無自覚な子供の集団いじめ、大人の対処法とは? 加害者に足りないものと必要なもの

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    2019年12月13日 09:30
    無自覚な子供の集団いじめ、大人の対処法とは? 加害者に足りないものと必要なもの
    無自覚な子供の集団いじめ、大人の対処法とは? 加害者に足りないものと必要なもの

    あなたは学校や職場でいじめを見たことがありますか?
    自分に都合よく、いじめといじりの境界線を引いていないだろうか。

    平成30年度、全国の小中高校で認知されたいじめの数は54万3,933件。そのうち42万5,844 件が小学校で、9万7,704 件が中学校で認知されたものである。
    <参考:文部科学省 / 平成 30 年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果>
    http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/10/__icsFiles/afieldfile/2019/10/17/1410392.pdf

    2013年に施行されたいじめ防止対策推進法によると、学校はいじめを相談された・いじめが疑われた時点で調査をする義務があります。必要に応じて外部機関とも連携する必要があり、いじめ解決のために見て見ぬふりは許されないのです。
    <参考:文部科学省 / いじめ防止対策推進法の公布について(通知)>
    http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1337278.htm

    いじめが深刻な社会問題である、ということは誰もが知っているはずだ。しかし、「どうすれば解決できるか」自信をもって答えられる人はごくわずかだろう。いじめには4種類の人がかかわっていると言われている。

    いじめの構造(いじめの4層構造)森田洋司1986年
    〇いじめる生徒
    〇観衆(はやしたてたり、おもしろがったりして見ている)
    〇傍観者(見て見ない振りをする)
    〇いじめられる生徒
    いじめの持続や拡大には、いじめる生徒といじめられる生徒以外の「観衆」や「傍観者」の立場にいる生徒が大きく影響している。「観衆」はいじめを積極的に是認し、「傍観者」はいじめを暗黙的に支持しいじめを促進する役割を担っている。
    <出典:文部科学省 / いじめへの対応のヒント>
    http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/040/shiryo/06120716/005.htm

    立場に関係なく、いじめを認知している人は関係者なのだ。見て見ぬ振りをする、あるいは無関心でいることは、加害者と同様に誰かを傷つけていることとなるだろう。

    自分がいじめ関係者であることを自覚し、勇気を持って行動する人になる必要がある。
    「いじめを見つけたとき、どう向き合えばよいか」
    「いじめをどう断ち切るか」
    「集団の中で、自分らしく生きていくためには?」

    そこで3人のゲストから話を伺い、いじめ解決のヒントを探していく。

    ● 公開日時:2019年12月12日(月)11:00 ウェブマガジンSOCIO

    ▼ 記事概要・作家紹介

    善悪の判断をマヒさせる集団いじめ、大人の対処法は?

    元木更津市青少年指導センター所長の経歴のある木田繁さんは、いじめには2つのパターンがあると指摘する。1つ目は主導的な複数人の生徒によるもので、2つ目は目立つ主導者とその取り巻きで構成された「いじめ集団」によるものだという。

    木田繁(きだ・しげる)

    元千葉県公立中学校教員。元木更津市青少年指導センター所長。
    『「いじめ」撲滅のための学校経営を目指す。』の著者。
    【略歴】
    1940年
      2月10日生まれ。千葉県富津市小久保2885に在住。鹿児島県出水市出身。千葉短期大学文学部英文科卒業。
    1964年
      富津市立富津中学校に英語教師として着任。以後、君津市立君津中学校、木更津市立木更津第三中学校ほか、木更津市内四校の中学校に勤務。
    1976年度
      千葉県長期研修生として千葉大学教育学部坂本昇一先生のもと一年間「生徒指導」研修。
    2000年
      3月31日木更津市立木更津第二中学校退職。4月1日木更津市青少年指導センター所長就任。
    2002年
      3月31日同所退職。

    木田繁『「いじめ」撲滅のための学校経営を目指す。』
    木田繁『「いじめ」撲滅のための学校経営を目指す。』

    コンプレックスの塊、克服して自分を認める方法とは?

    小牟禮昭憲(小説家)さんも、集団いじめの解決に難しさを感じている人の一人だ。加害者本人の心の余裕について語ってもらった。

    小牟禮昭憲(こむれ・あきのり)

    小説家。
    『終わりのない旅』の著者。
    【著書紹介】
    孤独は不安を呼び、不安は吐き気を誘い、吐き気は、完璧な絶望を与える……
    虚脱感と無力感が漂う鬱の時代。そんな時代に出会った大学生の京之介と万里子。二人は互いに病的な不安と焦燥を抱え、日々の苦悩に精神を蝕まれる。それでも互いに支え合いながら、細々と、懸命に生き、やっとの思いで希望を見出すのだが——
    ただただ、安息の地を求める若者たちの、もがき、苦しむ姿を描いた小説。

    小牟禮昭憲『終わりのない旅』
    小牟禮昭憲『終わりのない旅』

    他人から認められる人=自分を認められる人

    少子化の影響もあり、小中学校の学校数や生徒数は減少の傾向にある。学校だけでは限られた人とばかり顔を合わせていて、多様な人たちとのふれあいが足りない現状があると想像できる。会社経営者の永井一夫さんも、相手を認められる人になることが大切だと語る。

    永井一夫(ながい・かずお)

    会社経営者。
    『歌から生まれた不思議な不思議な国・日本: 若者に知ってほしい伝統と精神』の著者。
    【略歴】
    1930年
      大阪生まれ。
    1953年
      京都大学経済学部卒業。
    1957年
      コロンビア大学ビジネススクール卒業。マスター・オブ・サイエンス(MS)修十号取得。現在、永井織布株式会社代表取締役社長、(財)永井熊七記念財団理事長、(財)関西棋院副理事長

    永井一夫『歌から生まれた不思議な不思議な国・日本: 若者に知ってほしい伝統と精神』
    永井一夫『歌から生まれた不思議な不思議な国・日本: 若者に知ってほしい伝統と精神』

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    SOCIO(ソシオ)は、「あたらしい自分と社会をつくる」をコンセプトにしたウェブマガジンです。毎記事で1つのテーマを取り上げ、各界で活躍する作家が質問にお答えします。社会問題から人生のお悩みまで、さまざまな気になることを作家とともに考えていきます。SOCIOを通して、みなさまが未来について考える機会をお届けしたい。そんな想いで、発信してまいります。
    公式HP: https://www.socio22.com/
    Twitter: https://twitter.com/SOCIO_sns

    「あたらしい自分と社会をつくる」ための3つのメッセージ
    ① 多様性:多様性が求められる社会で、他人の主張を無視しない。
    ② 気づき:その中にある気づきを育み、自分だけの行動指針を生み出す。
    ③ 営む:ひとり一人の決断の連鎖で、社会をアップデートする。

    「あたらしい自分と社会をつくる」ための3つのメッセージ
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    ▼ 運営会社について

    株式会社22世紀アート

    「みんなを幸せにする出版社」を企業理念に掲げ、「出版とは、今、社会が必要とする情報を発信すること」という思いのもと、誰もが「本」に触れ、「本」を生み出し、「本」を愛する人になる。そんな文化インフラを作るために、20名のスタッフにより運営されています。

    代表者  : 向田翔一
    所在地  : 〒105-0003 東京都港区西新橋1-5-12 佐野ビル6F
    設立   : 2014年12月
    事業内容 : 書籍・電子書籍制作及び出版
    TEL   : 03-5941-9774
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