地方独立行政法人 神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター、公立大学法人 神奈川県立保健福祉大学、株式会社JMDCのロゴ

    地方独立行政法人 神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター、公立大学法人 神奈川県立保健福祉大学、株式会社JMDC

    神奈川県立がんセンター、神奈川県立保健福祉大学とJMDC、 リアルワールドデータでがん診療の最前線を解析、 診療現場へ還元する研究プロジェクトを開始

    ≪本リリースのポイント≫

    ■神奈川県立がんセンター、神奈川県立保健福祉大学及び株式会社JMDCは、リアルワールドデータを活用して、がん診療の現状の全体像や最新の治療効果、副作用の発現状況について解析することにより、今後の診療指針の最適化に貢献すると共に、医師を中心とした医療スタッフが、解析結果をがん診療における方針検討等に直接活用できることを目指した新たな研究プロジェクトを開始します*。


    ■免疫チェックポイント阻害薬をはじめとする新規薬剤の登場により、それらを組み合わせ、高い効果が期待できる複合的な薬物療法の開発が進展しています。本プロジェクトでは、リアルタイムに近い形でその治療効果や副作用を解析し、多方面でのデータ活用を促すことのできる仕組みを構築します。


    ■最終的にはがん患者個人、その家族、ひいては一般生活者がよりよいがん診療を受けるための取組を拡げていき、がん診療の質の向上に役立つサービス展開を目指します。

    *本研究プロジェクトは参加各施設の研究臨床審査委員会等での承認、実施許可を得て行われます。



    ≪本リリースの詳細≫

    1. 背景

    近年、新しいがん治療法が次々と登場しており、がん診療は急速に進化を遂げています。しかし、その一方で、実際の医療現場におけるがん診療の実態に基づいたフィードバックについては、既存の仕組みの中で症例データの蓄積が行われており、分析に活用することが念頭に置かれていないため、異なる組織で分散管理されている等の課題があります。また、がん診療に関するリアルワールドデータの分析は、データの標準化、個人情報の取り扱い、長期アウトカムの取得など様々な課題を含んでおり、現実のがん診療の現状把握と改善に資する大きな可能性があるにもかかわらず、現時点では有効に活用されているとは言い難い状況です。


    図表1. 本検討の全体像

    図表1. 本検討の全体像


    2. 概要

    今回のプロジェクトはこのような背景を踏まえ、リアルタイムに近い形でがん診療のデータを蓄積し、早期にフィードバックし、データそのものを早いサイクルでアップデートする仕組みを構築します。複数のデータを組み合わせ、テクノロジーや解析技術を用いることで、臨床現場へのフィードバック等の有効活用を可能にします。

    最新のデータサイエンス等を駆使して解析することによって明らかになる患者属性による奏効率や副作用発現の状況の違いといった情報をがん診療の質の向上や均てん化、医療資源の配分検討に役立てることを目指します。

    具体的には、下記のような内容に関して解析を実施します。

    ・化学療法を中心とする現実の診療状況(治療効果と副作用の発現状況等)

    ・診療ガイドラインにおいて推奨される標準治療が、現実にはどの程度履行され得るのか、履行が難しい状況はどんなものか

    ・標準治療の定まっていないがん種や特定の属性を持つ集団において、実際にはどのような治療が行われているのか、その結果はどのようになっているか


    図表2. 具体的検討テーマの例

    図表2. 具体的検討テーマの例


    3. 今後の展望

    まずは神奈川県立がんセンターのデータを中心にデータ解析を実施し、他の医療機関にも本プロジェクトの成果を横展開することにより、医療圏や都道府県単位のがん診療の実態を明らかにしていきます。現場との連携方法、すなわちどのように解析結果をフィードバックしデータを更新していくか等を構築していくことにより、データの持つ力を最大限活用し、最新のテクノロジーや解析技術を活用して患者が個々の状況に応じて最適な治療を受けることができるような取り組みへと繋げていくことを目指しています。

    さらに、その結果をもとにがん診療の質の向上に役立つ新たなサービスの開発につなげることを想定しており、がん患者さん個人、そのご家族、ひいては一般生活者の方々がより良いがん診療を受けられるような社会の実現に貢献していきます。


    図表3. 本検討で創出する価値

    図表3. 本検討で創出する価値


    ■本リリースに関するコメント

    神奈川県立がんセンター臨床研究所 がん予防・情報学部 部長

    神奈川県立保健福祉大学イノベーション政策研究センター センター長

    同          ヘルスイノベーション研究科 教授

    成松 宏人

    「私たちが今回活用を試みるデータは、本来現実のがん診療の状況を反映する貴重なデータであるにもかかわらず、真に有効に活用されているとは言い難い状況です。私たちの持つ疫学・データサイエンスの知見を活かし、これらのデータが持つ真の価値を臨床現場に還元していくことで、本研究での取り組みを、神奈川県、ひいては全国の医療機関におけるがん診療の質の向上につなげていきます。」


    株式会社JMDC 代表取締役社長兼CEO

    野口 亮

    「がん治療は日進月歩で進化していますが、実際の臨床現場でその治療実態の最新データを網羅的に把握することは容易ではありません。今回のプロジェクトは、まさにその障壁を乗り越える挑戦です。JMDCが有する日本最大規模のリアルワールドデータと解析技術を活用し、臨床現場に迅速にフィードバックすることで、患者さんが自分に合った治療をより安心して受けられる未来を実現していきます。」



    ■地方独立行政法人 神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター

    URL  : https://kcch.kanagawa-pho.jp/index.html

    代表者: 総長 古瀬 純司

    住所 : 神奈川県横浜市旭区中尾二丁目3番2号



    ■公立大学法人 神奈川県立保健福祉大学

    URL  : https://www.kuhs.ac.jp

    代表者: 理事長 大谷 泰夫

    住所 : 神奈川県横須賀市平成町一丁目10番1号



    ■株式会社JMDC

    URL  : https://www.jmdc.co.jp/

    代表者: 代表取締役社長兼CEO 野口 亮

    本社 : 東京都港区芝大門二丁目5番5号 住友芝大門ビル12階

    すべての画像

    図表1. 本検討の全体像
    図表2. 具体的検討テーマの例
    図表3. 本検討で創出する価値
    シェア
    FacebookTwitterLine

    配信企業へのお問い合わせ

    取材依頼・商品に対するお問い合わせはこちら。
    プレスリリース配信企業に直接連絡できます。

    地方独立行政法人 神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター、公立大学法人 神奈川県立保健福祉大学、株式会社JMDC

    地方独立行政法人 神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター、公立大学法人 神奈川県立保健福祉大学、株式会社JMDC