4%と、約半数が挙げています。


    人手不足の職種

    https://www.atpress.ne.jp/releases/218049/img_218049_13.png


    ※全168問の中から一部を抜粋してご紹介しております。

    製本版・データ版の詳細は下記をご覧ください。

    https://jinjibu.jp/research/



    【調査概要】

    ・調査時期 : 2020年3月16日~4月10日

    ・調査対象 : 『日本の人事部』正会員

    ・調査方法 : Webサイト『日本の人事部』にて回答受付

    ・回答数  : のべ4,620社、4,783人

    ・回答者属性: 企業の人事担当者・経営者

    ・詳細   : https://jinjibu.jp/research/

            または「日本の人事部 人事白書」で検索



    【冊子概要】

    ・編者  :『日本の人事部』編集部

    ・判型  :A4判

    ・ページ数:350ページ

    ・定価  :データ版/製本版 本体8,000円+税

          セット版 本体10,000円+税

    ・質問数 :168問

    ・テーマ :1. 戦略人事/2. 採用/3. 育成/4. 評価・賃金/

          5. ダイバーシティ/6. 働き方/7. HRテクノロジー/8. 新しい人事課題



    【調査監修・解説】

    武蔵大学 経済学部経営学科 教授

    森永 雄太 氏


    法政大学 キャリアデザイン学部 教授

    梅崎 修 氏


    立教大学 経営学部 助教

    田中 聡 氏


    立命館大学 総合心理学部 教授

    高橋 潔 氏


    早稲田大学 教育・総合科学学術院 教授

    黒田 祥子 氏


    株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役

    伊達 洋駆 氏



    【特別企画 近未来予測インタビュー】

    学習院大学 教授/一橋大学 名誉教授

    守島 基博 氏



    【本調査結果の二次利用について】

    ・引用する場合は、出典を明記してください。

    (表記例)出典:『日本の人事部 人事白書2020』

    ・転載する場合は、必ず弊社までお問い合わせください。