世界初、AI画像診断型CBMシステムを用いた清掃方式を商業施設に導入

    ~TBMからCBMへ、新たな清掃ワークフローを構築~

    その他
    2025年10月3日 14:00

    株式会社JR東日本環境アクセス(本社:東京都台東区、代表取締役社長:鈴木 均、以下JEA)と株式会社マクニカ(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:原 一将、以下マクニカ)は、JEAが掲げる「清掃を最適なタイミング・方法で行うCBMによる業務改革で、深刻化する労働力不足を打開する」というビジョンの実現に向け、JR東日本グループと3年以上にわたる共同検証を重ね、AI画像診断型CBM*1システム(以下CBMシステム)を開発しました。また、2025年10月1日より、JR千葉駅直結の駅ビル型商業施設「ペリエ千葉」にて、世界初*2となるCBMシステムを活用した革新的な清掃方式の実運用を開始したことをお知らせいたします。

    ペリエ千葉
    ペリエ千葉
    CBMシステムによる 品質評価イメージ
    CBMシステムによる 品質評価イメージ

    ■背景
    超高齢化社会が進む中、JEAをはじめとした清掃業界は、労働力不足という深刻な問題を抱えています。この問題は、清掃会社の事業継続が困難になるといった課題を抱えており、業界全体で新たな解決策が求められています。このような状況の中、マクニカは、JEAが提唱する「清掃を最適なタイミングで、最適な方法でメンテナンスするCBMに基づいた業務変革により、業界全体の課題を解決していく」考え方に深く共感し、2021年よりJEAとともに取り組みを開始しました。

    ■導入
    具体的には、床の定期清掃*3におけるCBMを実現するために、以下3つの取り組みに注力してきました。

    ①品質評価基準の策定:業界に存在しない清掃要否を決定するための評価基準を策定
    ②AI画像診断型CBMシステムの開発:スマートフォンで特定の床面を撮影すると、AIが熟練清掃員の「匠の目」と同等の精度で美観状態を判定するAI並びにシステムの開発
    ③新業務オペレーションの構築:データ取得から判断、清掃実施までを一貫して行う新たなオペレーションの確立

    3つの取り組みの結果、業界内では一般的なTBM(Time-Based Maintenance)から脱却し、AIによる客観的な評価に基づき最適なタイミングで清掃するCBMへと移行ができるようになり、品質を維持しつつ、労働力不足を抑制する仕組みを確立しました。
    商業施設、駅など、複数の施設において行われた検証では、CBMシステムのもと、汚れやすい場所の重点的な清掃や、新たなオペレーションでの運用などを通して、施設の美観維持が可能であることが証明されたため、この度のペリエ千葉への本格導入に至りました。

    ■運用
     現場清掃員が、一定の期間で所定の撮影場所の床を撮影し、CBMシステムで評価結果を確認します。撮影場所の評価結果が基準を下回った場合、評価結果をもとに実施計画を策定します。実施計画に基づき、対象エリアの清掃を実施します。

    ■今後
    CBMシステムに基づいた新たな業務オペレーションは、清掃会社の様々な技術の活用や創意工夫を促しつつ、人件費と比例したコスト体質から脱却し、サステイナブルな事業運営を実現する基盤となります。
    今後、JEAとマクニカは、「床清掃×定期清掃CBM」を先行して社会実装することで清掃の文化を変革しつつ、他の清掃業務にもCBMの考え方・技術を応用することにより、広範な社会課題の解決に貢献していきます。
    なお、このCBMシステムは、現在特許出願中であり、清掃業界における新たな標準とすることを目指しています。
    *1:CBM(Condition-Based Maintenance):状態基準保全の意味。継続的に監視し「状態」に応じてメンテナンスを行う保全方法。一方、TBM(Time-Based Maintenance)は時間基準保全の意味。一定「期間」ごとにメンテナンスを行う保全方法。清掃業界では、一定間隔で清掃作業を行い、美観を維持する清掃フローが主流。

    *2:マクニカ調べ

    *3:定期清掃:施設の衛生状態や美観を維持するために、中長期的な間隔で実施される清掃作業のこと。日々の清掃では対応しきれない床の洗浄やワックスがけ、カーペットのクリーニングなど、専門的な作業を含む場合が多く、施設の長期的な維持管理において重要な役割を担う。

    ※本文中に記載の社名及び製品名は、各社の商標または登録商標です。
    ※ニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご承知ください。

    <株式会社JR東日本環境アクセスについて>

    JR東日本環境アクセスは、JR東日本グループの一員として、駅舎・車両の清掃をはじめ、ホテルやオフィスビルなどの施設管理、環境衛生、警備、廃棄物収集運搬、リサイクル事業など、幅広いビルメンテナンスサービスを提供しています。
    1963年の設立以来、「快適な環境づくり」を使命に、鉄道利用者や施設利用者の安全・安心・清潔な空間の実現に取り組んでいます。

    <株式会社マクニカについて>

    マクニカは、半導体、サイバーセキュリティをコアとして、最新のテクノロジーをトータルに取り扱う、サービス・ソリューションカンパニーです。世界28か国/地域91拠点で事業を展開、50年以上の歴史の中で培った技術力とグローバルネットワークを活かし、AIやIoT、自動運転など最先端技術の発掘・提案・実装を手掛けています。
    マクニカについて:www.macnica.co.jp

    <導入施設について>

    ペリエ千葉は、2016年に千葉駅・駅ビル建替え計画により、都心に近く千葉ならではの豊かなライフスタイルを提案する、エキナカを含めた一体型商業施設として新たに開業しました。街のブランドを高める新たなサービス・顧客接点づくりと共に、駅を中心とした魅力あるまちづくりを推進して参ります。

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