GfK Japan調べ:2012年上半期 家電・IT市場動向

 ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長:藤林 義晃)は、2012年上半期の家電およびIT市場の販売動向を発表した*1。

【国内家電流通:商品構成比が大きく変化】
 アナログ停波から1年が経過し、家電量販店では売り場の再編が進み、商品構成が大きく変化した。家電販売金額全体に占めるAV商品の構成比は、2011年上半期は30~40%程度であったが、2012年第1四半期(1-3月期)では20%前後に縮小、6月には約15%となった。売り場では、前年まで存在感を示していたテレビに替わり、スマートフォンやタブレット端末、太陽光発電システムなど伸び盛りの商品が前面に押し出されている。


【薄型TV:販売台数は前年比59%減の480万台、大画面クラスが構成比を拡大】
 2012年上半期の薄型TVは480万台となった。前年上半期がエコポイント制度やアナログ停波により上半期としては過去最高の販売台数であった反動から、前年比では59%減となった。アナログ停波以降、大画面TVの構成比が拡大し、37インチ以上の数量構成比は前年の22%から28%に増加した。2007年から2010年にかけては、37インチ以上の数量構成比は30%超であったことから、大画面TVの更なる拡大が期待される。


【DVD/Blu-ray:アナログ停波の反動から、数量前年比31%減と縮小】
 プレーヤー・レコーダー合計で数量前年比31%減の348万台となった。市場の過半を占めるBlu-rayレコーダー(以下 BDレコーダー)は薄型TV同様、前年特需の反動により同37%減の194万台となった。BDレコーダーのHDD容量はトリプルチューナーやタイムシフト機能の搭載に伴い大容量化が進展。1TBクラスの数量構成比は前年から10%ポイント増加し20%に達した。


【パソコン:リテール市場は前年並み、リセラー市場は堅調な増加】
 市場全体では数量前年比3%増の802万台となった。リテール市場は数量前年比1%増となった。ノートPCは14インチ以上のスタンダードノートが引き続きけん引し、同4%増となった。一方で、デスクトップPCは地デジチューナー搭載ディスプレイ一体型の需要が一服したことからマイナス成長に転じた。平均価格は依然、下落傾向にあり、金額ベースでは前年比10%減となった。リセラー市場は数量前年比7%増を記録した。2014年のWindows XPのサポート終了に向け、企業におけるリプレース需要は堅調と見られる。平均価格は下落傾向にあるが、金額前年比は前年水準を維持した。


【タブレット端末(Webbooks *2):2倍超の市場拡大】
 市場全体では数量前年比2.5倍超の120万台規模となったと見られる。リテール市場をみると、家電量販店(インターネット販売含む)は、Wi-Fiモデル(3G/4G回線契約不要)がけん引し、数量前年比104%増の49万台となった。携帯電話専門店は、スマートフォンユーザーを対象とした端末代金や通信費の割り引きキャンペーンが奏功し、129%増の32万台となった。OS別では、選択肢の増えたAndroidの数量構成比が前年の34%から40%へ上昇した。


【デジタルカメラ:数量前年比4%減の452万台、ミラーレス一眼は大きく伸長】
 数量前年比4%減の452万台となった。コンパクトカメラは同8%減の371万台と、震災により販売が落ち込んだ2011年上半期の実績を更に下回った。一方、レンズ交換式カメラは同25%増の80万台となった。中でもシステムカメラ(ミラーレス一眼)は同83%増の35万台へ拡大、レンズ交換式カメラに占める数量構成比は44%に達した。平均価格は、コンパクトカメラ、レンズ交換式カメラ共にハイエンドモデルの販売が伸長した結果、下落に歯止めが掛かった。一眼レフカメラの平均価格は10%近く上昇した。


【携帯電話:スマートフォンが伸長するも、市場は横ばい】
 市場全体では前年並みの1,898万台となった。スマートフォンは数量前年比80%増の1,165万台となったが、市場全体の販売台数を押し上げるには至らなかった。携帯電話におけるスマートフォンの数量構成比は2011年通年の44%から61%へ増加した。2012年下半期からは、スマートフォン市場が拡大し始めた2010年から2年が経過し、2年割賦終了後のスマートフォンからスマートフォンへの買い替えが本格化すると予測される。画面サイズ別数量構成比を見ると、3.5~4.5インチが9割以上を占めた。4.6インチ以上は5%未満となったが、モデル数の増加に伴い構成比を増やしている。


【洗濯機:縦型、ドラム式ともに前年を上回り、市場は数量前年比4%のプラス成長】
 数量前年比4%増の275万台と、2010年・2011年に続くプラス成長となった。縦型は数量前年比4%増、ドラム式は同12%増となった。縦型の中でも、乾燥機能つきタイプ(全乾燥)は数量前年比14%増を記録した。タイプ別数量構成比は縦型が前年同期から1%ポイント減の83%、ドラム式が同1%ポイント増の13%、二槽式が4%となった。また、大容量クラスへの移行が見られ、洗濯容量8kg以上の数量構成比は前年同期から2%増加した。


【クリーナー:数量前年比1%増と3年連続のプラス成長】
 数量前年比1%増の390万台と3年連続のプラス成長となった。シリンダタイプ(キャニスタータイプ)は小型・軽量モデルがけん引するも、数量前年比2%減となった。ロボットタイプは同23%増、スティックタイプは同9%増、ハンディータイプは同7%増と、2台目需要や家事負担軽減ニーズなどを取り込み市場を拡大した。数量構成比はシリンダタイプが66%、ロボットタイプが3%、スティックタイプは15%、ハンディータイプが14%となった。


【ミキサー・フードプロセッサー*3:内食への関心が高まる中、二桁成長】
 市場全体で数量前年比26%増の129万台となった。内食・健康志向を背景に、料理グッズやレシピ本が注目を集め、またメーカー各社からの情報発信も増加した。ミキサーは数量前年比37%増、フードプロセッサーは同25%増、ハンドブレンダーは同26%増とそれぞれ前年を大きく上回ったが、ハンドミキサーは前年並みとなった。ハンドブレンダーは平均価格が約7,700円とミキサーやフードプロセッサーより高いが、利便性の高いキッチン家電として市場を拡大している。


*1 全国の有力家電・IT取扱店(家電量販店、地域家電店、総合量販店、カメラ専門店、携帯電話専門店、総合ネット通販 等)からPOSデータ等を収集し、統計的な手法に基づき全国市場規模相当に拡大推計しています。
*2 Webbooks(タブレット端末)定義:スマートフォンとネットブックの中間に位置する機器。タッチスクリーンを備えiOSやAndroidといったパソコンとは異なる軽量OSを搭載。
*3 食材を「混ぜる」「つぶす」「切る」「きざむ」「泡立てる」ために用いる調理家電。ミキサー・フードプロセッサー・ハンドミキサー・ハンドブレンダ―が該当。ジューサーは含まない。


ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社
URL: http://www.gfkrt.com/japan/


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