ストレンジック(R)(アスホターゼ アルファ)が低ホスファタ...

ストレンジック(R)(アスホターゼ アルファ)が 低ホスファターゼ症(HPP)治療薬として日本で世界初の製造販売承認を取得

― 生命を脅かす代謝性超希少疾患、 日本のHPP患者さんにとって初めての治療薬として世界に先駆けて承認 ―

 アレクシオン・ファーマスーティカルズ(米国コネチカット州チェシャー)が発表しましたプレスリリースの日本語訳です(大阪大学大学院医学系研究科 小児科教授 大薗先生、低フォスファターゼ症の会 代表 原氏のご発言を除く)。

 コネチカット州チェシャー、マサチューセッツ州レキシントン -- アレクシオン・ファーマスーティカルズ(Nasdaq:ALXN)は、日本の厚生労働省が、生命を脅かす極めて稀な代謝性疾患である低ホスファターゼ症(HPP)の患者さんに対する治療薬として、ストレンジック(R)(アスホターゼ アルファ)の使用に関する新薬承認申請(NDA)を承認したことを2015年7月6日に発表しました。骨を標的とした酵素補充療法であるストレンジック(R)は、HPPの治療薬として世界に先駆けて日本で初めて承認されました。アレクシオンは、日本で最初のストレンジック(R)の市販品によるHPP患者の治療が、第3四半期後半までには開始されると見込んでいます。

 アレクシオンの最高経営責任者であるデビッド・ハラールは、次のように述べています。「日本でストレンジック(R)の新薬承認申請がこのように迅速に承認されたことは、HPPの病態が深刻であること、さらに、ストレンジック(R)が日本のHPP患者さんの生活を一変させる効果を発揮すると期待されていることの証左と言えます。当社は、今回の日本での承認によってHPP患者さんにとって初の治療選択肢が実現したことをうれしく思います。規制当局と協力し、病状の改善が見込まれる日本の患者さんに対してストレンジック(R)を速やかにお届けできることを心待ちにしております。また、治験にご参加くださった先生方、患者さんやそのご家族の皆さまにご協力頂けたことで、この製造販売承認を取得できましたことを心から感謝申し上げます。」

 HPPは、複数の身体器官に深刻な影響をもたらす遺伝性、進行性、および代謝性の超希少疾患であり、消耗性または致死的な合併症を引き起こします。骨石灰化不全を特徴とし、骨の変形等の骨格異常のほか、重篤な筋力低下、けいれん発作、疼痛、および呼吸不全などの全身性合併症を生じ、乳児では早期死亡に至ることもあります(参考文献1-5)。添付文書に記載のとおり、カプラン・マイヤー分析の推定では、ストレンジック(R)を投与した乳児のHPP患者さんの全生存率は168週目で84%を示しました。

 大阪大学大学院医学系研究科 小児科の大薗教授は次のようにお話されています。「低ホスファターゼ症は極めて稀な代謝性骨疾患であり、臨床症状が多彩なため診断に困難な場合もあります。私たちは、早くからこの疾患の診療、研究に取り組み、病型の確立、診断基準の作成などを行ってきました。従来、本症に対する根本的な治療はなく、本症の診断後の診療には苦労がありました。特に致死的な周産期重症型および乳児期型の患者さんの治療においての苦慮は大きなものでした。今回、本症に対して、ストレンジックが開発され、企業治験および医師主導治験により製造販売承認されることは大きな喜びといえます。新生児から成人までを含む患者さんのご協力および多くの医師の努力により、日本人での安全性や有効性について貴重なデータを収集することができました。これにより、製造販売承認に至りましたことに関して、心から感謝いたします。今後は、本剤の使用を含めた、診療のガイドラインの作成に尽力したいと考えています。」

 日本の低フォスファターゼ症の会の代表、原氏は次のようにお話しています。「低ホスファターゼ症の治療薬を長く待ち続けてきた日本の患者やその家族にとって、本日のアスホターゼ アルファの承認は大きな転換点となります。アスホターゼ アルファの承認は、これまでただ苦しむこと、それを見守ることしかできなかった患者や家族そして支えて頂いてきた医療関係者の笑顔を取り戻す大きな希望となります。」


 アレクシオンは、米国食品医薬品局に対してストレンジック(R)の生物製剤認可申請を提出し、優先審査対象として受理されています。また、欧州においては、医薬品委員会(CHMP)から小児期発症HPP患者さんを対象としたストレンジック(R)の販売承認勧告を取得しました。米国および欧州における規制当局による決定は2015年下期に行われる見込みです。


■臨床データ
 日本でのストレンジック(R)の承認は、日本の患者も参加した1本を含む3本のピボタル試験であるプロスペクティブ試験とそれらの延長試験、乳児を対象とした1本のレトロスペクティブな自然経過観察試験、および1本の医師主導試験から得た臨床データに基づいています。ピボタル試験は、日本の患者5例を含む、乳児期発症および若年期発症HPP患者合計71例を対象に行われました(生後1日から65歳まで)。これらの試験でストレンジック(R)の効果を、X線画像でくる病の重症度を評価するRadiographic Global Impression of Change(RGI-C)を用いて評価したところ、乳児期発症HPP(登録時の年齢が5歳以下)患者においてストレンジック(R)が骨石灰化の迅速かつ持続的な改善をもたらすことが示されました。さらに、カプラン・マイヤー分析では、ストレンジック(R)を投与した乳児のHPP患者における168週時点の推定全生存率は84%でした。ストレンジック(R)を投与した若年期発症HPP患者では、自然経過データベースから抽出した対照群のHPP患者と比較して、優れた骨の健康改善を達成するとともに、歩行、身体機能、および成長の改善も認められました。

 臨床試験において、ストレンジック(R)投与に伴い発現した有害事象で頻度の高かったものは、注射部位反応および投与時反応でした。これらの有害事象の大部分は、重症度が軽度から中等度でした。重篤な投与時反応が患者2例で認められました。1例は乳児期発症HPP患者で、発熱および悪寒が報告されました。もう1例は若年期発症HPP患者で、口唇のしびれ感、下肢痛、悪寒、および頭痛が報告されました。いずれの患者もストレンジック(R)投与の中止には至りませんでした。


■低ホスファターゼ症(HPP)について
 低ホスファターゼ症(HPP)は、骨石灰化不全を特徴とする、極めて稀な慢性進行性の遺伝性代謝性疾患であり、骨の破壊や変形、重篤な筋力低下、けいれん発作、呼吸不全を引き起こすことや、早期死亡をもたらすことがあります(参考文献1-5)。

 HPPは、組織非特異型アルカリホスファターゼ(TNSALP)と呼ばれる酵素の遺伝子コードの変異が原因で発症します(参考文献1-2)。HPPにおける遺伝子異常はあらゆる年齢層の患者さんに影響を及ぼします1。HPPは発症時の年齢によって分類され、乳児期発症および若年期発症HPPは18歳未満で発症した場合と定義されます。

 HPPは、年齢を問わず、患者さんに深刻な影響を及ぼす可能性があります(参考文献1)。自然経過観察試験によると、生後6ヵ月以内にHPPを発症した乳児の死亡率は高く、5歳時の全死亡率は73%と報告されています(参考文献6)。このような患者さんの死亡原因は主として呼吸不全です(参考文献1、5、7)。青年期および成人期まで生存した患者さんの場合、長期的な臨床的続発症には、再発性および治癒しない骨折、深刻な筋力低下、重度の疼痛、ならびに車椅子、歩行器および杖などの歩行補助器が必要とされる運動機能の障害などがあります(参考文献1、4)。


■ストレンジック(R)(アスホターゼ アルファ)について
 ストレンジック(R)(アスホターゼ アルファ)は、HPPの根本的な原因であるアルカリホスファターゼ(ALP)の欠損を解消すべくデザインされた、骨を標的とした画期的新薬(ファースト・イン・クラス)の酵素補充療法です。ストレンジック(R)による治療は、欠乏したALPの補充を通じて酵素基質濃度上昇と骨の石灰化障害を改善し、それにより重篤な骨格および全身性の重篤な病態と早期死亡を予防することを目標としています。

 ストレンジック(R)は、米国食品医薬品局(FDA)、欧州医薬品庁(EMA)、日本の厚生労働省から希少疾病用医薬品指定を取得しています。アレクシオンは、FDAに対してストレンジック(R)の生物製剤認可申請を提出し、優先審査対象として受理されています。また、欧州においてもストレンジック(R)の販売承認申請を提出し、現在、審査を受けています。


■アレクシオンについて
 アレクシオンは、重篤な希少疾患を抱える患者さんの生活を一変させる治療薬の開発と商品化に注力するグローバルなバイオ製薬企業です。アレクシオンは、致命的な2つの超希少疾患である発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)および非定型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の治療薬として初めてかつ唯一承認されている補体阻害薬ソリリス(R)(エクリズマブ)を開発し、販売しています。また、アレクシオンは、開発後期段階の2品目の治療薬である、低ホスファターゼ症(HPP)に対するストレンジック(TM)(アスホターゼ アルファ)およびリソソーム酸リパーゼ欠損症(LAL-D)に対するKanuma(TM)(セベリパーゼアルファ)の開発によって、最先端のグローバルな代謝性希少疾患フランチャイズも構築しています。さらに、アレクシオンは、複数の治療領域にわたる極めて革新的な製品候補を擁し、バイオテクノロジー業界において最も強固な希少疾患パイプラインを進展させています。補体阻害領域におけるグローバルリーダーとして、その他の重篤な超希少疾患領域におけるソリリスの潜在的適応の評価など、広範なプラットフォーム全体において補体阻害薬ポートフォリオの強化と拡大をアレクシオンは進めています。本プレスリリースとアレクシオンに関する詳細については http://www.alexion.com (英語サイト)をご覧ください。


■セーフハーバーに関する記述について
 本プレスリリースには、低ホスファターゼ症(HPP)に対するストレンジック(R)(アスホターゼ アルファ)の潜在的な医学的ベネフィットに関する記述など、将来予測に関する記述が含まれています。将来予測に関する記述は、諸要因による影響を受け、これらの要因により将来予測に関する記述がアレクシオンの結果および計画と異なる可能性があります。これらの要因として、HPPの治療薬としてのストレンジック(R)の上市に関する販売承認または重大な制限に関する規制当局の決定、十分な製造能力の手配と商業インフラの確立の遅れ、臨床試験の結果からより広く多様な患者集団でのストレンジック(R)の安全性と有効性に関する結果が予測できない可能性、第三者の支払者(政府機関など)がストレンジック(R)の使用に対して(承認された場合)容認できる比率で償還金を支払わないかまったく支払わないリスク、ストレンジック(R)を使用する患者数の推定とストレンジック(R)を使用した患者の疾病の自然史に関する所見が不正確なリスク、ならびに米国証券取引委員会にアレクシオンが提出した報告書の中で適時記載したさまざまなリスクなどがあります。このリスクにはアレクシオンの2015年3月31日を末日とするForm 10-Q四半期報告書に記載したリスクを含みますが、これらに限定されません。アレクシオンは、法律に基づき義務が生じた場合を除き、この将来予測に関する記述を見直し、本プレスリリースの発表日後に発生した事象または状況を反映する予定はありません。


■参考文献
1.Rockman-Greenberg C. Hypophosphatasia. Pediatr Endocrinol Rev. 2013; 10(suppl 2):380-388.

2.Whyte MP. Hypophosphatasia: nature’s window on alkaline phosphatase function in humans. In: Bilezikian JP, Raisz LG, Martin TJ, eds. Principles of Bone Biology. Vol 1. 3rd ed. San Diego, CA: Academic Press; 2008:1573-1598.

3.Whyte MP, Greenberg CR, Salman N, et al. Enzyme-replacement therapy in life-threatening hypophosphatasia. N Engl J Med. 2012; 366(10):904-913.

4.Seshia SS, Derbyshire G, Haworth JC, Hoogstraten J. Myopathy with hypophosphatasia. Arch Dis Child. 1990; 65(1):130-131.

5.Baumgartner-Sigl S, Haberlandt E, Mumm S, et al. Pyridoxine-responsive seizures as the first symptom of infantile hypophosphatasia caused by two novel missense mutations (c.677T > C, p.M226T; c.1112C > T, p.T371I) of the tissue-nonspecific alkaline phosphatase gene. Bone. 2007; 40(6):1655-1661.

6.Whyte MP, Leung E, Wilcox W, et al. Hypophosphatasia: a retrospective natural history study of the severe perinatal and infantile forms. Poster presented at the 2014 Pediatric Academic Societies and Asian Society for Pediatric Research Joint Meeting, Vancouver, B.C., Canada, May 5, 2014. Abstract 752416.

7.Whyte MP, Rockman-Greenberg C, Hofmann C, et al. Improved survival with asfotase alfa treatment in pediatric patients with hypophosphatasia at high risk of death. Poster presented at the American Society for Bone and Mineral Research (ASBMR) 2014 Annual

8.Meeting, Houston, September 14, 2014. Abstract 1097.


■Contact
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Media
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