【どこでもマンション鑑定団】Vol.17 “ 住みたい人気の街 ” ランキング上位の『台東区』|property technologies

2025年(令和7年)9月16日、国土交通省は全国2万1441地点を対象に7月1日時点の価格を調べた基準地価(価格)を公表しました。全国の住宅地・商業地を含む全用途平均で前年比1.5%上昇し、4年連続の上昇となりました。
詳細は、「令和7年 都道府県地価調査の概要」をご参照ください。
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_fr4_000044.html
本企画【どこでもマンション鑑定団】では、基準地価(価格)の変動が見られた各エリアについて、『KAITRY(カイトリー)』エンジンのデータを活用し、基準地周辺(今回は東京都台東区谷中)の「マンション一般市場価格/直近5年」の事例調査をしていきます。
【調査条件】
※エリア:基準地価(価格)の変動率が高かった東京都内の基準地(台東-3)周辺のマンション
※築年数:築10年~19年、築20年~29年、築30年~45年のマンション
※広さ:専有面積70㎡
※間取り: 3LDK
※階数:3階
※価格データについて:方位、角部屋、階数、室内コンディション、売主属性(不動産業者・法人・個人)などの価格変動要因を排除し、画一的な条件下で価格を抽出しています
※対象査定年月:2021年7月1日/2022年7月1日/2023年7月1日/2024年7月1日/2025年7月1日
※株式会社property technologies PropTech戦略部 ビッグデータ活用
1. 住宅地は全国平均で1.0%上昇
住宅地は全国平均で1.0%上がっています。また、東京、大阪、名古屋の3大都市圏は平均3.2%上昇しています。東京23区全体では、+8.3%で、23区全てで上昇幅が拡大しました。住宅需要は堅調であり、とりわけ都心区及びこれに隣接する利便性や住環境に優れた区では、マンション・戸建住宅とも需要が旺盛で、上昇幅が拡大しました。
その中で、東京23区内の台東区谷中(基準地「台東-3」)では、上昇率が14.8%でした。
【図1:基準地「台東-3」】

※引用元:都道府県地価調査データ
今回は、基準地(台東-3)周辺の下記エリア内のマンション事例①(築10年~19年)、マンション事例②(築20年~29年)、マンション事例③(築30年~45年)を対象に、過去5年の一般市場価格を抽出します。
【図2:抽出エリア(東京都台東区谷中)】

※出典:国土地理院ウェブサイト(https://maps.gsi.go.jp/)
「地理院地図」(国土地理院)(https://maps.gsi.go.jp/)をもとに当社作成
基準地価(価格)に関する詳しい記事はこちら
2.台東区って、こんな街
東京の東に位置し、23区で最も小さな面積の「台東区」。しかし、この小さな区画に凝縮された歴史と文化の深淵さは、計り知れないものがあります。台東区は単なる観光地ではなく、江戸の「粋」と明治の「開化」、そして現代の「革新」が交錯する特別な場所です。
この街を支える地域の絆について紐解いていきましょう。
「本物」に出会える、時空を超えた旅
台東区のキャッチコピーは「本物に会えるまち」。この言葉に偽りはありません。 江戸時代から庶民文化の中心地として栄えた浅草エリア。雷門をくぐり、仲見世通りを歩けば、そこには数百年続く賑わいがあります。一方で、上野の山へ足を向ければ、そこは明治以降の「文化の杜」。上野恩賜公園を中心に、国立博物館や美術館が立ち並び、世界的な芸術と対峙できる空間が広がっています。 この「動」の浅草と「静」の上野、二つの巨大な個性が共存していることこそ、台東区の最大の強みと言えるでしょう。
11の地区が織りなす、強固な地域の絆
華やかな観光地の顔の裏側には、しっかりと根付いた人々の暮らしがあります。台東区は行政上、以下の11の地区に分けられています。
竹町、東上野、上野、入谷、金杉、谷中、浅草橋、浅草寿、雷門、馬道、清川
これら11地区の中には、さらに198もの町会が存在します。この細やかな区分けこそが、台東区の「人情」の正体です。 三社祭や鳥越祭で見られるような熱狂的な団結力は、こうした日々の町会活動や顔の見える関係性から生まれています。困ったときはお互い様、という下町の精神(スピリット)は、現代の希薄になりがちな人間関係の中で、より一層の輝きを放っています。
懐かしさと新しさが同居する街並み
台東区の魅力は、ステレオタイプな「下町」だけにとどまりません。谷中エリアは、戦災を免れた古い寺院や路地が残り、散策するだけでノスタルジーに浸れる場所です。 対照的に、近年急速に注目を集めているのが浅草橋・蔵前エリアです。かつての問屋街や倉庫街が、若いクリエイターたちの手によってリノベーションされ、「東京のブルックリン」とも呼ばれるおしゃれなカフェや雑貨店へと変貌を遂げています。伝統的な「モノづくり」の魂を受け継ぎながら、新しい感性が芽吹いているのです。
五感で味わう台東区
食もまた、この街の「本物」の一つ。江戸前寿司、天ぷらはもちろん、ドジョウ料理やすき焼きといった、ハレの日のご馳走から庶民の味まで、老舗の暖簾が今も守られています。
歴史の重みを感じながらも、決して古臭くはない。住む人々の息遣いと、訪れる人々の高揚感が交差する街、台東区。 一度足を踏み入れれば、その奥深い魅力の虜になることは間違いありません。
※引用元:台東区内11地区の紹介
https://www.city.taito.lg.jp/kurashi/kyodo/tyoukai/11tiku/index.html
※引用元:TAITOおでかけナビ (台東区公式観光情報サイト)
https://t-navi.city.taito.lg.jp/features/about
3.台東区の地価動向をマンション価格で見てみると・・・
まずは、マンション事例①(築10年~19年、以下Aマンション)について、
該当エリア内に位置するマンションを選定し、調査条件を満たすお部屋の一般市場価格(2021年/2022年/2023年/2024年/2025年)を『KAITRY』エンジンで抽出してみます。
【図3】調査対象 Aマンション(70㎡/3LDK/3階/2012年築)

※マンションの特定に至らないよう、物件の詳細は伏せています
Aマンションの一般市場価格・坪単価の推移は上記【図3】の通りです。
2021年は6,910 万円(坪単価:約326万円 (以下 @326万円) )でしたが、翌2022年は7,480万円(@353万円)と上昇、2023年は7,610万円(@359万円)と微増にとどまりましたが、2024年は8,360万円(@394万円)と大きく上昇、2025年は8,570万円(@404万円)と堅調に推移していることがわかります。
つぎは、マンション事例②(築20年~29年、以下Bマンション)について、
該当エリア内に位置するマンションを選定し、調査条件を満たすお部屋の一般市場価格(2021年/2022年/2023年/2024年/2025年)を『KAITRY』エンジンで抽出してみます。
【図4】調査対象 Bマンション(70㎡/3LDK/3階/2000年築)

※マンションの特定に至らないよう、物件の詳細は伏せています
Bマンションの一般市場価格・坪単価の推移は上記【図4】の通りです。
2021年は6,480 万円(@306万円)でしたが、翌2022年は7,010万円(@331万円)と上昇、2023年は7,180万円(@339万円)と微増にとどまりましたが、2024年は7,870万円(@371万円)と大きく上昇、2025年は8,080万円(@381万円)と堅調に推移していることがわかります。
さいごに、マンション事例③(築30年~45年、以下Cマンション)について、
該当エリア内に位置するマンションを選定し、調査条件を満たすお部屋の一般市場価格(2021年/2022年/2023年/2024年/2025年)を『KAITRY』エンジンで抽出してみます。
【図5】調査対象 Cマンション(70㎡/3LDK/3階/1988年築)

※マンションの特定に至らないよう、物件の詳細は伏せています
Cマンションの一般市場価格・坪単価の推移は上記【図5】の通りです。
2021年は5,360万円(@253万円)でしたが、翌2022年は5,840万円(@275万円)と上昇、2023年は5,990万円(@282万円)と微増にとどまりましたが、2024年は6,600万円(@311万円)と大きく上昇、2025年は6,770万円(@319万円)と堅調に推移していることがわかります。
基準地価(価格)とマンション価格
今回、「Aマンション(築13年)」「Bマンション(築25年)」「Cマンション(築37年)」のマンション一般市場価格を「KAITRY(カイトリー)」エンジンを使って過去5年に遡って調査しましたが、基準地価(価格)同様、マンション価格も上昇している結果となりました。2021年の坪単価と2025年の坪単価を比較しますと、5年間で24~27%の上昇が見られます。中古マンション価格は、新築マンションの価格上昇や、低金利による需要増、建設費の高騰など、さまざまな要因が絡み合って上昇していると考えられます。
🎯ワンポイント
マンション購入を検討するとき、みなさんは何を基準に「高い」「安い」を判断されているでしょうか?多くの方は価格や間取りなどで比較しているかもしれませんが、不動産のプロはもっと正確な指標を使っています。
不動産のプロが物件価値を見極める際に活用しているのが「坪単価」や「㎡単価」です。この指標を使えば、マンションを公平に比較することができます。
坪単価の基礎知識
「坪」の定義:1坪 = 約3.3㎡
坪単価の算出方法:マンション価格 ÷ 専有面積
具体的な計算例
たとえば、8,000万円の70㎡のマンションの場合:
8,000万円 ÷ 70㎡ = 約114.2万円/㎡
114.2万円/㎡ × 3.3 = 約376.8万円/坪
単価で比較すると、以下のような利点があります:
▶広さの異なるマンション同士でも公平に比較できる
▶エリア相場から見た割高・割安が一目瞭然
▶リノベーションや売却時の参考指標になる
マンションを検討(売却・購入)する際は、所有しているマンションや気になっているマンションの坪単価や㎡単価を必ず計算してみましょう。同じエリアの似た条件の物件と比較することで、そのマンションが適正価格かどうか判断できるようになります。

気になっている人は、『KAITRY』で簡単に価格がわかる
今回は東京都台東区に焦点を当てまして、「マンション一般市場価格」を見てきました。
本記事を読まれまして、マンション価格の変動(推移)に驚かれた方もいらっしゃれば、現在マンションにお住いの方であれば、”わたしの地域だと、どうなのだろう”と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
もし、ご所有のマンション価格を調べたい場合は、
AI査定プラットフォーム『KAITRY』を利用してみてみましょう。
マンション名を入力し、
① 広さ (例えば 65㎡)
② 間取り (例えば 3LDK)
③ 階数 (例えば 4階)
を入力すると最短5秒で買取参考価格(※)が表示されます。
※査定結果は、AIによる参考価格となります。
昨今の不動産価格変動の影響により、売却価格が上下する可能性がございます。
正式な価格は現地での訪問査定実施後に確定しますのでご了承ください。
『KAITRY』は、「住み替えを、もっと気軽に。もっと楽しく。」をコンセプトとした日本最大級のiBuyer(アイバイヤー)プラットフォームです。
ユーザーは、最短5秒のAI査定によって、PC(パソコン)やスマホ、タブレットなどでいつでもどこでも自身のマンションがいくらで売却できるかを確認できます。売却依頼から最短3日で現金化も可能です。
(編集・執筆/property technologies 永江 直人)
適用に際しての具体的な注意点
・上記は令和7年9月末時点の適用法令・通達等に基づき記載しております。
・上記事例等は一例であり実際に適用する場合にはご自身が適用要件を満たしているか専門家等にご確認の上適切にご対応頂きますようお願い致します。
・本記事の記載内容にあてはめて適用することを保証するものではありませんのでご留意願います。
株式会社property technologies(プロパティ・テクノロジーズ)について
「UNLOCK YOUR POSSIBILITIES. ~テクノロジーで人生の可能性を解き放つ~」というミッションを掲げています。年間36,000件超の不動産価格査定実績やグループ累計約13,500戸の不動産販売で培ったリアルな取引データ・ノウハウを背景に、「リアル(住まい)×テクノロジー」で実現する「誰もが」「いつでも」「何度でも」「気軽に」住み替えることができる未来に向け、手軽でお客様にとって利便性の高い不動産取引を提供しています。
<会社概要>
会社名:株式会社property technologies
代表者:代表取締役社長 濱中 雄大
URL:https://pptc.co.jp/
本社:東京都渋谷区本町3-12-1 住友不動産西新宿ビル6号館12階
設立:2020年11月16日
上場:東京証券取引所グロース市場(5527)
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