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武田科学振興財団、2018年度「武田医学賞」受賞者を発表 ~11月12日(月)ホテルオークラ東京にて贈呈式を開催~

公益財団法人 武田科学振興財団(理事長 飯澤 祐史、所在地:大阪市中央区)は、このほど2018年度「武田医学賞」を下記の2氏に贈呈することを決定しました。

受賞者には、賞状、賞牌・楯のほか1件につき1,500万円の副賞が贈呈されます。なお、贈呈式は、11月12日(月)午後6時よりホテルオークラ東京において行います。「武田医学賞」は、医学界で顕著な業績を挙げ、医学ならびに医療に優れた貢献を果たされた学者・研究者に贈呈されるもので、1954年に武田薬品工業株式会社の創業170周年記念事業の一つとして設けられ、1963年当財団の設立と同時に継承され今日に至っています。今年で62回目を迎える「武田医学賞」の受賞者総数は、本年度を含めて128名となります。



■祖父江 元 博士(そぶえ げん)

名古屋大学 特任教授(68歳)

受賞テーマ:運動ニューロン疾患の発症責任機序の同定とそれに基づく

      disease-modifying therapyの開発


■横山 茂之 博士(よこやま しげゆき)

理化学研究所 特別招聘研究員(65歳)

受賞テーマ:転写・翻訳の構造基盤の解明と応用



■祖父江 元 博士 略歴

学歴・職歴

1975年 3月 名古屋大学医学部 卒業

1977年 4月 名古屋大学大学院 医学研究科 入学

1981年 3月 同 修了(医学博士)

1975年 4月 名古屋第一赤十字病院臨床研修医

1981年 4月 名古屋大学医学部医員(医学部附属病院)

1981年 10月 愛知医科大学第四内科講師

1982年 7月 米国ペンシルベニア大学客員研究員

1990年 2月 愛知医科大学第四内科助教授

1995年 4月 名古屋大学医学部神経内科教授

2000年 4月 名古屋大学大学院医学研究科神経内科教授

2001年 11月 名古屋大学総長補佐

2002年 4月 名古屋大学大学院医学系研究科神経内科教授

2007年 4月 名古屋大学大学院医学系研究科副研究科長

2009年 4月 名古屋大学大学院医学系研究科長・医学部長

2015年 4月 名古屋大学大学院医学系研究科神経変性・認知症制御研究部

       特任教授、名古屋大学脳とこころの研究センター ディレクター


<受賞歴>

2005年 時実利彦記念賞

2007年 中日文化賞


<祖父江 元 博士 研究業績>

受賞テーマ:運動ニューロン疾患の発症責任機序の同定とそれに基づく

disease-modifying therapyの開発


研究業績:

球脊髄性筋萎縮症(SBMA)では、ポリグルタミン鎖の伸長した変異アンドロゲン受容体が運動ニューロン核内に蓄積・凝集している。この病態を反映する動物モデルを開発し、その解析から変異アンドロゲン受容体がテストステロン依存性に運動ニューロン核内へ蓄積・凝集することが、本症の発症・進展の本質的な病態発現機序であることを明らかにした。抗テストステロン薬のリュープロレリンがSBMAマウスモデルにおいて変異アンドロゲン受容体の核内蓄積・凝集を抑え、神経症状を抑制し、治療効果があることを明示した。

これをふまえて、ヒトSBMA患者にリュープロレリンの医師主導治験を行い、臨床所見・咽頭部バリウム残留率の改善と陰嚢皮膚細胞や運動ニューロン核内の変異アンドロゲン受容体の凝集がリュープロレリン投与によって減少・消失することを示した。さらに6~7年の長期投与により、運動機能の低下や誤嚥性肺炎を抑制し、死亡を回避できることを示した。この結果2017年にリュープロレリンがSBMAの進行抑制薬として承認された。

祖父江博士はさらにSBMAマウスモデルの解析を通して数多くの治療標的分子や治療シーズを見出している(HSPs、E3リガーゼ、TGF-β、CFLF-2、CGRPなど)。

一方、もう一つの運動ニューロン病である筋萎縮性側索硬化症(ALS)についても、神経変性の病態解明に資する新たなモデル動物の開発、治療標的分子としてのdynactin-1、dorfin、c-abl、titinなどを明らかにし、これらを分子標的とするdisease-modifying therapy開発の展開が進んでいる。

現在、神経変性疾患の治療は神経細胞が消失脱落した後に、そのニューロトランスミッターなどを補充する補充療法(パーキンソン病に対するLドーパ治療やアルツハイマー病に対するアセチルコリン治療など)が主体であるが、一連の祖父江博士の業績は神経変性疾患の神経変性病態そのものを抑止する治療が可能であることを世界に先駆けて示したものであり、高く評価できる。



■横山 茂之 博士 略歴

学歴・職歴

1975年 3月 東京大学理学部生物化学科卒業

1977年 3月 東京大学大学院理学研究科修士課程修了

1981年 3月 東京大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学

1981年 4月 日本学術振興会・奨励研究員

1981年 12月 理学博士取得(東京大学)

1982年 1月 東京大学理学部 助手  (生物化学教室)

1986年 7月 東京大学理学部 助教授 (生物化学教室)

1991年 8月 東京大学理学部 教授  (生物化学教室)

1993年 4月 東京大学大学院理学系研究科 教授 (生物化学専攻)

1993年 10月 理化学研究所 主任研究員 兼務

1996年 10月 科学技術振興事業団 総括責任者(横山情報分子プロジェクト) 兼務

1998年 10月 理化学研究所 ゲノム科学総合研究センター プロジェクトディレクター 兼務

2008年 4月 理化学研究所横浜研究所 領域長(生命分子システム基盤研究領域) 兼務

2010年 4月 理化学研究所横浜研究所 領域長(生命分子システム基盤研究領域)

2010年 5月 東京大学大学院理学系研究科 教授(構造生物学社会連携講座) 兼務

2013年 4月 理化学研究所 横山構造生物学研究室 上席研究員

2013年 6月 東京大学大学院理学系研究科 名誉教授

2018年 4月 理化学研究所 横山特別研究室 特別招聘研究員

2018年 4月 順天堂大学医学部生化学第一講座 客員教授


<受賞歴>

1987年  3月 日本化学会進歩賞

2011年 10月 米国芸術科学アカデミー外国人名誉会員

2014年  4月 文部科学大臣表彰科学技術賞

2015年  6月 第56回藤原賞

2015年 11月 平成27年度持田記念学術賞



■横山 茂之 博士 研究業績

受賞テーマ:転写・翻訳の構造基盤の解明と応用


研究業績:

横山 茂之 博士は、X線結晶構造解析を中核とする「構造生物学」研究を推進して、転写・翻訳の分子機構の体系的な解明に取り組み、世界に先駆けて数々の重要な発見を行った。特に、転写・翻訳における情報の流れの桁違いに高い正確性を基礎付ける分子機構(アミノアシルtRNA合成酵素によるアミノ酸とtRNAの厳密な識別機構、RNAポリメラーゼによる塩基の正確性のための動的な分子機構等)を解明するという大きな業績をあげた。ここで、高分子複合体の原子分解能での動的なメカニズムを解明した上で、人工的なアミノ酸を転写・翻訳過程に高い正確性で組み込むという独創的な「合成生物学」研究により、解明したメカニズムの普遍性を実証するとともに、基礎研究にも産業利用にも価値の高い応用(人工的アミノ酸のタンパク質への部位特異的導入、高難度タンパク質試料の無細胞合成等)を開拓した。さらに、これらの高い技術を活用して、医学的に重要な細胞膜受容体(上皮成長因子受容体、アディポネクチン受容体等)の構造生物学研究を推進し、大きな成果をあげている。



■FAQ

Q.武田医学賞は国際賞ですか

A.武田医学賞は日本人研究者を対象に贈呈しております。国際賞ではありません。


Q.武田医学賞の選考方法について

A.財団の理事・評議員等の推薦をもとに、選考委員会で審議・決定します。選考委員長は岸本 忠三先生(元大阪大学 総長)にお願いしています。その他の選考委員については非公表としております。


Q.武田医学賞の起源について

A.1954年:武田薬品工業株式会社の創業170周年記念事業の一つとして

     和敬翁(五代 武田 長兵衞氏)の発意を受け、

     六代武田長兵衞氏により武田医学賞の褒賞事業が始まる。

 1963年:武田科学振興財団設立

     武田医学賞を武田薬品工業株式会社から当財団に移管


Q.武田科学振興財団の財源について

A.1963年財団設立以来の武田薬品工業株式会社の寄附金、および1980年、武田 彰郎氏(当時武田薬品工業株式会社副社長)の遺志により寄贈を受けた同社株式の配当金が基盤になっています。当財団は同社株式の2.25%を保有する第5位の株主です(2018年3月末現在)。詳細につきましては武田科学振興財団ウェブサイトをご覧ください。

( https://www.takeda-sci.or.jp/ )

カテゴリ:
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社会(国内) 医療 ビジネス全般
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