広島大学、規格外農産物を活用した学生支援プロジェクトを始動 〜食と農の循環で地域と学生をつなぐ新たな取り組み〜

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    2025年11月19日 09:00

    国立大学法人広島大学(所在地:広島県東広島市鏡山1-3-2、学長:越智光夫)は、物価高騰の影響を受ける学生への食料支援と地域農業の活性化を両立させる「規格外農産物の配布による学生・地域応援プロジェクト」の実現に向けてクラウドファンディングを開始しました。このプロジェクトを通じて、主に広島県内の生産者から規格外農産物を仕入れ、食費や栄養面で課題を抱える学生に無料配布する取り組みを実施します。

    学生の経済的負担と地域農業の課題を同時解決

    長引く物価高騰は広島大学生の生活に深刻な影響を与えています。広島大学が実施した令和6年度学生生活実態調査報告書によると、「学費・生活費のため」にアルバイトをする学生の割合が2020年度の53.5%から65.7%へと大幅に増加。学生の中には一日一食で過ごす者や、十分な栄養が取れていない者も少なくありません。

    一方、国内の農業生産者は規格外農産物の活用という課題に直面しています。味や栄養価は通常品と変わらないにもかかわらず、見た目や大きさなどの理由で市場流通していない農産物は、生産量の約2割を占めるも言われています。
    本プロジェクトは、このような「十分な栄養が取れていない学生」と「流通していないだけの美味しい野菜・果物」という二つの課題を同時に解決することを目指します。

    本プロジェクトの実施に先立ち、2025年の9月と10月に試行した無料配布会では学生から高い評価を得ることができました。

    配布会の様子
    配布会の様子

    2025年9月実施時の様子

    2025年10月実施時の様子

    試行の取組みを地元のテレビ局に取材・放映いただきました。

    プロジェクトの特長と今後の展開

    生産者様とプロジェクトに参画する学生
    生産者様とプロジェクトに参画する学生

    本プロジェクトの特長は以下の通りです。

    1. 持続可能な支援モデル:単発の食料支援ではなく、年間を通じた継続的な支援を実現します。2026年4月から2027年3月までの1年間、東広島キャンパス内の福山通運小丸賑わいパビリオンを中心に、毎回300人規模の農産物無料配布を実施する予定です。
    1. 食育の促進:配布時には学生たちが手軽に調理できるよう、広島大学や本プロジェクトにゆかりのある方々監修のレシピ集も提供します。これにより、単なる食料支援を超えた食育の機会を創出します。
    1. 地域連携の強化:地元生産者との連携により、学生の農業体験や収穫アルバイトなども計画しています。これにより、若者の農業参画を促し、広島の農業活性化にも貢献します。

    このクラウドファンディングプロジェクト終了後も、企業協賛や加工食品メーカー等との連携を通じて、持続可能な学生支援の仕組みを構築していく方針です。将来的には学生有志による収穫・集荷アルバイトなども実施し、支援金に頼らない自立的な運営を目指します。

    プロジェクト概要

    • クラウドファンディングによる寄付募集
    • 目標金額:300万円
    • 資金使途:規格外農産物の仕入代金(農産物本体、集荷・運搬に係る人件費、消耗品費)
    • 提供場所:東広島キャンパス 福山通運小丸賑わいパビリオン(一部、霞キャンパスや東千田キャンパスでも実施予定)
    • スケジュール:2026年4月〜2027年3月の1年間、学生への無料配布を実施
    • クラウドファンディングURL:https://readyfor.jp/projects/HU_crops
    • 税制優遇:本プロジェクトへの寄付は、確定申告により税制上の優遇を受けることが可能

    国立大学法人広島大学 概要

    2025年、広島は被爆から80年の節目を迎えました。1949年に開学した広島大学は、理念の第一に「平和を希求する精神」を掲げて広島の復興とともに歩み、現在は101カ国・地域から2000人を超える留学生が集う国際性と多様性に富む国内有数の総合研究大学へと発展しています。 広島大学は今年、日本医療研究開発機構の「医学系研究支援プログラム・特色型」や文部科学省の「半導体人材育成拠点形成事業」などの大型助成事業に相次いで採択されました。こうした採択は教育・研究力の底上げにつながっており、Times Higher Education(THE)の「THE Awards Asia 2025」では日本で初めて10部門中2部門を同時受賞、また「THEインパクトランキング2025」でも国内2位にランクされるなど、国際的評価を高めています。本学はこれからも「100年後にも世界で光り輝く大学」を目指してまいります。

    本件に関するお問い合わせ先

    取材等をご希望の方は、お手数ですが下記問い合わせ先までご連絡をお願いいたします。

    国立大学法人広島大学基金室 木本
    TEL:082-424-4435
    E-Mail: soumu-koyu@office.hiroshima-u.ac.jp

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