職場における「ほめる効果」に関するアンケート 調査結果(SR...

職場における「ほめる効果」に関するアンケート 調査結果(SRC自主調査004)

株式会社サーベイリサーチセンター(本社:東京都荒川区、代表取締役:藤澤 士朗)は、職場における「ほめる効果」について、インターネットリサーチモニターを対象としたアンケート調査を実施しました。

■調査の背景
新年度がスタートし、職場では新たなメンバーを迎え入れることが多いなか、特に管理職の方は「部下の育成方法」に悩む機会も増えていることが予想されます。
昨今、職場での従業員指導・育成のテーマにおいて「部下のほめ方」といった特集がたびたびメディアに取り上げられるようになり、また表彰制度など「ほめる仕組み」の導入は民間企業のみならず公共分野にも広がりをみせています。
そこで株式会社サーベイリサーチセンターでは、一般社団法人日本ほめる達人協会 西村 貴好理事長および同協会顧問 同志社大学政策学部 太田 肇教授(ワーク・モチベーション専門)の監修のもと、職場内での上司 - 部下間のコミュニケーション、特に「ほめる」ことが従業員のモチベーション向上に効果を与えるかについてアンケート調査を実施しました。


■調査の概要
調査対象  :日本全国の20~59歳の男女個人
       (民間企業の正社員および公務員の正規職員)
調査方法  :インターネット調査
       (インターネットリサーチモニターに対するクローズド調査)
調査内容  :職場でのコミュニケーション全般/人材育成・制度/
       就労意識・ストレス/ほめる・叱られることについて/
       直属の上司との関係/直属の部下との関係など
調査期間  :2014年3月27日(木)~4月3日(木)
有効回答  :665サンプル
回答者の構成:民間企業の正社員
        管理職(課長以上) 30~59歳 男女 124サンプル
        一般社員     20~59歳 男女 213サンプル
       公務員の正規職員
        管理職(係長以上) 30~59歳 男女 122サンプル
        一般職員     20~59歳 男女 206サンプル


■調査結果サマリー
<管理職・一般社員>
▼職場に表彰制度などの「ほめる仕組みがある」との回答は全体で4割、ほめる仕組みが「やる気の向上に効果あり」とする肯定的な回答は7割。

<一般社員(非管理職)>
▼「上司による部下の育成方法に満足」は4割にとどまっている。
▼「上司からほめられるとやる気が高まる」との回答は8割。とくに20代で高い傾向。「叱られるとやる気が高まる」の2割を大きく上回る。
▼「上司の行動や言葉でやる気が高まった」経験ありは6割弱。その内容は「ほめられた」が最多で「ほめられること」の重要さがうかがえる。
▼「上司にほめられた」人の6割強が、同時期に「同僚・後輩をほめた」としており、「ほめられた」経験は、周りを「ほめる」につながっていることがわかる。
▼「ほめられている人」のほうが、「挑戦意欲」「仕事への満足」「仕事への楽しみ」「自信」「誇り」が高く、自分自身にも肯定的。
▼「ほめられている人」のほうが、職場で感じるストレスが少ない。
▼「上司のほめ方に不満」を持つ人は4割弱。不満の理由は「口先だけでほめる」が最多。部下の行動をしっかり見た上で評価することがポイントといえる。

<管理職>
▼「部下の育成に自信なし」との回答が6割弱。30~40代女性管理職で高い傾向。
▼「部下をほめるとやる気が高まると思う」との回答は9割と高いものの、「部下をほめている方だと思う」との回答は7割弱で、年代によって顕著な差がみられる。40代男性管理職では半数以下にとどまる。
▼「部下をほめにくい」と7割弱が感じたことあり。その理由は「ほめる部分が見つからない」が最多。


■調査結果の概要
<管理職・一般社員 対象>
▼従業員の育成「積極的に取り組んでいる」わずか1割強
・従業員育成に「積極的に」取り組んでいる職場は12.3%にとどまり、「ある程度」取り組んでいる職場が48.7%と半数近くを占めています。
・「積極的に」と「ある程度」を合計すると、民間で56.1%、公務で66.2%と公務が上回っています。

▼表彰制度等の「ほめる仕組みがある」は4割、「やる気の向上に効果あり」は7割
・「努力や成果を表彰する仕組み・制度(社長賞、月間MVPなど)がある」職場は41.7%でした。民間で45.1%、公務で38.1%と、やや民間が上回っています。
・従業員育成に「積極的に」取り組んでいる職場では、69.5%がほめる仕組みを導入しています。
・表彰制度等のほめる仕組みが従業員のやる気の向上に「効果があると思う」(大いに+ある程度)という意見が71.9%を占めています。とくに、民間管理職で82.3%と高い結果でした。導入の有無による違いは、さほど見られませんでした。

<一般社員(非管理職) 対象>
▼上司との「業務上のコミュニケーション」「信頼関係」ある6割、しかし「育成方法に不満」6割
・「上司と業務においてコミュニケーションを取れている」(そう思う+ややそう思う)人は63.2%、「上司との信頼関係を築けている」人は60.6%と6割を超えていますが、「上司による部下の育成方法に満足している」人は39.6%と6割が不満をもっていることがわかりました。

▼「上司からほめられる方だと思う」は5割弱、1ヶ月以内に「ほめられた」は3割強
・「上司からほめられる方だと思う」(そう思う+ややそう思う)人は、47.5%でした。民間では43.7%、公務では51.5%であり、とくに20代公務では61.7%と高い結果でした。
・実際に1ヶ月以内に「上司からほめられた」経験がある人は33.7%でした。「上司からほめられる方だと思う」人のうち50.8%と半数は、1ヶ月以内に実際にほめられています。
・「上司からほめられる方だと思う」人では、「上司による部下の育成方法に満足」が54.3%と過半数でした。

▼「ほめられた経験」は周りに広がる。「上司にほめられた」人の6割強が「同僚・後輩をほめた」
・1ヶ月以内に「同僚・後輩をほめた」人は34.1%で、「上司からほめられた」割合よりわずかに高くなっています。1ヶ月以内に「上司からほめられた」人では63.1%が「同僚・後輩をほめた」としています。

▼「上司の行動や言葉でやる気が高まった」経験は6割弱、その内容は「ほめられた」が最多
・上司の行動や言葉で「やる気が高まった」と感じたことがある人は56.8%でした。
・「やる気が高まった」と感じた上司の行動や言葉を具体的に聞いたところ、上司から「ほめられた(認められた、評価された)」内容が半数以上と最多でした。次いで上司から「感謝された」、「任された」、上司の「激励」、「率先して動く姿勢」、「適切なアドバイス」、「部下への思いやり」などの内容が挙げられました。

▼「上司からほめられるとやる気が高まる」は8割、「叱られるとやる気が高まる」は2割
・「上司からほめられるとやる気が高まる」(高まる+やや高まる)人は80.7%でした。
・年代別にみると20代で高く、とくに20代公務では92.6%と高い結果となりました。
・一方、「上司から叱られるとやる気が高まる」人は22.0%にとどまっています。

▼ほめ方に注意!「上司のほめ方に不満」は4割弱、最多の理由は「口先だけでほめる」
・上司のほめ方の「満足度」(満足+やや満足)は63.2%。4割弱が不満を持っています。
・不満の理由(複数回答)は、上位から「口先だけでほめる」(40.9%)、「ほめない」(33.8%)、「公平にほめない」(27.3%)、「気まぐれにほめる」(24.7%)の順でした。

▼上司からもらってうれしい「ほめ言葉」は?
・どんな「ほめ言葉」を上司からもらえるとうれしいと思うかを尋ねたところ、
「『さすがだね』など、ちゃんとやっていることを見ていてくれたことがわかる言葉」(20代・女性・民間)
「ひとつの仕事の背景まで把握した上で、労いの言葉をもらえると嬉しい」(20代・女性・公務)
「工夫したことやその姿勢を認めてもらうような言葉」(30代・男性・公務)
といった、自分の行動をしっかり見た上での評価の言葉が多く挙げられました。
・また、自分が役に立っている・必要とされていることが分かる言葉や、感謝の言葉も多数みられました。
「役立っていると実感できる言葉」(20代・男性・民間)
「いかに自分が必要かを伝えられるとうれしい」(30代・女性・公務)
「やった事に対して気持ちがこもった『ありがとう』」(30代・女性・民間)

~『ほめられている人』と『ほめられていない人』のちがい~
「上司にほめられている方だと思うか」に対し、「そう思う」「まあそう思う」の47.5%を『ほめられている人』、「あまりそう思わない」「そう思わない」の52.5%を『ほめられていない人』として比較しました。

▼ほめられている人のほうが、「挑戦意欲」「仕事への満足」「仕事への楽しみ」「自信」「誇り」が高い
・仕事に対する意識42項目(※)について、5段階(5:まったくそのとおり~1:まったくちがう)のうち上位2段階を占める割合を比べると、すべての項目で『ほめられている人』に“プラスの結果”があらわれました。
・『ほめられている人』での割合が20ポイント以上上回る項目としては、「少々困難な目標でも挑戦したいと思う」(『ほめられている人』では51.8%、『ほめられていない人』では30.5%)、「仕事を効率的にこなせている」(54.8%、29.1%)、「会社(地域・住民)に役立っているという自信がある」(46.7%、21.4%)、「今の仕事に満足している」(38.2%、15.5%)などが挙げられます。
・「毎日、職場に行くのは楽しい」(34.2%、16.8%)、「自分の職業・職種に誇りを持っている」(40.2%、28.2%)といった項目においても、『ほめられている人』での割合が10ポイント以上上回っています。
※同志社大学政策学部・太田 肇教授「承認とモチベーション」(同文舘出版)より調査項目を使用させていただきました。

▼ほめられている人のほうが、自分自身にも肯定的
・自分に対する意識についても、「自分のことが好き」、「生まれてきてよかった」、「自分は社会の役に立つ人間である」、「自分に満足している」のすべての項目で『ほめられている人』における割合が『ほめられていない人』を20ポイント前後上回りました。仕事面のみならず自分自身にも肯定的であるといえます。

▼ほめられている人のほうが、職場で感じるストレスが少ない
・職場のさまざまなストレスについて、「非常にある」の割合を比べると、いずれも『ほめられていない人』のほうが上回りました。とくに「職場の人間関係に関するストレス」が「非常にある」割合は、『ほめられている人』で15.6%、『ほめられていない人』で31.8%と、15ポイント以上の差がみられます。

<管理職 対象>
▼「部下の育成に自信なし」6割弱
・「部下の育成方法に自信を持っている」(そう思う+ややそう思う)人は42.3%でした。6割弱が「自信なし」としています。
・「自信なし」の割合は、民間で53.2%、公務で62.3%と公務が上回っています。また、30~40代の女性で7割を超えています。

▼「部下をほめている方だと思う」7割弱、40代男性では半数以下
・「部下をほめている方だと思う」(そう思う+ややそう思う)人は67.9%でした。50代女性でもっとも高く79.1%、40代男性でもっとも低く48.8%となっています。
・また、「上司からほめられている方だと思う」(そう思う+ややそう思う)人は49.2%であり、「上司からほめられている方だと思う」人のうち76.8%が「部下をほめている方だと思う」としています。
・一方、「部下を叱っている方だと思う」(そう思う+ややそう思う)人は30.1%でした。30代・男性でもっとも高く41.3%、40代男性でもっとも低く23.3%となっています。

▼「自分の行動や言葉で部下のやる気が高まった」経験は7割弱、その内容は「ほめた」が最多
・自分の行動や言葉で、部下の「やる気が高まった」と感じたことがある人は68.7%でした。
・どのような行動や言葉だったかを具体的に聞いたところ、部下を「ほめた(認めた、評価した)」内容が6割弱と最多で、一般社員(非管理職)での結果と同様となりました。次いで部下に「感謝の言葉をかけた」、「適切・親身にアドバイスした」、「自ら動き見本を見せた」、「任せた」、「激励した」、「目標を明確化・共有した」などの内容が挙げられました。

▼「部下をほめるとやる気が高まる」は9割、「叱るとやる気が高まる」は3割強
・「ほめることで部下のやる気が高まる」(高まる+やや高まる)と考える人は91.1%でした。また、「叱ることで部下のやる気が高まる」(高まる+やや高まる)と考える人は32.5%でした。
・一般社員(非管理職)での「上司からほめられるとやる気が高まる」80.7%、「叱られるとやる気が高まる」22.0%と比べると、いずれも管理職での割合のほうが上回っていることがわかります。

▼「部下をほめにくい」は7割弱、最多の理由は「ほめる部分が見つからない」
・部下をほめにくいと感じたことがある人は68.3%でした。その理由(複数回答)は、「ほめる部分が見つからないから」(36.9%)「ほめるタイミングがつかめないから」(31.0%)、「調子に乗るのではないかと思うから」(28.0%)、「ほかの部下もいるため特定の部下をほめにくい」(27.4%)の順でした。

■添付資料
調査結果の詳細
http://www.atpress.ne.jp/releases/46425/att_46425_1.pdf

●調査結果を使用される際は、「サーベイリサーチセンターが実施」などとご記載ください。
無断転載・複製はご遠慮ください。

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