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中部TLOと三井情報開発、産学連携事業として疾患診断ソフトウェアを販売開始

企業動向
2003年12月4日 09:30
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報道関係者各位
プレスリリース                      2003年12月4日
                         三井情報開発株式会社
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中部TLOと三井情報開発が産学連携事業の一環として、
        遺伝子発現データを用いた疾患診断ソフトウェアを販売開始
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財団法人名古屋産業科学研究所 中部TLO(所在地:名古屋市中区、理事長:
内藤明人)と三井情報開発株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:
鈴木浩一)は、遺伝子発現データを用いて疾患診断を行うソフトウェア
GeneFIS(Fuzzy Inference System;ジーンフィズ)を販売開始致しました。

昨今の国立研究機関、大学の独立行政法人化を迎え、これまでに蓄積された知
的財産を産学官の連携において有効に利用することが求められています。
三井情報開発では、バイオインフォマティクスの領域において、国内の研究者
が開発した数々のソフトウェアを産業利用するために製品化してきました。
1999年には東京農工大学(当時)の美宅研究室で開発された膜タンパク質判別ソ
フトウェアSOSuiを販売開始し、これまでに数十の機関で利用されています。
また、海洋科学技術センターから委託を受けて開発した微生物ゲノム解析シス
テムGenomeGamblerを2000年から販売開始、国内の営利、非営利機関による数
多くのゲノムプロジェクトで利用されています。

今回販売開始するGeneFISは、名古屋大学工学研究科 本多裕之助教授らによっ
て開発されたシステムです。
DNAマイクロアレイのデータは私たちに、患者個人の情報を教えてくれようと
していますが、1万を超える遺伝子発現データから疾患に関連のある遺伝子を
絞り込むことは困難です。GeneFISは、ファジイニューラルネットワークを用
いて、検体のマイクロアレイ解析結果(Affimetrix型、Stanford型、どちらも
解析可能)や病態に関するデータ(疾患の有無、予後の良し悪し、処方薬の効き、
など)から疾患や治療法に関連する原因遺伝子を自動的に絞り込み、高精度の
病態推定モデルを構築します。
さらに、ファジィ推論を使って、疾患や治療法に関連する因子がどのように組
み合わされると疾患がある、もしくは予後が悪いなどと推定されるかについて
のルールを、構築した推定モデルから抽出し、わかりやすく表示します。喫煙
や食生活などの個人情報もあわせて解析することもできます。

具体的には以下のような解析を行うことを想定しております。
・精度の高い、患者の病態推定モデルの構築
・疾患関連因子(遺伝子・個人情報)の絞込み
・疾患関連因子(遺伝子・個人情報)の組み合わせルールの抽出
・新規患者の病態予測(現在開発中)
・SNPsデータの解析(現在開発中)
これらの解析を行うことにより、マイクロアレイの解析結果から疾患に関する
重要な情報を効率よく抽出することが可能になります。

今回のGeneFISの販売は、大学発の技術の中部TLOによるライセンシング事業と
しての提案を受け、三井情報開発が販売事業を開始するものです。今後の展開
としてはGeneFISの販売に加え、GeneFISアルゴリズムの各種解析システムへの
搭載、臨床分野への応用など、幅広い技術活用を模索していく予定です。

三井情報開発では大学発のソフトウェアの商品化に加え、数々の国家プロジェ
クトにおける研究開発成果を、遺伝子発現解析システム(Genomic Profiler)、
検体提供者情報匿名化システム(SCTS21)、遺伝子ネットワーク同定支援システ
ム(VoyaGene)、SNP解析システム(波平)などとして発表してまいりました。
三井情報開発はバイオインフォマティクス企業の先駆者として、今後も研究所、
大学、TLO機関等と連携しながら、国内の研究者の産業応用を進めていきます。

※なお、GeneFisにつきましては、12月10日から神戸で開催される「日本分子
 生物学会年会」および12月14日から横浜で開催される「GIW2003」にて、デ
 モンストレーションが行われる予定です。

財団法人名古屋産業科学研究所 中部TLO:
中部TLOは大学等技術移転促進法の制定にともない、産学連携の公益財団法人
である名古屋産業科学研究所の一事業部として2000年に設立されました。東海
地区の国立大学を中心にした大学研究者の発明を技術移転することを主な業務
としており、これまでに160件の特許出願、44件の実施許諾実績を有しており
ます。

三井情報開発株式会社:
三井情報開発株式会社は、1967年に三井物産株式会社の情報システム部門から
分離独立して設立されました。最新のネットワーク技術を駆使した幅広いITソ
リューション事業、先端分野のセンサーであるシンクタンク事業に加え、成長
市場として注目されているバイオサイエンス事業においては1975年以来、調査、
研究開発、パッケージ販売において数多くの実績を有しております。2001年東
証二部上場。従業員数874人(内、バイオサイエンス事業57人。2003年3月末現在)。

参考文献
1.T. Ando, et al. : Fuzzy Neural Network Applied to Gene Expression
Profiling for Prognosis of Diffuse Large B-cell Lymphoma, Japanese
Journal of Cancer Research, 93, 1207-1212 (2002)
2.T. Ando, et al. : Selection of causal gene sets for lymphoma
prognostication from expression profiling and construction of
prognostic fuzzy neural network models, Journal of Bioscience and
Bioengineering, 96(2), 161-167 (2003)
3.T. Ando, et al. : Multiple fuzzy neural network system for outcome
prediction and classification of 220 lymphoma patients on the basis
of molecular profiling, Cancer Science, 94(10), 906-913 (2003)

クレジット
・GeneFIS(ジーンフィズ)の著作権は名古屋大学工学研究科 本多裕之助教授に
 帰属します。
・製品仕様は改良のため、予告なく変更することがあります。
・この文書に記載された製品名、会社名等は、各社の商標または登録商標です。


お問い合わせ:
三井情報開発株式会社 バイオサイエンス本部
プロダクトソリューション部
電話: 03-5304-7212 FAX: 03-3375-2870 E-MAIL: biosoft@hydra.mki.co.jp
〒164-8721 東京都中野区本町1丁目32番2号 ハーモニータワー21階
URL: http://bio.mki.co.jp/


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