日経BPコンサルティング調べ「大学ブランド・イメージ調査 2018-2019」 (2018年8月実施)【九州・沖縄・山口編】　大学ブランド力トップ3は、九州大学、熊本大学、西南学院大学　「いま注目されている、旬である」に立命館アジア太平洋大学、「地域貢献」は鹿児島大学が首位

調査・報告

2018年11月28日 11:00

株式会社日経BPコンサルティング

株式会社日経BPコンサルティング(東京都港区)は、12年目になる「大学ブランド・イメージ調査 2018-2019」の結果をまとめ、2018年11月28日に調査報告書を発売しました(調査実施は2018年8月)。

全国9地域456大学について、各大学の認知やイメージなどを尋ねました。

【九州・沖縄・山口編(55校対象)】の大学ブランド力TOP3は九州大学、熊本大学、西南学院大学。前回からの上昇率では、同率第1位で長崎大学と西日本工業大学、第3位が福岡女学院大学となりました。

【調査結果のポイント】

■大学ブランド力(49のブランド・イメージ項目の得票率を束ねて算出した総合スコア)

・九州大学、熊本大学、西南学院大学がトップ3

・前回からの上昇率では、長崎大学、西日本工業大学が同率第1位

■その大学特有の魅力として

・「いま注目されている、旬である」は立命館アジア太平洋大学が第1位。2018年1月に学長に出口氏が就任、企業経営の経験を生かした大学運営に注目が集まっている

・「地域貢献」因子では、鹿児島大学が首位を獲得した

【調査結果データ】

■《大学ブランド力》トップ3は、九州大学、熊本大学、西南学院大学

九州・沖縄・山口編の55校における「大学ブランド力」第1位は、94.5ポイントを獲得した九州大学(表1)。第2位は熊本大学(69.0ポイント)、第3位には西南学院大学(63.1ポイント)が続いた。

前回と比較すると、大学ブランド力上昇第1位は同率で長崎大学と西日本工業大学がそれぞれ4.1ポイント伸ばした(表2)。第3位は福岡女学院大学で3.1ポイント伸ばした。

■《大学イメージ》「いま注目されている、旬である」は立命館アジア太平洋大学が第1位

大学に関する49項目のイメージについて、それぞれの大学の得票率を見ると、各大学特有の魅力が見えてくる(表3)。「今注目されている、旬である」の第1位は立命館アジア太平洋大学。2018年1月にライフネット生命保険株式会社創業者の出口治明氏が学長に就任し、企業経営の経験を生かした大学運営に注目が集まっている。調査期間直前には、同氏がリーダーを務める「APU企業部」(通称：出口塾)を開講し、将来、起業をしたい学生を支援する実践型課外プログラムを発足させた。なお、同大学は、「語学に長けている」「留学生の受け入れが活発」などグローバルなイメージ項目の評価に加えて、「他大学にはない魅力がある」「個性的である」でも第1位を獲得している。出口氏の就任が、新たなイメージの醸成に寄与することが期待される。

■《6因子分類》「地域貢献」のイメージが強い大学のトップは鹿児島大学

49項目のイメージを因子分析(※1)によって、関連性の高いイメージ群を6つの因子にグループ分けした(表4)。「地域貢献(※2)」因子のトップは、鹿児島大学で、この因子を構成する3つのイメージ項目のうち「地域産業に貢献している」では九州・沖縄・山口編55大学中第3位、「地域社会・文化に貢献している」では第1位を獲得した。

同大学は、以前より地域課題の解決や地域貢献意欲を持つ人材の育成に取り組んでいるが、平成28年度入学の新入生からは、鹿児島に関する特定の10分野の中から選択し、教員およびCOC事業の連携自治体職員も授業に参画し学ぶ「大学と地域」を必修科目として開始させている。自由意見からは、「地域に根差した個性的な大学」「鹿児島県独自の文化を体験できる」などの意見もあがっていることから、同大学の教育・研究の活動が地域に根差していることが伺える。

(※1)因子分析…多変量解析の分析手法の一つ。調査などから得られた観測変数(この場合、調査結果)が、どのような潜在的な変数(因子)から影響を受けているか探り出す手法。

本調査においては、49項目のイメージに対して、関連の強い項目を束ね合わせ、グルーピングする目的に利用した。

(※2)6因子…49項目のイメージを因子分析によって、「一流」「躍動感」「創造力」「グローバル」「地域貢献」「上品・誠実」に分類し、それぞれを構成するイメージ項目の獲得割合をまとめ偏差値化した。本リリースで紹介した「地域貢献」を構成するのは、「親しみが持てる」「地域産業に貢献している」「地域社会・文化に貢献している」の3つのイメージ項目である。

本調査では、大学ブランドを算出する49項目以外にも、大学の「認知率」や、口コミなどに影響される「入学推薦率」「採用意向率」などロイヤルティに関わる結果を客観的評価にまとめている。大学ブランドの浸透度合いに合わせた戦略的なコミュニケーション活動に、ぜひお役立ていただきたい。

「大学ブランド・イメージ調査 2018-2019」

【東日本編】【首都圏編】【北陸・東海編】【近畿編】【中国・四国編】【九州・沖縄・山口編】

全国の主要大学計456校(医科大学や体育大学、短期大学などは除外)の「大学ブランド力」算出を目的としたインターネット調査。

日経BPコンサルティングの提携先調査機関の調査モニターを中心に、同地域に居住し、仕事をしている方(ビジネスパーソン)や、中学生以上の子どもがいる父母、教育関連従事者に回答を依頼。「地域産業への貢献度」や「研究施設の充実度」、また学生の「語学力」や「コミュニケーション能力の高さ」など大学や学生へのブランド・イメージ49項目を測定。それらから大学ブランド力(偏差値)を算出してランキング化した。調査設計や分析にあたり、企業ブランドおよび製品／サービスブランドの調査で実績のある「ブランド・ジャパン」で培ったノウハウを活用。調査するイメージ項目を洗い出した。調査期間は2018年7月30日～8月27日、本リリースで結果を掲載したビジネスパーソンの有効回答数は、2,961件(九州・沖縄・山口編)。2018年11月28日に地域ごとの調査結果をリリース。

(本リリースのURL： https://consult.nikkeibp.co.jp/info/news/2018/1128ubj_6/ )

・表1