難病医療推進センターが初セミナー実施、第1回のテーマはゲノム医療

    難病医療とゲノム医療の接点をテーマに大阪で開催

    調査・報告
    2025年9月9日 10:00

    医療法人医誠会(本社:大阪市北区、代表者:谷 幸治)は、2025年8月29日(金)に、難病医療推進センター第1回セミナーを大阪で開催しました。テーマは難病医療とゲノム医療の接点。大阪大学大学院 医学系研究科 保健学専攻 成育小児科学 准教授 山本 賢一 先生を講師に迎え、院内外の医師・看護師・薬剤師・リハビリスタッフ計15名が参加しました。進行は医誠会国際総合病院 難病医療推進センター センター長 大薗 恵一が務めました。(医誠会国際総合病院 難病医療推進センター、NPO法人未来プロセス、一般財団法人ホロニクス医学健康振興財団 共催)

    医療従事者の知識向上と患者支援体制の強化を視野にいれたセミナー

    日本における指定難病患者は少なくとも100万人以上と推計されており、診断や治療法の確立が困難な疾患が数多く存在します。近年、ゲノム解析技術の進展により、遺伝的背景に基づく診断精度の向上や治療最適化の可能性が広がっています。
    本セミナーは、医誠会国際総合病院の難病医療推進センターが主催し、医療従事者の知識向上と患者支援体制の強化を目的に開催しました。第1回となる今回は、講師の山本 賢一 准教授から難病診療とゲノム医療の接点に関する包括的な視点が提示されました。

    小児医療を含む臨床事例と浮き彫りになった課題

    講演では、希少・難治疾患におけるゲノム解析の有用性、ゲノム医療の知見・事例が示され、特に小児領域での実践例、早期診断の意義、遺伝カウンセリングの重要性が強調されました。あわせて確定診断までの期間(診断ラグ)が長期化している課題共有、遺伝学的検査の進展・充実、保険適用の拡大など臨床にも役立つ情報、認定遺伝カウンセラーの不足、人材育成の必要性の課題が明確化されました。

    症例から学ぶ検査選択の重要性と遺伝カウンセリングの必要性、今後の展望

    骨系統疾患や病的バリアント(病気の発症しやすさと明確に関係があることが分かっている遺伝子の変化)、遺伝学的検査の事例など、臨床現場に根差した経験が共有されました。
    染色体検査とマイクロアレイ染色体検査の併用など、適切な遺伝学的検査が重要であること、一方的な遺伝医学的情報提供だけにならないように遺伝カウンセリングが不可欠であることが確認されました。
    今回のセミナーは難病医療推進センターセミナーシリーズの第1回として位置づけられ、今後も年3回程度の開催を予定しています。
    難病医療推進センター活動の最新情報、取材に関する問い合わせは本リリース末尾の広報窓口まで。

    座長を務めた大薗 恵一 医師は11月24日、市民公開医学講座 第25回健康フォーラム「未来医療への挑戦 LIFEいのち、医療が奏でるストーリー」に出演し、診療現場で感じるいのちの瞬間を語ります。

    医療法人医誠会

    医療法人医誠会は1979年に大阪市で創立され、ホロニクスグループとして大阪を中心に全国で病院、クリニック、介護老人保健施設などを運営しています。医誠会国際総合病院は46診療科、総職員数1,971名の体制※で、低侵襲治療、先進・先制医療、医療DX、本格的タスクシフト・タスクシェア、中央管制システム導入に取り組み、先進的かつ国際標準の総合病院を目指しています。
    地域医療に貢献するとともに、2024年12月にはJCI認証を取得、国際医療ツーリズムにも挑戦します。また、救急医療では、24時間365日の体制で3次救急を目指して救急医療を提供、必要に応じて各診療科が支援する救急医療体制をとっています。救急車6台(ドクターカー4台・救急車2台)、医師9名、看護師30名、救急救命士25名で、「断らない救急」「待たせない救急」をスローガンに、様々な救急患者さんを受入れ、重症度によって医師・看護師が同乗する救急救命士3名体制の医誠会無料救急搬送を行い、広域医療に取り組んでいます。※ 2025年4月現在

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