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    株式会社日本能率協会総合研究所

    品質改善課題がある職場では、品質不正の発生・懸念が約3倍に  「経営層の姿勢」が改善を阻み、 現場との「品質経営浸透ギャップ」が露わに

    調査・報告
    2026年7月13日 09:00

    株式会社日本能率協会総合研究所(代表取締役社長:譲原 正昭、以下 JMAR)は、製造業上場企業の生産・製造・開発・営業現場で働く従業員1,200人を対象に、「第4回 従業員の品質意識」アンケート調査を実施しました。


    その結果、現在「職場に品質上の改善課題がある」と管理職が認識している場合は、過去に「品質不正の発生・懸念」や「内部通報経験・意向」があったケースが、改善課題が「ない」場合と比べて、ともに約 3 倍に達していることが明らかになりました。つまり、重要な課題が残存している可能性があると考えられます。同時に、改善が進まない背景には管理職の4割が挙げた「経営層の姿勢」の影響があり、品質を重視する経営層のメッセージは必ずしも現場に届いていない可能性が示唆されました。今回、当社はこの現場と経営層の認識のズレを「品質経営浸透ギャップ」と名付け、今後も継続して注目していきます。(第4回「従業員の品質意識」アンケート調査 無料レポート https://jmar-im.com/column_qm/qm05/ )



    <調査結果のポイント>

    取り残されている品質改善課題が、今後の品質不正につながる可能性

    1.管理職の3/4は「職場の品質改善課題」を認識。その際の「品質不正の発生・懸念」「内部通報経験・意向」は約3倍

    2.職場に品質改善課題があっても、4割強は取り組みが困難

    改善が進まない背景に「経営層の姿勢」

    3.改善が進まぬ理由は、職場の関心、時間、知識・技能、施策立案力等の不足と職場内外の協力不足

    4.管理職の4割が、改善を阻む一番の要因に「経営層の姿勢」に関連する経験を挙げる

    5.自由回答でも、「品質に関する考え・優先順位」のズレ等、経営層に関連する言及が目立つ

    エンゲージメントにもつながる自社の品質は、経営課題として扱う必要あり

    6.品質問題発生への懸念は従業員の誇りや会社の将来認識に影響しており、品質は経営課題として位置づけを



    <調査結果についてのコメント>

    部長から一般社員にわたる現場従業員に広く尋ねた今回の調査結果から、製造業の現場に重要な品質課題の改善取り組みが滞っている可能性や、そこには従業員が感じた「経営層の姿勢」が影響していることがうかがえました。また、自社の品質は従業員のエンゲージメントへの影響も見られ、現場任せにせずに経営層が重要な経営課題と位置づけて取り組むことが必要と考えられます。

    なお、従業員は経営層の「実際の姿勢」ではなく、「経験を通じて感じた姿勢」に影響を受けており、両者にギャップがある場合、不要な誤解から改善を停滞させぬよう努めることは必要です。現場の改善意欲と尽力は前提としつつも、経営層や品質保証部門の支援・協力があれば改善速度が増す可能性もうかがえ、経営層が現場の品質改善活動を支援・協力する姿勢を日頃の言動や施策で示していくことが重要となります。

    今回の結果を通じて、現場で働く従業員の認識も適切に捉えて経営層とのズレを認識した上で、自社に適した対策が行われ、改善が進むことにつながれば幸いです。その結果、多くの日本企業により良い形で品質文化が根づいていくことを期待しています。



    <調査概要>

    調査名称 : 第4回「従業員の品質意識」アンケート調査

           (無料レポート https://jmar-im.com/column_qm/qm05/ )

    調査対象 : 製造業の上場企業で生産・製造、開発、営業のいずれかの部門に

           勤務する部長~一般社員1200人

    調査期間 : 2026年6月2日~6月3日

    調査方法 : インターネット調査

    企画・実施: 株式会社日本能率協会総合研究所(JMAR)



    <調査結果>

    1.管理職の3/4は「職場の品質改善課題」を認識。その際の「品質不正の発生・懸念」「内部通報経験・意向」は約3倍

    ・上場企業の生産・製造や開発、営業部門の管理職の3/4が、求められる品質を実現するために職場に改善すべき点があると認識している。

    ・職場に品質改善課題が「ある」場合は、最近 5 年間に「品質不正が発生、または発生懸念がある」人や「内部通報した、またはしたいと思った」人はともに管理職の約 1/3 にのぼり、品質改善課題が「ない」場合の約3倍である。


    品質改善課題と不正・通報

    品質改善課題と不正・通報


    2.職場に品質改善課題があっても、4割強は取り組みが困難

    ・職場の品質改善課題への取り組みは、「うまく進んでいない」「取り組んでいない/やめてしまった」が合計4割強。

    ・その半分近くは、支援・協力があれば改善を進める意向がある。


    品質改善への取り組み

    品質改善への取り組み


    3.改善が進まぬ理由は、職場の関心、時間、知識・技能、施策立案力等の不足と職場内外の協力不足

    ・改善の取り組みが進まない理由は、「職場内の関心不足」がトップで3割強を占める。

    ・職場での「取り組む時間の不足」「改善策実施のための知識・技能不足」「改善策立案力不足」が僅差で続き、職場内外の協力不足も各約2割。


    改善が進んでいない理由

    改善が進んでいない理由


    4.管理職の4割が、改善を阻む一番の要因に「経営層の姿勢」に関連する経験を挙げる

    ・求められる品質実現のために「改善が進むと一番効果が大きいもの」として「経営層の姿勢」に関連する否定的な経験を挙げた管理職が4割に達している。

    ・「部門間連携」の経験と「管理職に改善余地」もある経験はともに2割前後であり、「経営層の姿勢」はこれらを大きく上回っている。


    改善を阻む一番の要因

    改善を阻む一番の要因


    5.自由回答でも、「品質に関する考え・優先順位」のズレ等、経営層に関連する言及が目立つ

    ・経営判断の背景は現場に見えにくく、実際の施策の動きや個別案件での判断から、従業員が「経営層の姿勢」を感じ取っている可能性がうかがえる。

    ・また、現場の管理職個人へのスキルアップ支援や仕組みの提供等の支援でも、一部は改善可能性があるものも見られる。管理職個人の改善意欲と尽力は前提にしつつも、品質保証部門や経営層の協力を得て進める方が早く進む可能性はある。


    ■主な自由回答

    (1)経営層の姿勢

    ・言葉では品質は全てにおいて優先する と言っているが、実際にはお金の方が大事な経営層が多く抜本的な対策を織り込めずその場凌ぎになってしまうケースが多い(生産・製造、部長クラス)

    ・納期、売上と品質がぶつかった時、きちんとトップ指示で品質を優先させるなら、そう明言する文化が育ってほしい。(開発、課長クラス)

    ・人材育成、スキルの習得には時間がかかるが、その期間と費用を費やしての投資対効果を経営層が甘く考えている。(開発、課長クラス)

    ・顧客要求を満足しないものを納品している。いざ改善しようとしても、開発業務に負荷が高いので皆手が回らない。(開発、課長クラス)

    ・過剰品質、過剰な検査項目の撲滅(生産・製造、部長クラス)

    ・なんでそうなったのか!この先どうするのだ!という尋問のような問い詰めがあり、悪い情報を上げにくい(開発、課長クラス)


    (2)部門間連携

    ・現場や営業部門で寄せられる声と、技術・生産部門の前提がかみ合っていないことが多く、部門を超えた情報共有やその仕組みを全社的に設定してほしい。営業部門と生産部門と開発部門が遠い。(営業、課長クラス)

    ・設計ミスの不具合を報告すると最初の回答が「製造作業員のスキル不足」でそのまま生産が続くため、事が大きくなり、対処に膨大な時間と費用がかかる事例を繰り返している。お粗末。(営業、一般社員)


    (3)管理職に改善余地

    ・品質に関する失敗例があまり共有されていない(開発、部長クラス)

    ・全体で協力して知恵を出し合う体制が整っていない。職場の雰囲気、特に上司の意識は大切(開発、部長クラス)



    6.品質問題発生への懸念は従業員の誇りや会社の将来認識に影響しており、品質は経営課題として位置づけを

    ・品質問題発生懸念がある層は、「会社の品質に誇りを持っている」「会社の将来は明るい」の割合が顕著に低い。

    ・品質問題発生懸念がない層が4割弱にとどまっている点について、日頃から「製造業では日常的に問題は発生し、対処しながら進んでいるので、今後の懸念がないとは言い難い。」という声を見聞きすることはある。しかし、上記より品質問題発生懸念の従業員のエンゲージメントへの影響が考えられ、雇用や離職への影響の可能性も考慮し、重要な経営課題として位置付ける必要がある。


    品質とエンゲージメント

    品質とエンゲージメント


    <株式会社日本能率協会総合研究所>

    株式会社日本能率協会総合研究所は、お客様の課題解決を使命とする日本能率協会グループの調査・研究機関として、専門性に裏打ちされた確かなリサーチを提供しています。民間企業や大学、公共機関のお客様に、インターネット調査、紙媒体(郵送・FAX)調査等、さまざまなリサーチを長年ご利用いただいております。

    所在地    : 東京都港区芝公園3-1-22 日本能率協会ビル5F

    代表取締役社長: 譲原 正昭

    設立日    : 1984年4月

    事業内容   : 官公庁の政策立案・計画立案のための調査研究、

             民間企業のマーケティング、コンサルティング、

             会員制のビジネス情報提供サービス

    URL      : https://www.jmar.co.jp


    ※本件の無料レポートをご希望の方は、以下よりお申し込みください。

    https://jmar-im.com/column_qm/qm05/



    <関連調査>

    本件の関連調査の無料レポートもご提供しています。

    ・2022年:「ESG時代の日本企業における品質意識とマネジメント」アンケート調査

    https://jmar-im.com/column_qm/qm01/

    対象  :上場企業の品質保証部門責任者

    多くの企業が品質マネジメントに取り組み、従業員の品質意識を重視しつつも、現状把握は十分ではない現状を提示


    ・2023年:「従業員の品質意識」アンケート調査

    https://jmar-im.com/column_qm/qm02/

    対象  :製造業の上場企業の生産・製造や開発現場で働く従業員(係長、一般社員)

    現場の従業員の品質意識の概況と、2022年調査との比較による品質保証部門責任者との認識の違い等を提示


    ・2024年:第2回「従業員の品質意識」アンケート調査

    https://jmar-im.com/column_qm/qm03/

    対象  :製造業の上場企業の生産・製造や開発現場で働く従業員(係長、一般社員)

    2023年調査を深掘りし、現場での品質リスクにつながる経験と品質問題、経営陣の品質に関する考えの影響等を提示


    ・2025年:第3回「従業員の品質意識」アンケート調査 ~現場に潜む品質不正~

    https://jmar-im.com/column_qm/qm04/

    対象  :製造業の上場企業で生産・製造、開発、営業のいずれかの部門で働く係長、一般社員 900人

    ※参考に営業部門100人も回収したが、分析対象は営業部門を除く800人(生産・製造、開発)

    品質問題の中でも品質不正に注目し、発生状況や不正が発生しやすい土壌等を提示

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