書籍『退職スイッチ:離職の裏にある8つの構造と15のトリガー』 2025年6月12日(木)発売
~退職の構造と引き金を可視化し、 経営・人事が組織改善に踏み出すための実践ガイド~
株式会社Workspace(本社:東京都新宿区、代表取締役:坂田 亮)は、社員の離職理由を「構造」と「スイッチ」で読み解き、組織改善と制度改革の起点となる書籍『退職スイッチ:離職の裏にある8つの構造と15のトリガー』を2025年6月12日(木)に発売しました。
本書は、退職という「結果」から、制度・評価・人間関係など組織内部の「構造的な課題」を読み解く視点を提供し、社員の定着施策や人事制度の再設計に役立つ実践書です。
近年、人的資本経営や従業員エンゲージメントへの関心が高まる一方、離職理由の本質が見逃され、表面的な分析で終わってしまうケースも少なくありません。企業の持続的な成長を支えるには、「辞めた理由」に真摯に向き合い、組織の構造に切り込む視点が欠かせません。
本書では、当社がこれまで実施してきた退職者ヒアリング分析の知見をベースに、退職要因を「8つの構造」と「15のスイッチ」に分類。制度や文化、関係性、キャリアなど、さまざまな組織的ひずみを可視化することで、離職の再発リスクを防ぎ、実効的な改善ステップへと導くことが可能です。
また、各構造やスイッチには実際のヒアリングで得られたケーススタディも収録。現場のリアルな声と、制度設計・マネジメント改善へのつながりを一貫して理解できる構成となっており、人事制度設計・定着戦略・評価制度見直しなど、幅広い場面で活用いただけます。
詳細・ご購入はこちら: https://www.amazon.co.jp/dp/B0FCWDMHRQ
退職スイッチ表紙
■本書の内容
本書は、社員が辞める「きっかけ」を単なる感情的な問題として処理せず、「構造」と「退職スイッチ」という2つの視点から、再現性のある組織改善アプローチへとつなげる実践書です。
「構造」:退職の背景にある8つの組織的ひずみ
退職理由を「人間関係」や「評価への不満」などの抽象的な分類ではなく、組織のどこにズレや歪みがあったかという構造レベルで整理。以下の8つの構造カテゴリをもとに、多様な離職理由を可視化できます。
1. 上司構造
マネジメントスタイルや信頼関係の崩壊。指導・責任・支援の質に関する問題。
2. 制度構造
評価・報酬・昇進制度の設計と運用が乖離している、納得感が得られない状態。
3. 役割構造
業務の曖昧さ、裁量のなさ、過剰な責任など、期待と実態のズレ。
4. 文化構造
組織の暗黙ルールや価値観に対する違和感、閉鎖性や属人性の強さなど。
5. 関係構造
上司以外の人間関係(同僚・他部署)での孤立・摩擦・無関心。
6. 働き方構造
労働時間、業務量、プライベートとの両立といった設計上のミスマッチ。
7. キャリア構造
成長実感の不足や昇進の見通しの不透明さ、目標とのギャップ。
8. 経営構造
会社の方向性・ビジョン・トップの意思決定に対する不信感や浸透不足。
退職事由の構造マップ
「退職スイッチ」:辞意を決定づける最後の一押し
構造的なゆがみが慢性的に存在しても、人はすぐに辞めません。多くの場合、「ある出来事」や「特定の瞬間」が引き金(スイッチ)となって辞意が決定されます。
本書では、こうした心理的スイッチを15の類型に整理しています。
例:
●尊敬喪失:信頼していた上司の言動に幻滅した瞬間
●機会損失:評価や異動の不透明さにより組織への信頼低下
●孤立感:心理的つながりの欠如により疎外感を感じる
●矛盾の放置:ミッションなどと実際の行動がかけ離れていると確信した瞬間
●否定の積み重ね:意見・成果の否定が続き、諦めが形成される
この「構造 × スイッチ」の掛け合わせで、単なる感情論ではない構造的な退職原因の特定と、改善の方向性を導き出すことが可能です。
本書は「辞めた理由」を分析するものですが、本質的には、「残り続ける理由」を再設計するための書です。人が組織に留まり、力を発揮し、意味を見出すには、評価制度や報酬体系だけでは足りません。
●組織の理念や想いが、行動計画や日々の言動として一貫しているか。
●掲げられたMISSIONが、現場の判断やふるまいに落とし込まれているか。
●VALUEが単なるスローガンではなく、制度・マネジメント・日常に浸透しているか。
この一貫性こそが、「辞めない理由」=「働き続ける意味」につながります。
多くの離職の背景には、言葉と現実の乖離、制度と運用のズレ、理念と現場のねじれが存在しています。それは単なる人事課題ではなく、組織全体の構造的な歪みに他なりません。
組織が「離職」に向き合うとは、すなわち「育成」や「定着」だけでなく、組織のあり方そのものを問い直すことだと、私たちは考えています。
「辞める理由」を他人事にせず、「残る理由」を他人任せにしない。
この本が、そんな問いを深める一冊になれば幸いです。
なお、当社では本書で紹介した分析モデルをもとに、組織の構造に踏み込んだ以下のような改革支援を提供しています。
●経営者の想いを形にする、理念言語化 × 人事制度設計コンサルティング
組織の根幹となるMISSION・VALUEを制度に接続し、言動と構造の一貫性をつくります。
●人事制度と連動した採用戦略・運用支援
等級・評価要件を基盤とした採用要件の明確化、選考プロセス設計、採用広報までを支援。
●人事制度を“絵に描いた餅”にしないマネジメント教育
評価者研修、1on1支援、即レス文化の定着など、制度を実行する現場マネジメント力を強化。
●管理部門を強化する業務構造改革・業務可視化支援
属人化・分断・過負荷を可視化し、持続可能な体制・仕組みづくりを支援します。
「退職理由」は、制度や仕組みの矛盾を教えてくれる重要なシグナルです。
そこから出発し、理念と仕組みがつながった組織をどう構築するか。
そのパートナーとして、ご一緒できれば幸いです。
【Webサイト】 https://work-space.studio.site/
【お問い合わせ】 sakata.ryo@w-s.info